【特別企画】
「GUNDAM EVOLUTION」PC版CBT体験レポート
世代や世界観を超えた12体のモビルスーツ達による夢のチーム対戦シューター
2021年8月10日 14:20
- 【「GUNDAM EVOLUTION」PC版クローズドβテスト】
- 8月8日~9日開催
バンダイナムコオンラインは、2022年にリリース予定のチーム対戦シューター「GUNDAM EVOLUTION」のPC版クローズドβテストを8月8日~9日(各日18:00~0:00の計12時間)に実施した。テストには事前募集の抽選で選ばれたユーザー5,000名が参加した。
ガンダムシリーズ初の本格的チーム対戦シューターとして開発中の本作は、国内外のゲームファンにガンダムのゲームを普及するために、あえてガンダムシリーズの世界観やストーリーは採用せず、モビルスーツの機体設定のみを反映させた内容となっている。その開発経緯などの詳細は、弊誌が7月に掲載したインタビューで開発陣が解説しているので、ぜひそちらもお目通しいただければと思う。
本稿では2日間にわたって行われた本作のCBTに実際に参加し、ゲーム全体の構造やモビルスーツ(MS)の手触りなどについてレポートしていきたい。なおレポートしている内容はテストであり、サービス開始時には変更がある場合があるのでご了承を。また画像はプレイヤー名が表示されているところがあり、一部に加工をほどこしている
6対6に分かれて行うチーム戦。MSの個性を生かした戦いが繰り広げられる
今回実施されたテストでは、MSの操作を学ぶチュートリアルと、ランダムでマッチングされるカジュアルマッチのみをプレイすることができた。チュートリアルは登場MSの「ペイルライダー」を使って行うもので、基本操作を覚えられる仕組みだ。ゲームの操作はマウス&キーボードのほかゲームパッドにも対応し、ボタン表示も切り替わる。今回はXbox Oneのコントローラーを使用した。
ゲームを実際に触ってみると、操作自体は一般的なFPSに準じているが、ゲージを消費して行う「ブースト」を使ったアクションはこれまでのガンダムゲームに近いものだ。ブーストの使い方はMSの操作において非常に重要で、ゲージを1本消費して近距離を超高速で移動する「ブーストステップ」、ゲージを徐々に消費して高速移動する「ブーストダッシュ」、ジャンプ後に滑空する「ホバリング」などがあり、これらを状況によって使い分けていく。
クローズドβテストで使用可能な機体は12体。ガンダムやジムといったオーソドックスな機体、ガンダム・バルバトスやジム・スナイパーIIといった少し特殊な機体がラインナップされる。機体ごとに得意とする戦い方は異なるが「タンク」や「ヒーラー」といった特定の役割は設けられておらず、どの機体もそれぞれの持ち味を生かして活躍が可能だ。
各機体にはコスト等の概念はなく、どれを選んでもOKだが、チーム内で同じ機体は選べないというルールがある。またリスポーン時なども含め拠点に戻ったときは、使われていない機体ならいつでも乗り換えが可能だ。
MSは攻撃を受けてHPが0になるとその場で動けなくなる「中破」状態となる。さらにダメージを受けるか時間経過で完全に破壊される「大破」となってリスポーンを待つことになるが、中破状態で接近した味方にリカバリーをしてもらうことでその場で復活することも可能だ。ただしリカバリー中は味方も動けなくなるため敵から狙われやすいという大きなリスクが伴う。筆者もリカバリーをしているときや、リカバリーをするかどうか迷っている間にやられてしまうということを何度か経験し、周囲の状況をしっかりと確認してから行うようになった。なおMSのHPは、リペアアイテムやスキルでの回復以外に、時間経過でも回復する。HPが減ったら前線から離脱したり、敵の死角に隠れたりしてHPを回復するのも立派な戦術の一つとなるだろう。
