【特別企画】

ターフを駆ける究極無敵のテイオーステップ! 「ウマ娘」 トウカイテイオーのここが好き!!

競馬&声優ファンが「ウマ娘」にのめりこむまで

【ウマ娘 プリティーダービー】

配信中

プレイ料金:無料(アイテム課金制)

 2021年4月のリリース後、一般誌紙にも取りあげられ、アニメ&ゲームファンはもとより、競馬ファンや日頃ゲームをしない層にまで知れ渡るほどの勢いを見せる、CygamesのAndroid/iOS/PC用育成シミュレーション「ウマ娘 プリティーダービー(ウマ娘)」。

 かくいう筆者自身はもともとゆるい競馬好きだが、スマホゲームはあまりやってこなかった。しかしとあるキッカケからウマ娘のトウカイテイオーに惹かれてプレイしてみたところ、史実の活かしっぷりとキャラクターとしての可愛らしさからすっかり「ウマ娘」、そしてトウカイテイオーファンになってしまった。

 今回は実馬と、その史実を踏まえて、アニメ、ゲームのトウカイテイオー様の魅力について語っていきたい。

トウカイテイオー(CV.Machicoさん)

ギャンブルを超えた競馬の面白さ、ドラマをで堪能できる「ウマ娘」

 「ウマ娘 プリティーダービー」は公営ギャンブルの「競馬」を題材にしている。しかし競馬には、競走馬の順位を当てるギャンブルである以上の魅力、ドラマ、面白さがある。「ウマ娘 プリティーダービー」は、一見すると競走馬を擬人化した、いわゆる「萌えゲーム」だ。しかし開発にあたってのコンセプトは「トレーナーとなって二人三脚でウマ娘たちとトゥインクルシリーズを制覇しよう!」であり、「ウマ娘それぞれの夢を一緒に叶えるゲーム体験や物語体験を目指しました」と担当プロデューサーから語られている。

インタビューが掲載されている「ウマ娘 プリティーダービーマガジン」

 それだけに、各ウマ娘それぞれに名馬の歩みをトレースする様なドラマが設定されている。例えばゲームのアイコンでもあり、2018年春放送のTVアニメ版「ウマ娘プリティダービー Season 1」のヒロインにもなった「スペシャルウィーク」は、牡馬が産後すぐに亡くなっていて、ウマ娘でもその生い立ちが重ねられている。

スペシャルウィーク

 劇中では、普通の人間に混じって、当たり前の様に尻尾と耳が生えたウマ娘が闊歩している。その「動物としての“ウマ”が存在しない代わりに“ウマ娘“が当たり前にいる世界」という架空の要素があるものの、レース場やレースそのものの描写は念入りに造り込まれている。

 また、ギャンブルである代わりに、「ウマ娘」をアイドル化し、勝利によって賞金ではなくファンを獲得していき、レース後にライブパフォーマンスが行なわれるという斬新なアレンジが、育成ゲームとしての楽しさを増している。

各競馬場の違いも再現されている。こちらは宝塚記念他の舞台、阪神競馬場
風光明媚な福島競馬場は直線の緩やかな坂も再現
レースで上位入賞した担当声優ウマ娘たちの歌声を聴けるライブシーン。
ホーム画面にある「ライブシアター」では、ゲットした楽曲を自由に聴けて、衣装やフォーメーンションまで細かく設定可能。TVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 1」OP曲でもある「MAKE DEBUT!」を、ホリプロインターナショナル所属の3人バージョンにしてみた

 「ウマ娘」というキャラクターに依存することなく、背景や設定など細部を造り込む事でよりゲーム性を高め、結果としてウマ娘の魅力も引き出すという相乗効果がソーシャルゲーム「ウマ娘」の魅力だと言えるだろう。

