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成し遂げた快挙と世界の壁。「LoL」日本代表DFM、健闘及ばず中国EDGの前にプレイインノックアウト敗退
2018年10月7日 08:13
ライアットゲームズが開催中のPC用MOBA「League of Legends(以下、LoL)」の世界大会「2018 World Championship(以下、WCS)」において、プレイインノックアウトの初日が10月6日に行なわれた。
日本代表として出場した「DetonatioN FocusMe(以下、DFM)」は、プレイインステージにおいてブラジル代表「KABUM! E-SPORTS(以下、KBM)」と北アメリカの「Cloud 9」を相手に、誰もが驚くような素晴らしいプレイと勝負強さを見せ、プレイインノックアウトへの進出というLeague of Legends Japan League(以下、LJL)史上初の快挙を成し遂げた。
プレイインノックアウトはプレイインステージで勝ち抜いた各グループの上位2チーム、計8チームによるBo5(3勝先取)で行なわれるもので、10月4日に行なわれた抽選の結果、DFMの対戦相手は中国代表「EDward Gaming(EDG)」に決定していた。
EDGは近年急速に力を付けつつある中国リーグ(LPL)において、現時点では「Royal Never Give Up」、「Invictus Gaming」に次ぐ3番手にあたるチームだ。端的に言って、プレイインノックアウトで当たりうる7チームのなかでは"最悪"の部類に入るような、非常に手強い相手であった。
……結果としては速報でお伝えした通り、DFMはEDG相手に0-3というスコアで完封負けを喫することとなり、プレイインノックアウトでの敗退が決定した。ここまでBANが続いていた、DFM必殺のピックとも言えるCeros選手の「ハイマーディンガー」、Evi選手の「カミール」などがオープンになり、いずれの試合も構成としてはベストに近いものだったように思えたが、それにしてもEDGは強すぎた。
1、2戦目を落とし、0-2と追い詰められて迎えた3戦目の序盤こそ善戦を見せたものの、試合を通じて全てのレーンが抑え込まれ、集団戦や視界、オブジェクティブの確保など、全てにおいてEDGが上回っていたことが傍目から見ていてもわかった。クジ運を恨んでも仕方のないことではあるが、DFMの勢いと実力から見て、もし相手がEDGでさえなければさらなる快挙、グループステージ進出の可能性もあっただけに本当に残念に思う。
しかし、何度でもお伝えしたいのは、DFMは今年、LJL史上で初めて世界大会で結果を残したということだ。初日のKBM戦での逆転勝利、C9をあと1歩まで追い詰めた戦いぶり。Day2において2連敗で迎えたここ1番、タイブレークでのある意味美しさすら感じるほどの鮮やかで完璧な勝利。
日本から応援に駆け付けたファンはもちろん、筆者を含む取材陣、現地韓国の実況・解説や観客、そして配信を見ている世界中の「LoL」プレーヤー達を次々に魅了しながら日本を代表して戦った彼らは、確かに世界にその爪痕を残したのだ。その姿は見る者の心を打った。
実際、筆者もDFMの試合にどんどん惹き込まれ、仕事として取材に来ていることを半ば忘れかけながら応援していたし、試合前のお約束「DFM、ファイティーン!」も全力で叫んだ。「LoL」はプレイするのはもちろん、eスポーツとして見ても最高に楽しめるタイトルであり、会場での熱気に当てられながら、勝利を願いながら見るDFMの試合の興奮はまさに「『LoL』を好きでいてよかった!」とまで思えるほど、文句なしに最高の体験だった。
今後、世界の壁をその身を持って体感したDFMはきっとその経験を血肉として、さらなる強さを見せてくれることだろう。そして彼らと戦うLJLのチームたちは、打倒DFMを目指してさらなる研鑽を積むことだろう。そしていずれはLJL代表が世界の強豪と並び、優勝を争う日が来るだろう。そんな夢の1歩を見せてくれたDFMには、心からの感謝と賛辞を送りたい。
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