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「マインクラフト」のマルチサーバー構築はメニューを選ぶだけで超簡単!

 ここからは、KAGOYA CLOUD VPSを利用して、「マインクラフト」、「ARK: Survival Evolved」、「Valheim」の3つのマルチプレイ対応ゲームのマルチサーバーを構築する手順を解説する。まずは、「マインクラフト」からだ。「マインクラフト」のプレイヤーならご存じだろうが、「マインクラフト」には、Java版と統合版の2種類が存在し、クロスプレイはできない。マルチサーバーも、Java版と統合版では別々のプログラムとなり、互換性がない。

 通常、VPSを利用してマルチサーバーを構築するには、コンソール画面からLinuxのコマンドを入力したり、Viやnanoのようなエディタを使って設定ファイルを書き換えるといった作業が必要になり、そうした作業に慣れていない人にはややハードルが高い。しかし、「マインクラフトJava版」なら、カゴヤ・ジャパンが用意したソフトウェアパッケージを選択するだけで、標準的な設定でマルチサーバーを構築することができるので、とても簡単だ。「マインクラフト統合版」については、残念ながら簡単にインストールできるパッケージは用意されていないので、ここでは初心者でも簡単に構築できる「マインクラフトJava版」を取り上げる。

 「マインクラフト」については、今さら説明するまでもないだろうが、いわゆるサンドボックスゲームの金字塔であり、これ以降に登場した多くのゲームに影響を与えたゲームでもある。主にサバイバルモードとクリエイティブモードの2つのモードがあり、前者は、とにかく生き抜くことが目的であり、素材を集めて武器や防具を作り、ベッドなどを備えた生活の拠点を作ることが大切だ。1人でプレイしても、慣れてくれば十分生き残ることができるが、マルチサーバーを立てて友達と一緒にプレイすれば、作業を分担できるのでより生活が安定し、探検もはかどる。例えば、鉄鉱石を集めてくる人と、狩りをする人を分担したり、家を作るのが得意な人には家を作ってもらうなど、Discordなどを使ってボイスチャットしながらのプレイはとても楽しい。

 クリエイティブモードでは、すべての素材やアイテムを自由に使うことができるので、大がかりな街や建築物を作ったり、一つの世界を丸ごと再現したりするのに向いている。こちらも、自前のマルチサーバーがあれば、他人に邪魔されたり、せっかく作った建造物を壊されてしまうようなことがなく、友達と一緒にゆっくり時間をかけて理想の世界を作ることができるのだ。

 それでは、KAGOYA CLOUD VPSを利用して、「マインクラフトJava版」のマルチサーバーを構築して、マルチプレイを行う手順について解説する。手順は、

1.OSとパッケージを選んでインスタンスを作成する
2.クライアントのバージョンをサーバーに合わせて、構築したサーバーに接続する

といった流れになる。

「マインクラフト」カゴヤVPS設定ガイド

【「マインクラフトJava版」ならコマンド入力不要】
「KAGOYA CLOUD VPS」では、インスタンス作成時に「マインクラフトJava版」のマルチサーバープログラムを導入できる

「マインクラフト」のマルチサーバーはまずはインスタンスの作成から

 マルチサーバーを構築するにはまず最初に、インスタンスを作成する必要がある。インスタンスとは、ユーザーが自由に利用できるVPSの1つ1つのサーバーのことで、インスタンスごとに料金がかかることになる。自分用のサーバーマシンを設置して利用できるようにすることだと考えればよい。インスタンス作成の手順は以下のようになる。

 カゴヤ・ジャパンのサイトからVPSの申し込みを行うと、アカウントが発行される。そのアカウントを使って、WebブラウザからKAGOYA CLOUD VPSのコントロールパネルを開き、右上にある「インスタンス作成」をクリックする。パッケージは「Ubuntu 20.04 LTS」、アプリケーションセットアップは「Minecraft Server(Java Edition)」を選択し、スペックは、「2コア/2GB/25GB」を選択する。「ログイン用認証キー追加」をクリックして、登録をクリック後、登録された認証キーを選択する。コンソールログイン用のパスワードとインスタンス名を入力し、一番下の「インスタンス作成」をクリックすれば完了だ。