何故「トウカイテイオー」なのか? 未だ破られぬ記録と鞍上の変更

 さて、ではまずウマ娘の「トウカイテイオー」について語る前に、モチーフとなった実在の競走馬・トウカイテイオーを振り返ってみたい。クラッシック三冠馬(皐月賞・東京優駿※日本ダービー・菊花賞)皇帝・シンボリルドルフの仔であるトウカイテイオーは、家族3人で切り盛りする家族牧場の「長浜牧場」で1988年4月20日に産まれた。大人しい性格ながら威厳を感じる、目が澄んだ仔馬だったと言われる。競走馬としてデビューしたのは1990年12月。そこからのトウカイテイオー戦績は以下の通り。(※「ウマ娘」に登場する出走馬の着順も参考までに記載した)

  • 1990年12月1日 中京競馬場1,800m 新馬戦
     鞍上は安田隆行騎手。出遅れをものともせず、4馬身離しての1着デビュー。この4馬身が、テイオーが勝利した時に2着に付けた最大の着差だった。
  • 1990年12月23日 京都2,000m シクラメンS
     3番人気。先行して4コーナーで抜け出す近代競馬王道レース。2馬身差で2勝目。
  • 1991年1月19日 京都2,000m若駒S
     4歳になって3連勝目。ナイスネイチャが3着に入っている。
  • 1991年3月17日 中山2,000m 若葉S
     関東初見参、2着に2馬身差で勝利。
  • 1991年4月14日 中山2,000m 皐月賞
     大外18枠から簡単に抜け出してG1勝利。親仔2代のクラシック戴冠。
  • 1991年5月26日 東京2,400m 日本ダービー
     外を回っての圧勝で、無敗の二冠馬に。2着レオダーバンの岡部幸雄騎手をして「3、4回ミスをしてくれてもかなわなかったろう」と言わしめ、鞍上の安田隆行騎手は二本指を突き上げた。それはかつて父であるシンボリルドルフに騎乗した岡部幸雄騎手が三冠達成時に三本指を突き上げたのを思い起こさせ、三冠宣言と言われた。しかしここで骨折が判明、菊花賞出場は潰え、幻の三冠馬となった。
  • 1992年4月5日 大阪2,000m 大阪杯
     骨折明けで鞍上は岡部幸雄騎手に変更となったが、無敗の7連勝を達成。イクノディクタスが4着。
  • 1992年4月26日 京都3,200m 天皇賞・春
     無敗で乗り込んだ天皇賞は1番人気もまさかの失速で5着に沈み、再度骨折が判明。1着は武豊騎手のメジロマックイーン。メジロパーマーが7着。
  • 1992年11月1日 京都2,000m 天皇賞・秋
     1番人気も見せ場なく7着。ナイスネイチャが4着、イクノディクタスが9着、メジロパーマーが17着に入っている。
  • 1992年11月29日 東京2,400m ジャパンカップ
     生涯最低の5番人気。史上最強の海外馬を相手に岡部幸雄騎手の絶妙な手綱捌きもあってクビ差1着。大テイオーコールがこだました。イクノディクタスが9着。
  • 1992年12月27日 中山2,500m 有馬記念
     岡部幸雄騎手が騎乗停止となり田原成貴騎手騎乗に変更。1番人気も11着惨敗。またしても骨折が判明する。メジロパーマーが1着、3着にナイスネイチャ、7着イクノディクタス、8着にライスシャワー、12着にダイタクヘリオス。
  • 1993年12月27日 中山2,500m 有馬記念
     岡部幸雄騎手がビワハヤヒデを選んだため、再び田原成貴騎手が騎乗し4番人気。2着ビワハヤヒデに1/2馬身差で勝利。3着ナイスネイチャ、4着マチカネタンホイザ、6着メジロパーマー、8着ライスシャワー、11着ウイニングチケット。

