インタビュー
「イャンクック」への思いはハンター以上!? 「モンスターハンターワイルズ」開発陣に新PVの内容を聞いてきた【TGS2024】
PS5 Pro対応は「まだ検証段階」
2024年9月28日 12:37
- 【モンスターハンターワイルズ】
- 2025年2月28日 発売予定
- 9月25日 予約開始
- 価格:
- 通常版 9,900円
- デラックスエディション 11,900円
- プレミアムデラックスエディション 13,900円
現在開催されている「東京ゲームショウ2024」にて「モンスターハンターワイルズ」開発陣へのインタビューが開催された。
先日公開された「プロモーション映像④」では本作のカギを握る「絶滅種」や看板モンスター「アルシュベルド」の存在にフォーカスが当たり、最後にはシリーズファンには馴染み深い「イャンクック」が登場するなど、ハンター達を興奮させるような気になる情報が幾つも散見されたかと思われる。
今回のインタビューでは新たに判明した情報をベースに、「モンスターハンターワイルズ」エグゼクティブディレクター/アートディレクターの藤岡要氏、プロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの徳田優也氏に話を伺う事ができた。その内容を紹介しよう。
満を持して「イヤンクック」登場
――今ユーザー間でも話題を独占している「イャンクック」ですが、このタイミングで再登場させた意図や経緯・思惑などをお伺いしたいです。
徳田氏:「イャンクック」は無印版の頃から「モンスターハンター」の代名詞として頑張ってくれていたモンスターなので、僕らの中でも大事なキャラクターでした。今までもずっとタイミングを見ながら再登場はさせていたのですが、実は近年だと少し扱いが難しくなってきてしまったので一回お休みさせて貰ってたんですね。
というのも、各タイトルで新しい世界観を遊んでいただく時に、そこに適した導入の新モンスターを毎回出していくので、どうしても「イャンクック」と立ち位置が被ってしまいます。様々な事情で「イャンクック」が上手く活かせない状況が多かったんです。
僕たちにとっても大事なキャラクターですので、無理に出す事もしたくありませんでした。なので、少し期間を置かせて頂いていました。
そんな中で、私達も今の次世代環境で表現できる事が増えて来たので、「今自分達が表現できるイャンクックってどうなるのかな?」という欲求やアイディアが溜まってきた事もあり、このタイミングを選びました。
――”新しい表現のイャンクック”との事でしたが、今回は「ワイルズ」仕様で新しいモーションが追加や”群れ”等のシステムを導入しての登場を期待してもよろしいのでしょうか?
藤岡氏:僕らにとっても大事なモンスターなので、「群れ」も含めた”「ワイルズ」らしい使い方・出し方”を「イャンクック」は特にしています。
当然他の再登場するモンスターに関しても、今までのキャラクター性やコンセプトを活かしつつ、新しい行動やモーションなどを追加しておりますので、ご期待頂ければと思います。
――今まで設定上は存在していた「絶滅種」が満を持して登場しましたが、今作に置いてどのような位置づけのモンスターになるのでしょうか?
藤岡氏:「飛竜種」や「牙獣種」のような種としての捉え方というよりは、あくまでも今の時間軸では見る事ができない”絶滅している存在・種”という形で「絶滅種」という言葉を使っています。
なので例えば「アルシュベルド」が本来何種なのかというのは、調査された後に何種かに区分されていくと思います。その絶滅しているはずのモンスターが出てくることで物語が動いていくというストーリーになっていますので、そういった所も楽しみにしていただければと思います。
――物語において重要なポジションになる、という事は、数的にはそんなに多くは出てこないのでしょうか?
藤岡氏:「絶滅種」ですからね(笑)。そこがどのような形でストーリーに関わってくるのかもお楽しみください。
――生態系の頂点に立つ「レ・ダウ」や「ウズトゥナ」等のヌシモンスターについて、PVを見る感じだと特定のエリアに出現して天候を変化させているように見えました。どのような存在なのでしょうか?
