【特別企画】

「C4 LAN」に初参加! 国内最大級のLANパーティーの楽しさはゲーマーとして「自由」であること

【C4 LAN 2023 SPRING】

4月28日~4月30日 開催

会場:静岡県静岡市「ツインメッセ静岡」

 C4 LAN実行委員会(ニチカレ主催)は4月28日より4月30日にかけて、日本最大級のLANパーティーイベント「C4 LAN 2023 SPRING」をツインメッセ静岡にて開催した。

 LANパーティーとは、参加者がPCを持ち込んで1カ所に集い、ゲームをプレイする欧米発祥のゲームカルチャー。元々はPCゲームコミュニティが起源となっているが、現在では「ゲーム」と名の付くものなら何でも持ち込めるイベントとなっており、実際「C4 LAN」ではPCだけでなくプレイステーション 5などのゲームハードをはじめ、ボードゲームといった多ジャンルのゲームが持ち込まれていた。

 「C4 LAN 2023 SPRING」は3日間、計48時間オールナイトでの開催。有料のPC持ち込みエリア(BYOC席)に加え、無料スペースではRTAイベント「RTA in Japan ex #2」や、プロゲーマーのぼんちゃん選手と「ストリートファイター6」の対戦が行なえる「BONCHAN’s ROAD TRIP RETURNS」等のイベントが開催された他、スポンサーブースや開催地静岡の物産展等が展開されていた。

 そんな「C4 LAN 2023 SPRING」に足を運んだ筆者は、LANパーティーに参加すること自体今回が初となる。特定ゲームタイトルの大会や、大規模な発表会とは異なるユーザー参加を主軸としたイベントにどのような楽しみがあるのかは未知数だった。

 しかし、いざ参加してみると、本イベントならではの異空間のような雰囲気や独特の一体感が生む盛り上がりを楽しむことができたので、本レポートでお伝えしていこう。

静岡は 日本における初のLANパーティー「熱海」が行われた場所でもある
各地からゲーマーがデバイスを持ち込んだ

好きなようにゲームを楽しんでいるだけで生まれる謎の一体感!

 会場では無料スペースの奥に有料スペースがあったのだが、そこに足を踏み入れた瞬間見たことがない空間が広がっていた。大量のゲーミングデバイスが存在し、多くのゲーマーが各々の楽しみ方でゲームをプレイしている。プレイされていたゲームは多種多様で、FPSである「VALORANT」や「Apex Legends」といった人気タイトルを筆頭に、MOBA「リーグ・オブ・レジェンド」やRPG「原神」、格闘ゲームやインディーゲーム、中にはファミコンやドリームキャストといったレトロゲームを持ち込んでプレイしている人も見られた。

BYOC席に入った瞬間にわかったことは、ここがゲーマーのための空間だということ。参加者は自分が持ち寄ったデバイスを広げ、好きなようにゲームを楽しんでいた
子供の頃は誰かの家に集まって、こんな風に「スマブラ」遊んでいたことを思い出す

 プレイスタイルも様々で、1人でもくもくとプレイしている人もいれば、会場にいない友人と通話しながらプレイしている人もいる。1つの机に複数人で集まって「スマブラ」をワイワイ楽しんでいるグループや、人のプレイを見ている参加者のほか、複数人で隣り合った席を確保し、それぞれのPC上でボイスチャットをしながらオンラインゲームを遊んでいる人もいる。

 ストリーミング配信をしながらゲームを楽しんでいる人がいるかと思えば、別の席ではその配信をサイドモニターで流しながらゲームをプレイしている人もいた。こんな風に、ちょっと会場を歩くだけで十人十色のスタイルでゲームを楽しんでいるのが感じられ、本イベントがそのままの意味で「自由にゲームを楽しめる空間」なのだと理解できた。

デスクの上に自分の好きなものを置いてゲームをプレイしたり、レトロゲームをプレイしたりといった風に、各々が好きなスタイルでゲームを楽しんでいた。ボードゲームを楽しむ人も

 来場者に何人かインタビューをしたところ参加動機も様々だった。友人や、普段ゲームを一緒にプレイしている仲間と集まるといったオフ会のような目的で来場した人もいれば、自慢のゲーミングデバイスを見せたいからという人、好きなマイナーゲームをプレイしているところを見てもらい、面白さを知ってもらうために参加したという来場者もいた。

 昨今では、SNSやDiscord等の普及でネット上にコミュニティを作りやすくなったことも相まって、顔は見たことはないが毎日のようにゲームする仲間がいる人も少なくない。そんな仲間とリアルな場所に集まって、いつもと同じようにゲームを楽しむことができるのも本イベントの楽しみ方の1つだ。

隣り合って同じゲームを遊んだり、1つのテーブルに複数人が集まってワイワイ楽しんだりと、集まり方もそれぞれだ

 普段愛用している自慢のゲーミングデバイスを他の人に見せたり、誰かのゲーミングデバイスを間近で見れたりするのも本イベントならではの体験だ。会場にレーシングシートを持ち込んでいる人や、百万円以上をかけたという自作PCを持ち込んだという人もいて驚かされた。お互いのデバイスを紹介し合う人も少なくなく、取材に協力していただいた方は皆、愛用のデバイスについて話すときはとてもイキイキとしていて、聞いているこちらも楽しくなった。