 ざっと戦績を見ただけでも競走馬としてのトウカイテイオーのドラマがお解り頂けると思う。3度の骨折を乗り越え、テイオーサイドはともかく、メディアとファンが4番人気で迎えた有馬記念での復活勝利は競馬史に遺る名勝負だ。中364日でのGI勝利は、未だ破られぬ長期休養明けGI勝利の最長記録でもある。しかし筆者が注目するのは、鞍上を3人の騎手が交代、それぞれにドラマがあるという事だ。騎手の変更自体は珍しくなく、例えばトウカイテイオーのライバルと称されるメジロマックイーンは天皇賞でも騎乗した武豊騎手のイメージが強いが、1990年の菊花賞を勝った時は内田浩一騎手だ。

 しかしトウカイテイオーとのコンビで無敗を誇っていた安田隆行騎手→岡部幸雄騎手への変更は様々な憶測を呼んだ。その後、トウカイテイオーの引退式に歴代の3騎手が出席したが、一番声援を受けた安田隆行騎手が騎乗しなかった事を競馬ファンは悲しんだ。

 そして「ウマ娘 プリティーダービー」においても、プロデューサーの交代という大きな出来事があった。こうした変遷を踏まえると、トウカイテイオーは、「ウマ娘」を象徴するキャラクターだと思えるのだ。

【10月11日 編集部追記】
記事初出時、トウカイテイオーの引退式に関する記述において、安田隆行騎手が出席していなかったとしていましたが、事実とは異なっておりました。お詫びして訂正いたします。合わせて、著者からのコメントを掲載いたします。

 “筆者の記憶違いと、「名馬列伝 トウカイテイオー」のインタビューで安田騎手が引退式の時の事を訪ねられて「そりゃあ、乗せてやると言われたら乗りたかったよ。でも頼まれなかったから(笑)」というお応えがあり、引退式そのものへお出にならなかったものと思い違いをしてしまいました。関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしました。”

何故「トウカイテイオー」なのか?  ~Machicoさんの忘れ得ぬ言葉

 「ウマ娘」は発表から5年という超難産の末世に出たタイトルである。その間、IP展開の先駆けとなった、TVアニメやコミックでファンを増やしてきたが、それはウマ娘を演じる豪華な声優陣の功績も大きい。筆者自身が「ウマ娘プリティダービー」に注目したのも、2021年1月放送開始のTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」でMachicoさんが演じるトウカイテイオーがヒロインになったからである。無論、TVアニメ「Season 1」でもMachicoさん演じるトウカイテイオーはチームスピカのメンバーとして登場していたが、ヒロインとなった事は非常に重要な意味を持っている。

 Machicoさんは「アイドルマスター ミリオンライブ! 」伊吹翼役でソーシャルゲームファンにもお馴染み。2010年代アニソンの名曲「fantastic dreamer」(「この素晴らしい世界に祝福を! 」OP)や、「プリキュア」シリーズのOPなどで大活躍中。まさにウマ娘にピッタリの声優アーティストと言える。

歌唱力に定評のあるMachicoさんによるライブシーンも堪能できる
【「fantastic dreamer」MV】

 Machicoさんは2011年、ホリプロ主催の「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン 次世代声優アーティストオーディション」ファイナリストとなり、2012年にアーテイストデビュー。2019年、筆者はアーティストデビューして7周年を迎えたMachicoさんのワンマンライブ「Symphonic Session」を取材した。その時フリートークで、「今年初めてアニメの主役を(ライフル・イズ・ビューティフル 小倉ひかり役)頂いたんですけれど」、「歩みは遅かったかもしれないし、主役を貰えるのも凄く時間はかかったかもしれないけど」、「いっぱい経験させてもらっているから…私は遅かったなーって、いうのはあるけど、今、主役ができて良かった」と、心境を吐露したのを聴いた。

 なるのも大変で、あり続けるのはさらに大変なのが声優である。7年間も1線で活躍していればそれは大成功と、外野からは思える。それでも主役になる事には特別な想いがあるというメッセージに胸を打たれ、Machicoさんを刮目して見る様になった。だからトウカイテイオーがTVアニメ2期「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」でヒロインとなったのを知ってとても嬉しかった。

