インタビュー

「龍が如く8」チーフプロデューサー阪本寛之氏・チーフディレクター堀井亮佑氏インタビュー

今作のボリュームは過去最大。“ヤバい”プレイスポットも登場する

【龍が如く8】

2024年1月26日 発売予定

価格:9,680円〜

 怒濤の情報公開で盛り上がっているプレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用ドラマティックRPG「龍が如く8」。先日の発表会で公開された「ストーリートレーラー」と「ゲームトレーラー」では新しい要素はもちろん、ストーリーに関わる意味深なシーンも多数登場した。

 別項でもお届けしているとおり、筆者はこの「龍が如く8」というタイトルをさらに知るために東京ゲームショウ2023の会場で試遊したのだが、試遊バージョンの時点で圧倒的なボリュームを感じたのと共に、解決しなかった多くの謎があった。

 今回は「龍が如く8」チーフプロデューサーの阪本寛之氏と、チーフディレクターの堀井亮佑氏に話を伺うチャンスを得られたので素直な疑問や感想についてストレートにぶつけてきた。「まだ言えない要素もある」と前置きをしつつも、「龍が如く8」がより楽しみになるような情報を多数話してくれたので、長文のインタビューでだが、ぜひ最後まで読んで楽しんで頂ければと思う。

【『龍が如く8』ストーリートレーラー】
【『龍が如く8』 ゲームトレーラー】

ドラマを描くことに重きをおきつつも、ボリュームは過去最大

「龍が如く8」チーフプロデューサー阪本寛之氏
「龍が如く8」チーフディレクター堀井亮佑氏

――東京ゲームショウに出展してみて、遊びにきたユーザーからのリアルな反応はいかがでしょうか。

阪本氏:混み具合がとんでもなかったので、後ろから見るくらいしかできなかったのですが、「ウヒョー、楽しいです」って言ってくださってる方はいらっしゃいましたね。正直あの時間では遊びきれないんですよね。そういった期待感を持ったままプレイしていただけたと思います。

――「龍が如く8」では「龍が如く7 光と闇の行方(以下、龍が如く7)」の主人公だった「春日一番」と、「龍が如く」シリーズで主人公だった「桐生一馬」のダブル主人公、そして、「龍が如く7」に続き“ライブコマンドRPGバトル”を導入した理由をそれぞれ教えてください。

阪本氏:きっかけは本当に「龍が如く7」の続編として、春日一番のその後を取り巻く環境を、ストレートに「龍が如く8」として描こうといったところですね。「龍が如く7」は主人公の春日一番に、「荒川真澄」をはじめとするメインキャラクター達で進んでいく物語だったのですが、「龍が如く8」ではそこに桐生一馬を加えるというのは最初から物語の軸として決めていました。

 「龍が如く7」がすごく好評だったので、「龍が如く8」もこれまで登場してきた仲間たちを削らずに、総出で仲間と共に歩んでいく物語にしたかったんです。そうすると自然とRPGというジャンルになるというところですね。

――それでは新しいロケーションかつ海外というハワイを舞台にした理由を教えてください。

阪本氏:ストーリートレーラーでも語っていますが、物語の最初は「龍が如く7」で行方不明と思われていた母親である「アカネ」が“実は生きていた”というのが、春日が動くきっかけです。裏社会の組織に追われていて、日本では潜伏することができないという状況で逃亡しながら潜伏できる場所はどこかと考えたときに、日本人でも紛れられてなおかつ潜伏しやすいような場所を海外のいくつかの候補の中からという順番で決めました。設定ありき、物語ありきで、ピースをはめていったという感じですね。

――ストーリートレーラーを見た我々としては、桐生一馬がガンになっているという話が突然出てきてとても驚きました。

阪本氏:桐生自体が「龍が如く6 命の詩。」のあと、どういう生き方をしていたかを明かすために「龍が如く7外伝 名を消した男」を作る決意をしました。裏社会にも表社会にも出ずに名前を消して「エージェント」として生きてきた葛藤や、その状況でも失うものがまだまだある、という追い込まれた状態で、どうやって「龍が如く8」に繋がっていくか、我々はそれを全部地続きで考えていました。

 最初に公開したティザームービーで髪型が変わった桐生が出てきて、「あれ、なんか様子がおかしいぞ?」という反応だったのですが、我々としては流れの中で話を作って、桐生がガンになって、その後どういう生き様を残すのかという物語です。それを切り取ってトレーラームービーを作るとそう受け取ってしまうと思うんですね。

