【特別企画】
「ELDEN RING」初心者指南第5弾、奥深すぎの”神秘ビルド”を解説したい!
まずは気軽な「産まれ直し」から。導入は“出血凍結解凍”を狙う二刀流を激推し
2022年5月6日 11:58
- 【ELDEN RING】
- 2月25日 発売
- 価格:
- スタンダードエディション 9,240円(税込)
- デラックスエディション 9,900円(税込)
2月25日に発売された「ELDEN RING(エルデンリング)」。この指南書も、なんと5回目である(筆者が一番驚いている)。
第1回目の魔術ビルド、第2回目の筋力・技量ビルド、第3回目は信仰ビルド、そして第4回目はエビカニを食べようという内容だった。神秘を無視したわけではないのだが、本稿の主旨はあくまで「ELDEN RING」からフロム・ソフトウェアのゲームに入った人に向けての指南書であり、ぶっちゃけ神秘ビルドはあまり”初心者向け”ではない、と筆者は感じている(理由は後述)。とはいえ、神秘の話を全くしないというのもなんなので、ついに! 満を持して! 神秘について触れていこう。
また、毎度の繰り返しで申し訳ないが、あくまで初心者向けの内容を意識しているため、【本稿はフロム・ソフトウェアのゲームに慣れている人にはまるで役に立たない】。また、「ビルド」という言葉の意味やこれまでの指南書である程度共通する用語などは説明を省いている点もあるため、あらかじめご了承願いたい。
「神秘」って結局なんなの?
「神秘」のステータスは、これまで「基本的にいじらないステータス」としてきた。というのも、神秘はただひたすら上げればいいわけではない特殊なステータスなので、いじりだすと初心者ほど迷いも大きくなってしまうからだ。そもそも神秘は主にアイテムの発見力を上げる他、【敵を状態異常にしやすい】ステータスとなる(正確には、神秘の補正を受けるのは毒と出血になる)。
これまで散々、「打刀での出血は便利だから活用しよう」「戦技・霜踏みなどで凍結もどんどん狙っちゃおう」「腐敗ブレスでの腐敗もいいぞ」と状態異常について解説してきたのだが(一部はしてきていなかったかもしれないが)、神秘を上げるほど敵を状態異常にしやすくなり、かつ状態異常にした時のダメージ値を上げられる。
状態異常によるダメージそのものも非常に大きいが、神秘を上げれば状態異常にするまでの攻撃回数が減る。また、永遠の都ノクローンで「黒い砥石刃」を手に入れれば、武器カスタマイズの追加派生で毒、血、神秘が選べるようになり、より一層大きなダメージを乗せられるようになっていく。つまり、その派生を得てようやく「神秘ビルドの始まり」だし、永遠の都ノクローンは中盤から後半にかけて行ける場所。最初から目指すべきビルドではないことがご理解いただけるかと思う。
とはいえ、「あれだけ出血を推してきたんだから、ならば神秘を上げても良いのでは?」というのは、実をいうとその通りである。だが繰り返すが、初心者が神秘に振り出すと迷い込んでしまいがちなのだ。
神秘ビルドは主に、神秘だけをあげていく「純神」、筋力+神秘の「筋神」、技量+神秘の「技神」、信仰+神秘の「信神」、魔力+神秘の「魔神」(言葉が強そう)というように分かれているため、考え方としては信仰ビルドと近い。だが、神秘ビルドにしていこうとする場合、【装備できる武器があまりに多すぎるのが問題】で、使いたい武器の必要ステータス+神秘と振っていけば、それだけレベルは上がっていく。あくまでマルチプレイをしたい場合に限られるが、無節操にレベルを上げていけばマッチングしやすいレベル帯から外れてしまう。
例えば「上質に神秘まであげたら、状態異常も付与しやすくなって最高じゃないか?」と、筋力50、技量50、神秘50、みたいな振り方をしてしまった場合、更にここに生命、持久まで振ると、レベル200前後になってしまうだろう。もちろん、ソロプレイに徹するなら何ら問題ないが、協力・敵対問わず、マルチプレイを意識しているなら無節操な振り方はマッチングの観点からあまりオススメしない。
ではレベルを抑えながら神秘を上げていこうとするとどうか。生命と持久は必要最低限を確保する必要があるため、必然的に筋力か技量を抑えめにしていくこととなる。
特に神秘系を狙いたい場合、技量武器のような手数で勝負する武器のほうが向いているため、筋力にはほぼほぼ振らないステ振りが必要となり、せっかく色々なことができるビルドのはずが、実質的には扱える武器が減る。そのため、ある程度後半になって神秘に振る余裕ができるまで、やはり神秘は迂闊にいじるべきではないステータスだと考える。
