インタビュー
「ソニック×シャドウ ジェネレーションズ」インタビュー。シャドウの2Dステージでも「ドゥームパワー」で新ルートが見つかる!【TGS2024】
2024年9月28日 14:46
- 【ソニック × シャドウ ジェネレーションズ】
- 10月25日 発売予定
- 価格:6,589円〜
「シャドウにとっての重大な過去の出来事に対して、時間が歪んだことで何が起こってしまうのか?」。完全新作「シャドウ ジェネレーションズ」で描かれるストーリーだ。
セガは10月25日、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC用ハイスピードアクションアドベンチャーゲーム「ソニック × シャドウ ジェネレーションズ」を発売する。この作品ではダークヒーロー「シャドウ」が主人公の「シャドウ ジェネレーションズ」と、2Dアクションの「クラシックソニック」と3Dアクションの「モダンソニック」を両方楽しめる「ソニック ジェネレーションズ」の2つのゲームが収録される。
シリーズファンにとっては両作品ともに注目作だが、特に注目したいのは「シャドウ ジェネレーションズ」だ。「シャドウ ジェネレーションズ」は、シリーズで人気が高いキャラクター「シャドウ」が主人公になった完全新作。また、2024年12月に公開予定の映画「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」には「シャドウ」が登場することも明らかになっており、今年はまさに“シャドウの年”と言えるからだ。
そこで、今回は「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」の会場にて、本作のプロデューサーの中村俊氏とディレクターの鴫原克幸氏にインタビューを実施した。ゲームの新機能や「シャドウ」の魅力など、興味深い情報が多く飛び出したので、ぜひ最後までお楽しみいただきたい。
時空を越えて紡がれる、「シャドウ」の新たな物語!
――本日はよろしくお願いいたします。今回は完全新作の「シャドウ ジェネレーションズ」をメインにお話を伺いたいです。まずは、本作のストーリーについて教えてください。
中村氏:「シャドウ ジェネレーションズ」では、「ソニック ジェネレーションズ」の裏で、「シャドウ」が何をしていたのかという物語が描かれています。
「ソニック ジェネレーションズ」の物語は、「タイムイーター」という存在が、時空を歪めることで、過去のステージに行くことができたりするという作品でした。今回はシャドウにも、時空が歪んだことで色々あり得ないことが起こります。時空が歪むというのは、過去に戻るというものではなく、いろいろな時代のものが一箇所に集まってしまうようなイメージで、それを通じて過去のステージを巡っていくという流れになっています。
「シャドウ」はバックボーンとして重いものを持っています。その1つが「マリア」という女性で、ストーリートレーラーの最後や、我々が作っているアニメーションに登場します。この女性は亡くなってしまうのですが、そういったシャドウにとっての重大な過去の出来事に対して、時間が歪んだことで何が起こってしまうのか? というのが今回のストーリーのポイントです。
――今回、「ソニック ジェネレーションズ」のリマスタータイトルと同時に発売するというのは、その時のシャドウの裏側での活動を描きたかったからという意図でしょうか。
中村氏:ゲームを作ったこと自体は、今年の年末に「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」が公開予定で、それを観た新しいファンがゲームをプレイしたいとなった時に、いきなり新作を渡すと差分が大きすぎて入りづらい部分があるのではないかと考えました。
周年記念タイトルである「ソニック ジェネレーションズ」は、過去の色んなタイミングを切り取って集めることで初心者の人に「よりソニックを知ってもらおう」というタイトルだったので、シャドウを同様の作りにして1つのパッケージにすることで、「ソニック」も「シャドウ」も深く知ってもらい、そこから他の作品もプレイしてほしいという、導入編のようなタイトルになっています。
――映画「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」のトレーラーでは「シャドウ」にフィーチャーされているシーンが印象的でした。「シャドウ ジェネレーションズ」と映画のストーリーの関連はありますか?
中村氏:完全に別のものなので、基本的には交わることはありません。ですが、以前からデジタルデラックス版にDLCが同梱されることをアナウンスしていましたが、そのDLCが「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」のDLCであるということを発表させていただきました。
このDLCでは、東京・渋谷の交差点にゲームのシャドウじゃなくて、映画のシャドウが出てきて遊べるという内容です。映画とゲームは少し遠いところにあるかもしれませんが、今回はそのDLCを入れることで、アニメやゲーム、映画というのが一連のコンテンツとして楽しんでいただきやすいように構成しているつもりです。
「ドゥームパワー」が切り開く、新たな冒険の世界
――ストーリートレーラーにはシャドウが2D的な横スクロールのステージを進んでいるシーンも見えました。こういったステージも登場するのでしょうか。
鴫原氏:映像で出しているとおり、シャドウを使って2Dの中で遊ぶという要素はあります。
中村氏:これまでの「ソニック」シリーズでも、ソニックが3Dから2Dに移るという、遊びの変化というものがあったので、今回もそういった要素が存在していると考えていただければと思います。
――シャドウは「ドゥームパワー」や「カオスコントロール」といった特殊な能力が使えますよね。2Dのステージでも、そういった能力は使えるのでしょうか?
