インタビュー

【特別インタビュー】現在の「ラグナロクオンライン」はどんな世界?

全てのプレーヤーが集う“お祭り空間”で、新しい出会いが生まれる!

 「こんばんは」、「こんばんは」。毎日友達と出会い、遊ぶ。筆者はやはりオンラインゲームが好きだ。筆者は現在「レッド・デッド・オンライン」で毎日のようにログインし、友人と遊んでいて、MMORPGに夢中だった日々を思い出している。やっぱりオンラインゲームは楽しい。

 MMORPGは大きなブームを巻き起こし、そして今は1つのゲームジャンルとして定着している。かつて遊んでいた友達からタイトルも顔ぶれも大きく変わってしまったが、筆者はやはりこの感覚が好きだ。筆者のように様々なタイトルで仲間も代わりながら続けてい人もいれば、ずっと同じタイトルを遊び続けている人もいるだろう。

 筆者は15年以上、様々なMMORPGタイトルを見続けてきた。残念ながら終わってしまったタイトルも多い。そんな中で今でも続いているタイトルがある。プレイしている人達がいる。……そして去って行ってしまった人達も、心のどこかで思っているのだ。「あの世界は今、どうなっているのだろう? 友達はどうしているのだろうか?」

16年を超えるサービスを続ける「ラグナロクオンライン」今も世界は変化し続けている

 今回の“【特別インタビュー】現在の「ラグナロクオンライン」はどんな世界?”は、そういったMMORPGのプレーヤー達を繋げようという企画だ。「ラグナロクオンライン」は非常に息の長いMMORPGタイトルだ。サービススタートは2002年からなので、16年以上も運営されている。熱意あるプレーヤーと運営により、今でも独自の進化を続け、新しい楽しさを提示し続けている。

 「ラグナロクオンライン」は今も進化をしている。そして大きな動きとなっているのが、イベントサーバー「Yggdrasill」だ。「Yggdrasill」は、共通のイベント専用ワールドであり、13ものワールドからこの世界を訪れることで、これまでできなかった世界を飛び越えた交流が可能になるのだ。

 このインタビューで筆者は、運営/プレーヤー達の「今オレ達の世界はこうなっているんだ」という声を届けたい。そして「オレ達がいたあの世界は今こうなっているのか」というかつてのプレーヤーの気持ちに応えたいと思う。インタビューでは、ガンホー・オンライン・エンターテイメント パートナー・パブリッシング本部の中村聡伸氏と、山本兼寛氏に話を聞いた。プレーヤーに向け、運営と開発はどんなことを働きかけ、「ラグナロクオンライン」はどんな新しい魅力を獲得しているのだろうか。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント パートナー・パブリッシング本部の中村聡伸氏
パートナー・パブリッシング本部の山本兼寛氏

ネコ型新種族「ドラム」、初心者が育てやすいかわいらしくシンプルなキャラクター

 MMORPGは長くキャラクターとつきあえるゲームである。数年掛けて育て上げたキャラクターは強く、仲間達との連携は強固だ。しかし一方で、初心者が入りにくいという問題がある。長く続けたキャラクターは強くあって欲しいけれど、共に肩を並べてくれる新しい仲間も欲しい。その要望に応えるべく「ラグナロクオンライン(以下、「RO」)」が実装したのが新種族「ドラム」だ。

 何より、ドラムはとてもかわいらしい。ドラムは猫のような顔と肉球のある手足、しっぽの生えた種族だ。その姿は既存プレーヤーだけでなく、新しいプレーヤーにもとても魅力的だ。「RO」はグラフィックス的にかなりレガシーだが、だからこそシンプルでかわいらしいドラムはこの世界にとても良くなじむ。ドラムはこれまでの世界の人々からは発見されていなかった大陸に住んでおり、プレーヤーは「新しい世界へ旅立ったドラム」として、「RO」の世界に降り立つこととなる。

ネコ型新種族「ドラム」。かわいらしく既存のプレーヤーはもちろん、新規プレーヤーにも大きな魅力だ

 2018年の「RO」での大きな動きは新種族「ドラム」の導入だという。ドラムのゲーム的な大きな特徴は「成長の早さ」だと中村氏は語った。かわいらしく、従来のキャラクターとは異なる感触で楽しめるプレーヤーキャラクターである。運営/開発側としては育てやすいキャラクターという意図がある。

