【特別企画】
ありがとう、「スターオーシャン:アナムネシス」。サービス終了を迎え、約4年半の歴史を振り返る
メイン、バトル、コラボ、ファンイベント……感謝を込めて
2021年6月24日 18:04
- 6月24日14時 サービス終了
2016年12月8日にサービスが開始された「スターオーシャン:アナムネシス(以下、SOA)」が、 2021年6月24日14時、約4年半に渡ったサービスを終了した。
本作は「スターオーシャン」シリーズの歴代作品の登場キャラクターが登場するクロスオーバー作品で、シリーズの20周年記念作品となっており、スマートフォンでマルチプレイ対応ができるアクションゲームとしては非常に高い完成度を誇ったタイトルだった。
本稿では、サービス開始日からサービス終了するその最後まで本作を遊び続けた筆者が、その思い出を振り返りたい。
なお、本ゲームは基本的にほぼメインストーリーを読み直す程度の機能しかないものの、サービス終了後もオフライン版が引き続き配信されることが決定している(今まで一度も「SOA」を遊んだことがないユーザーでもオフライン版をダウンロードして物語を読み進めることは可能だが、ガチャがないため所持キャラクターは増やせない。だがバトルがなくなったため、物語を読むだけならば不都合はない)。
また、もしかしたらこの記事を読んで「SOA」のオフライン版でメインストーリーを読んでくれる読者がいるかもしれないことを願って、物語は「ここは気になったら読んでほしい!」という部分についてはネタバレを避けている(とは言っても、そこそこにネタバレはしているのだが)。
「スターオーシャン」の歴史を更に奥深く掘り下げたメインストーリー
「SOA」は、銀河連邦の探査戦闘艦「GFSS-3214F」の艦長として宇宙を航行していた主人公(艦長)が、突如正体不明の敵艦からフェイズキャノン兵器での攻撃を受けて、地球から70000光年も離れた未確認惑星に漂着するところから始まった。艦船のオペレーションシステムであるコロと共に艦船を探索していた艦長は、紋章石を媒体に謎の召喚紋章術を使う女性・イヴリーシュ(リーシュ)と出会うが、リーシュは自身の記憶を失っていた。地球に戻る術と、リーシュの記憶を取り戻す方法を探しに、2名+コロは再び艦船で星の海へと旅立つことになる。
――という「SOA」のスタートだったが、正直に言うと第一章の序盤はあまり面白くなかった。リーシュやコロ、旅先で出会うことになるベルダなど、キャラクターこそ魅力的であったものの、ストーリー自体は割とやっつけ感が強く、少なからず「メインストーリーよりも、バトルが面白いからプレイしている」、「好きなキャラクターが素晴らしい3Dキャラクターモデリングで描かれている」という点に惹かれてプレイしていたユーザーもいるはずだ。筆者もどちらかというと、その立場だった。
だが「SOA」は、第二章で大躍進する。元々「SO」シリーズに深い愛を持っていたというライトノベル作家の和ヶ原聡司氏が第一章のノベライズ担当と共に、第二章のシナリオライターとして参加することになり、「SOA」の物語は第一章とは激変したのだ。
ティカ、ユーイン、カーリン、アンリ、リカルドといった新たな仲間が加わり、更にメインストーリーは歴代の「SO」とも深く関わるようになった。第一章で起こった出来事も上手く絡めての物語作りは、見事のひと言しかなかった。
だが、特筆すべきところはここだけではない。ユーインの幼馴染として登場するウェルチは、容姿こそ違えど、シリーズ過去作で出会うウェルチと性格はそっくり。非常に騒々しいが、ムードメーカー。何より彼女は、初登場の「SO3」の頃から、ファンの間で「プレイアブルキャラクターとして使用したいキャラクター」として頻繁に挙げられるのに、頑なにプレイアブルキャラクターに昇格しない永遠のサブキャラ枠だった。そんなウェルチが、”歴代「SO」のなかで唯一メインキャラクターとして登場し、かつプレイアブルキャラクターとして使用できるウェルチ”として登場してしまったのだ。ここ、テストに出ます。重要。
そして旅の途中で出会うヴァルカは、その見た目からもピンと来る人もいるだろう。そう、彼女はモーフィス人であり、先進惑星EnIIより「モーフィスの戦士」として送られてきたのだ。そして彼女はなんと、「SO4」に登場したバッカスの娘。ヴァルカの話からは父バッカスからエッジと体験した出来事をたくさん聞かされていたような雰囲気が伺え、地球人である艦長に対しては並々ならぬ思いがあるようだ。