スタイリッシュなゲーミングPC。薄暗い会場で一際輝いていた
PCより巨大なモデルを配置する人も。圧巻だ
自宅でも使用するというレーシングシート。多くの人の目を引いていた
アバターをモチーフにしたこだわりのゲーミングPCも

 また、有料スペースのステージ上ではイベントが開催されていた。プロゲーマーを招いたイベントや、来場者がゲームで対戦するイベントなど様々で、Twitchにて配信も行なわれており、ステージから距離のある席では配信を見ている参加者も少なくなかった。

 来場者参加型のイベントは参加するもしないも自由だし、そもそもイベントを観覧することもなくゲームを黙々とプレイし続ける参加者も多い。だがステージ上で何かが起こり歓声が沸くと、モニターから目を離しててゲームを一瞬中断する光景もあり、イベントが会場に緩い一体感を生み出しているように感じた。

来場者参加型のイベントでは勝者にガチャガチャで出た商品をプレゼントしていた
来場者にはピザが振舞われ、長蛇の列ができていた
無料スペースではプロゲーマーのぼんちゃん選手と対戦できる「BONCHAN’s ROAD TRIP RETURNS」や「RTA in Japan ex #2」など様々なイベントが行なわれていた
開催地である静岡の物産展も展開していた

深夜に感じるC4 LANの魅力=「ゲーマーとして自由に過ごす」こと

 「C4 LAN」は48時間ぶっ通しで開催される。筆者が訪れたのは2日目の夜ということもあって、参加者の中にはデバイスを片付けて帰宅する人や、明日に備えてホテルに戻る人もいたが、会場で一夜を過ごす人も少なくなかった。

 ゲームをプレイし続ける人はもちろん、ゲーミングチェアのリクライニングを倒して眠りにつく人や、仲間とeスポーツ観戦を楽しむ人、会場に準備されていたボードゲームを仲間と楽しむ人など夜の過ごし方も様々だ。隣で仲間が爆睡している横で黙々とゲームを続けている人の姿を横目で眺めるような経験は、LANパーティーでしかできないだろう。

深夜の光景。ゲームをプレイし続ける人から疲れて眠る人まで様々だ

 筆者は、この深夜の光景が本イベントを象徴しているように感じた。「C4 LAN」には大会の観戦や、とあるゲームタイトルのファンが集うといった、明確な目的が存在しない。参加者は自由にゲームを持ち込んで楽しんでいるだけで、特別な何かを求める必要はない。ゲームをプレイしてもいいし、人のプレイを眺めているだけでもいい。なんならゲームをプレイせずに寝てしまっても構わない。こんな風にゲームを中心に集まった人が、普段通りに「ゲーマーとして自由に過ごす」ことを楽しむというのが、「C4 LAN」の本質なのではないだろうか。

 こうして考えてみると、本イベントに持ち込んでいるのは愛用しているゲームデバイスだけでなく、ゲーマーとしての“日常”なのではないかと思う。“日常”を各々が持ち込むことで起きる小さな化学反応を味わい、楽しめるイベント。「自由にゲームを楽しむ」というのはいつもの日常と変わらないが、周囲に見知らぬゲーマーがいるというだけで、いつもとは異なる非日常感を味わえる。その非日常感も千差万別で、参加者毎に全く異なる楽しみ方ができるというのも本イベントならではの体験だろう。

 なお筆者は、他の参加者がゲーマーである事以外何もわからないにも関わらず、全員がゲーマーであるということだけで、妙な安心感を抱くことができた。こうした弱い繋がりを感じられることも、「C4 LAN」の楽しみかたの1つなのだろう。

23時頃、ミッドナイトイベントとして水着のキャラは誰なのかを当てる「ちょっと大人のイベント」が開催されていた

 余談になるが、筆者は静岡県出身で、会場であるツインメッセは出身大学&当時住んでいたアパートにも近かった。何かと思い出深い場所だったのだが、本イベントで大学時代の友人とまさかの再会。寝ずに本稿を執筆する合間、徹夜でボードゲームをやり続けるという彼らに混じって夜を過ごした。午前3時頃、夜食を買いに皆でコンビニへと向かう道中で学生時代を思い出した。徹夜で重たいボードゲームをやったり、格闘ゲームで対戦したり、麻雀をして、疲れを引き摺りながらコンビニにカップ麺と栄養ドリンクを買いに行った10年以上前の日々を追体験できるとは思わなかった。筆者のように、誰かとリアルな場所でゲームを楽しんだ青春を思い出す来場者も少なくないだろう。

 また、その友人が本イベントで知り合ったという人とも交流することができた。こうした人との出会いも本イベントの楽しみ方(因みに知り合った方の中には母校の在学生もいた)。その一方で、誰とも話さず、普段とは異なる環境でゲームをし続けるという楽しみ方もできる自由さが、本イベントの良さではないだろうか。

会場には来場者からの寄せ書きが設置されていた。こちらも自由な書き込みが目立つ

 今回は有料ブースを借りることができなかったが、次回以降は友人と一緒にゲーミングPCを持参して参加したいと思っている。本イベントでしか味わえない独特の雰囲気や楽しみがあるので、気になる方は是非、次回以降足を運んでみてほしい。有料エリアにはテーブルを借りたり、デバイスを持ち込まなくても入場可能なので、敷居も高くない。

 また、LANパーティーは日本ではまだ認知が低いイベントだが、ゲーマー同士が繋がりやすくなった今だからこそ、こうしたイベントが今後拡大することには期待したい。