 ただ桐生がガンになったというのは、物語を転がす上で必要かつ重要な要素として、そういう設定になりました。

堀井氏:桐生を出すとしても、「人気だったから続編で桐生が出ます、ハッピーでしょ?」というのは安直ですし、出し方も良くないと思っています。桐生を出すからにはちゃんとした理由で、どういうドラマをくかが重要だと考えています。“桐生で何を語るのか”というところですね。

 色々なメッセージを考えていく中で、病気は人間誰しも起こるもので誰にしも起こる人間ドラマだと思います。そうなった時に桐生はどうするのか、というところですね。

阪本氏:桐生はスーパーマンに見えるかもしれないのですが、シリーズを重ねるごとに正しく年齢を重ねています。それは本当にリアルに人間ドラマを描くための要素ですよね。

――そして「龍が如く7外伝」をプレイすると全て腑に落ちると。

阪本氏:もちろんです。桐生がハワイに居る理由も全てわかります。

――先日公開されたムービー……おそらくオープニングムービーだと思うのですが、それを見ると春日は横浜の伊勢佐木異人町にいるように見えました。そこから一気に飛行機のシーンのように見えたので、春日の母親がハワイにいると知ったきっかけや、ハワイに行くまでの空白の時間に何があったかを教えてください。

阪本氏:公開しているシーンを前提に話しますと、「龍が如く7」の後に春日は普通に職について働いていたのですが、職を失うんですね。そこで沢城がストーリートレーラーでも語っているように、「母親が実は生きている」というのがハワイ行く1つの理由です。

 春日は父親である荒川の遺灰をペンダントにして身につけているんですね。それを母親であるアカネに会って遺骨を渡したい、それもハワイに向かう理由の1つです。なぜ沢城が青龍会にいるのか、そういった部分はぜひ本編で楽しんでいただければと思います。

――確かに公開されているキャスト一覧で沢代役の堤真一さんや、荒川役の中井貴一さんの名前が書いてあったので、そこが気になりました。

阪本氏:何かしら出てくるでしょうね(笑)

――「龍が如く8」のビジュアルには10人のキャラクターが描かれていますが、全員が仲間になるのでしょうか。

阪本氏:全員仲間になります。物語の展開に応じて2人になったり、4人になったりと物語で変化していく作りなので、全員パーティになるというと語弊があるのですが。10人を自由に組み合わせて進めていくという物語ではないです。

堀井氏:RPGとしては自由に組み合わせていくのが王道だと思うのですが、本作はあくまでもストーリーやドラマを重視なので、そこで自由度を生むシステムではないです。

阪本氏:物語に必要だから、このパーティーで挑むというイメージですね。

堀井氏:「このキャラクターがいるから、こういうことを語る」と。自由に切り替えられると、ドラマとして伝えるべきところが伝わらなくなってしまうので、そこはシナリオドリブンですね。

阪本氏:彼らは単なるコマじゃないんですね。それぞれの仲間が各々どういう理由でいるか、彼らがどうしたいかとかというのは、全員パーソナリティが深く描かれているので、単にコマを入れ替えるようなゲームではないですね。

――「龍が如く7」でも仲間のそれぞれに深い物語がありましたよね。

阪本氏:もちろん今作でも10人それぞれの理由があります。

――本編だけでも凄まじいボリュームになりそうです。

堀井氏:RPGなのでアクションの時よりも時間がかかりますし、「龍が如く7」のステージより広いので、時間的には長く楽しめます。そういう意味ではシリーズ最大だと思います。

阪本氏:プレイスポットまで入れると間違いなく過去最大です、それは言い切れます。例えばトレーラーに「スジモンバトル」が出ていたと思うのですが、突き詰めると時間がかかるのは想像できますよね(笑)。1回勝って終わり、という内容なわけじゃないですか、相当時間食うと思いますね。

――今回の舞台であるハワイは前作の横浜の3倍と伺いました。現実世界のハワイはホノルルを中心に様々なロケーションがあると思うのですが、そういったロケーションを含めての広さなのでしょうか。

阪本氏:基本はホノルル周辺ですね、そこをモチーフにしています。従来の作り方ですが、歌舞伎町をモチーフにした「神室町」というのに近い形で、要所・名所をリアルに作りつつ、ゲームを盛り上げるために少しフィクション要素を混ぜています。建物の中や、ダンジョンなどももちろんあるので、そこも含めると本当に広いですよね。