マッチングしたプレイヤーは6人ずつのチームを組み、アースノイド側とスペースノイド側に分かれて対戦が行われる。ゲームは攻守に分かれてマップ上のポイントを占拠・防衛する「ポイントキャプチャー」、時間で開放されるポイントを長時間制圧したチームが勝利となる「ドミネーション」、攻守に分かれマップ上の目標を破壊・防衛する「デストラクション」の3つのルールが用意されている。今回のテストではゲームモードはランダムで選ばれる仕組みとなっていた。
劇中の設定や活躍シーンを機体の個性に反映した12機のモビルスーツ達
ここからは12機のMSを使用した感触について紹介していきたい。MSには大まかな射程距離を示す「レンジ」、MSの耐久力を示す「HP」、ブーストゲージの本数を表す「ステップ回数」、またシールドを装備した機体にはその耐久値を指す「シールド」の値がそれぞれ設定されていて、メインウェポンといくつかのアクティブスキル、そしてスペシャルスキルの「Gマニューバ」を持っている。なお各機種の「難易度」については、機体紹介画面に提示されている基準的なものだ。★の数が多いほど立ち回りが難しいということだが、このあたりは好みによって変わるだろう。
アクティブスキルはその機体特有の攻撃やアクションで、機体ごとに2~4種類を装備していて、使用すると一定時間のクールダウンを必要とするものだ。そしてGマニューバは時間経過やダメージの蓄積などで溜まっていくゲージがフルになると使用可能となる強力なスキルで、使い方次第では戦況を覆すほどの高い効果を発揮するものだ。どのスキルやGマニューバもそれぞれの機体に上手くマッチしていて、ガンダムファンにはグッとくるものが揃っている。このあたりはバンダイナムコオンラインのガンダムゲームに対するノウハウが上手く反映されている印象だ。
ペイルライダー
- 難易度:★★
- レンジ:中距離
- HP:1,000
- ステップ回数:2
ゲームソフト「機動戦士ガンダム サイドストーリーズ」に収録された「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」に登場するオリジナルの機体。連射可能な「ブルパップ・マシンガン」と、投擲する「ハンドグレネード」を装備した、チュートリアルにも登場している扱いやすい機体。さらに設置すると周囲の味方をリペアできる「リペアポッド」や敵の動きをスローにする「EMPグレネード」など、攻守に優れたスキルを持っているので、初心者から上級者まで幅広く扱えるだろう。Gマニューバはもちろん「HADES」で、自身を一定時間パワーアップし、移動速度とブルパップ・マシンガンの攻撃性能が上がるというもの。特殊な動きをするものではないので、これもまた使いやすかった。
ガンダム
- 難易度:★★★
- レンジ:中距離
- HP:1,000
- ステップ回数:2
- シールド:1000
ご存じ“連邦の白い悪魔”ことRX-78-2ガンダム。操作自体はしやすく、メインウェポンの「ビーム・ライフル」は射程が長めに設定されていて、反動も少なく非常に使いやすいが、「ハイパー・ハンマー」と「ガンダム・シールド」の2つのスキルにややクセがあり、これが難易度★×3の機体ということなのだろう。Gマニューバは投擲後に一定時間で爆発し広範囲に爆風が広がる「スーパー・ナパーム」。爆発するまでその範囲が表示されるので逃げることもできるが、範囲が広いので機体や戦況によっては逃げられないこともある。複雑な地形で使うと効果が高そうだ。
ザクII[射撃装備]
- 難易度:★★★★
- レンジ:近距離
- HP:800
- ステップ回数:3
ジオン公国の傑作量産型MS。実弾系のメインウェポン「ザク・マシンガン」と、手投げ弾のスキル「クラッカー」を持ち、ペイルライダーに近い操作感覚を備えているが、HPがやや低めで、その分ステップ数が多いという特徴を持つ。もう一つのスキル「スモーク・ディスチャージャー」は、一定時間煙に身を隠し敵からのダメージを受けなくするというもの。この使用時はブーストが回復するという効果もあり、ブーストステップを絡めた接近や離脱を得意とする。Gマニューバは、ヒートホークを持って敵に斬りかかる突進攻撃だ。
ガンダム・バルバトス
- 難易度:★★★★
- レンジ:近距離
