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ここ1番で勝ち切る「DetonatioN FocusMe」!、「LJL 2019 Spring Split」の勝者が決す
世界大会「Mid-Season Invitational」にも期待
2019年4月14日 17:32
- 4月13日 開催
ライアットゲームズは、PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「League of Legends Japan League(LJL)」において、春季シーズン決勝戦「LJL 2019 Spring Split FINAL」を4月13日に開催した。
「LJL」は例年Spring Sprit(春季)とSummer Split(夏季)の2季制で実施されており、Spring Spritの勝者は「Mid-Season Invitational」、Summer Splitの勝者は「World Championship」という2つの世界大会に日本代表として出場することになる。
今年は吉本興業との提携によって会場がRed Bull Gaming Sphere Tokyoからヨシモト∞ホールに変更になったことを皮切りに、試合形式のBO3からBO1(2本先取から1本先取)への変更、2部リーグLJL CSの廃止に伴う8チーム制への移行などLJLにとって大きな変化を迎えた年となった。各チームも新たな年、新たなレギュレーションに向けてチームメンバーの補強や刷新などを行なっており、新たなスターの誕生や古参選手のプロ復帰など多数の話題を生んだほか、それによってチーム間の勢力図が塗り替えられるなど、見どころに満ちたシーズンであった。
さて、そんな中今季の決勝戦まで上り詰めたのは「DetonatioN FocusMe(以下、DFM)」と「Unsold StuffGaming(以下、USG)」の2チームだ。DFMは昨年2018年の夏季シーズンで優勝を飾って世界大会に出場。日本初となるプレイインステージ突破の快挙を成し遂げたチームだが、春季シーズンでもまさに王者の貫禄、20勝1敗というとんでもない戦績で1位を独走するなど、名実ともに日本最強のチームと言える。
対するUSGは春季シーズンにて12勝9敗という戦績で3位につけたチームだ。決勝に先駆けて行なわれた準決勝ではシーズン2位のCrest Gaming Actを3-0で下し、まさに破竹の勢いで決勝への舞台へと進んだ。奇しくもこのシーズン1位で待ち構えるDFMと準決勝を勝ち上がってきて王者に挑むUSGというカードは、2018年Summer Splitと全く同じ構図でもある。
会場はこの好カードを見逃すまいと現地に詰めかけたファンにより、立ち見もでるほどの大混雑。聞けばチケットは開始後わずか5分程で売り切れとなったということで、決勝戦は超満員の観客に見守られることとなった。
試合は速報の通り、DFMがUSGを抑え込んで3-0で勝利を決めた。DFMは個人技はもちろん、集団戦での動きが抜群に上手く、1度手にした有利を手放さない。さらにチーム単位での決断が早く、寄りの速さやフォーカスの合わせもほぼ完璧だったといえる。ただ、USGもやられっぱなしではなく、自分たちが有利なタイミングや局面で仕掛けていく積極性もあり、結果こそストレートにはなったものの両チームともに見せ場があって、試合は控えめに言って最高に面白かった。
1戦目は15分頃に発生したリフトヘラルド前の攻防で試合が決まった。先にヘラルドに手をかけたUSGに対し勝負を仕掛けるDFM、という形で始まった集団戦だが、DFM Ceros選手のリサンドラがUltでUSG Apamen選手のヨリックを捉え、DFM Steal選手のキンドレッド、DFM Evi選手のサイラスがフォーカスを合わせて一気に落とし切ってまずは1キル。USG Keymaker選手のアッシュがBOTからTPで駆けつけるも、DFM Gaeng選手もタム=ケンチのUltでYutapon選手とともに合流。すでに大勢が決していた上に人数差もつけて、結果4:1のキル交換となる。ここで得た有利を武器にDFMはマップ全域を支配していき、まずは1勝を挙げた。