 従来の「RO」は、1次職、2次職、そして転生することで到達できる3次職があって膨大なスキルが存在する。そのスキルをどう割り振るか、装備をどう整えるかで全く異なる、非常に自由度が高く、奥深いキャラクタービルドを可能としていた。しかし奥深いだけにかなり複雑なのだ。自分で調べてキャラメイクに凝るのも大きな楽しみではあるが、敷居の低いキャラクターが入門用に欲しい、という要望もあったと思う。

 ドラムは転職システムがなく、「回復系」、「物理系」、「魔法系」の3つのスキルツリーのみに限定している。回復能力が高かったり、魔法も補助を受けることで連射できるものがあるなど、シンプルながら能力は高く、既存のプレーヤー達と混ざってもきちんと活躍できる高い能力を持つ。一方でより多彩な能力や、個性的な活躍をしたいという人は既存の職業に挑戦するきっかけになるという、

かわいらしいドラムは新しい世界観を提示する

 「ドラムをきっかけに、『人を支援するのがかなり好きだから、もっと支援をできるアークビショップをやろう!』、『攻撃力をさらに高めたいからギロチンクロスを目指そう!』というように、ドラムは初心者がより深く『RO』を楽しむためにぴったりのキャラクターになりました」と中村氏は語った。

 ドラムには初心者向けのわかりやすさに加え、レベル100で“ブレイクスルーポイント”が用意されているという。100以上になると強力なスキルが用意されていて、ここでより役割をはっきりさせ、キャラクターの強さを実感できるという。

 また、ドラムを育てるプレーヤー向けには「ドラム育成サポートプログラム」として、序盤から有用なアイテムや追加経験値がもらえるクエストを用意し、通常の育成に加え様々なボーナスを提供し育てやすい環境を用意させているという。現在のプレーヤーのプレイ感覚に合わせたバランス調整を行なっているとのことだ。この他、「RO」ではおなじみの「特別パッケージ」を販売、こちらを購入し同梱されているスペシャルアイテムを活用することでより育成がしやすくしている。

ドラムの世界は童話のような雰囲気だ

 「RO」は、今でも月額の利用料を払ってプレイするビジネスモデルとなっている。特別パッケージはこの利用権も含んでいるので、「毎月利用料を払うのだから、もうちょっとだけお金を払ってパッケージを買ってスペシャルアイテムを手に入れよう」というプレーヤーも多いとのこと。「RO」は、月額利用というビジネスモデルがサービスを支えており、スペシャルアイテムによるパッケージの「お得感」は熱心なプレーヤーのモチベーションにも繋がっているとのことだ。

 既存の熱心なプレーヤーはもちろんだが、新規プレーヤーも「RO」をしっかり支えている。ドラムの導入はまさに新規プレーヤーを狙った施策であるし、広告からのプレーヤーの流入もある。2018年は「RO」のイメージガールとして、16年間支え続ける乾曜子さんと、彼女がプロデュースする後輩コスプレイヤーえなこさんのコラボ広告も展開、かなり好評だったという。えなこさんのファンも「RO」を始めてくれたとのことだ。

 「ドラムの実装によって、初心者プレーヤーが増えたという実感をしっかり得ることができました。月額課金というビジネスモデルは昨今のソーシャルゲームに比べ敷居が高いと感じる人もいますが、実は昨今のゲームでも『月額特典パッケージ』みたいなサービスをしているんですね。1カ月いくら払うと毎日アイテムがもらえる、という感じの。こういうプレイスタイルに慣れている人は、『RO』のパッケージも同じ感じで購入していただいてるんじゃないかと感じています。こちらは変わらないビジネスモデルなんですが、プレーヤーさんには受け入れられているという実感も持っています」と山本氏は語った。

 ソーシャルゲームがプレーヤーを増やしていく中でも、MMORPG、とくにチャットを中心としたコミュニケーションを求めるプレーヤーはきちんと残り続けている。濃い関係性と、毎日一緒に遊ぶ友人を作るゲームシステムは、やはり波長が合うプレーヤーには強い魅力がある。長くサービスを続けていく中で増減はあったが、現在の「RO」は多くのプレーヤーが「ちょうどいい関係性」を築けているのではないか、と中村氏は語った。