 インスタンス作成には数分かかるが、成功すれば、インスタンス一覧に表示される。なお、アクセスが集中すると、インスタンス作成時にエラーが出るときもあるが、その場合は、しばらく待ってから再度インスタンスを作成すればよい。

【「マインクラフトJava版」マルチサーバーのためのインスタンスを作成する】
アカウントとパスワードを入力して、KAGOYA CLOUD VPSのコントロールパネルを開く
右側にある「インスタンス作成」をクリックする
パッケージは「Ubuntu 20.04 LTS」、アプリケーションセットアップは「Minecraft Server(Java Edition)」を選択する
スペックは「2コア/2GB/25GB」を選択する
「ログイン用認証キー追加」をクリックし、登録をクリック。認証キーを選択する
コンソールログイン用のパスワードとインスタンス名を入力する
「インスタンス作成」をクリックする
インスタンス作成には数分かかるが、インスタンスが作成できれば、このような画面になる
インスタンス名をクリックすると、詳細情報が表示される。このIPアドレスがサーバーアドレスとなる

【注意点!】ゲームのバージョンをサーバーのバージョンに合わせることを忘れずに!

 上記の設定だけで、「マインクラフトJava版」のマルチサーバーの構築が完了し、接続して遊べる状態になっているのだが、このまま「マインクラフトJava版」のクライアントからサーバーに接続しようとしても、実はうまくいかない。その理由はバージョンの不一致だ。2022年3月23日時点での「マインクラフトJava版」の最新バージョンは1.18.2だが、KAGOYA CLOUD VPSで提供されているサーバーのバージョンは一つ前の1.18.1なのだ。サーバーとクライアントのバージョンが一致していないと、そのサーバーでプレイすることはできない。

 サーバーのバージョンを最新の1.18.2にするか、クライアント側のバージョンを1.18.1にすればその問題は解決する。サーバーのバージョンを上げるには、コンソール画面からLinuxコマンドを入力する必要があるため、ここではハードルの低い後者の方法を説明する。

 まず、「マインクラフト」ランチャーから左上の「起動構成」を選択し、「新規作成」をクリックする。名前の欄に「1.18.1(マルチプレイサーバー用)」などと入力し、バージョンで「release 1.18.1」を選ぶ。一番上にあるブロックアイコンをクリックして、アイコンを変更したら、「作成」をクリックする。これで1.18.1が追加されるので、選択して「プレイ」をクリックする。

【「マインクラフトJava版」のバージョンを1.18.1にダウングレードする】
「マインクラフト」ランチャーから左上の「起動構成」を選択する
「新規作成」をクリックする
名前の欄に「1.18.1(マルチプレイサーバー用)」などと入力し、バージョンで「release 1.18.1」を選ぶ
一番上のブロックアイコンをクリックすると、アイコンを変更できる。アイコンを変更したら、右下の「作成」をクリックする
1.18.1が追加されたので、選択して「プレイ」をクリックする

 ダウングレードした「マインクラフトJava版」が起動したら、左下のバージョンが「1.18.1」になっていることを確認し、「マルチプレイ」をクリックする。次に「サーバーの追加」をクリックし、先ほど作成したマルチサーバーのIPアドレスを入力する。表示されたサーバー名をクリックして選択し、「サーバーに接続」をクリックすれば、マルチサーバーでプレイを楽しむことができる。家族や友達にIPアドレスを伝えれば、複数人で同時に同じ世界で遊ぶことができるが、むやみにIPアドレスを公開するのは避けた方がよい。

