【特別企画】
「聖剣伝説 VISIONS of MANA」先行プレイレポート。爽快かつ、クラスチェンジによる多彩なアクションでバトルが進化!
実に17年振り! ファン待望の完全新作
2024年3月28日 22:00
- 【聖剣伝説 VISIONS of MANA】
- 2024年夏 発売予定
- 価格:未定
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/PC用RPG「聖剣伝説 VISIONS of MANA」を2024年夏に発売する。
1作目は「ファイナルファンタジー外伝」という形で誕生した「聖剣伝説」シリーズ。「ファイナルファンタジー」のようなコマンドRPGではなく、戦闘はプレーヤーがキャラクターを動かして戦うアクションRPGシリーズだ。
「聖剣伝説」シリーズは今なお根強い人気のシリーズで、2020年にはシリーズ3作目のリメイク版「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」が、2021年には初代プレイステーションで発売された「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」のHDリマスター版がリリースされているが、リメイク作品やスマートフォンアプリ作品を除くと、完全新作が発売されるのは実に17年振りである。
弊誌では発売に先駆けて、本作の開発中のものを試遊できた。今回体験できたのはフィールド探索&戦闘パート、そしてボス戦パートの2つ。新要素であるセミオープンフィールドや精霊器によるアクションなど、プレイして見えてきたプレイフィールをお届けしよう。
セミオープンフィールドの世界はどこまでも広く、どこまでも快適!
本作のストーリーは、主人公の「ヴァル」が、火の御子に選ばれた「ヒナ」を護衛し、マナの樹を目指す旅に出る――というもの。世界観などは過去作と特に繋がりはないものの、自然が溢れる美しい世界は“まさに王道の「聖剣伝説」”といった、シリーズファンには馴染み深い雰囲気になっている。
パーティ構成は、御子を守る使命を持つ主人公の「ヴァル」、ドラゴンの様な少女「カリナ」と獣の耳が特徴的な「モートレア」の戦闘メンバー3人に加えて、サポートキャラクターである火の御子の「ヒナ」と、聖獣の子供「ラムコ」が同行する。
今作でもっとも特徴的なのは、セミオープンフィールドを採用している点だ。見渡す限りどこまでもフィールドが広がっている。ワールドマップを確認したところ、表示されていない未踏の地を含めてかなり広大な世界になっていそうだ。地の果てが見えない広大なフィールドを冒険するというゲーム性は、ゲーマーならば誰もが心躍るハズだ。
フィールドが広ければ広いほど楽しいが、ここで地味に重要になるのが“どれだけ快適にフィールドを駆け回れるのか”という部分だ。
セミオープンフィールドというゲームの性質上、目的地に向かうための長距離の移動は避けて通れない。この移動がストレスになってしまうとゲーム自体の面白さが損なわれてしまうといっても過言ではない。
そして結果から言ってしまうと、そんな不安は杞憂に終わった。キャラクターの動きは操作していて気持ちが良いほど軽快で、ダッシュや水中を泳ぐ速度は想像していた以上に速かった。
これだけですでに文句なしだったが、さらに移動を快適にする「ピックル」という仲間も存在する。フィールドで「きんこーんベル」というアイテムを使えば、いつでも何度でもピックルを呼び出し可能。ピックルの背に乗れば、生身で走るのとは比べ物にならない速度でフィールドを駆けることができる。
通常、フィールド上に存在するモンスターに接近すると戦闘に突入してしまうのだが、ピックルに乗った状態だとモンスターを吹き飛ばして煩わしい戦闘を拒否することもできる。非常に快適だ。
試遊版で行ける範囲で可能な限り遠いエリアまで長距離移動を試してみたが、モンスターを全無視したのもあって驚くほどあっという間に目的地に到着することができた。ストレスになりそうな要素をこれでもかと排除しているのがプレイしていて強く伝わってきた。
本作はただフィールドが広いだけではなく、その中にはいろいろな遊びが散りばめられているのも注目のポイントだ。
精霊の力を宿した「精霊器」という道具を特定の場所で使用することができ、様々なギミックを発動することができる。今回試せたのは風の精霊器と月の精霊器の2つ。
風の精霊器のジンブーメランは、フィールド上に上昇気流を発生させて大ジャンプができたり、岩を宙に浮かせて足場を作ることができる。本来行けない場所もこの力で進めるようになるのだ。
月の精霊器・ルナスフィアは時間を操ることができ、川を流れる流氷の速度を遅くして安全に渡れたり、周囲の時間を過去と現在に切り替えて道を切り開くなど使い方ができる。
ストーリー進行上で必要な場合のほかに、フィールド探索で使えば隠されたアイテムなどを見つけることもできる非常に面白い要素だ。精霊器は他にも用意されているので、どんな効果になっているのか気になるところ。
ただ本筋のストーリーを進めるだけでなく、横道にそれて宝箱を探したりサブクエストに挑戦するなど、プレーヤーのペースで自由に遊んでやり込める要素が満載なのも本作の魅力である。
進化したアクションで戦闘の楽しさが格段にアップ!
