【特別企画】
「スターオーシャン6」先行プレイレポート
ストーリーもバトルも、文句なしの最高レベル。絶対的な安心感のある仕上がりに、満足のひとこと!
2022年9月12日 00:00
- 【スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE】
- 10月27日 発売予定
- 価格 通常版:8,778円
- DIGITAL DELAXE EDITION:11,858円
- LIMITED EDITION:18,000円
10月27日にスクウェア・エニックスから発売予定の「スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE」(以下、「SO6」)は、開発トライエースによる「スターオーシャン」シリーズ25周年記念作品だ。
シナリオはトライエースの五反田義治氏をはじめ、「スターオーシャンアナムネシス」(以下、「SOA」)第二章以降の脚本を担当した小説家の和ヶ原聡司氏、小説家の更伊俊介氏らが参加し、さらにはキャラクターデザインにあきまん氏、梶本ユキヒロ氏、音楽に桜庭統氏と、豪華メンバーで贈る、まさに“25周年記念作品”に相応しい内容となっている。
「スターオーシャン」(以下、「SO」)は1996年に第1作が発売され、現在までにナンバリング5作の他、外伝として「スターオーシャン ブルースフィア」、前述のスマートフォンタイトル「SOA」が制作されている。
シリーズの一番の魅力は、SFとファンタジーの合体だ。「星の海」を駆け巡るSFと、中世らしさを彷彿させる従来のファンタジーらしさが融合したストーリーは非常に壮大で、プレイしていて飽きさせない世界観となっている。
さらにもうひとつの魅力として、簡単な操作なのに、それでいて本格的なアクションバトルが楽しめる点がある。筆者は「バトルが楽しいゲームは絶対に面白い」という持論があるのだが、「SO」シリーズはまさにこの言葉を体現しているタイトルだと言って差し支えない。
さて、本稿では、そんな「SO」シリーズの最新作である「SO6」のゲーム序盤をプレイしてのファーストインプレッションをお届けしよう。ストーリーの決定的なネタバレには触れていないものの、一部公式サイトでプロローグとして公開されている部分や、そこに付随する多少の進行、すでに公開されているキャラクターなどについては触れる部分もあるため、ご注意願いたい。もちろん筆者が推したいバトルについても紹介していく。
また、本作はプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/XboxOne/PC(Steam)とマルチプラットフォームで展開されるが、本稿ではPC版をプレイしている。
プロローグは”いつもの「SO」”だが、これが絶対の安心感を産む
さて、まずは本作のプロローグと共に、本作の歴史を紹介したい。
「SO6」は宇宙歴583年の銀河系が舞台。本シリーズを時系列順に並べると、宇宙歴10年が、「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」(SO4)、宇宙歴346年が「スターオーシャン」(SO1)、宇宙歴366年が「スターオーシャン セカンドストーリー」(SO2)、宇宙歴368年が「スターオーシャン ブルースフィア」(SOBS)、宇宙歴537年が「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」(SO5)、宇宙歴539年が「スターオーシャン アナムネシス」(SOA)、宇宙歴583年が「スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE」(SO6)、宇宙歴772年が「スターオーシャン Till the End of Time」(SO3)、となっている。つまり、本作は昨年サービス終了した「SOA」よりも、約50年ほど後の物語だということだ。
「SO」シリーズは一作一作は独立した内容となっているが、過去作を知っていればより一層楽しめるような仕掛けがあちこちにある。例えば本作のプロローグで主人公のレイモンドが銀河連邦きっての名家「ケニー一族」の乗る戦闘専用艦アストリアから襲撃を受けるのだが、この「ケニー一族」とは、「SO1」で登場するロニキス・J・ケニーや、「SO2」の主人公でロニキスの息子であるクロード・C・ケニーら、銀河連邦の英雄を産んできた一族のことだ。