既に大分「SO」ファンには熱いのだが、第二章で魅力的なのはキャラクターばかりではない。メインストーリーは、更新されるたびに「ここで、そんな伏線を回収しに来る!?」と、毎回驚きの声を上げたものだった。
まさかの準主人公であるリーシュが敵に連れ去られてしまうという、衝撃の展開。いや、他にも衝撃の展開だらけなのだが、割愛しないと終わらないため、そこについては許してほしい。そしてジヴェルとリーシュの手がかりを探す一行の前に現れたマスティマと名乗る女性は、37億年前の惑星ネーデで10種の生体兵器「神の十賢者」を生みだした「第一次十賢者防衛計画」に続く、「第二次十賢者防衛計画」のひとりだったのだ。
そんなこんなで怒涛の展開だった第二章は、リーシュがジヴェルに連れ去られたまま終了してしまう。ヒロイン不在のまま、そしてジヴェルの謎も解けないまま、召喚紋章術についても謎を残したままで、第三章が始まるまでの間は本当に長く感じた(そもそも第三章が作られるのか……、という不安もあったのだが……)。
それから約1年(とまではいかなかったが)。満を持してスタートした第三章では、リーシュとジヴェルの痕跡を追っていた一行に、ヒースやジャンヌ、ラヴァーニアといった新たなメンバーを加えての旅となるのだが、ここにきてただのガチャ石……否、紋章石にめちゃくちゃ重要な意味があったことを知らされる。
……ガチャ石ですよ? ガチャ石に物語上重要な意味があったって……そんなことありますか? そりゃ戸惑い過ぎて、思わずリアルも挙動不審になるというものだ。 筆者の知る限り、ガチャ石に物語上重要な役割を与え、ましてやリーシュとカーリンのみがつかえる召喚紋章術とやらも、さらに大事になるとは思いもしませんでしたよ!
……否、怒っているのではないのだ。全ては和ヶ原氏のほうが何枚も上手すぎて、我々遊び手には想像もつかないスケールの作品を作り上げてきただけなのだ。それでいて「SOA」がこれまでに紡いできた出来事と歴代の「SO」の世界観とをあまりに上手く噛み合わせてきており、メインストーリーはもはや「SO」シリーズのナンバリング作品とも並び立つレベルにまでなっていた。
だが、我々の戸惑いはまだ続く。
なんなのだろう、このタイムゲートのようにしか見えない遺跡。あとこの黒いリーシュは、一体?
……匂わせばかりで大変に申し訳ないのだが、サービス終了を迎えてなお、筆者は「SO」シリーズを知っている人たちに「SOA」を遊んでみてほしい気持ちが消えないのだ。だから、思い出を共有できる人たちには「驚いたよね~」と思いながら読んでほしいし、思い出を持たない人にはオフライン版でメインストーリーを読んでみてほしい。
第二章に引き続き、第三章もすごい情報量だったものの、やがて第三章は本来ならもう少し時間をかけて読ませるようなストーリーを、バタバタっと一気に更新していく。また、更新頻度もこれまでよりも早い。謎だった部分も、あっさりと明かされた。その時に筆者の脳裏を微かに過ぎったのは、「サ終」の文字だった。そして、その予感は残念ながら外れることはなかった。
スマホゲームとは思えないバトルのクオリティと、美麗な3Dキャラクター
思い出を振り返ろうとすれば、山のようにある。最後はなかなか時間が取れず、あまりマルチバトルに参加できなかったけれど、「SOA」のバトルはスマートフォンでよくぞここまで、というほどクオリティが高かった。
まず、全て新たにグラフィックスを描き起こされた3Dキャラクターモデリングは、どのキャラクターも素晴らしい出来だった。初代「SO」や「SO2」といった2D時代のキャラクターが3Dになることにも感動したし、「SO3」以降の3Dキャラも全て今の時代に合わせた新たなグラフィックスとなって生まれ変わり、衣装違いのキャラクターたちも嬉しかった。(一部の人気女性キャラクターが優遇されていた、とかはあったが……そこは商売なので仕方がないと思っている)
その美麗なグラフィックスで、最大4名まで同時に遊べるリアルタイムアクションバトルの出来は、コンシューマー機に見劣りしないレベル。無論、スマホで遊ぶにあたって多少簡素化はされていたものの、「バトルの面白さと言えばトライエース」の名を決して汚すことないクオリティとなっており、チャージアサルト、キャンセルボーナス、ステップ回避、ガード、エレメンツバースト(エレバ)といった様々なアクションを駆使してのバトルは幾ら周回しても飽きることがなく、キャラクターの性能自体はインフレが激しいゲームではあったものの、”キャラクターが強いだけでは決して勝てない”という、トライエースらしいバトルだった。