 TwitterやInstagramなどプレーヤー達はゲームの他にSNSを活用しているが、「RO」で人気のSNSはMastodon(マストドン)だという。有志のプレーヤーが専用のチャンネルを作り、その上でしっかり管理運営をしているので、「RO」をプレイしている人が集まれる環境ができており、運営としてもとてもありがたいとのこと。また、攻城戦などではボイスチャットツールも活用されているとのことだ。

「ワールド倉庫」を皮切りに、ワールドの壁を越えた交流が活発に

 MMORPGは魅力的なのは友人と濃いコミュニティを築けることにある。しかし一方で、コミュニティ外の人とは付き合いが薄くなってしまう。様々な新しいゲームが出てくる中で、どうしても濃いコミュニティは減ってきてしまう。そんな中で、SNSの存在は「ゲームが好き」というユーザーを繋げるツールとなった。「RO」でも新しい出会いの場としてSNSが活用されており、それに合わせた進化をしている。

 「『RO』では、自分のワールドでのコミュニティと、SNSなどでのコミュニティ、2つの繋がりを持っている人もたくさんいます。『RO』は多くのワールドがあるが、ワールド間の移動を自由にできる環境はありませんでした。このためワールドを越えたコミュニティで仲良しでもゲーム内で会いにくい。今までのワールド移動サービスではそれまでいたワールドとの繋がりは断たれてしまう。ワールドを越えた交流をどうしていくかは課題であり、その施策の1つが『ワールド倉庫』です」と山本氏は語った。

 ワールド倉庫は装備などのアイテムをワールド間で自由に行き来できるサービス。「RO」では強力な装備があればキャラクター育成がしやすくなる。仲の良い友達と一緒に狩りをしたり、ギルド戦に参加するためにも、アイテム移動はそのハードルをかなり低減してくれる。

世界を越えて引き出し、取引を可能とするワールド倉庫

 日本の「RO」の特徴は経験値の“レベル偏差”をなくしているところだという。レベル偏差とは、強力なモンスターを低レベルのプレーヤーが倒しても、キャラクターレベルに見合った経験値しか入らないというルール。韓国版はこの仕様になっているが、日本の場合は調整が入らず大きな経験値が入る。このため狩りを手伝ってもらい一気にレベルを上げる「パワーレベリング」が可能だという。これを使い一気にレベルを上げ、ワールドを越えた繋がりを持っているプレーヤーも多いとのことだ。

 ワールド倉庫に加え、プレーヤー間の取引を活発にさせたのが「Noatun」というワールド共通の取引専用フィールド。ここではワールドを越えたアイテムの売買ができる。ここの通貨は通常のゼニーからの1/1000で「小為替」も持ち込むことで「Noatun」用Zenyに変換でき、これを使用して取引をする。

 長く続く「RO」ではレアアイテムの価値は非常に高くなり、通常のワールドではシステムの上限を超えた金額での取引も行なわれるようになった。小為替による取引額の変換は、このインフレに対応し、通常のワールドでは取引できないような高額のやりとりも可能としている。まさに長く続くゲームだからこそのシステムと言えるだろう。

多くのプレーヤーが出店するNoatun

 とんでもないレアアイテムが露店に並んでいることもあり、例え買えないような高額でも「このアイテム実在しているのか!」といったように、“見る楽しみ”も大きいと山本氏は語った。

 ワールド倉庫、Noatunによってワールド間を越えた繋がりが活発になっている状況の中、これをさらに一歩進めた交流を促す施策がロビーワールド「Yggdrasill」というわけだ。Yggdrasillはイベント専用のワールドで、ここではワールドの垣根を越えプレーヤーが集い様々な遊びを楽しむことができるという。2018年はPvPコンテンツの「攻城戦YE(Yggdrasillエディション)」、そして2019年4月からPvEコンテンツ「ティアマト攻城戦YE」がスタートしたというわけだ。

ワールドを越え、新しい交流を可能とするYggdrasill

 「『RO』は多くのワールドがある。このため新しくプレイするプレーヤーさんが『どのワールドで始めれば良いかわからない』という声があるんです。もちろんプレイしているプレーヤーさん達は自分達のワールドに来てもらいたい。Yggdrasillはそんな新しい出会いを求めるプレーヤーさんの出会いの場になってもらいたい。新規の方だけでなく、既存のプレーヤーさんも集まり、活気のある世界になってくれると思っています」と中村氏は語った。

 まず2018年に行なわれたのが「攻城戦YE」だ。フィールド上にある砦をギルドが攻略し、手に入れた後はプレーヤー同士で支配権を巡って争う攻城戦は「RO」の“華”とも言えるコンテンツだが、既存のワールドでは強いギルドが固定化してしまう場合も多くなっているのが現状だった。「攻城戦YE」はワールドの垣根を越え、強さを競うことが可能となるのだ。

13のワールドを越え1つのイベントフィールドYggdrasillへ集う!