このように「知っていればもっと楽しめる」のが「SO」シリーズの特徴のひとつではあるのだが、個人的に(「SO6」はまだ序盤のみのプレイなので不明ではあるが)過去作の履修は必須ではないと考えている。「SO6」も、そういった過去作との絡みはこの先にもあるのだと思うが、これまでのシリーズを遊んできて突然「過去作の履修が必須」という内容にはなっていないだろうという前提で、話を進めたい。
「SO」シリーズの中心にあるのは、主星を地球とした「銀河連邦」という組織だ。時代が進むにつれて、支配領域を拡充。宇宙暦772年(SO3)では、銀河系内の1/3を支配しており、銀河連邦に属さない星の危機もその名で救ってきたという、過去がある。
銀河連邦に属さない先進惑星ベグアルドを出発した輸送艦イーダスの船長であるレイモンド・ローレンスは、前述の通り「ケニー一族」の乗る戦闘専用艦アストリアから襲撃を受け、辺境の未開惑星アスター星系第4惑星へ退避することとなる。そして、着陸したレイモンドを襲ってきた魔物から彼を助けたのが、もうひとりの主人公であるオーシディアス王国の第一王女、レティシア・オーシディアスだった。
レティシアは自国の危機を救うため、空から降ってきたレイモンドに助力を求め、レイモンドは同じ惑星に不時着しているはずの仲間を探すことを条件に、レティシアに協力することとなる。
……という、このプロローグは、非常に「SO」シリーズらしい始まり方だ。今回筆者は主人公にレイモンドを選んでいるため、レイモンドの視点からのスタートとなった。シリーズらしくないところを強いて挙げるならば、レイモンドは銀河連邦に属さない商人という立場のせいか、未開惑星保護条約(一定の水準に達していない文明に対する接触を制限する法)を全く振りかざさないところくらいである。
何らかのトラブルで未開惑星に不時着して、未開惑星のトラブルに巻き込まれていくという”いつもの”「SO」シリーズである安心感とでも言えばいいのか、それはファンにしてみたら懐かしさにも似た感情を覚え、本作から新たに触れる層にとっては「SFとファンタジーの融合とはこういうことなのか」という新鮮さを感じられるだろう。
テンポよく進んでいくストーリーに引き込まれる
そんなこんなでレティシアの事情に巻き込まれていくレイモンドだが、本作はとにかくストーリーのテンポがいい。次から次へとイベントが進んでいき、マップの移動中にもキャラクター同士が様々な会話を交わすこともあって、とにかく「常にイベントを見ている」という状態に近い。だからといって、いわゆるムービーゲーなわけではない。イベントは多くはあるが、とにかく移動、イベント、バトル、移動、バトル、イベント……というテンポ感が非常によく、プレーヤーを飽きさせることがないのだ。
一度訪れたこともあるエリアへのファストトラベルのあるのだが、ファストトラベルを使ってしまうと移動中の会話もスキップされてしまうため、もったいないと感じてしまう。それよりもきちんと自分の足で歩いて、移動と会話の両方を楽しみながらプレイしたいと思わせるゲーム作りになっており、とにかく「早く次のイベントが見たい」と前のめりになってプレイしてしまうような面白さだ。
また、各エリアでの特色なども非常に良く、景色を見ているだけでも楽しさがある。
シナリオ面に関しては、「SOA」で和ヶ原氏が参加してからのシナリオのクオリティが高すぎたゆえに心配はしていなかったのだが、本作でも非常にハイクオリティなシナリオが楽しめると思って良さそうだ。シリーズファン層が多かった「SOA」では、シナリオもシリーズファンに向けた内容が際立っていたが、少なくとも序盤をプレイした限りでは「SOA」とは違い、あくまで”新たな「スターオーシャン」”という立ち位置でのシナリオ作りとなっていることも感じさせられ、新規層がおいてきぼりになる不安感もなかった。
また、本作では、銀河連邦に属さないというレイモンドの立ち位置が非常にいい。
というのも、前述の通り銀河連邦に属しているとすぐ二言目には「未開惑星保護条約が」となるし、これはこれでシリーズファンお馴染みのものではあるが、新規層にしてみたら「未開惑星保護条約とは?」と、はてなマークが浮かんでしまうところだろう。しかしレイモンドはあくまで自身が空の向こう(宇宙)から訪れた人間として、とてもフラットにレティシアに接している。
