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2022年3月25日 00:00
まるでジュラシックパーク!恐竜も登場する「ARK: Survival Evolved」
続いて、サバイバルアクションゲーム「ARK: Survival Evolved」のマルチサーバー構築の手順を解説する。「ARK: Survival Evolved」は、恐竜や古代生物が生息している大自然が舞台となるオープンワールドタイプのサバイバルゲームだ。
プレイヤー(サバイバーと呼ばれる)は、武器どころか服も身に着けていない状態でスタートする。周囲を探索して、石や繊維、皮などの資源を集め、衣服や武器から住居まで、すべて自分でクラフトする必要がある。エングラムと呼ばれるスキルによって、クラフトできるアイテムが増えていく仕組みで、エングラムのレベルが上がると銃器なども作れるようになる。
ゲームには“空腹度”や“喉のかわき度”が設定されており、行動するにつれて、空腹度や喉の乾き度が増していくので、食べ物や水を調達する必要がある。また、動物や恐竜の多くを飼い慣らせることも本作品の特徴だ。
マルチプレイで友達と一緒に遊べば、大きな獲物を共同で狩ったり、誰かが死んだ場合でも、遺品を回収してくれたりするので、探索がより楽しくなる。マルチサーバーが多数立てられてはいるが、その多くはパスワードが必要であり、いわゆる自前マルチサーバーで、自分とその仲間達だけで楽しんでいると思われる。逆にいうと、それだけマルチプレイに向いたゲームであり、その世界を存分に楽しみたいのなら、やはり自前でマルチサーバーを運用することがベストだ。
ただし、「マインクラフトJava版」のように、インスタンス作成時に自動的にサーバープログラムを導入してくれるわけではない。Linuxコマンドを入力したり、エディタで設定ファイルを編集する必要があるため、ややハードルが高い。できるだけ丁寧に解説するが、コマンド入力の際には、大文字小文字や空白、記号など、1字たりとも間違えないように正確に入力することが大切だ。
まず、インスタンスを作成する。基本的な手順は「マインクラフトJava版」のときと同じだが、こちらはパッケージを「CentOS 7」にし、アプリケーションセットアップは「なし」、スペックは「4コア/4GB/80GB」(日額59円/月額1,650円)にする。パッケージを「CentOS 7」にした理由は、参考にしたカゴヤ・ジャパンのブログで、CentOS 7での手順が解説されていたからだ。また、スペックを「マイクラ」より高めに設定したのは、2コア/2GBだと厳しいからだ。
インスタンスが作成できたら、コントロールパネルでそのインスタンスを選択し、「コンソール」を選び、「コンソールを起動」をクリックする。
「ARK: Survival Evolved」カゴヤVPS設定ガイド
コンソール画面が開いたらまず、ユーザー名「root」、パスワードはインスタンス作成時に入力したもので、ログインを行い、
localectl set-locale LANG=ja_JP.utf8
echo "fs.file-max=100000" >> /etc/sysctl.conf
sysctl -p /etc/sysctl.conf
の順に入力を行う。続いて、
yum -y install nano
と入力してnanoエディタをインストールする(Ubuntuだと標準でnanoがインストールされるが、CentOSではオプションとなっている)。
次に、
nano /etc/security/limits.conf
と入力して、nanoエディタを起動し、一番最後の行の前に
* soft nofile 1000000
* hard nofile 1000000
を追加し、「Ctrl+X」キーを押して、nanoエディタを終了。「Y」キーとEnterキーを押してファイルを上書き保存する。
reboot
と入力して、再起動を行い、
useradd -m ark
passwd ark
と入力して、arkユーザーを作成し、arkユーザーのパスワードを設定する。
次に、
yum install glibc.i686 libstdc++.i686 ncurses-libs.i686 -y
と入力して、必要なライブラリをインストールする。次に、
iptables -A INPUT -p udp --dport 27015 -j ACCEPT
iptables -A INPUT -p udp --dport 7777 -j ACCEPT
iptables -A INPUT -p udp --dport 7778 -j ACCEPT
iptables-save > /etc/sysconfig/iptables
と入力して、ポートの設定を行う。次に、
dd if=/dev/zero of=/var/swpfile bs=1M count=4096
mkswap /var/swpfile
chmod 600 /var/swpfile
swapon /var/swpfile
と順に入力して、仮想メモリの設定を行う。
仮想メモリの設定を常に有効にするために
nano /etc/rc.local
と入力して、nanoエディタを開き、一番最後の行に
swapon /var/swpfile
を追加し、上書き保存する。続いて、
su - ark
と入力してarkユーザーに切り換え、
mkdir Steam && cd Steam
と入力して、Steamディレクトリを作成し、そちらに移動する。
curl -sqL "https://steamcdn-a.akamaihd.net/client/installer/steamcmd_linux.tar.gz" | tar zxvf -
と入力してSteamCMDをインストールする。インストールが終わったら
./steamcmd.sh
と入力してSteamCMDを起動し、プロンプトがSteamになったら
login anonymous
と入力して、匿名ユーザーとしてSteamにログインする。続いて、
force_install_dir ./ark/
app_update 376030 validate
と入力して、「ARK: Survival Evolved」のサーバープログラムをダウンロード、インストールする。サーバープログラムのインストールには多少時間がかかるので、画面が変わらなくなってプロンプトが表示されるまで、放置しておけばよい。
サーバープログラムのインストールが完了したら、
exit
と入力して、SteamCMDを終了し、
cd ark/ShooterGame/Binaries/Linux/
と入力して、サーバープログラムがあるディレクトリに移動する。最後に
./ShooterGameServer TheIsland?Listen?SessionName=ark?ServerPassword=login_password?ServerAdminPassword=admin_password -server -log -NoBattlEye &
と入力すれば、サーバープログラムが起動する。なお、このコマンドの中の「TheIsland」はマップの名称であり、この部分を「TheCenter」や「Ragnarok」などに変更すれば他のマップで遊べる。また、同じくこのコマンドの中の「login_password」は、サーバー接続時に要求されるログインパスワード、「admin_password」は管理者パスワードなので、適宜変えていただきたい。
これで、「Ark: Survival Evolved」のマルチサーバー構築は完了だ。文章で書くとかなり長くて面倒に思えるかもしれないが、初めての人でも落ち着いて作業を行えば、きっと成功するだろう。
ワクワクする冒険を友達と一緒に楽しめる「ARK: Suvival Evolved」マルチサーバー
「ARK: Suvival Evolved」は、ジュラシックパークのような世界観の中で、サバイバルに挑むゲームであり、システム的にもマルチプレイ向きだ。公開されているマルチサーバーは鍵付きが多く、なかなか入れないこともあるが、自前のマルチサーバーを構築すれば、そうしたストレスもなくなり、まさに遊びたい放題になる。
マルチプレイで友達と一緒に遊べば、大きな獲物を共同で狩ったり、誰かが死んだ場合でも、遺品を回収してくれたりするので、探索がより楽しくなる。また、自前のマルチサーバーなら、遊ぶマップを11種類の中から自由に選べるだけでなく、食べ物の腐敗を遅くしたり、ドロップアイテムの量を増やすなど、さまざまな設定を変更することもできる。友達とじっくり遊びたいなら、マルチサーバーを立てることをおすすめしたい。
また、今回は、4コア40GBというスペックでインスタンスを作成した。「ARK: Survival Evolved」のサーバープログラムは、「マインクラフト」に比べると負荷が高いのだが、仮想メモリを4GB割り当てたこともあり、2人でのプレイなら特にストレスを感じることはなく、快適にプレイできた。