堀井氏:ホノルル自体が東京都くらいあるので、模したらもちろん大きくなります。ただオープンワールドを目指しているゲームではないので、ちゃんと我々らしく、広い中でも意味があります。例えば「このエリアはこういう奴らが登場する」、「この辺りは夜になると治安が悪いエリア」といったように、広い中にも色々特色のあるエリアが入っていて、歩いてて楽しいというのを感じていただけるマップになっています。

阪本氏:東京ゲームショウで試遊できるバージョンでは行けないところに、もっとディープで治安が悪いところももちろんあります。

堀井氏:体験できるエリアは繫華街というか、ビーチ周りが一番賑やかで開けていて治安がいいところです。ただアメリカは銃社会ですし、夜になると人がいない暗くて怖いエリアなどがあります。もちろん昼夜で変わりますし、そういったところは細かく作っています。

――ということは、出現する敵が夜の方が強かったり、多かったりという要素があるということでしょうか。

堀井氏:もちろんです。実際のハワイでも昼間のビーチは賑やかで観光客ばかりですが、夜になると怖いエリアだったりするので、どの時間帯でも一緒という作りではないです。

桐生の新システムを含め新しいチャレンジが盛りだくさんのバトル要素

――これまでのシリーズ作品でもこだわっている要素がとても多いと思います。今作もこだわりがすごいなと感じているのですが、特に強くこだわった点はありますか?

阪本氏:言いづらいんですよね、本当に全部なので。手抜いている箇所があるかというと一切なくて、常に「前作をどう超えるか」、「全部にチャレンジしよう」としているので、「全てを見てほしい」という答えしかないんですよね(笑)

堀井氏:バトルにしても、ハワイという街にしても、ストーリーももちろん、それぞれのコンテンツが高いレベルで融合できた感覚があるので、特定の要素を重視しているなどはなく、総合的にすごく高いレベルで、バランス良くまとまった作品だと思っています。

――それでは順番にバトルからお伺いします。試遊版では桐生がバトルスタイルの変更やアクションゲーム的なモードに入ることができ、とてもユニークだと感じました。

阪本氏:「ジャンルがこうだからこういう遊び」という先入観はないんですよね。例えば「桐生を一番堪能できる形は何だろう」というのを考えたときに、絆覚醒を使うと一定時間中だけはアクションでぶん殴れるという。試遊できるバージョンではそれを簡単に遊べるためにゲージや時間とかを伸ばしていますが、あれも最初は短くて、桐生が成長することによって強くなって、時間や効果が変わるという部分はRPG的ですけどね。特別感があって全然アリみたいな(笑)

――体感した範囲では「桐生のアクションは強すぎるかな?」という印象でした。

阪本氏:東京ゲームショウのバージョンは色々試せるように設定していますが、実際は限られた時間なので、今使うか否かといったことはもちろんあります。雑魚戦に使うともったいないですし、通常攻撃やバックアタックの方がダメージを効率よく与えられたりします。

――「サテライトレーザーの極み」を連打するように、桐生のアクションを連打すれば良いというバランスではないんですね。

堀井氏:桐生を一生懸命育てて、カンストまで持っていったら、突破できることはあるかもしれません。ただ桐生自体は戦士型で回復手段を持ってなかったりと、ある種の使いづらさもあります。だから彼を入れないで他のメンバーを育てたほうがいいというケースも出てきます。

阪本氏:ユーザー次第というか、プレイヤーの好みでうまくパーティカスタマイズできると思いますね。

堀井氏:今作だと移動できたり、範囲攻撃ができたり、物を持って攻撃したり。ゲームとして色々できるようになっているので、そういった要素を活かしたジョブがたくさんあります。移動して直線攻撃で敵を倒すしたり、まとめて攻撃するような、状況に応じて使い分けたり、移動する事で使いやすくなる技などがたくさん入ってるので、人によってこのジョブが使いやすいなどは変わってくると思います。

 また属性攻撃も多めに入っているので、敵によっては「マリンマスター」のような水属性攻撃持っているジョブを入れたら倒しやすくなるというのは出てくると思いますね。

覚醒でバトルシステムが「アクション」になる桐生

――ジョブはハワイで色んな経験をすることで増えていくシステムですよね。

阪本氏:閃くというか、天啓を授かるに近いですね。

堀井氏:旅行代理店で様々な体験をするとジョブを思いつくというシステムですね。

――前作では「ハローワーク」で転職するシステムでしたよね。それはある意味転職に納得感がある印象だったのですが、リゾートで遊ぶとジョブが増えるというのはとても驚きました。

堀井氏:普通は海外旅行中に職を変えないですからね(笑)。あと海外にハローワークのようなものがあんまりないっていうのもあり、モチーフとしては違うというのもあって、今回はあの形を取りました。