主人公にレティシアを選んでいた場合、もしかしたらこちらが思っている以上にフラットには捉えられていない可能性もなくはないのだが、今回はあくまでレイモンド側から見たストーリーとして、そう捉えてもらえれば幸いだ。
また、本作のテンポを非常に上げてくれているのに一役買っているのが、レイモンドが運んでいた積み荷から出てきた謎の存在「DUMA」だ。
特にDUMAによる空中高速移動は、本作の広大なマップを移動するのに欠かせない。
この空中高速移動は広いマップをショートカットすることにも使えるし、もちろん地上からではパッと見でわからないような宝箱などのアイテムを探索することにも使用するのだが、とにかく快適すぎて、ついつい多用してしまう。
とはいえ、空中高速移動ができる秒数自体はほんの2〜3秒ほどと、実は非常に短い。移動で使用する場合はどちらかというと、高いところから一気に飛ばして、あとは滑空で降りてゆくような使い方が主だろう。街でも使用できたり、高いところにも一気に登れるとあって、ストレスなく移動ができる。
このような、”ストーリーだけに限らないテンポの良さ”によって、「SO6」はプレーヤーを飽きさせず遊ばせることに注力しているのだろうと感じた。
バトルが面白いゲームは面白い
冒頭でも述べたが、「バトルが面白いゲームは絶対に面白い」が筆者の持論であり、「SO」シリーズはそれをこれまで全ての作品で示してきてくれていた。だが、「SO6」ではそこからさらに一歩進んだ新たなアクションバトルを楽しむことができる。
本作も「SO5」から引き続きシームレスバトルとなっており、フィールド上でモンスターとエンカウントするとそのままバトルとなるのだが、バトルシステムとしてはバトルフィールドが独立していた頃のシンボルエンカウント時代の「SO」シリーズとほぼ同じだと言っていいだろう。バトル中のスキル使用にはAPが必要で、APは時間経過で自然回復。またAPはバトル中で特定の条件を満たすことにより、最大APが増加することもあるようだ。
バトル時にも再び活躍するのがDUMA。遠くの敵に空中から突進してサプライズバトルを仕掛けることもできるし、DUMAを使って敵の視界から高速で抜け出すことによって発生する「ブラインドサイド」は、「SO4」の「サイトアウト」に近いシステムとなっている。ブラインドサイドに成功すると、こちらを見失った敵の動きが一定時間停まったり、またダメージ値が2倍になったりというようなボーナスが発生する。
ブラインドサイドを物にできるかどうかで、バトルの難易度に大きく差が出てくる。とはいえアクションはどうしても苦手、という人は、難易度が「EARTH」(易しい)、「GALAXY」(普通)、「UNIVERSE」(難しい)と三段階から選べるので、EARTHを選ぶといいだろう。
バトルには4名まで出撃させることが可能で、バトル中でも操作キャラクターを変えることができるので、魔法に弱い敵はINTの高いキャラクターの魔法で攻撃する、といった手段も使える。DUMAはその時の操作キャラクターに付くため、もちろんDUMAによる突進攻撃はレイモンド以外でも使用可能だし、ブラインドサイドも発生させられる。
ただ、バトルキャラクターを色々切り替えたりしてみたものの、圧倒的に扱いやすいのはレイモンドだろう。無難に主人公らしい性能をしており、ATK値が高い片手剣キャラクターのため、クセがなく扱いやすい。
また、レティシアの御付きの騎士アベラルドはチャクラムでの中距離戦に長けたキャラクターで、アベラルドも扱いやすい。エレナは「変形武器」による遠近多彩なスキルを持っている。近距離で戦えば、レイモンドに近い感覚で操作できる反面、エフェクトがド派手すぎて、エレナがエフェクトに埋もれてしまいがちというデメリットもあった。
バトル時の要素としては「SO4」より少なく「SO5」より多い、という印象。ゲームが進むにつれて要素は追加されると思うが、いい意味でバランスが取れており、多すぎず少なすぎず、初心者から上級者までもが楽しめるバトルとなっている。
強いて言うならば、バトルフィールドを切り替えない状態でサイトアウトに近いシステムを入れたことで、どうしても画面にゴチャつき感があり、敵も高低差のある場所に配置されていたりするため、ブラインドサイドを狙おうにも敵のモーションが見にくく、難しい局面もある。
もちろんそれらを解消するために、立ち止まると自身を狙う敵がどこにいるかがわかるヘイトレーダーもあるのだが、4名の味方+敵キャラがごちゃまぜになったフィールドではなかなか「それどころではない」という感じだ。だが、欠点を挙げるならばそれくらいしかない、という程度に感じた。
