【特別企画】

まさに「龍が如く8」一色! 「龍が如く8」×「スパリゾートハワイアンズ」コラボイベントレポート

一番役中谷さんと横山氏へのインタビューも実施

【「龍が如く8」×「スパリゾートハワイアンズ」コラボイベント】

2月10日~3月20日

 好評につき3月20日まで延長が決定した、「龍が如く8」と「スパリゾートハワイアンズ」のコラボレーションイベント。プールや温泉、フラガールショーなどを楽しめる福島県のテーマパーク「スパリゾートハワイアンズ」では、「龍が如く8」のキャラクターがデザインされた特製缶バッジがもらえるコラボ記念スタンプラリーやコラボドリンクの販売、コラボグッズの先行販売などが行われている。

 また、3月2日にはゲーム内に登場するキャラクターのカムロップとの記念撮影や、ノベルティがもらえる「アロハリンクス」イベント開催が実施されたほか、春日一番を演じた中谷一博さんと龍が如くスタジオ代表・制作総指揮の横山昌義氏によるサイン会も実施されたということもあり、多くのファンが来場していた。

 こちらの記事では今回実施されたコラボに加えて、中谷さんと横山氏へのインタビューも現地で実施したので、そのレポートをお届けする。

写真左から、ドグマ風見さん、横山昌義氏、中谷一博さん。動画番組の収録もかねて、3人で車で施設に訪れた

カムロップは子どもたちにも大人気!? 館内は「龍が如く8」一色に

 今回取材した3月2日に加えて、9日、16日、20日限定で、館内の入り口付近にゲーム内に登場したキャラクターのカムロップが登場。一緒に記念撮影ができるようになっていたほか、カムロップの写真をSNSに投稿した人には「龍が如くスタジオステッカー」がもらえるというキャンペーンも実施されていた。

 取材のタイミングは、ちょうど2回目に登場したときだったのだが、このときはスパリゾートハワイアンズのキャラクターであるCoCoネェさんも一緒に登場。あっという間に人だかりができ、なかなかの盛況ぶりであった。

写真左がカムロップで、右がCoCoネェさん

 ちなみに館内にはほかにも「龍が如く8」のフォトスポットが用意されており、イベントなどで見かける春日や桐生たちの等身大パネルもズラリと並べられていた。また、あちらこちらに、ポスターが貼られており、まさに「龍が如く8」一色という雰囲気であった。

イベント等で見かける等身大パネルも設置されていた
ポスターはあちこちに掲載されていた

 取材の合間に、館内を巡ってスタンプを集めていく「コラボ記念スタンプラリー」に挑戦してみることに。こちらはスタンプ用紙に書かれたヒントを元に探していくのだが、実際にやってみると絶妙な場所に置かれており、なかなか見つけることができない。そうして館内をいろいろと練り歩いていくうちに、施設の作りが分かるようにもなっており想像以上に楽しむことができた印象だ。

このような形でスタンプラリーの台が設置されている
ドグマ風見さんもスタンプラリーに挑戦
いろいろと迷いながらも全10種類のスタンプを集めることができた

 全10カ所に用意されている「コラボ記念スタンプラリー」をすべてコンプリートした後は、台紙をフロントに持っていくことで特製缶バッジがもらえる。こちらは基本10種に加えて、シークレット2種類を含む12種類が用意されている。缶バッジ自体は袋に包装された状態で入れられており、自分で好きなものと選ぶことができた。どのキャラクターの缶バッジが出るのかというところも楽しみのひとつである。

筆者が当たったのは、安田顕さんが演じる難波悠の缶バッジだった

 スタンプラリーで館内を移動しているときに見かけたのが、「龍が如くスタジオ」のはっぴを着ているスタッフたちだ。こちらは、そのスタッフに「アロハ」と挨拶をすることでおみくじがランダムでもらえる「アロハリンクス」イベントとして実施されていたものである。おみくじは全部で4種類あり、いずれか3枚を集めることで「カムロップ」のステッカーがもらえるようになっていた。

スタッフが着ていたはっぴ
どのおみくじがもらえるかはランダムだった
いろいろなところでスタッフを見かけることができたため、スタンプラリーの合間にもらえるようにもなっていた
左がスタンプラリーの台紙で、右上が「アロハリンクス」イベントでもらえるステッカー。右下は、「カムロップ」の写真をSNSに投稿してもらえるステッカーだ