ここからは戦闘部分について触れていこう。前項でも少し述べたが、フィールドの至る所にモンスターが点在し、一定の距離まで近づくと戦闘に突入する。その場でシームレスに戦闘に入るテンポの良さはこれまでのシリーズ同様だ。
戦闘は3人のメンバーの中から1人を操作し、残りの2人とサポートキャラクターはオートで一緒に戦ってくれる。戦闘中は自由に操作キャラを変更することができ、状況によってキャラを使い分けるなどの戦略性もある。
基本の攻撃手段には通常攻撃と特殊攻撃があり、これらを組み合わせてのコンボやキャラクター固有の魔法などの特技を駆使して敵を蹴散らしていく。直近のタイトルである「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」を踏襲しているが、比べてみるとアクション性がかなり進化しているように感じた。
「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」ではジャンプ攻撃は宙に浮いている敵にしか使うことがほとんどなかった。しかし今作では特殊攻撃で敵を打ち上げてそのまま空中コンボに繋げるなんてこともでき、スタイリッシュなアクションが楽しめるようになった。
細かいポイントではあるのだが、攻撃時の武器を振る動きの重さやヒット時の重厚なSE、派手なエフェクトなどの特殊効果面もパワーアップしており、プレイしていて視覚と聴覚からも爽快感を感じられた。
試遊では通常攻撃が効きにくいモンスターとも遭遇し、そういった場面では魔法が有効になってくる。お馴染みのリングコマンドから選択して強力な魔法を繰り出すことができる。
筆者が遊んだバージョンでは仲間の2人がどんなときでも好き勝手に魔法を連発してしまい、必要な局面でMPが0でピンチという場面が結構あった。製品版では仲間の行動方針を自由に変更できるとのことなのでひとまず安心した。
先に触れた精霊器はフィールドだけではなく戦闘でも活躍する。風の精霊器は竜巻を起こして敵を拘束し、月の精霊器は敵の動きをスローにして味方の魔法詠唱時間を短縮させるという、どちらも戦いを大幅に有利にする効果がある。精霊器は連続では使用できないが、一定時間のクールタイムを挟むことで再び使えるようになる。消耗するものがないので筆者のような貧乏性には嬉しいポイントだ。
クラスチェンジの要素も存在する。今作のクラスチェンジは純粋にパワーアップというものではなく「ファイナルファンタジー」シリーズのジョブチェンジシステムのように、好きなタイミングで自由にクラスを変えることができる形式となっている。
クラスは精霊器を付け替えることでチェンジでき、精霊器は各属性につき1つしか存在しないので3人とも同じクラスで編成ということはできない。
クラスチェンジで具体的に何が変わるのかというとクラスによって武器が変化する。ヴァルの場合だとルーンナイトのクラスでは大剣、イージスのクラスではランスと盾を装備といったように装備が大きく変わる。それにともなって攻撃アクションもガラリと様変わりする。
初めは精霊器によって武器やアクションが固定されているものかと思ったのだが、これがなんと同じ精霊器でも使うキャラクターによってクラスと武器が全く異なる仕様となっていたのだ。1つの精霊器につきキャラクター分のクラスがあり、それぞれ異なる武器とアクションが用意されているのはかなりの力の入れ具合を感じる。
敵によって相性の良いクラスを使っていく戦略性の高さ、そして豊富な武器やアクションで戦闘をマンネリ化させない工夫はさすがの一言である。
試遊のバージョンでは最後にボス戦が待ち受けていた。相手はシリーズ序盤ボスでお馴染みの「マンティスアント」。しばらく見ないうちにかなり迫力のあるビジュアルになっていた。
ボスモンスターだけあってザコ敵とは比べ物にならないほどHPが高い。もちろん攻撃力も高いのでボスの攻撃は絶対に食らいたくはない。ボスが繰り出す強力な攻撃は、発生前に攻撃範囲が赤くマーキングされるので、見えたら回避アクションを駆使して攻撃をかわしながら戦うのが重要になる。
防御力もかなり高く通常攻撃では微々たるダメージしか通らない。戦闘中にキャラクターをチェンジしていろいろな特技を試すことで弱点を探り当て、有効な攻撃を軸に立ち回ることで戦いを有利に運んで撃破することができた。
ボス戦はがむしゃらに攻撃を連打しているだけでは勝てない、骨太のアクションゲームのような爽快感と緊張感があってかなり熱くなれるゲームバランスであった。
「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」でもアクションがだいぶパワーアップしていると感動したが、本作はそれを優に超えるレベルまで進化していた。アクションRPGで単調になりがちな戦闘部分を、爽快かつクラスチェンジによる豊富なアクションでプレーヤーを楽しませてくれる作りはさすがである。
今回の試遊ではストーリー部分は一切なかったが、御子の護衛をしてマナの樹を目指すという物語の中でどんな展開が待っているのかも気になるところである。
(C) SQUARE ENIX