そういった欠点まで含めても、バトルの手触りについては「最高」の一言に尽きる。特に筆者は「SO4」のバトルが好きだったこともあり、敵の注視を集めて、まとめてブラインドサイドを決めて、あとはボッコボコに殴るというシステムがとても自分に合っているのもあった。バトルフィールドに切り替えることなくよくぞここまでのバトルを作ってくれた……、としか言いようがない。「バトルの面白さと言えばトライエース」であると、改めて感じさせてもらった。
なお、「SO」シリーズに限って、「バトル終了後に自動的にHPが回復する」というような甘いシステムは搭載されていないので、注意してほしい。回復系のスキルもあるが、基本的にはアイテムでHPを回復するか、フィールドに点在するキャンプ地で休むか、街の宿屋に泊まるしかない。どんなにイベントを跨ごうと、とにかく寝なければHPが回復しない。難易度EARTHだろうと戦闘を繰り返していくうちに地道にHPが削られていき、気づいたら雑魚相手でもパーティが半壊していたりするのだ。
本作でも持ち物の所持数の上限は基本20個までとなっているため、街に着く度に宿屋に泊まるクセと、アイテムを補充するクセをつけておかないと、痛い目を見ることとなる。
レティシアが可愛いんです
キャラクターはいずれも個性的で、そして魅力的だ。ネタバレになる部分には触れられないが、「あのキャラクターにこんな秘密が」的なサプライズももちろんある。現状公開されている仲間キャラクターとしてはレイモンド、レティシア、エレナ、アベラルド、ニーナ、ミダス、マルキアの7名がいるが、あきまん氏の描くキャラクターが実によくゲーム内で再現されていると感じた。
特にもうひとりの主人公であるレティシアの可愛さに至っては異常ではないかと思うくらいに、可愛い。キャラクターデザインの段階で感じた魅力をそのまま3Dで画面に閉じ込めたらこうなった、としか言いようがないほどだ。アベラルドだけを連れて城を飛び出してきてしまうお転婆なお姫様……と言えばそうなのだが、彼女はお転婆というよりも非常に芯が強く、その一本通った芯が砕けぬために、姫でありながら鎧を纏い、双剣で敵をなぎ倒し、そしてレイモンドに助力を乞う、といったほうが正しいだろう。
ここしばらく、シリーズの3DCG状態の女性キャラクターは萌え路線……或いはセクシャルな路線などの要素も少々前面に出ていたが、本作ではあまりセクシャルさを前面に押し出したキャラクターがいないように感じる(あくまで現状発表されているキャラクター内でではあるが)。
レイモンドの副官であるエレナが少々きわどい感じのコスチュームだが、それもエレナについて明かされるストーリーを見れば「なるほど納得」というものだ。賛否両論分かれるところでもあると思うが、”あざとく”感じるようなキャラクターがいないというのは、非常に好感が持てる。
レイモンドが「SO」シリーズの主人公らしい主人公ではないのは、今後何かが明かされていくのか、それともレイモンドはあくまでフラットな立ち位置のキャラクターなのかという点も、気になるところだ。
キャラクター周りはネタバレが絡みやすいため語れることが少ないのだが、いずれも好感が持てるキャラクターばかりだったということだけは強調しておきたい。
レイモンド編とレティシア編では仲間になるキャラクターも変わるとのことで、今後どのように物語が分かれていき、どのようなキャラクターが登場していくのかも期待したい。
音楽や効果音だって大事だ
桜庭統氏による楽曲も本作の魅力のひとつ。
レイモンド編のバトル曲は、お馴染みのプログレッシブ・ロック曲となっている。遠い星の海から来たレイモンドにぴったりな、レイモンドのテーマ曲とすら言えるだろう激しいバトル曲だ。
一方でレティシア編のバトル曲は荘厳さのあるシンフォニック・ロックとなっており、オーケストラの楽器で奏でられるロック調の楽曲は、一国の姫という立場のレティシアのイメージともぴったり重なる。
バトル曲以外の楽曲も、いずれも「『スターオーシャン』らしい」と感じさせるものばかりで、期待を全く外さない。効果音ももちろん、おなじみのものばかりだ。
バトルBGMなど一部の楽曲は「SO6」の公式サイトにてすでに公開されているので、気になる人はぜひ聞きにいってみてほしい。もちろん発売されるまで楽しみにしておくのもいいだろう。
お馴染みの要素満載でシリーズファン満足!