アクティビティを体験するとジョブを閃くシステム

――またトレーラーでデリバリーヘルプの映像が出ててすごく豪華だな思いました。過去作でレジェンド級だった人が出てきて驚いたのですが、実はこんな人が出るというキャラが居れば教えてください。

阪本氏:そこは本編をお楽しみにっていう感じです(笑)。ただ「こういうキャラクターを入れれば盛り上がるでしょ」っていう意味で、トレーラーには「龍が如く7」のデリバリーヘルプには登場しないレジェンドも入れていますね。

 前作でも「オフィシャルにコメントはしてないが絶対この人は死んでるでしょ」みたいな人もデリバリーヘルプには登場しますからね(笑)。ファンの人に盛り上がってほしいなという気持ちですね。

――そこも含めてファンサービスのような要素を感じました。

阪本氏:ファンサービスというと違うかもしれないのですが、「龍が如く」シリーズはキャラクターがすごく立っていて、キャラクターがみんなドラマを持ったゲームなので、我々も思い入れが強いキャラクターがもちろんいるんですよね。そこでゲームとして想像も含めて盛り上がる方を選んでいます。

 例えば「龍が如く7」のデリバリーヘルプで真島吾郎などは超人的な表現とかもしていますよね。それは春日の妄想だからというような理由も色々あるのですが、どちらかというと「強い個性を持ったキャラクターがこういうふうに登場すると、ゲーム的にはすごくテンションが上がるよね」という感じで、我々がまず軸で選んで盛り上げようとしていますね。

堀井氏:「この人がこう出てきたら面白いよね」というところがキーなので、例えば「人気投票で人気が高いから出す」というのはないですね。

――龍が如くスタジオの皆さんが本当に「龍が如く」シリーズが好きだからこそ、自分達がこうやったら盛り上がると思うというのを大切にされているイメージでしょうか。

阪本氏・堀井氏:それに近いですね。

堀井氏:「この人を出したい」とか、「こいつがハワイにいたらどんなことやるんだろうね」みたいなところからアイデアが出てきたりするので。「このキャラクターがこんなことやってたら面白いよね。じゃあこいつもハワイにいることにするか!」として登場するキャラクターもいます(笑)

阪本氏:ファン投票やアンケートの上位だからどうこうしようという発想は1つもないですね。

堀井氏:例えばなのですが、春日がまたこの町に戻ってきたらアイツには話しかけないのか、春日が困ったときに足立が出てこないというのは不自然じゃないですか。必然的にに「こいつらだったら助けてきてくれるだろう」というのを踏まえた上で、自然に出てくるというイメージですね。

まだ明かされていない“ヤバい”プレイスポットもある

――試遊できた範囲でも「クレイジーデリバリー」や「不審者スナップ」などユニークなプレイスポットが見られてとても楽しかったです。

阪本氏:「不審者スナップ」って正式名称なんだっけ?

堀井氏:正式名称ですね(笑)

阪本氏:言葉がすごいよね(笑)

――どういった経緯からこういったプレイスポットが生まれたのでしょうか。

阪本氏:結果的にそうなっていったという感じですね。例えばクレイジーデリバリーは最初はコロナ禍で開発していたのと、海外が舞台という時に、ハワイに馴染んだプレイスポットのネタ出しをしていたところ、「Uber Eats」が流行りましたよね。それをベースにしてみよう、みたいな形です。

堀井氏:Uber Eatsは時間内に届けないと評価下がるような要素など色々ありますよね。あれってすごくゲーム的だなみたいな、という形ですね。

 新しい舞台には必然的に新しい遊びがあるので、ハワイという新しい舞台で何かないかなというのを考えた時に、ドライブゲームじゃないですが、日本だと道が狭いところを、ハワイは道も広いし自転車に乗るという意味では可能性もあるし、ご時世的に楽しくてマッチングするかな、みたいなのはありますよね。

――確かに「龍が如く7」にも缶拾いがありましたが、マップは狭めでしたよね。

堀井氏:あれは逆にその侘しさというか。ポンポン飛んだりしないじゃないですか。

阪本氏:小回りで遊ぶゲームにしたかったというのはありますね。

堀井氏:クレイジーデリバリーは空も開放的なところなのでジャンプもできますし、ビーチも走れたりします。

――ほかにアメリカらしい、もしくはハワイらしいプレイスポットはありますか?