「強いギルドがそのまま強さを誇示するだけでなく、『ワールドを越えて集まり、最強ギルドをみんなで倒そう』という流れも出てきました。いつもは参加しないけどYggdrasillだから攻城戦に参加しよう、というプレーヤーさんも多かったです」と山本氏は語った。

 Yggdrasillで攻城戦を行なうにあたり、運営側が気をつけたのが“対戦カード”だという。ギルドとギルドをどういうマッチングを行なうか、そのバランスを考え、初期の頃は手動で、そしてその経験を活かしてシステムで割り振れるように進めているとのことだ。

 Yggdrasillでは決められた2つのギルドが支配を争う砦と、誰でも参加でき乱戦が楽しめる砦の2つのパターンを用意し、プレーヤー達が戦い方を選べる状況を用意した。正々堂々と戦いたい場合はマッチングに参加し割り振られた砦で戦い、そうでないカオスな戦いが楽しみたい場合は自由参加の砦に向かうという感じでプレーヤーの幅を与えた。マッチングを行なう砦は入り口を制限することで他のプレーヤーが入れないようにし、ギルドの上限数である56人が1チームとして参加可能、2チーム112人が砦を巡って戦う。

 「攻城戦YE」は、2018年の4月、8月、9月といった形で開催され、これまでの経験を活かしてシステムを改善している。初期は乱戦での戦闘のみだったためプレーヤーが集中しサーバーが動かなくなってしまうこともあったとのこと。マッチングを行なうことで負荷を分散させ、戦いを楽しみたい人、カオスな乱戦を楽しみたい人にプレーヤーを分ける施策も行なっているとのことだ。

 攻城戦で山本氏はプレーヤーのモチベーションの高さに驚かされたという。「攻城戦YE」でマッチングを行ない戦うルールにおいて、うまくマッチングできなかった場合は、そのギルドを「不戦勝」扱いにし、報酬を与えるようにしたのだが、ここでギルドが「戦いたかった」という不満の声を上げたのだ。「せっかくがんばって用意したんだから、報酬なんて良いからとにかく戦わせてくれ!」という声が多かったとのこと。既存のワールドでは砦を得るメリットが重要視されるのに、Yggdrasillではやはりプレーヤーは戦いたいのだ、ということを実感したという。こういった試行錯誤によってコンテンツは進化しているという。

 「普段戦わない相手と戦える」というのは、PvPを好むプレーヤー達を燃え立たせている。ワールドでの戦いの場合対戦カードは固定化する傾向があり、戦術や待ち伏せポイントなどもある程度決まってきて、予想も立てやすい。しかしワールドを越えたギルドはそういった“お約束”が通じない場合がある。「攻城戦YE」は、「RO」のPvPにおいて、新たな流れをもたらすコンテンツとなったという。

 Yggdrasillは常にオープンしているイベント専用ワールドだ。プレーヤー達はこの世界にいつでも訪れることができ、ここで交流が楽しめる。狩りなどはできないが、曜日ごとに様々なイベントを開催し、そのイベントを楽しむためにみんなが集まる、ということを目標に随時アップデートをしていくという。

多くのプレーヤーが集う「ティアマト攻城戦YE」

 そして、4月9日に導入された「ティアマト攻城戦YE」は、強力なモンスターにワールドを越え団結したプレーヤーが立ち向かうこととなる。こちらは週に2回実施する予定で、4月9日の実装から2週間は毎日挑戦が可能となる。イベントとして楽しめていた大規模PvEが毎日楽しめるという非常にリッチなイベントなのだ。

 「ティアマト攻城戦YE」の大きな特徴は「回復剤」が無料なことだ。このためコスト度外視でスキルを連打することもできる。特に敵の攻撃を受け止める前衛職はこの回復剤の負担が大きく、通常だと攻撃職などの後衛以上に負担が大きい場合がある。回復剤を無料にすることでより思い切り活躍できるというわけだ。