【作成したマルチサーバーに接続する】
タイトル画面の左下に表示されているバージョンが「1.18.1」になっていることを確認し、「マルチプレイ」をクリックし、「サーバーの追加」をクリックする
サーバーアドレスの欄に、作成したマルチサーバーのIPアドレスを入力し、「完了」をクリックする
表示されたサーバー名をクリックして選択し、「サーバーに接続」をクリックする

「マイクラ」マルチサーバー完成! 他人に邪魔されずにいつでも続きを遊べて楽しい

 これで自分で構築したマルチサーバーで「マインクラフト」をプレイできるようになった。デフォルトの状態では、ゲームモードはサバイバルで、難易度はイージーとなっており、コマンドやコマンドブロックは利用できない。

 今回は、2コア2GBというかなり低めのスペックでマルチサーバーを構築してみたが、3人でプレイした感じでは、動作は十分軽く安定していた。声を掛け合いながら、子ども達は楽しそうにプレイしていたが、やはり、「マインクラフト」のようなクラフト要素が重要なサンドボックスタイプのゲームは、1人でプレイするより、複数人でプレイする方が格段に楽しくなる。それも気のあった仲間と遊べるのが最高だ。もう数人増えても大丈夫そうだが、参加プレイヤーが増えて、サーバーの動作が重いと感じたら、4コア4GBなどにアップグレードすればよい。

 また、好きな設定でプレイできることも自前マルチサーバーの魅力だ。少しハードルが高くなるが、その手順を紹介する。設定ファイルを編集することで、非常に細かな設定が可能だが、ここでは代表的な項目のみ説明する。マルチサーバーの設定は、「/opt/minecraft-server/server.properties」という設定ファイルに記述されているので、KAGOYA CLOUD VPSのコントロールパネルから、コンソールを開き、ユーザー名「root」、パスワードはインスタンス作成時に指定したものを入力。コマンドラインで

nano /opt/minecraft-server/server.properties

と入力し、設定ファイルを開く。必要な箇所を修正し、「Ctrl+X」キーで終了、「Y」キーとEnterキーを押して、ファイルを上書き保存する。

 例えば、モードをクリエイティブにしたいときは、gamemodeの行を「gamemode=creative」にすればよい。難易度はdifficultyで指定し、スーパーフラットにしたいときは、「level-type=flat」を追加すればよい。なお、設定を変更しても、そのままではワールドが再作成されないので、設定ファイルのワールド名を指定する「level-name=world」の「world」を他の文字列に変更し、設定ファイルを保存後、コントロールパネルからインスタンスの再起動を行えば、新しい設定で新しいワールドが作られる。また、このままではコマンドは使えないのだが、「/opt/minecraft-server/opt.txt」というファイルを作成し、コマンドを使える権限を与えたい「マインクラフト」のユーザー名を記述すれば、そのユーザーはコマンドを使えるようになる。具体的には、コンソールのコマンドラインで

nano /opt/minecraft-server/opt.txt

と入力し、ユーザー名を1行に1つずつ書いて、保存すればよい。

 マルチサーバーの設定を変更して、コマンドを解禁したところ、中学生の息子は大喜びで、エンダードラゴンを出しまくっていた。こうした普通のプレイではなかなかできないような変わったプレイも、自前のマルチサーバー内でやるなら他人に迷惑をかけることもない。

【マルチサーバーで遊ぶ「マインクラフト」】
3人でまわりを探検中
地下を掘り進んで拠点を作ることに
ベッドや畑も拠点の中に作った
マルチサーバーの設定ファイルを開いたところ。必要な項目を編集して上書き保存する
コマンドを使えるようにするには、「ops.txt」というファイルを作成して、権限を与えたいユーザー名を記述する
設定ファイルを書き換えて、スーパーフラットのクリエイティブモードにしてみた
クリエイティブモードならすべてのアイテムを作ることができる
コマンドも許可されたので、世界を好き勝手にできる