 そしてもう1つ、そのトウカイテイオーが憧れる「カイチョー」ことシンボリルドルフを演じるのが田所あずささんであるという点にも、筆者はドラマを感じている。何故なら田所あずささんこそは「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン 次世代声優アーティストオーディション」グランプリ受賞者で、2013年にはTVアニメ「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。」のヒロイン、フィノ・ブラッドストーン役を射止めている。

 Machicoさんと田所あずささんは同じホリプロインターナショナルに所属し、「アイドルマスターミリオンライブ! 」他でも共演している。アニメは共同作業で創っていく物なので、声優同士はライバルというよりは戦友と言うべき存在である。2人をキャスティングした時に、ゲームやアニメにおけるシンボリルドルフとトウカイテイオーの関係性が加味されたかどうかは解らない。しかし筆者としてはシンボリルドルフとトウカイテイオーに、田所あずささんとMachicoさんを重ね合わせてドラマを感じてしまうのだ。

 だからMachicoさんに大いに関心を寄せてきた筆者にとって「ウマ娘」とはトウカイテイオーであり、これこそが今回不慣れなソーシャルゲームに挑戦しようと思った理由でもあるのだ。

史実では親仔だが、ウマ娘においてはトウカイテイオーが超えるべき壁として描かれるシンボリルドルフ

何故「トウカイテイオー」なのか? 全力全開の喜怒哀楽で産み出すドラマの魅力!!

 さて、各ウマ娘のキャラクター造形は実馬を元にしている事は有名だが、トウカイテイオーも流星をモチーフにした特徴的な髪型になり、勝負服は騎手の衣装をモチーフにしている。アニメ版「Season 2」で変更され、ゲーム版で追加された勝負服の「ビヨンド・ザ・ホライズン」は、メジロマックイーン騎乗の岡部幸雄がトウカイテイオーを「地の果てまで走りそう」と評した事にちなんでいると言われる。

 デザイン面で実馬を踏襲したトウカイテイオーは、Machicoさんによって、元気で活発、一人称が「ボク」のいわゆる「ボクッ娘」として命を吹き込まれた。「強いカブト虫を捕まえに行こうよ~」とねだる少年の様な純粋さを見せつつ、「帝王」の名に相応しい、自信に満ち溢れたキャラクターでもある。そしてそれ故に、度重なる怪我に打ちのめされ、克服する健気さには泣かされてしまう。

自信に満ちあふれた言動だが、とても可愛い
「帝王」目線にもかかわらず、愛すべきキャラクターになっているのはMachicoさんの好演ゆえであろう

 さらには、元気ハツラツとした日常シーンや、力強さと威厳を溢れさせる練習、レース時の「究極~無敵の~テイオーステップだ~っ」という極め台詞。惜しくも負けた時や怪我、不調の時に「なんだよぉ……」と困惑しながらも見せる不屈の闘志など、Machicoさんの熱演が、ウマ娘としてのトウカイテイオーを魅力的なキャラクターにしている。そしてアニメ版のトウカイテイオーの物語は、史実をなぞる様に度重なる怪我とそれを克服しての復活劇として描かれ、単なる「萌えアニメ」の範疇を超えたドラマチックなものとなっていた。

必勝のテイオーステップ!
様々な表情をみせるトウカイテイオー。悔しさ一杯で「なんだよお……」といじけるのも可愛い

 また、トウカイテイオーの魅力をより引き立たせるのが、登場するウマ娘との史実に基づいた関係性だ。先述した父である皇帝・シンボリルドルフの他、生涯4度対戦したナイスネイチャ、ビワハヤヒデ、マヤノトップガンなど、史実において同世代だったウマ娘とのドラマが描かれる。そして特筆すべきが、アニメのラストまでライバルとして競い合うメジロマックイーンの存在だ。

