インタビュー

まさかの第2期追加タイトル「3D ベア・ナックルII」配信開始!

恒例の「セガ3D復刻アーカイブス」インタビュー

【3D ベア・ナックルII】

4月28日 配信予定

価格:800円(税別)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)

プレイ人数:1〜2人

「格闘アクションの最高傑作」との声も高いシリーズ2作目。3D復刻プロジェクトによるパワーアップ移植をご堪能あれ!

 セガゲームスは、ニンテンドー3DS用「セガ3D復刻プロジェクト」第2期追加タイトルの第1弾「3D ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌(レクイエム)」を4月28日より配信を開始した。価格は800円。以降、第2弾「3D ガンスターヒーローズ」、第3弾は「3D ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」がそれぞれ予定されている。

、「3D ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌(レクイエム)」は、1993年にメガドライブ用タイトルとして発売されたベルトスクロールアクションゲーム。アクセル、ブレイズ、サミー、マックスの4人が、復活した悪のシンジケートに戦いを挑む。キャラクターの大型化、新必殺技、ステージ構成など、グラフィックスはもちろんゲームシステムも大幅に進化。古代祐三氏による音楽、対戦モードなどオリジナル版の要素も忠実に再現されている。

 配信版は“3D立体視”に完全対応。テンポよく爽快に遊べる「ノックダウンモード」、すべてのキャラクターを順番に使用して楽しめる「カルテット」モードを搭載し、それぞれの3DS本体にソフトを用意することでローカルプレイによる2人同時プレイも可能となっている。

 今回は、弊誌の恒例企画としてセガゲームスの奥成洋輔プロデューサー、制作を担当されているエムツーの堀井直樹社長のスペシャルインタビューをお届けする。

「格闘アクションの最高傑作」とも評されるベルトスクロールアクションの金字塔。当事やりこんだ人はもちろん、アクションゲームに不慣れな人も後述の「ノックダウンモード」でスカッと気持ちよく遊べる

ワールドワイドを踏まえた3タイトルのチョイス

奥成洋輔プロデューサー(右)と堀井直樹社長(左)

――まず最初にお聞きしたいのは、タイトル選定の理由です。色々な選択肢があったかと思いますが、「ベア・ナックルII」、「ガンスターヒーローズ」、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」を選ばれた理由を教えてください。

奥成洋輔氏: 北米発というところもありますが……GAME Watchさんのインタビューを読まれた方はわかると思うんですけど、これまで第1期、第2期という形でご説明してきました。第2期、2年前の冬に「3D アフターバーナーII」から始まり、去年の8月「3D サンダーブレード」まで5本出して「これで終わりです!」と終了宣言をしたあと、番外編的として去年12月に「セガ3D復刻アーカイブス」という総集編的なパッケージ版を出させていただきました。

 終わったはずのシリーズが、こうして復活したのですが、今回発表の3タイトルは“第3期”ではなく“第2期の第6〜8弾”という扱いになります。一応理由を説明しますと、このシリーズはまず最初に第1期を、全世界向けに8タイトルを出させていただいた。ですが、第2期は日本だけの発売しか予定がないままスタートさせたんですね。というのは、海外の第1期は日本から1年遅れのリリースになってしまいまして、海外の反響を見ないとその後も海外でリリースできるかどうかわからなかった。

 米国では第1期をした頃、日本はもう第1期が終わっていたんです。日本の反響がとてもよかったので、すぐに続きを出したかったんです。それで「日本向けだけになったとしても、とりあえず第2期はやろう」と5タイトルを開発しました。これの開発が終わった頃に、ようやく海外の反響がだいたいわかりまして、めでたく「第2期も海外で発売しよう」という話となり、第2期の5タイトルが1年遅れで「3D アフターバーナーII」から順番に出していて……今ようやく「3D ファンタジーゾーンII」が北米と欧州でリリースされているんです。それで「DS サンダーブレード」を出して5本が終わりなんですが、せっかく北米や欧州で第2期をやるのに、アーケードの5タイトルだけじゃ「ちょっともったいないよね」ということを話しておりまして。

 海外で2期をスタートさせるにあたり、米国のスタッフと話をして「全世界向けにタイトルの追加をしよう」ということで“まさか!”の開発が再開されましたというわけです(笑)。3タイトル追加にあたり“全世界的に支持があるものを優先に”という形で選びました。「ファンタジーゾーン」でもお話していますが、第2期は日本で人気があるゲームを選んだんですね。「ファンタジーゾーン」は、海外ではあまり知名度のないタイトルなんですよ。

――マスターシステム版は欧州でどれくらい売れたのでしょうか。

奥成氏: 出てはいるんですけど、ごく少数だったようですね。また、マスターシステムというハード自体、そもそも北米では凄くマイナーなハードだったりしますし。

――欧州だけっていうと語弊がありそうですが、実際そうだったんですね。

奥成氏: 欧州ではアレより売れていたという話もあるんですけどね。「ファンタジーゾーン」は日本だけのラインナップということで開発することができたんです。今回は、全世界向けにと考えて「ジェネシス、メガドライブというタイトルから選ぼうよ」と。GAME Watchさんにも、3D立体視のメガドライブ=「ギガドライブ」なんて架空ハードの名前を……広めてもらって。

堀井氏: 勝手に作って広げさせていただいて、もうちょい続けたいなぁという意志はありましたね。第1期の5タイトルだけではもったいないです(笑)。

奥成氏: 日本でもここを読んで下さっている方には、この「ギガドライブ」という言葉を覚えていただいて(笑)。「第2期にはどのギガドライブのタイトルが含まれるんだろう」って期待をして下さったところ、1本も出なかったという(笑)。

堀井氏: ズコー!ってなったよね(笑)。

■ ファン垂涎「ギガドライブシール」

本稿掲載は「ニコニコ超会議」終了後につき今後の再販に期待したい

奥成氏: あ、そうだ。ちょうど持ってきたんです。これGAME Watchさんで堀井さんが叫んでいたから作っちゃった「ギガドライブシール」です。

堀井氏: いいですよねぇ。非常にいいですねぇ!。

――いい! 周辺のホロの具合が凄くいい!