続く2試合目は13分頃に発生したbotでの集団戦が転機となった。この試合ではDFMのTOP、Evi選手がレイトゲームに強いケイルをピックしたこともあり、早い段階からゲームを作っていきたいUSGはMidのDasher選手のロームに合わせ、botでやや強引に勝負を仕掛ける。しかし素早い判断でDFM Gaeng選手のタム=ケンチは「丸呑み」を使用してYutapon選手を救い、遅れて到着したCeros選手、Steal選手がやや前のめりになったUSGを挟撃するような展開に。
両チームのTop、Evi選手のケイルとApamen選手のケネンもTPで駆けつけ、集団戦は俄に5v5の様相を呈するが、Steal選手のキンドレッドの見事なUlt、そしてDFM Steal選手のタム=ケンチによる容赦ないタワー裏へのUlt&ダイブにより、14分の段階で5-0のエースを獲得する。一見やりすぎなようにも見える集団戦後のタワーダイブだったが、きっちりとタワーのターゲットを管理した立ち回りで1デッドすら許さなかったのは流石というほかない。この時点でゲームは大きくDFMに傾いた上、順調に育ったケイルはもはやは誰にも止められず、2戦目を決めた。
USGはここで吹っ切れたのか、3試合目ではこれまでとはやや構成を変え、MidのDasher選手はイレリア、Botはスウェイン&パイクという攻撃的なピックを選択。流れでいえばこのまま難なくDFMの勝利で終わってしまうかに思えたが、このピックが功を奏したか先程までとはうって変わったアグレッシブなプレイで有利を築く。
試合は終盤までもつれ込み、バロン前でも一見不利な集団戦をものの見事にひっくり返してDFMを撃退、バロンを獲得したり、エルダードラゴンやインヒビターなど、重要なオブジェクティブを次々抑える猛攻を見せた。最終局面ではDasher選手には10キル以上が集まり、USG Apamen選手のナーもDFM Evi選手のブラッドミアを1人で抑え込む。
この流れならあるいは……と思わされる展開だったが、勝利を目前にしたネクサスタワー前の戦闘で攻めきることができず、DFMがキルを獲得、さらに再び出現したエルダードラゴン前の集団戦ではUSGが先にDFM Evi選手を落とすことに成功するものの、DFM Gaeng選手のラカンの活躍によってフリーになったDFM Yutapon選手が火力を出し切りトリプルキルを獲得。この集団戦で勝負が決まった。
こうして3-0でDFMは春季の優勝をその手にし、日本一の称号と栄誉、そして5月1日より開催される「Mid-Season Invitational」への出場権を獲得した。実はこれまでDFMは春季シーズンにおいて、「シーズン中の成績はずば抜けているが、決勝で負けてしまう」という流れがここ数年続いていた。また、先の世界戦では北米の強豪「Cloud 9」を相手に勝利を目前にしながらも、最後の最後で逆転を許すという"詰めの甘さ"のようなものが課題としてあった中、ここ1番で勝ちをもぎ取ることができたのには非常に大きな価値があったように思える。
試合後のインタビューに応じてくれたDFMのKazuコーチは、やはり「世界戦での教訓が今日に生きた」と語りつつ、DFMに対して寄せられているファンの期待に応えられるよう、「Mid-Season Invitational」でも結果を残したいと力強く語ってくれた。世界の強豪が集う世界大会でも、シーズン中の華々しい活躍、そして決勝戦で見せた勝負強さを見せたDFMには、良い結果を期待せざるを得ない。
なお、「Mid-Season Invitational」はまだ少々先の開催となるが、来週4月19日にはヨシモト∞ホールにて合同トライアウト「スカウティング・グラウンズ」が開催される。これは今季から選手発掘の新たな試みとして行なわれる全チーム合同の選手選考会で、新たなプレーヤーたちが現役プロ選手と試合を行ない、その力を証明する舞台となる。こちらも来季のLJLにとっては重要なイベントになるのは間違いないので、LJLファンは見逃さないようにしたい。
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