- HP:1,000
- ステップ回数:3
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の主役機で、巨大な打撃用メイスがトレードマーク。本作でももちろん「メイス(薙ぎ払い)」がメインウェポンで、銃器による攻撃を一切持っていないというなんとも潔い機体だ。そのため撃ち合いでは絶対に勝てないが、前方に大きくジャンプするスキル「ブーストジャンプ」で、他の機体が行けないような場所から敵の死角に入り込んで切り込んでいく奇襲攻撃が主な戦略となる。
「メイス(叩きつけ)」と「太刀」は、ヒット時にスタンの状態異常を付与できる強力なスキルだ。スタン状態では、移動やスキルの使用などあらゆる行動が制限され、数秒間無防備になる。Gマニューバは「阿頼耶識(あらやしき)システム」。高速移動し、発動中3回まで任意に敵を斬りつける。
サザビー
- 難易度:★★★
- レンジ:近距離
- HP:1,500
- ステップ回数:1
- シールド:2,000
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で、シャアが搭乗した巨大なMS。本作でもその大きさは健在で、敵の攻撃が当たりやすいぶん、HPが高めに設定されている。散弾ビーム「ビーム・ショット・ライフル」と、スキルの「ビーム・トマホーク」が主な攻撃となる。この機体で特に優れているのが「索敵」で、使用中に敵を捉えると、その位置が一定時間味方にも表示されるようになる。味方や投擲後のビーム・トマホークに向かって移動する「ホーミングブースト」を使って前線へ素早く移動し、効果的に索敵を行えばチームを有利に導ける。Gマニューバは「ファンネル」。範囲内の敵に向かって飛んでいき自動で攻撃する。
メタス
- 難易度:★★★
- レンジ:中距離
- HP:900
- ステップ回数:2
「機動戦士Zガンダム」に登場した、エゥーゴの試作型可変MS。劇中の通り、「変形」によりMA形態となり飛行することができる。両手に装備した「アーム・ビームガン」やスキルの「ツインショット」、「ガンターレット」など、攻撃も多彩だが、何より頼りになるのは「リペアケーブル」で味方のHPをリペアできるということ。ある程度離れた相手にもケーブルが繋がっている限り効果があり、さらに中破した味方をケーブルでリカバリーすることも可能だ。しかもこのスキルは際限なく使えるという特性があり、ヒーラーに徹すれば、味方にとって頼りになる存在となるはず。Gマニューバも同様に味方にケーブルを伸ばす「エネルギーケーブル」で、こちらは対象を大幅に強化することができる。
ジム・スナイパーII
- 難易度:★★★
- レンジ:遠距離
- HP:800
- ステップ回数:1
「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場する狙撃特化型のジムで、メインウェポンは「スナイパー・ライフル」。これを構えるとスコープを覗いたズーム視点となり、敵を狙いやすくなり、当たり所によってはいきなり大破させることも可能なほど強力だ。乗ると上空に大ジャンプができるパネルを設置するスキル「ジャンプブースター」も、自身が狙撃しやすい場所に行きやすくするためのものだ。また「リカバリーガン」によって、遠方の味方を回復することも可能だ。Gマニューバの「センサー・バイザー」は、マップ全域の敵をスポットする索敵を行うというもの。
アッシマー
- 難易度:★★★
- レンジ:中距離
- HP:1,000
- ステップ回数:2
「機動戦士Zガンダム」に登場する地球連邦軍の可変MS。メタスと同じように「変形」でMA形態に変形して飛行することができるが、航続距離はメタスよりも長いのが特徴。常に高い位置からの攻撃を意識することができ、戦線からの離脱も容易だ。手持ちの「大型ビームライフル」は通常は3点バースト射撃を行うが、スキルの「チャージショット」による溜め撃ちも可能。また「ナパーム弾」は投擲すると着弾後に炎の壁を作り出し、中に入ったものにダメージを与える。Gマニューバの「パンチ」は正面からの敵の攻撃を防ぎながら突進するパンチ攻撃だ。