 このスタンプラリーで移動中、女性3人組のファンがキャラクターたちのアクリルスタンドを並べて記念撮影をしているところに遭遇。話を聞いてみると、桐生一馬だけ売り切れていたため手に入れることができなかったと残念そうにしていた。これらのグッズは、館内のお土産売り場「ハワイアンズマーケット」に「龍が如く8」のコーナーが設置されており、そこで先行販売されていたものだ。先ほどのアクリルスタンドだけではなく、Tシャツやパーカー、ストラップなど様々なアイテムが売られていた。

ファンが並べていたアクリルスタンド。ちなみにおみくじは、「大吉」だけではなく、「凶」ももらったそうだ
お土産売り場に設置されたコラボグッズのコーナー
たしかに桐生のアクリルスタンドは見当たらなかった
用意されているアイテムの種類も豊富だ
今回のイベントで、中谷さんが着ていたTシャツも売られていた

 館内の飲食店パオで販売されていたのが、コラボドリンクだ。こちらはキャラクターをイメージした8種類のドリンクが用意されており、1杯注文につきオリジナルコースターが1枚もらうことができる。どのコースターがもらえるかは選ぶことはできないが、全10種類用意されているため集めたくなりそうだ。

こちらがコラボドリンク。ハワイアンズらしい、フルーティーなものとなっている
コラボドリンクを注文するともらえるコースター

 この日の15時からスパリゾートハワイアンズ内のビーチシアターで行われたのが、中谷さんと横山氏のサイン&撮影会だ。こちらは、事前応募した人が参加できるようになっていた。とくにトークなどはなくいきなり始まった感じではあったが、直接目の前でサインを書いてもらうだけではなく、様々な会話を交わしたり記念撮影を楽しんだりしている様子が見られた。

サイン&撮影会には、多くのファンが終結した
開始前に、イベントに訪れたファンたちに向けておどけたポーズを取る中谷さん
ファンにとっても直接話ができる貴重な機会となっていた
サインに加えて一緒に記念撮影もできるようになっていた

最初の頃に考えていたことが全部実現してきた――横山昌義氏&中谷一博さんインタビュー

 サイン&撮影会が行われる直前に、わずかな時間だが横山氏と中谷さんにお話をお伺いすることができた。堅苦しいスタイルのインタビューというよりも、南国のような館内の雰囲気もあり、フランクなスタイルで雑談も交えながら会話が盛り上がっていった。

――まずは、「龍が如く8」の発売から1カ月の感想をお聞かせください。

横山氏:まだ1カ月しか経ってないのかという感じですね。もう、結構遠い昔のことのように記憶しています。インタビューでは過去の記憶を呼び起こしながら、答えていければなと思います(笑)。

中谷さん:日本だけではなく世界中の方々から反響を頂きました。さらに、業界内の同じ声優仲間からも「発売おめでとう」と言われるのがけっこうびっくりで。みんなが注目してくれる存在になったんだなと、ものすごく嬉しく感じた1カ月でしたね。

――今日も施設内にファンの方たちがいっぱいいらっしゃってましたね。アクリルスタンドを並べて撮影されていたり、なかなかアツイ光景ですよね。

横山氏:ここのところハワイアンズで検索していたんですよ。これまで売っていたやつも含めて、みんなアクスタを持ってきて撮っていましたよね。ハワイアンズさんが潤ってくれたらいいなって。やっぱりコラボして相手に恥をかかせるのはすごく嫌なので(笑)。ここのところ大成功なので、メンツが立ちました。

――コラボも期間が延長されましたよね。

横山氏:用意していたグッズが途中でなくなっちゃったんですよね、缶バッジとか期間分考えていたのが。だから、いかに見誤っていたかわかるでしょ? 最近これが多くて。完成披露会も予想をミスりました。

――サイン&撮影会の応募もかなりあったそうですね。

横山氏:かなりありました。でも歩留まりを信じていないですよ、やってみないと。僕、16人のサイン会とか過去に体験しているので。三島のTSUTAYAが忘れられないな~。静岡に、三島というのがあるんですよ。そこでサイン会を大々的にやって来たのが16人だったんですが、店員さんが8人だったんです。

――それはどのタイトルのときですか?

横山氏:「龍が如く6」です。台風が直撃だったんですよ。というのはあるにせよ、申し訳ないと思った店員さんが私服に着替えてきてくれて。で、通りかかったのが8人。というのを経験していると、今でもやっぱドキドキしちゃうんですよね。

中谷さん:横山さん、前に寝られないっておっしゃってましたよね?