ちなみに、ぶっちゃけてしまうと【神秘ビルドでは神肌削ぎ二刀流が最強】と言われている。もちろんこだわる必要はないし、他の武器でも自分なりの戦い方を組むことはできるのだが、神秘はこれまで紹介してきたような、脳筋、技量、信仰、魔術……といったビルドに比べて、その自分なりの解を確立するのが難しい。この難しさも、初心者に神秘を勧めない理由のひとつだ。
これまでも「状態異常は強い」と述べてきたように、実際本作の【状態異常は非常に強い】。むしろ状態異常(神秘)については“ぶっ壊れ”かと思うくらいの強いステータスでもあり、いかに状態異常を狙うかを考えるべきとすら言える。「第3回で信仰が最強なのではと言ったじゃないか」というところだが、実は使い方次第で信仰以上に強い可能性を秘めているのが、神秘なのだ。
神秘ビルドを目指すなら気軽な「産まれ直し」がオススメ
さて、では神秘ビルドはどうするのが良いのだろうか。これはあくまで個人的な見解だが、「本作がフロム・ソフトウェア作品デビューで、なかなか敵に勝てないものの、色んな武器や魔法、祈祷などで戦いつつ、探索も色々楽しんでいる」という場合、今現在、筋力や技量、信仰、知力などに振っている値を、少しずつ神秘に回すくらいで良いのではないかと考える。その上で出血を少し強化したり……というところからはじめてみるのが無難なところではないだろうか。
既にその段階を通り過ぎ、「エルデの王の座なら俺の隣で寝てるぜ」レベルになってしまった褪せ人ならば、本格的に神秘ビルドを目指しても良いだろう。そのための「産まれ直し」(ステータス振り直し)とも言えるので、どちらにしてもゲーム後半でいよいよ行き詰ってきたり、対人に目覚めてしまった褪せ人は、「産まれ直し」で神秘の値を調整してみよう。そしてまずは出血を付与できる武器あたりで神秘を上げてみての効果を確認してみると良い。
なお、神秘に手を出すと、産まれ直しが重要になる。産まれ直しに必要なアイテム「雫の幼生」は貴重品ではあるが、NPC「ラニ」のイベントを進めていくとやがて訪れることになる永遠の都ノクローンで、かなりの量を拾うことができる。また、強敵からのドロップなどもあったため、筆者は既に7~8回ほど産まれ直しをしているのだが、それでも現在10個以上「雫の幼生」が残っている(※1周目の個数)。
なので、「気になったら産まれ直す」の精神で、産まれ直して気に入らなければ、また気軽に振り直せば良い。もしかしたらレベルをさほど上げず、それでいて神秘と、持久と、色々両立できてダメージも稼げるような道もあるかもしれない。
ちなみに永遠の都ノクローンへの行き方は第4回の記事に記載しているので、まだたどり着いていない人は、参考にしてほしい。
本格的に神秘ビルドにチャレンジできるほど既に「ELDEN RING」を極めた褪せ人ならば、とっくに神秘ビルドに向いた武器などは所持し、何なら活用しているであろう。逆に「これから神秘ビルドに触れてみようかな」という人には、ぜひそのまま神秘の可能性について模索してみてほしい。世間で言われている最強武器とは別に、「僕が考えた最強の神秘ビルド」を模索してみるのも良いのではないかというのが、筆者の考えである。
神秘にいくなら“出血凍結解凍”の二刀流やってみない?
絶対に必要ではないが、神秘ビルドにいくのであれば覚えておいてほしいのは【二刀流】だ。
恐らく大半のプレーヤーは右手に武器、左手に盾を持っているか、右手武器を両手持ちしている場合が多いだろう。だが、二刀流とは右手にも左手にも武器を装備することで、莫大な火力を出す装備の仕方だ。特に神秘系の場合、左右どちらにも出血武器を持つことで、すごい勢いで敵のHPを削ることも可能だ。
この二刀流の最大のデメリットは「一切ガードができず、すべての攻撃をローリングかダッシュで避けるしかなくなる」という、この点に尽きる。
この二刀流は特に神秘ビルドに限った話でもなく、他のビルドでも普通に使用されているのだが、ここでは【神秘系でプレイしたい場合の二刀流】について説明する。
言うまでもなく、筋力系の武器は重いものが多いため、これを2本持とうとすればその分膨大なスタミナが必要になる。防具を全て脱いで軽くすると、今度は一瞬で死ぬ可能性が高くなるため、生命の確保も必要になる。その点、技量は比較的武器の重さもそこそこ、防具などでのカット率を維持しつつも二刀流を行いやすい。……といったことからも、神秘ビルドの場合、技量系の武器を使用することが多くなりがちだ。
ただ、二刀流には注意点がある。ひとつめは、【同じ武器種でなければならないこと】。ふたつめは、【二刀流攻撃はL1ボタンになること】。