鴫原氏:もちろんです。今回はその「ドゥームパワー」が新しい要素なので、すべてのACTで「ドゥームパワー」や「カオスコントロール」を使ったルートを用意しています。
――「ドゥームパワー」や「カオスコントロール」を使うことで新たに行けるようになるルートは、具体的にどんなルートが存在していますか?
鴫原氏:「スペースコロニー・アーク」では飛んでくるミサイルをカオスコントロールで止めて足場にして別のルートに行けます。また、「キングダムバレー」というステージでは、普通に進める分には、水上を移動できる「ドゥームサーフ」を使って進むだけなのですが、特定の敵に対しては、吹き飛ばすと同時に飛ばした位置までワープする「ドゥームブラスト」という技を使うことで別のルートが開拓できたり、特定の敵に対して、「カオスコントロール」で時間を止めた上で、「ドゥームブラスト」を使うと、別のルートが開くというルートがあり、どのACTにもそういったルートを用意しています。
――ということは、シャドウを使って2Dでプレイするステージにもそういった仕組みが……?
鴫原氏:(ニヤリと不敵な笑みを見せる)。
今言えるのは、「シャドウ」は「ソニック」と違って様々な技が使えるのが魅力です。「シャドウ」と「ソニック」は同じようなスピードを持っているので、「ソニック」のようなスピードランの中で、様々なアクションをしてルートを開拓する魅力があります。
――別のルートを探す方法は、2Dでプレイするソニックとシャドウでは違いがありますか?
中村氏:どちらも変わらないと思います。ソニックの場合は、見える形でルートを探すという構造だったのですが、シャドウは工夫して探す形です。そのため初心者の人はあまり気づかないかもしれませんね。例えば、強い敵と戦うときに時にだけ「ドゥームパワー」や「カオスコントロール」を使う方が多いと思います。
ただ、上手い人はこれらの能力でより速く進める別のルートを見つけられると思います。ルートの複雑さは今回のタイトルはかなり頑張っています。
「ソニック」シリーズでは、発売後に我々が想定していなかったルートがいつも発見されるんですけど、今回はさらにすごいことになるんじゃないかなって思っています(笑)。そこは怖いところでもあり、楽しみなところでもありますね。
――タイムアタック要素について詳しく教えていただけますか?
鴫原氏:「ドゥームパワー」を使ったルート開拓に注目してほしいですね。「ドゥームパワー」だけじゃなくて、今作では「カオスコントロール」を使うとタイマーが止まるんですよ。つまり、タイムアタックをする場合は使うべきポイントで「カオスコントロール」を使わなければいけないです。そこに加えて、それ以外のポイントでどう使えるか、つまり、どうやってカオスゲージをためてカオスコントロールを使うかを考えて最速タイムを目指してほしいです。
――「ソニック」シリーズはやはりタイムアタックが盛り上がっているのでしょうか?
中村氏:我々もプレーヤーの皆さんのSNSを見ていて「ここまで追求しているんだ」というのは見ています。ですので、今作はよりそういった部分を工夫していただけると思いますね。
――ほかに見て欲しいポイントはありますか?
中村氏:今回の作品は、広い空間を自由に動ける「ソニックフロンティア」の後に出る作品です。プレーヤーさんもそういう広い空間を自由に動くような要素を求めていると思うので、「ホワイトスペース」というハブワールドを用意しました。
ここまでにも何度か登場している「ドゥームパワー」が、「ホワイトスペース」を切り開くためのきっかけになっています。ステージをクリアして新しい「ドゥームパワー」を手に入れると、行ける場所が広がっていきます。そういった要素を少し広めの箱庭的なエリアで楽しんでもらって、人と出会ったり、様々なチャレンジをするような、一連の流れを楽しんでいただきたいです。
「ソニック ジェネレーションズ」っていう“ジェネレーションズの流れ”というのをファンの方は知っていると思いますので、そういった流れのハブワールドが楽しめるようになっています。
――「ホワイトスペース」で人と出会ったり、チャレンジをするというのは、具体的にどのような要素でしょうか。
中村氏:その詳細についてはまだ言えないのですが、今言えるのは、ステージをプレイして新しい「ドゥームパワー」を獲得すると、「ホワイトスペース」でそれを使うことによって行ける場所が広がっていきます。そして、ケースバイケースなのですが、その先に「宝箱」がある場合があります。
「ジェネレーションズ」というのは記念タイトルで、様々なゲームの資料がゲームの中に収録されています。「シャドウ ジェネレーションズ」では、その資料をこの「ホワイトスペース」で収集するような構造になっています。それを集めて見ていただくと、映画からゲームに入ってきた方に、よりシリーズの内容を知ってもらえるコンテンツになっています。
「ソニック ジェネレーションズ」の方も資料は収録されていて、そちらは「チャレンジゲート」というコンテンツでチャレンジをクリアすると手に入るという仕組みです。ここは、オリジナルと変わりません。
――「ソニック ジェネレーションズ」に新しく追加されたシステムはありますか?