横山氏:本当に。誰も来ない夢を見る(笑)。レッドカーペットの日もそうでした。

――今日こちらに移動するときに、車内で収録されながら来たとお聞きしましたが。

横山氏:はい、アルファードを用意しました。おふたり(中谷さんとドグマ風見さん)を乗せて、普通に来ました。その間に、だらだら僕らの雑談を3時間ぐらい撮っていたっていう。

――車内では、どんな内容の話をされていましたか?

横山氏:ほとんどが「龍が如く8」の裏話です。クリアまでしていることを前提で話しているので、あのシーンが良かったとかこのシーンが良かったとか。山井の最後のセリフがいいとか。「山井豊ってどんな思いで名前付けたんですか?」、「適当です」とか、そういう話でしたね(笑)。

 今回の話は、たまたま中谷さんがプライベートで行くってXに書いたことがきっかけだったんですよ。僕は、これぐらいの日付に来ようかなと思っていたんです。

――中谷さんは、本来お忍びで来られる予定だったんですか?

中谷さん:お忍びというか、プライベートでですね。

横山氏:ま、忍べるのかっていう問題はあるにせよ。

中谷さん:僕はオーラを消した男ですから。

横山氏:だったら同じ日にする? という話から始まりました。そうしたら、ドグマさんがそれについてXで書いていたので、「来ます?」といっただけなんですよ。だから、ほぼプライベートですよね、感覚的には。でもせっかくなら、その雑談を撮りたいというので、後で流すみたいです。でも、流せるのかな?

中谷さん:そこは、科学の力で摘まんでどうにかしていただくっていう。

横山氏:科学じゃねぇ(笑)。

――今回のコラボはどちらから持ちかけたお話だったのでしょうか?

横山氏:もちろんこちらからです。年末に長時間放送で対決をやっていたんですよ。開発チームが勝つかマーケティングチームが勝つかみたいなやつで、それぞれどんなイベントをやりたいかというものです。それで勝った方が、開発チームのレッドカーペットでした。負けた方のマーケティングチームがハワイでイベントをやりたいというものでした。でも、負けてますし……で、近場のハワイに(笑)。

――コラボ期間の延長はどちらからの提案でしたか?

横山氏:延長はハワイアンズさんからです。反響が良かったんでしょうね。でも、行きがけの車の中でも話していましたが、ハワイアンズさんでイベントやりたいというのがもともと頭の中にありました。「俺の家の話」という宮藤官九郎さんが脚本のドラマがあって、こういうことをやりたいなと思って「龍が如く8」にエンディングノートを入れています。

 あの話の途中で、離散していた家族みんなでハイエースに乗ってハワイアンズに旅行に行くんですよ。それで、お父さん役の西田敏行さんがステージ上で「マイウェイ」を歌うんです。それがすごくて、あそこのステージ上で何かやりたいってずっといってたことがありました(笑)。

――じゃ、今日はこの後「マイウェイ」を。

横山氏:「マイウェイ」は歌わないです! 今日行きの車の中で作り始めた頃の話もしてて、ふと思い出すと、最初から決めていることが多いですね。やろうと思っていたことを、ほんとどやってるなっていう。椎名林檎さんの曲もそうですけど、最初の頃に僕がやりたいなと思っていたことが全部実現してきているなっていう感じです。ハワイアンズもそのひとつです。うまくいったプロジェクトだったんでしょうね。

――中谷さんは、レッドカーペットのときに感極まっているようなところもありましたが、「龍が如く8」のシーンの中でここは見て欲しいというところがあれば教えていただけますか?

中谷さん:僕もプレイするまで見たことがないシーンや、自分が出ているシーンもいざ映像になると、あ、こういうことだったんだと気付かされることが少なくなかったです。僕は90数時間でクリアしたんですけど、やっぱり一番がひとり歩きしている感覚になりました。自分が一番をやっているのではなくて、自分が一番を動かしているとゲームをプレイして感じることは、ある意味一番がひとりの人間としてあそこで独立していたんだと思いました。

 お恥ずかしい話、収録してから結構時間が経っているので、俺こんなセリフいったっけ? みたいなのが結構あるんですよ(笑)。絆ビンゴの「ナカヨシ!」とか、覚えてないんですよ。あれー? と思って。

横山氏:開発の中でも、ナカヨシはみんな好きなセリフですよ。あれ聞くといいんですよね、って言ってるんだけど、本人は覚えてないっていう。でも、それはしょうがないと思うんですよ。