例えば、右手がダガーならば左手もダガーでなければ二刀流のモーションは発動しない。右手に直剣、左手に鎌、などでは二刀流モーションは出ないのだ。
そして通常であればR1ボタンで攻撃となるが、二刀流攻撃はL1ボタンとなる。R1ボタンとL1ボタンを交互に押すとかではなく、L1を連打することで二刀流攻撃が出るので、よく覚えておいてほしい。
という大前提の上で、神秘ならではの話を続けよう。
多少の制約はあれど、このように神秘は二刀流を使いこなすことでより効率的に大ダメージを与えることができる。例えば、刀の多くには出血がついているため、出血がついている刀を二刀流することで、より簡単に出血ダメージを狙える。
そして「打刀」のようなシンプルな武器の場合、ここから更に派生で凍結なども付け加えていくことができるのだ(固有の戦技を持つ特殊武器は戦技の付け替えができないため、二属性の状態異常を持たせることはできない)。
「おまえは第1回目から打刀の話しかしないな」と言われればそれまでなのだが、序盤で手に入る武器としては非常に優秀なため、仕方がない。特にリエーニエの「魔術学院レアルカリア」で手に入る「輝石の砥石刃」を入手して、魔力、冷気への属性を追加できるようになったら、その時はぜひとも打刀を冷気派生させてみてほしい。これで、【一本で出血と凍結が同時に狙える打刀の完成】だ。
さて、この武器ができたら、その次は何でも良いので出血を付与できる刀を左手に装備してみてほしい。序盤で比較的手に入りやすいのは、ケイリッドの宿場跡の地下室にある宝箱から入手できる「隕鉄の刀」や、ゲール坑道のボスを倒すと手に入る「名刀月隠」だが、このどちらも固有戦技の武器のため、凍結は付与できない。ここは出血だけで良しとしよう。
盾がない分、これまでと立ち回り方に大きな変化が出てくるので、最初は遺灰を呼べるようなボスなどを相手に、ボスの注意が遺灰に向いている間に斬りつけてみるのが良いだろう。そして恐らくは、想定外にごそっと減る敵のHPに驚くことになるだろう。
もしも可能であれば、手早くダメージを稼ぐためにも凍結させたらFP1で使用できる炎攻撃の祈祷「火よ、迸れ」(信仰9で使用可能)や、調香瓶の「火花の香り」を使っての“解凍”(敵の凍結状態をリセットする)で、さらに手早く大ダメージを稼ぎつつ、再度凍結と出血を狙っていけば、面白いほどのスピードで膨大な敵のHPが削れていくこともある(凍結や出血が効かない敵もいるので注意)。例えば出血と凍結のどちらも入る大ボス「ラダーン」などには、ぜひ試してみてほしい戦法だ。また、NPCによる赤侵入にも有効なことが多い。
だが神秘は、これだけで終わらない。腐敗の二刀流なども相当強く、腐敗が入る敵でさえあれば一瞬で腐敗にすることができる。しかし腐敗は凍結や出血のように一瞬で大ダメージを稼ぐより、じわじわスリップダメージを重ねながら削っていくため、ガードが一切できない二刀流で腐敗を主軸に戦っていくのは、より一層難易度が高くなる(それだけに楽しい、という話もある)。
……正直に告げると、神秘はここから先、更なる混沌のビルドとなる。神秘を上げる恩恵は毒と出血の補正なので、ここに腐敗や凍結をどう絡ませていくか、それらを活かす武器はどれなのか。だとしたらどんなステータス振りが適しているかなど、あれもこれもはとても説明しきれない。血派生と神秘派生のどちらが良いのかなども、自身の目で確かめてほしい。
ほんの導入ではあるが、神秘ビルドについては道は示せたのではないかと思う。ここからどのように神秘というビルドを育てていくのかは、色々模索してほしい。何度も言うが、本稿の本来の主旨は「フロム・ソフトウェア初心者に向けた記事」であり、神秘ビルドは完全にその域から出たビルドだ。しかし、だからこそ自分で探究していく面白さもあり、もはや「ELDEN RING」を極めた猛者のたどり着く場所とすらも言える。
なので、これ以上の細かい説明は本稿の主旨とは合わないため、いつかここを読んでいる貴方が、「もう初心者なんて言わせない」と思えるほどの域に達したり、そろそろ変わったことをしたくなった時に、神秘ビルドのことを思い出してくれれば幸いだ。
……と締めくくれれば美しかったのだが、一方で「これでもっと強くなると思ったのに、うまくいかない」ということが多いのも神秘ビルドである。だからこそ、万が一の事態に備えて「雫の幼生」は最低1個は絶対に残しておき、失敗してしまった時に脳筋や技量といったビルドに再び戻せるようにしておいたほうが良い。これこそが、今なおステ振り模索の海を漂い続けている筆者から、最後にできる助言となるだろう。
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