鴫原氏:2つあります。1つがACTの中に「チャオ」が出現しており、そのチャオを集める「チャオレスキュー」という要素です。もう1つが「ドロップダッシュ」(※)というソニックのアクションです。これは昨今の「ソニック」シリーズには搭載されているアクションなのですが、オリジナル版の「ソニック ジェネレーションズ」の発売タイミングには存在しなかったので、そのアクションが可能になりました。
大きな変更点はそれくらいで、ほかにも、見た目の調整やライティングの調整などはしていますが、リマスターなので基本は移植となっています。
※:「ドロップダッシュ」は着地の瞬間にスピンダッシュを発動して加速するアクション
――「チャオレスキュー」はどんな要素なのでしょうか。
中村氏:そこはノーコメントでお願いします(笑)
改めて進化したシャドウの魅力に迫る
――長年のファンが本作をプレイしたら、どのような感情を抱くと思われますか?
中村氏:公開しているアニメが「シャドウ ジェネレーションズ」の前の話が描かれているので、「シャドウ」のファンの方は気持ちが高ぶった状態で「シャドウ ジェネレーションズ」をプレイしていただくことになると思います。そのため、ストーリーからは感じるものが多くあると思います。
「シャドウ」が出る作品がしばらく出ていないので、「シャドウ」のファンの方には喜んでいただいていますし、「こんなにシャドウの情報があるなんて!」とも喜んでいただいています。そこから映画を見ていただいたりすると“シャドウの年”を楽しんでいただけると思います。
今作から「シャドウ」のゲームをプレイする方は、「この時に出てきたステージってどんなゲームだったんだろう」とYouTubeで見ていただいても構いませんし、過去の作品をプレイしていただくなど、そういった形で広がっていったり、ファンの人には「やっぱり『シャドウ』っていいな」って思っていただける作品になっていると思います。
――シャドウというキャラクターの魅力について、もう少し詳しく教えていただけますか?
中村氏:「ソニック」という完全無欠のヒーローに対して、「シャドウ」はすごく複雑な過去があるキャラクターなんですよね。そういった理由で「シャドウ」に思い入れが多い方が多いですし、開発チームの中にも「シャドウ」が好きなメンバーがいて、チェックも厳しいんですよ(笑)。そのためクオリティがすごく高くて、振る舞いなどを含めて非常に頑張っているので、「シャドウ」のファンの方には昔から進化した“シャドウらしさ”に注目してほしいと思います。
――最後に、ここまでで聞かれてないけど言いたいことがあれば教えてください。
鴫原氏:映画から入った方や「シャドウ」を知らない方向けに、「シャドウ」を知ってもらうためのムービーをゲームの中に収録しておりますので、映画を見ていても見ていなくても、もちろん何も知らなくても「シャドウ」がどんな存在なのかを知ってもらってゲームをプレイしていただけます。
そして、そのゲームの中で、ストーリーや収集物で「シャドウ」をより深く知ってもらい、ファンになってもらえるような流れになっています。
中村氏:実は「シャドウ」の前のデザインに「テリオス」というキャラクターがいます。デジタルデラックス版を購入していただいた方は、この「テリオス」でゲームをプレイしていただくことができます。
内容的には見た目が変わるという内容なのですが、見た目もかなり違いますし、モデルを変えただけといった内容ではなく、細かい部分まで調整しています。ですので、「シャドウ」のファンの方には、「もしかしたら、このキャラクターがシリーズに登場していたのかも」という感じで見ていただければと思います。
また、キャラクター的にもカッコいいデザインなので、シャドウで遊んでいただいた後、「テリオス」に変えてもう一度遊ぶ、といった遊び方などもぜひやっていただきたいですね。
――ありがとうございました!
(C)SEGA