阪本氏:もちろん他にもあります。これまでの作品には全くなかったモノで、公開したトレーラーの中に入りきらなかったものがあるので、続報を楽しみにしてください。

堀井氏:ヤバいのがありますね。

――今作にキャバクラが登場するかはわからないのですが、トレーラーにはセクシーなお姉さんが踊っているスポットのようなシーンも映っていましたよね。

堀井氏:海外にはキャバクラみたいなのものはないのですが、海外で夜の遊びができるところはあってしかるべきだと。そういった意味でハワイというものを表現する中で必要な店舗みたいなところはいろいろ用意しています。海外の夜の遊びというか、ハワイの夜の遊びのようなイメージですね。

――カラオケは登場するんですね。

阪本氏・堀井氏:登場します。

阪本氏:アメリカにもカラオケがありますからね、人気ですよ。もちろん日本の曲も入っています。

堀井氏:新曲も今回は多いですね。

カラオケはもちろん登場。新曲も多数

――街を歩いているときにBGMを選べる要素もありましたよね。

堀井氏:ありますね。ハワイ自体が広い街なので、移動を楽しんでもらいたいという色々な要素を入れていますね。前作でもジュークボックスが登場して色々な音楽が聴けたと思うのですが、今回は移動中も好きな音楽が聴けますね。ほかのセガのゲームの楽曲も登場しますね。CDみたいなアイテムを集めると曲が増えていくという形ですね。

――セガの楽曲が楽しめるのはファンには嬉しい要素ですね。またこれまでの作品もそうですが、過去のセガのゲームも遊べますよね。

堀井氏:そうですね、発表してる範囲では「ゲットバス」と「スパイクアウト」がありますね。

阪本氏:コンシューマーで「スパイクアウト」が遊べるのは初めてじゃないですか。それこそ「ゲーセンミカド」や昔の西スポ(新宿スポーツランド西口店)に行くくらいしかなかったので。もちろんこの2タイトルだけじゃないです。すべてがとにかく多いので、ピックアップしないとトレーラーに収まらないんですよね(笑)

――ほかにもトレーラーを見ると、どこかで見たリアル店舗のロゴが見えました。

阪本氏:「DEAN & DELUCA」ですかね、タイアップしていますし、もちろん現実のハワイにもあります。他だと「ABC Stores」というハワイにあるコンビニも登場しますし、「88 Tees」というハワイで有名なTシャツやアロハシャツを売ってる店も登場しますね。Tシャツたたんでるところとか、あそこの再現大変だったよね?(笑)

堀井氏:大変でしたね(笑)

――ハワイにも取材に行かれたんでしょうか。

阪本氏:最終的には行きましたね。渡航制限が解除されたくらいの時期に行きました。

堀井氏:最初は行けなかったのでリモートで取材して作っていたのですが、実物見てみないとわからないので。

阪本氏:それまでは遠隔、委託、リモートを組み合わせて取材していましたね。

――ハワイのリアル感もかなり感じられるのでしょうか。

阪本氏:正直最初は結構心配でしたね。ハワイの気候やスケール感は我々も現地に行かないとわからないので。「行ってもないのに想像だけでできるか」って序盤は心配でしたね。

堀井氏:あっている部分ももちろんあるのですが、例えば建物の高さや日差しの明るさの表現は写真と異なってしまうので、「これはハワイの空じゃない」とテコ入れしましたね。もちろん完全再現ではないのですが、「見たことあるかも」という納得感は持って頂けると思います。

阪本氏:ハワイに行って一番間違っていたなと思ったのが、ヤシの木の高さですね。現地のヤシの木ってすごく大きいんですよ。我々はマップを歩いているときに葉っぱが見えるくらいの高さにしていたんですが、まったく違っていて全然見えない。「あれは間違いだね」って(笑)

堀井氏:ほかにも建物の天井の高さなど、そういった部分は違いましたね。天井の高さや日の差し込み方が違ったので、「それでどことなく日本っぽかったのか」というのはありましたね。

ハワイの作りにもこだわりを感じる

――最後に「これは聞かれてないけど言っておきたい」という要素はありますか?

阪本氏:ないです。多すぎてないです(笑)

――そういう意味では本作がプレイできるのが楽しみです。

堀井氏:僕らも自分達で「龍が如く8」のトレーラー作っていて楽しそうだなって思いましたね。

阪本氏:一番カオスだったよね、「何このゲーム」みたいな(笑)

堀井氏:もちろん意図的に作っているのですが、PVのために映像を集めたところ……

阪本氏・堀井氏:(声を揃えて)これはなんのゲームだって(笑)

――なるほど(笑)。そういう意味でもとても待ち遠しいです、ありがとうございました!