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5名の選手が交渉へ!「LJL」、合同トライアウト「スカウティング・グラウンズ」のオフライン最終選考会を実施
2019年4月20日 09:30
- 4月20日 開催
ライアットゲームズは4月20日、PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)」の国内プロリーグ「League of Legends Japan League(LJL)」において、合同トライアウト「LJL 2019 スカウティング・グラウンズ」のオフライン最終選考会を開催した。
「スカウティング・グラウンズ」は今年2019年から新たに設けられた"プロへの登竜門"となるイベント。プロを目指す国内のプレーヤー40名が予選として5週に渡ってオンライン対戦を行ない、LJL参加チームのコーチ陣及びLJLキャスター陣からの評価を元に各ロール3名を選出。合計15名の選手を3チームに振り分け、LJLの会場でもあるヨシモト∞ホールにてオフライン選考を行なうというものだ。その中からコーチのコーチの目に留まった選手にはチームとの交渉の機会が与えられ、プロへの一歩を踏み出すことができる。
参加した選手たちは「TEAM INFERNAL」、「TEAM OCEAN」、「TEAM CLOUD」の3チームにランダムな組み合わせで振り分けられ、BO1での総当たり戦を行なった。最終選考会は無料で観戦が可能ということでおそらくは各選手の関係者や友人たちなどが会場を訪れており、これまでとのオンライン対戦とは違って「観客」がいる環境だ。しかも試合中はコーチたちが真後ろに立って観戦・評価しているということで、否応にも緊張せざるをえない環境であったといえる。
結果としては「TEAM INFERNAL」が2勝、「TEAM OCEAN」が2敗、「TEAM CLOUD」は1勝1敗となったが、コーチ陣が見ていたのは勝敗だけではない。1チーム対1チームで戦うという「LoL」のゲームルール上勝ちと負けが分かれるのは必然であり、それはプロでも同じだ。だからこそ必要なのは"その先"で、試合後のコーチ陣による講評を聞いていると「いかにチームとコミュニケーションを取れるか」、「状況を問わず声を出し続けることができるか」ということが最も重視されていたようだ。
つまりは自分の状況や相手ワードの位置、相手ジャングルの動きなどに加え、「チームとして勝利のためにどう動くべきか」というビジョンをチームに共有し続けることができるかどうか、というところが評価のポイントになったようだ。もっと言うとチームはランダムで決まった即席チームであり、短時間で自分たちの持てるピックなどの手札のなかから勝利のための戦略を立てるにはコミュニケーションが必要不可欠。最終選考会に残った15人の選手たちはオンライン予選で実力を示したからこそ40人の中から選ばれているわけで、コーチ陣が見ていたのはこうしたオンライン予選ではわからなかった部分でもあったようだ。
また、コーチ陣からは気になった選手に対して「他のチャンピオンは使えるか」、「他のロールはできるか」、「試合中に意識したことはなにか」といった1:1の質問も行なわれており、さながら面接を横から見ているかのような心持ちだった。プロチームが選手に対して何を求めるか、選手のどこを見ているのかというのはこれまであまり明かされることはなく、こうした部分を垣間見ることができるのも「スカウティング・グラウンズ」ならではであったと言えるだろう。個人的には質問の受け答えの態度や、コーチの話を聞く姿勢などでもプロ意識が現われるな、などと思って見ていたりした。
さて、こうして最終選考会は選手による試合とコーチ陣によるフィードバックを繰り返して進行していき、全ての試合が終わったのち、コーチに選手と交渉をするか否かが問われた。選手たちはオフライン会場のプレッシャーの中で素晴らしいパフォーマンスを見せていただけにその結果が気になるところであったが、Sengoku GamingとAXIZは交渉に進む意思があることを発表!名前が挙がった選手はトップのNemoh選手、ジャングルのlayor9選手及びYoshi選手、ミッドのEugeo選手、サポートのPooh選手の5名となった。もちろん今回決定したのはあくまで交渉の場を設けるかどうかであり、そのまま即採用&LJL出場というわけではないものと思われるが、新たなプロ候補生の誕生に会場からは大きな拍手が送られた。
なお、その他のチームは「交渉はしない」、「決済権がないので持ち帰って検討する」といった回答だったが、いずれのチームも気になる注目選手がいたようだ。中でも印象的だったのはDetoatioN Forcus Me(DFM)のKazuコーチの「我々の方から交渉はしない。自信があるなら是非DFMのトライアウトを受けに来てほしい」という回答で、日本最強チームならでは姿勢を感じさせた。
今回の「スカウティング・グラウンズ」では5名の選手がプロチームとの交渉に入り、新たなプロ候補生として歩みを進めた。今季からは2部リーグ「LJL Challenger Series」が廃止されたことでLJL全体のチーム数が減少しており、プロ選手の活躍の場、そしてアピールの場が減ってしまうのではないかという懸念もあったが、来季も「スカウティング・グラウンズ」を実施する予定だということで、今後はこうした合同トライアウトで選手の発掘を行なっていく方針のようだ。
選手はプロチームの門を直接叩くよりも低いハードルで広く自分の力をアピールすることができ、チームは注目選手が実際に試合を行なう姿を直接審査することができる。さらにLJLファンは次のスター選手になるかもしれないプレーヤーをいち早く発見することができる。「スカウティング・グラウンズ」にはメリットが多いように思えるが、一方でオフライン最終選考会で予定されていたプロチームとの試合が予告なくキャンセルされていたという初回ならではの運営上の問題があったり、実際のところLJLの8チームがスターティングメンバー以上の人数を育成する余裕があるのかどうかなどの懸念も残る。
「スカウティング・グラウンズ」は新たな取り組みであり、今後もより良い形に変化を続けていくことが予想される。「世界と戦える強いLJL」を作るためには既存プレーヤー・チームの強化はもとより、新規プレーヤーの獲得も課題となってくるだろう。来季以降の展開も注視していきたい。
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