特に敵を一定時間気絶させられるエレバは高難易度になるほど必須とも言え、敵の弱点属性を突ける武器か、最初から敵の弱点属性持ちのキャラクターを選ぶなどといった工夫も必要だった。そしてラッシュゲージがたまると発動できるラッシュは、特別なラッシュ演出と共にこちらが一方的に大ダメージを与えられる必殺技であり、最大で4名までラッシュを重ねられる。
ラッシュコンボ中に別キャラのラッシュボタンを選択することで、ラッシュコンボボーナスが発生。2人目は150%、3人目は200%、4人目は300%まであがるという特徴があるため、ATK値が高くラッシュ倍率が高いキャラクターを4番目にして、より高いラッシュダメージを狙うのだが、イベント時にはそのイベントと相性の良いキャラクターを多くの人が使用するため、同じキャラクターで被ると「どっちが3番目? できればフィニッシャーになりたい!」という無言の読み合いが始まる。
ラッシュ演出が終わるまでに次のプレイヤーがラッシュを押さないとラッシュコンボが途切れてしまう。フィニッシャーになりたくても、根負けをして「くっ」とラッシュボタンをポチっ。く、悔しい。でも、あの「自分がフィニッシャーになりたい」という気持ちは何だったのだろう。ある程度同性能のキャラクターであれば、誰がフィニッシャーだろうと、最終的な総合ダメージはほぼ変わらない。それでも謎の「自分がフィニッシャー適正キャラを使用している時はフィニッシャーになりたい欲」があった。
とはいえ、もちろん参加者全員がフィニッシャーを狙うゲームではない。自分がヒーラーやディフェンダーの時はフィニッシャーどころか1stを狙うくらいのタイミングでラッシュを使うし、高難易度になればなるほど、1stとてラッシュを始めるタイミングはとても重要だ。エレバとラッシュが被ってしまったら、せっかくの一方的な攻撃チャンスを台無しにしてしまう。
自分がフィニッシャーになることが大事なのではなく、このパーティなら自分は何番目にラッシュを撃つのが最適かという見極めが必要だった(一応スタンプとかで多少の意思疎通はできるが、筆者は野良パーティでラッシュの順番を決めるスタンプにはあまり出会ったことがない)。
バトルのSSがあまり残っておらず非常に残念なのだが、ラッシュ時のものや勝利ポーズなど、いくつか救出できたものをアルバム代わりに掲載したい。
バトルはオフライン版では遊べないこともあり、まだまだ紹介したいものもあるのだが、ぐっと堪えて思い出を振り返る旅を再開しよう。
様々な自社タイトルとのコラボレーションが最高でした
「SOA」は、コラボレーションも魅力のひとつだった。特に、トライエース開発のゲームはコラボにも力が入っており、専用のコラボシナリオも素晴らしい出来だった。多くのユーザーにはその中でも「ヴァルキリープロファイル(以下、「VP」)」コラボが人気だっただろうと思うし、実際「VP」コラボは歴代コラボの中でも特に力が入っていたし、筆者もレザード・ヴァレスは人生を捧げたいキャラクターのひとりである。
……が。筆者はここで、2017年に「SOA」内で開催された「インフィニット アンディスカバリー(以下、「インアン」)」とのコラボを取り上げたい。「インアン」は、2008年にXbox360で発売されたRPGで、マイクロソフトとの共同プロジェクトだったことなどもあり、発売から10年以上が経過した今でもXbox360以外で発売されていないタイトルだ。そして、「インアン」は、筆者の心のゲーム10本に入る。今でも「Xbox360本体と『インアン』買ってやってください」と四方八方に土下座しているくらいに、この作品が好きだ。この作品も、トライエースらしい非常にクセの強いゲームで、それでいてストーリーの衝撃っぷりに、筆者は発売当時何度泣いたかわからない。
まさか「インアン」の発売から約10年経って、「SOA」の中で「インアン」とのコラボが実現するだなんて、誰が想像しただろうか。ましてや、このゲームのキャラクターをデザインしたイラストレーター及び漫画家の梶本幸宏氏が、筆者最愛のキャラクターたちを新たに描き起こしてくれるだなんて、一体あの当時誰に想像ができただろうか。ここまででも「夢か?」と頬をつねりたいレベルなのに、更に「SOA」オリジナルの新規シナリオを見せてくれるとか、そんな夢みたいなことがあっていいのだろうか?