 「ティアマト攻城戦」はより深くまで到達することで報酬も多くなる。お祭り感覚で各ワールドの強者が集まり、リスクの少ない戦いを用意することで、これまで以上に攻略ができるかもしれないという期待がプレーヤーを後押ししてくれるのではないかと山本氏は考えているという。

 そして今後は曜日に合わせたイベントコンテンツが追加されていく。プレーヤーは好みのイベントに合わせ仲間に声を掛けYggdrasillに集まり、コンテンツを楽しめるようになるわけだ。狩りや「RO」のストーリーは通常ワールドで楽しみ、その強くなったキャラクターや装備でYggdrasillのイベントに参加する、というのが運営が提示する新しい「RO」のプレイスタイルというわけだ。

 「この“通常のワールドに帰る”というサイクルが重要だと私達は考えています。楽しく遊び、仲間を見つけたり新しい出会いを経験する。違うワールドに行くのも良いし、同じワールドでも今まで交流がなかった人達と出会えるかもしれない。Yggdrasillを通じてこれまでの『RO』を今以上に楽しんで欲しい、というのがこのワールドのコンセプトです」と中村氏は語った。

 「RO」はまだまだ進化していく。Yggdrasillでプレーヤー社会をより活性化させると共に、“「RO」本来の楽しさ”といえるエピソードのアップデートも7月に予定している。また、6月に導入される「生体工学研究所」のストーリークエストはコミックが原作になっており、韓国語版の原作を現在翻訳している。6人のキャラクターが遭遇するエピソードをたどっていくコンテンツになるとのこと。

 韓国版コミックの翻訳では特に“擬音”の表現が難しいと中村氏は語った。言葉をそのまま翻訳しても状況にそぐわないと感じることもある。こういう音ならば日本の表記ではこの表現、という形で、意味を考えた翻訳を試行錯誤しながら進めているという。

 プレーヤー達は開発・運営が「RO」をより楽しくするために様々な施策を実施していることに対して温かく受け入れてくれる。それがとてもうれしいと中村氏は語った。山本氏もユーザーには強く感謝している。そして、「Yggdrasillのコンテンツの実装に時間がかかって待たせている状況に対してとても申し訳なく感じているとのことだ。

 プレーヤーの声に応えながら、開発元であるGravityの“見せたいもの”も尊重する。そこが運営の目指すところだと中村氏は語る。ストーリーや世界観、表現したいものを大事にしつつ、プレーヤー間の繋がりや、遊びやすい環境、どちらにも気を配っていく。開発とプレーヤーを繋げていく。そして「チャレンジ」だと山本氏は言葉を足した。「RO」でどんなことができるか、どういった機能を足せばより楽しいゲームになるか、そういった挑戦も提案し続けたいとのことだ。「前のめりでずっこけてしまうことはありますが、停滞するよりずっと良い。これからも積極的にやっていきます」と中村氏は言葉をむすんだ。

現在も多くのプレーヤーが楽しく時を過ごしている「RO」。この機会に訪れてみてはいかがだろうか?

 「RO」は今も挑戦し続けている。MMORPGはかつて大きなブームがあったが、今は1つのジャンルとしてきちんと定着しているという実感を筆者は持っている。それでもやはり感じるのはコンテンツのレガシーさだ。16年続いているゲームは、やはり“レトロ”な雰囲気がある。しかし、それでいいと思うのだ。現在はボードゲームもブームとなっている。コンピューターゲーム全盛の現在にアナログなゲームが流行している、そう、現代は自分の好きな、自分の面白いゲームをプレイして、地域など距離を飛び越えて仲間を募れる時代なのだ。

 MMORPGは強い魅力を持つゲームジャンルだ。毎日のようにログインし、様々なコンテンツをプレイする。その中で今もアップデートを行ない、新しい遊びを提供しているタイトルはやはり頼もしい。筆者個人としても「がんばれ!」と声を掛けたい。

 筆者はやはりMMORPGのコミュニケーションに愛着があるし、プレーヤーみんなで濃い繋がりを持って楽しむプレイスタイルが好きだ。今後も機会があればMMORPGの今を取り上げ、続いている世界の魅力を紹介できればと思っている。