中谷さん:全部のセリフをベストで演じたいので思い入れはあるんですけど、逆に気持ち悪いですよね。「ナカヨシ!」は今回の「龍が如く8」で一番力を入れたんですっていっても、そんなに説得力ないと思うので(笑)。

横山氏:メインストーリーのセリフは覚えていると思うんですよ、がーっと芝居を入れて撮っていくので。それ以外のゲーム中に使うやつって、結構ごった煮でぶわーって撮るので。その何、ロンとかポンとか白(ハク)とかいう感じなんです。

中谷さん:本当にそうなんですよ(笑)。

横山氏:たぶん、何に使いますって書いてあるんですけど、よくわからないし。

中谷さん:1行で終わっていたりしますしね。

横山氏:絆ビンゴってなに? わかんねーから。とりあえず元気でみたいな(笑)。

中谷さん:聞いたことないですもん、セリフで「ナカヨシ!」って。見て欲しいのは、僕は茜さんとの浜辺のシーンと、最後の最後のエイちゃんとのシーンです。僕自身は映像を見ていませんでしたが、横山さんから良かったとおっしゃっていただけたところと、いざ、1ユーザーで見ると泣けちゃうんですよ。音楽がかかった瞬間に。先のことは知ってるつもりなんですけど、それ以上の感動やこみ上げる思いがあって泣いちゃいましたね。だから、みなさんが勝ち確っていったこの「龍が如く8」って、まさしくその通りだなって。そこを見て、ファンの方々にはいろいろと感じていただけたら嬉しいなと思います。

――本作の反響や売上げはいかがですか?

横山氏:売上げに関しては、1週間ぐらいで100万本をリリースしましたけど、ああいうスピード感って、「龍が如く」ではあまり経験したことがなくて。「龍が如く」って、初動よりは長く売れるタイトルなんですよ。それは「1」のときからそうで、ドカーンというよりはユーザーが大人なので、焦らないというか。

 コアなファンは予約して発売日に購入すると思いますが、友達から聞いたとか見たとかで増えていくタイトルなんです。最初にああいう感じでスタートしたのは、驚きでしたね。特に今回は日本が強かったですね。アジアもそうですけど。日本だけでいうと、ここのところのシリーズと比較しても昔よりも勢いがあるんですよね。なにが良かったんでしょうね? 2年間の間に、龍スタTVを誰が見ているのかわからないと思いながらやり続けてきたことが、大きいかなと思っています。

――売上げが好調ということで、予定がなかったDLCを考えるとかございますか?

横山氏:100万本のときにリリースしたのが「大ヒット御礼!Tシャツコレクションパック」ですが、あれもその日に決めました。100万本のリリースが明日出るよというときに、着せ替えの衣装やる? でもデザインを今からやるのはあれだから、売ってるTシャツ着せちゃうかって(笑)。

中谷さん:あれ、斬新ですよね。

横山氏:リリースを皆さんに配ったときの絵って、実写なんですよ。商品のサンプル映像をそのまま付けていて。だから、CGにしてなかったんです。焦って作りました。

――最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

中谷さん:長いこと「龍が如く8」の発売を待ってくださって。プレイした後も熱が全然冷めない、本当に皆さんの期待が逆に演者や作り手側にもひしひしと伝わりました。みなさん一体化してどんどん登っていく作品に「龍が如く」がなりました。それはみなさんのおかげだと思っています。まだまだ「龍が如く8」を隅々までプレイしていただいて、これからの作品にもご期待いただければと思います。また春日一番が帰ってくる日があれば、ぜひ温かく迎え入れてあげてください。よろしくお願いします。

横山氏:作り手は、出した後は次のことにどんどん動いていたりするので、もうあまり過去を振り返る気はないんですけど、今回はみなさんの反響や感想が入ってくるのが遅いです。それはなぜかというと、ゲームボリュームが多いからです。やっと今頃ぐらいからなんですよ、本当の意味での評価というのは。

 ゲーム開発の人間は、ゲームを作っていないときはありません。何かのゲームを作り始めているんですよ。それを、今度いつ皆さんに言えるのかを必死に考えながら毎日生きている状況です。感想があったら、いっぱいほしいですけど、僕らは後ろを振り返らないでただただ前を見て、これからも作っていくのかなと思います。龍が如くスタジオは今もなお動いているので、ぜひご注目していただければと思います。

――本日はありがとうございました!