トウカイテイオーとメジロマックイーン

 本稿で参考にした「名馬列伝 トウカイテイオー」ではせべゆたか氏が「この2頭の対戦は夢想するしかないドリームレースなのかもしれない」と語っている。史実では天皇賞・春で1度対戦しているが、3,200mという距離は、トウカイテイオーの真の力をみせたとは言えないからだ。そしてアニメにおいても、得意距離の違い(トウカイテイオーは1,800m~2,200mの中距離が得意、メジロマックイーンは2,400m以上の長距離を得意とするステイヤー)がきちんと描かれる。そうして史実に沿った結果を踏襲しつつ、この両馬がライバルとして切磋琢磨する描写は胸に熱く迫るものがある。ラスト、2頭のドリームレースを予感させる幕引きは見事というほかない。

 ここのところ女性キャラクターが多数登場するアニメは、「みんなで目標に向かって頑張る」事が多い。そんな中で「ウマ娘」が、競い合ってお互いを高め合う、スポ根的ライバル関係で多くのアニメファンに爽やかな感動を与えたのは特筆に値する。特にアニメやゲームに馴染みがなかった競馬ファンがハマったり、逆に「ウマ娘」から競馬の面白さにも目を向けるゲーム・アニメファンが少なくないのも、この史実に基づいたドラマが大きな要因であろう。「ウマ娘」はコミック版も非常に評価が高いが、アニメもまた、ゲームのIP展開の域を超えた名作であった。

ラスボスの如きシンボリルドルフ(CV.田所あずささん)
ナイスネイチャ(CV.前田佳織里さん)
最後の有馬記念で死闘を演じたビワハヤヒデ(CV.近藤唯さん)とトウカイテイオー
史実では絡まないマヤノトップガン(CV.星谷美緒さん)。アニメではトウカイテイオーと同室

いざ育成開始! トウカイテイオーと二人三脚で伝説を築く!!

 ではゲーム版「ウマ娘 プリティーダービー」でのトウカイテイオーを見ていこう。ボリュームのあるアプリなので色々な要素がある。まずホーム画面にトウカイテイオーに設定すればログインの度に元気に話しかけてくるのでオススメだ。耳がピコピコ動いて尻尾がゆらゆら動くのも楽しい。

トウカイテイオーを配したホーム画面
トウカイテイオーの喜怒哀楽はずっと見ていても飽きない

 また、ストーリーモードではアニメでは描かれなかったトレーナーとの前日譚や、各ウマ娘とのショートストーリー全7話が用意されている。ゲーム中と違ってフルボイスが収録され、特にシンボリルドルフとの直接対決関係、皇帝を超える帝王になるとの発言など、アニメの前日譚としても楽しめる。

トウカイテイオーのストーリーモードは親密度を上げるにしたがい解放される

 そしてゲームの「ウマ娘」と言えばやはり「育成モード」だ。なんと言っても史実をなぞらえたアニメ版と違い、菊花賞に出場し、三冠馬となる事が可能なのでトウカイテイオーファンの悲願が達成できる。さらに勝てずに終わった天皇賞での勝利、シンボリルドルフはじめ一緒に走る事の無かった名馬との勝負など、色々な妄想、夢を続々と具現化する楽しみもウマ娘ならではのものだ。

ゲーム版ならではの菊花賞出走

 ウマ娘はその人気故攻略情報なども数多いが、初心者である筆者はトウカイテイオーの育成にあたって史実やアニメの関係性に沿って行なう事にした。具体的には、実馬のトウカイテイオーと同じく中距離先行を活かしてスピードとスタミナ重視で振っていった。また、トウカイテイオーであれば最初に引いたスピカのメンバーの中にダイワスカーレットやゴールドシップなど、相性の良いキャラクターが多いので序盤も少し楽だった。