……その最愛のシグムントがよりによってちっともガチャから出ず、「出るまで回せば100%よ!!!!」の意気でガチャを回し続けたのは、もう時効なので口にしても良いだろう。今も、「インアン」コラボのシナリオは全部のセリフをスクショで残してある。恐らく永遠に消すことはない。筆者のスマホに永遠に残り続ける300枚ほどのスクリーンショットは、最高の思い出だ。
だが、もちろん「インアン」だけではない。「エンド オブ エタニティ」、「ラジアータストーリーズ」、そして「テイルズ オブ レイズ」とのコラボなど、「SO」以外のタイトルとのコラボでも、様々な思い出が胸に刻まれている。これは「SOA」の開発がトライエースだったからこそ、成し遂げられたコラボばかりだ。
だが、オフライン版で残るキャラクターは、トライエースが開発したタイトルでかつスクウェア・エニックスから販売されたもののみとなることが既に発表されている(※オフライン版で利用可能なコラボキャラクター:レナス、フレイ、メルティーナ、ヴァルキリー、シルメリア、蒼穹のレナス、リドリー、超越者レザード、カペル、アーリィ、ジャック、粛清のフレイ、アーヤ、アリューゼ、アリーシャ、フレイア、シグムント、レザード、ルーファス)。つまり、「EoE」キャラクターはトライエースが開発したもののスクウェア・エニックスから販売されたゲームではないので、これを限りにお別れなのだ。……悲しいけれど、オフライン版が残るだけ感謝をしなければならない。
星海祭とか、コラボカフェとか、本当に楽しかったよね!
2018年、2019年と開催されたオフラインファンイベント「星海祭」のことも忘れられない(2020年の星海祭は新型コロナの影響により、無観客配信)。
星海祭では、「SO」シリーズに登場した声優さんたちによる朗読劇にいたく感動した。だが、個人的な一番の見どころは、歴代トライエース作品の楽曲を数多くを手掛けている桜庭統氏のライブが、2004年以来、久しぶりに星海祭で行なわれた点だった。感慨深い、なんていう言葉ではとても言い表せない。約15年ぶりとも言える、「SO」ライブの復活だったのだから。桜庭氏は「SOA」でも新曲を書き下ろしており、「SOA」での新曲はもちろんのこと、歴代の人気楽曲をはじめ、「VP」楽曲まで演奏してくれるサービスぶりに涙した。
そして忘れもしない、2019年の星海祭でのライブパート。曲の紹介もないまま、唐突に「テイルズ オブ ファンタジア」の楽曲が演奏されたのだ。一瞬、「え?」と戸惑いに包まれる客席。最初はアレンジが強くて、「テイルズ オブ ファンタジア」の曲だと一瞬では解らなかったのだ。だが、やがて原曲のフレーズが強くなってくるにつれて、客席にいた誰かたちと顔を見合わせた。「『テイルズ』だ」。無言で頷きあうファンたち。それと共に、一瞬でワァッと声援が大きくなった。中には泣き出す人もいた。筆者も泣いた。「何故?」と思った人もいるかもしれない。だが、多くの人たちは感づいていただろう。そう、これは「テイルズ オブ ファンタジア」コラボが開催されるのだと。
なお実際には「テイルズ オブ ファンタジア」コラボではなく、「テイルズ オブ レイズ」とのコラボだったのだが、実装されたのはクレス、チェスター、ミント、アーチェ、ダオスと、実質「テイルズ オブ ファンタジア」コラボと言って差し支えない内容だった。この時、観客のみんなも、そして筆者も、再び泣いた。そもそも筆者とトライエース(ウルフチーム)との出会いは、「テイルズ オブ ファンタジア」だったから、感慨もひとしおだ。この「テイルズ オブ レイズ」コラボイベントも、全部のシーンを一枚ずつスクショした。一生の宝物だ。
もうひとつ忘れられない思い出は、「SO×VP」コラボカフェ。