アイテムを製作できる「アイテムクリエーション」、様々なキャラクターとのイベントが発生する「プライベートアクション」といった要素は今作でももちろん健在なのだが、残念ながら今回は紹介することができないため、続報を待ってほしい。ただ、これだけは言っておこう。「アイテムクリエーションを制すものが『スターオーシャン』を制す」。これは恐らく本作でも変わらないと思われる。
序盤の滑り出しは、宇宙で襲われて、不時着した先が未開惑星で、その未開惑星では戦争をしていて、そのために強力な助っ人がほしいと乞われる……と、かなり「SO3」に近く、ファンタジー要素が強そうに見えるのだが、レイモンドが未開惑星保護条約に囚われていないこともあり、レティシアたちの前だろうと普通に遠距離通信デバイスなど使える文明の利器をガンガン使用するため、ファンタジー感が強い中でもSF色もきちんと入っており、歴代シリーズの中でもかなりバランスが良さそうに感じられた。
今回、序盤から10時間強ほどをプレイさせてもらったのだが、とにかくプレイしたくてプレイしたくて止まらない、という欲望が凄まじく湧き出てしまい、本音を素直に述べるならば本稿を書くことよりももっともっと「SO6」をプレイしていたいくらいなのだが、それは製品版までの楽しみとして、取っておきたい。
「SOA」で和ヶ原氏の手腕には間違いがないと確信はしていたものの、「SOA」のシナリオはあくまでテキストベースなのに対し、本作はコンシューマゲームであり、フィールドやバトルとの兼ね合いも重要な要素となる。シナリオがいいだけでは乗り越えられない部分が大半を占めるだけに、少々不安もないわけではなかったのだが、全くの杞憂だった。
少々感傷的な話になるが、「SOA」がサービス終了した時に、「いつかまたどこかでおかえりなさいと言いたい」と思っていたものの、実際のところこんなに早く「おかえり」を言える機会が訪れるとは思っていなかった。しかもこんなにも面白いゲームとなって戻ってきてくれたことに対して、「ありがとう」という御礼まで言えるのだ。こんなにも嬉しいことがあるだろうか。
こう言ってはなんだが、「SOA」を楽しんではいたものの、それでいて「やはりコンシューマで『スターオーシャン』がやりたい」と思っていたのも事実であり、一方で「SOA」があったからこそ磨かれた部分もある。
例えばキャラクターのグラフィックスについては、「SO4」、「SO5」とどうしてもグラフィックスの美しさの割に人物は無機物感が強かったが、「SOA」でのハイクオリティな3DCGモデルを経て、本作では非常に人の魂が篭ったキャラクターになったように感じられる。これだけでも感情移入度がまるで違ってくるので、「SOA」で得てきたものは決して無駄ではなかったのだ。
ありがとう、そしておかえり、「スターオーシャン」。再び我々の前に帰ってきてくれたことに深く感謝をし、そして25周年記念作品の名に恥じない作品となっていることを、心から期待したい。少なくとも現時点ではその期待に沿った内容になっていることを、非常に嬉しく思う。ありがとう。
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