ドムトルーパー
- 難易度:★
- レンジ:中距離
- HP:1,200
- ステップ回数:1
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」で、ターミナルによって盗まれたザフトの設計図をもとに作られたMS。メインウェポンの「ギガランチャーDR1マルチプレックス」は実弾を発射し爆発範囲にいる敵を巻き込める武器だが、スキルによって一定時間ビームを照射することもできる。HPが高めに設定されていて、マップ上に3つまで配置できる「感知式吸着地雷」で敵の足を止めたり、「アーマーガン」で味方にアーマーを付与したりと、攻防どちらにも対応できる扱いやすいMSだ。Gマニューバ「スクリーミングニンバス」は、正面からの射撃を防ぎながら突進する攻撃で、シールドによるガードも突破してダメージを与える。
∀ガンダム
- 難易度:★★
- レンジ:中距離
- HP:1,100
- ステップ回数:2
「∀ガンダム」で、神像「ホワイトドール」の中から現れた主人公MS。手持ちの「ビーム・ライフル」はチャージ攻撃が行え、溜め時間が長いほど威力が上がり、最大時は敵を貫通するという特徴を持っている。スキル「ナノスキン」により自己修復を行えるので、より長い間前線で戦うことができるが、スキルのクールダウン時間はやや長めだ。また「巴投げ」は正面の相手を掴んでダメージとスタンを与えることができる。Gマニューバ「月光蝶」は、飛行して周囲の敵にダメージを与える、見た目も派手な攻撃だ。
ガンタンク
- 難易度:★
- レンジ:中距離
- HP:1,200
- ステップ回数:2
地球連邦軍のV作戦で開発された試作MSで、キャタピラを装備した戦車のような姿をしている。メインウェポンは両腕の「ボップ・ミサイル」で、リロードをせずに長時間撃ち続けることができ、通常は範囲内の複数の敵にヒットするが、単体を狙う火力集中モードに切り替えることもできる強力な武器だ。肩の「キャノン砲」はスキル扱いで、着弾点で爆発する実弾を発射。また「突進」によって敵に突っ込んだり逆に離脱したりすることも可能で、非常に扱いやすい機体である。Gマニューバ「コア・ファイター射出」は本体から離脱したコア・ファイターが飛行し、任意の場所で自爆して周囲の敵にダメージを与えるという演出が衝撃的な攻撃だ。
モビルスーツ達の魅力を、上手くチームシューターのキャラクターへと昇華
ガンダムシリーズの世界観やストーリー色がほとんど反映されていない一方で、登場するMSはそれぞれの個性を上手くチームシューターのキャラクターとして昇華させていて、どの機体も使っていてとにかく楽しく、魅力的であった。機体ごとのバックストーリーを知っていればその魅力はさらに倍増し、逆に知らなければ登場するシリーズを見てみたくなる気持ちが強くなるはずだ。
一部のルールなどにチーム対戦シューターを代表するタイトル「オーバーウォッチ」の影響が見られるが、本作は機体ごとに明確なロールが設定されているわけではないので、ガンダム・バルバトスのようなよほど特徴的な機体でない限り、戦況によって攻防どちらの戦い方も行えるなど、ガンダムゲームとしての趣も強く、リカバリーなどの要素により立ち回りにもメリハリがあり、他のタイトルと上手く差別化されているように感じられた。今回、各機体の手触りはゲーム本編でしか試すことができなかったので、各機種を自由に選んで操作を試せるトレーニングモードのようなものがあれば嬉しいと個人的に思った。
世界に向けたガンダムゲームの新展開に大いに期待が膨らむこの「GUNDAM EVOLUTION」。プレイモードやマッチング、課金要素など、2022年の正式サービスではさらにいろいろな要素が詰め込まれることが予想され、それらを妄想しながら新情報を待つことにしたい。
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