ご飯も美味しかったけれど、コミックマーケットや星海祭、コラボカフェなどで発売された数々のグッズたちのことも忘れてはいけない。大半は「SOA」としてのイラストだったが、中にはSFC時代などの原作イラストが使用されたグッズもあり、これまた原作が好きだったファンにとっては一生忘れられない宝物となった。
グッズはまだまだ山のようにあるのだが、掘り起こしてくるのが少々時間的に厳しかった。もしよければ、貴方の大切な「SOA」グッズも見せてほしい。
心から「ありがとう」、と思う
トライエースのゲームはちょっと(かなり)クセが強くて、けれどそんな彼ららしいゲームにたまらなく惹かれてしまうファンがいて、こんな私たちのために4年半サービスを続けてくれて、本当にありがとうという、感謝の念でいっぱいだ。
思い返せば、筆者が「SOA」をプレイしていて最初に涙するほど感動したのは、「SO3」のアルベル実装時、そのキャラクターイラストを当時スクウェア・エニックスを退社したばかりだった直良有祐氏が描いた時だった。直良氏の絵柄とアルベルのキャラクターが非常にマッチしており、これぞまさに神のみぞ為せる究極の取り合わせだと感じた。アルベルの絵に直良氏を選んでくれたことをどこに向けて感謝すればいいのかもわからないので、とりあえずスクエニ本社がある東新宿に向けて五体投地を行なった。
でも一番嬉しかったことは、……好きなキャラクターがたくさん実装されて嬉しかった、という、やはりこれに尽きるのだろうか。その中には「SOA」オリジナルのキャラクターもたくさん居た。
締めようと思ったのだけれど、なかなか締められない。そんなに簡単に締められるほど、軽い思い出じゃなかった。
全部、全部、「アナムネシス」のおかげだった。たくさんのグッズに囲まれて。素敵なイラストレーターさんたちに好きなキャラクターの絵を描いてもらえて。コラボによって救われた過去作もあった。
未練なんて、あるに決まっている。サービス終了の日なんて、訪れてほしくなかった。でも例外なく今日は平等に訪れて、終わりはやってきてしまった。
だが「SOA」はオフライン版として配信を続けてくれるだけ、有り難いと思わなければならない。もしかしたらこの記事を読んで、オフライン版でメインストーリーを読んでみようかなと思ってくれる人がひとりでもいると、それだけでこんな未練も少しは報われるというものだ。
筆者は「SOA」をプレイしたおかげで、「SOA」のオリジナルキャラクターたちにも出会えた。カーリンと、リカルド、ラヴァーニアという、めちゃくちゃ推しのキャラクターができた。ここを読んでくれている誰かには、別の推しがいることだろう。筆者だって、もちろん全員好きだ。その中でも特に「何を犠牲にしてでも推したいキャラ」が、この3名だった。こんなに愛せるキャラクターをこの世界に生み出してくれて、ありがとう。
5周年を迎えさせてあげられなくて、ごめんなさい。けれど、悲しくて寂しいばかりではない。心から一番伝えたい言葉は、やっぱり「ありがとう」だ。本当に、本当に、ありがとう。特に関係者の皆々様は、ギリギリまで頑張ってくれたのだろうと思う。
実装が難しいだろうが故にこの4年半実装できなかったパーティキャラクターも、最後の最後、きっちり全員実装してから終わってくれた。やり遂げてくれて、ありがとう。よく惑星周回で出会っていたすれ違うだけの艦長たちにも、ありがとう。全ての関係者の皆様に、ありがとう。
ずっと、「スターオーシャン」を好きでよかった。いつかまた、遠いどこかの星の海で「おかえりなさい」と言えることを、心から祈っている。
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