アニメでも得意なキャラクターで笑わせてくれたゴルシことゴールドシップ。テイオーとの関係性を考えながら好きなサポートウマ娘を選ぶのも楽しい

 とはいえトウカイテイオーもサポートウマ娘も、最初は数値が低いので中々先へ進むのに苦労するが、何度か繰り返すと初期数値が上昇するし、レベルの高いサポートウマ娘をレンタルできるので楽になる。育成というとどうしても、目標に向けてたルーティンの義務感漂う作業ゲームになりがちだが、「ウマ娘」はそこのゲーム性がとても考えられている。他のウマ娘との交流やドラマ性があり、苦にならないし、目標へ向かう過程、育成自体がとても面白いのだ。例えばトウカイテイオーが日本ダービーを勝って指を突き出すのは、史実のエピソードと合わせて、ファンにはぐっとくる描写だ。

ダービーを勝利すると、安田隆行騎手が行ったのと同じ指を突き上げたポーズを取る

 そしてダービーの後には菊花賞に向けて怪我を克服するエピソードが挿入される。その菊花賞の距離は3,000m。翌年の天皇賞・春も見据えて、ここは史実を覆す為のスタミナか「長距離因子」が必要になるのだ。

 育成中にはTVアニメ版でトウカイテイオーに憧れる小学生だったキタサンブラックとの交流も見ることができたりもする。また、ビワハヤヒデは史実では、最後の有馬記念で岡部幸雄騎手がトウカイテイオーを振って騎乗した因縁の競走馬だ。筆者のトウカイテイオーが菊花賞でビワハヤヒデを下して三冠を達成した時は、そのドラマに思わず胸が熱くなった。

アニメ版では史実通りに出走も叶わなかった悲願の菊花賞を征し、三冠を達成した姿に思わず涙
キタサンブラックとトウカイテイオー

 最終的に筆者のトウカイテイオーはURAファイナルズの優勝までは届かなかったものの、育成の最終目標である有馬記念では、会長であるシンボリルドルフ超えを果たしての優勝を飾ることができた。実馬に重ねれば父である皇帝を倒した夢の瞬間とも言えるわけで、競馬ファン、トウカイテイオーファンとしては感慨深いものがあった。

シンボリルドルフを従えての有馬記念制覇!
会長を従えての、楽曲「NEXT FRONTIRE」は胸熱!
本稿執筆時点で筆者は無課金プレイ中で、最終目標の有馬記念まで辿り着くまで、無課金で10回近く育成を行なった。次はURAファイナルズ優勝を目指してさらなる育成中

萌えて可愛くて楽しくて、そして奥深いウマ娘の世界

 今まで、「おたくの嗜み」として話題作や気になるソーシャルゲームをダウンロードした事はあっても続かなかった筆者が、「トウカイテイオー」の育成をクリアし、URAファイナルズも優勝までは届かなかったものの、ひとつ目標としていた「うまぴょい伝説」を聴くところまで一気にプレイをすすめることができた。これは伝説的名馬のドラマを内包したストーリー、そしてMachicoさんの熱演によるトウカイテイオーの魅力あっての事だと思う。そして何より個人的にはここまで一気にプレイできたのは、「ウマ娘 プリティーダービー」のゲームとしての快適な操作性の良さも大きかった。

 筆者は競馬における実馬と、声優のMachicoさんから入り、アニメ版を経てゲーム版のトウカイテイオーのドラマを体験してきた。当然、他のウマ娘にも実馬を踏襲したドラマがあり、声優さん達の魅力を感じる方は、それぞれ好きなウマ娘を育成して楽しめるに違いない。

「ウマ娘」は世代や適正距離を超えた競走馬のオールスター戦であり、競馬ファン夢のひとつの具現化なのだ。競馬ファンも日頃スマホゲームを敬遠している方も是非ゲートインして、この面白さを味わってほしいと思う。

団体戦でもテイオー節全開
新たな物語に続いていく爽やかなラスト
テイオーのライブが可愛すぎてスクリーンショットが止まらない

【参考文献】
・「名馬烈伝 トウカイテイオー」光栄出版部
・「ウマ娘 プリティダービーマガジン」講談社・一迅社