徳田氏:禁足地の天候に関しては自然にサイクルしているのでヌシモンスター達が天候を変えている訳ではありません。砂原には雷、というように各地に特徴的な異常気象が見受けられると思うのですが、ヌシモンスターはその環境に特化した生体を持っている事で生態系の王者となった感じですね。
――新しい獣人”モリバー”が新情報で登場しましたが、どのようなキャラクターなのでしょうか?
徳田氏:新しいフィールドの生態表現の1つとして「緋の森」に生息している存在として生み出しました。今作ですと禁足地としてまだハンターやギルドが踏み入ってない場所に見慣れたモンスターが生息しているよりも、見た事のない存在が生息している方が表現として適していると思ったので新しく登場させた形になります。
藤岡氏:彼らにもバックボーンや設定・ストーリーがありますのでぜひご期待ください。
――”モリバー”の生態やキャラクター性をうまく表現できたなと思える振る舞いや設定を1つ教えて頂けますか?
徳田氏:ゴミを漁っています(笑)。森にあるいろいろな物を収集していて、身に着けているのは全部拾ってきた物だったりしますね。
実際のフィールドの中でも魚を獲ったりハチミツを採取している姿を見られたり、集落にずっといるというよりはフィールドにも数多く出てくるキャラクターなので、そういった生体部分を見て貰えればと思います。可愛いので。
――今作は各エリアに「モリバー」のような先住民的なキャラクターが居るのでしょうか?
徳田氏:各エリアに必ずいる訳ではなく、あくまでも森にはああいったキャラクターがいて、砂原には「砂の民」と呼ばれる人たちがいる……といった具合にフィールドを表現する上で必要な存在として描いています。
――今作はPVを見るにストーリードリブンに力が入っている印象があります。今まで以上にストーリーを楽しめるようなゲームデザインになっているのでしょうか?
徳田氏:ストーリーを遊んでもらいながら、徐々にプレイに慣れてもらうという形は「ワールド」やそれ以前からも試みてデザインしていました。
本作は”生態系の一部として人を描く”だったり”自然の厳しさと豊かさをゲームに活かす”といった部分をコンセプトに持ったゲーム性なので、その部分がしっかり伝わるようなストーリーにして体感させたかったという思いがあります。
他にもハンターを知らない人たちが初めてハンターを見たらどういうリアクションをするのか……といった人の目線というのを重要視した内容にしたかったので、今まで以上に本作のストーリーに深みが出ているのもそういった目線があるからなのではと思っています。
藤岡氏:ハンターを見る人の目線や自然やモンスターの捉え方は多様だという部分を理解して頂きながら、最終的に人と自然の関係性だったりハンターってどういう存在なんだろうという所に行きつければと思います。
――パフォーマンス的な部分で、PS5 Proで本作を遊んだ場合の恩恵などはどういった部分がありますか?
辻本氏:正直に言うとPS5 Proに関しては僕らもまだ検証段階でして、まだ明確な事をお伝えできる段階では無いというのが本音になります。
検証の状況にもよりますが、発売が近づいて来ましたら詳しい情報をアナウンスできると思いますのでお待ちいただければと思います。
――システムの「鍔迫り合い」の発生条件や効果について教えて下さい。
藤岡氏:まず発生させるとモンスターを怯ませる事ができますね。
発生条件としては、「鍔迫り合い」は独自のパラメーターが蓄積される形になっていまして、発動する回数で発生のし易さが変動したり、「ジャストガード」と通常の「ガード」では蓄積値が異なったりなど、元来の「スタン」に近いですが、幾つも存在している内部パラメーターの1つといった感じになってます。
――「鍔迫り合い」や「相殺」はどのような武器だと行えるのでしょうか?
藤岡氏:「鍔迫り合い」はガードができる武器なら可能です。「相殺」は「相殺」の属性を持つ武器だけが発動できるシステムになります。「相殺」の属性を持つ武器としては、「大剣」「スラッシュアックス」「狩猟笛」などが例として挙げられますね。
――質問は以上です。ありがとうございました。
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