奥成氏: うちのタイトルのポジションからいって専用のニンテンドー3DSを作ることはなかなか考えにくいので「じゃぁどうやってやろうか」、「シールなら作れる」と。これを3DS本体にピッと貼っていただくとですね……。

――これはシールの色に合わせた本体カラーを選びたくなりますね。

奥成氏: ほとんど同人みたいなアイテムなので、この前「コミケットスペシャル」限定で販売しました。しかも、シールを全種類買った人だけにプレゼントっていう。凄いハードルの高いシールだったんですけど。

堀井氏: ボクも全種類買いましたからね!

――これはもう配布などの予定はないんですか?

奥成氏: 「ニコニコ超会議2015」でも販売できるようになりました(インタビューは4月10日収録)。この2枚を買うと「社是シール」か「ギガドライブシール」どちらかをプレゼントします。

堀井氏: ホントズルいですよね!

奥成氏: これを「コミケットスペシャル」で発売したところら「普通欲しいのはわけのわからないハードのシールよりもセガファンなら『社是シール』だろう」と思ったんですけど、リクエストはわりと同じくらいの枚数だったんです。

堀井氏: 「ギガドライブ」がんばった!。

奥成氏: 「さすがコミケ、ギガドライブを面白がってくれるお客さんがいらっしゃるんだなぁ!」と嬉しく思いました。

――ネタだと社是シールですけど、マジメに3DSに貼ろうと思うとギガドライブになるという感もありそうです。

奥成氏: 「ニコニコ超会議2015」で再発予定ですが、その後はどうなるか不明です。実は以前にも2度作ったんですよ。「東京ゲームショウ」などで発売したんですけど、通販は今まで1度もやっていません。

――すべて現地購入オンリー? それはそれでもったいない……。

奥成氏: ぶっちゃけてしまうと、これでもギリギリの販売価格なんで……。

■ 当初は即答でお断り 〜「ベア・ナックルII」移植〜

奥成氏: 話が横道にそれてしまいましたが、ともかく、あれだけ堀井さんが第1期で「ギガドライブ」といったのに、次がアーケード5タイトル。今度こそ「ギガドライブをもう1回やりましょう」ということになりました。ラインナップについては、当時をご存知の方々だったらわりと納得いただけるかなぁという王道タイトルです。

 ではなぜ前回この3タイトルが入っていなかったかというと、不可能だったからです。元々3D復刻を始めるにあたり、当然これらのタイトルも候補の中に入っていたんですよ。当時どういう風に選んだかというと、メガドライブの人気タイトルを日本・海外と並べていって、そこから3D復刻できるものを選ぼうという形だったんです。人気の上位ランキングを並べたうえで、エムツーさんに相談したんですね。

堀井氏: できる、できないを聞かれたわけです。

奥成氏: 「ベナ・アックル」も「5本しか選べないなら、1作目を飛ばして2作目から始めてもいいだろう」と。最初は2作目でという提案をエムツーさんに持っていったんですよ。そうしたらすぐに断られまして(笑)。

堀井氏: 「無理です!」といいましたね。

奥成氏: とにかくメガドライブの処理が重いんで無理ですと。

堀井氏: そうですね。メガドライブを動かすこと自体、わりと処理が重い。そのうえで3D立体視に対応させるので、なおさら重い。

奥成氏: というなかで、とりあえずメガドライブのゲームの中でも、動く動かせるタイトルと動かせないタイトル、3Dにできるタイトルとできないタイトルが、どうしてもでてきちゃったんですね。もちろん人気があっても……こう言ったらなんですけど、じゃあ人気があるかといって今更昔の「ぷよぷよ」を3Dにしても喜ばれるかっていうとわからない。8本しかリリースされない3D復刻のうち1本が「ぷよぷよ」だと、ちょっとそれはどうかなというのがあって。

――想像は凄くしやすいです。

奥成氏: エムツーさんからは逆に「『ぷよぷよ』どうですか!?」みたいな。

堀井氏: 毎回スケジュールが押すんですよ。そこの箸休めがあると……なんていうのかな。

――表現が危ない!。

堀井氏: やっぱりね、そうなんですよ(笑)。開発スケジュール的にありがたい。2クールのアニメにインターバルを挟んで分割2クールにする的なニュアンスですかね。

――それはとてもわかりやすい表現ですね。

奥成氏: 第1期の8本をやるうえで、1番大変なゲームとか「これならスムーズにいくだろう」っていうタイトルは、そのなかに入っているんですよね。全部遊ばれた方だったら、だいたいそれは見えてくると思うんですよ。難易度の高いものを後ろに回して、だんだん(制作に)慣れていこうっていう形でやったんですよね。

 その第1期の最後が「ベア・ナックル」だったわけなんですよ。「ベア・ナックル」を選ぶときも、ボクが「せっかくだから色々なジャンルから選びたい」といったなか「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「獣王記」、「エコー・ザ・ドルフィン」、「ザ・スーパー忍II」みんな横スクロールアクションなんですよね。だからこそ、そこにベルトアクションが1本は欲しいし、「ベア・ナックル」はいかにも3D向きなゲームじゃないですか。結果は思ったとおりというか「3Dってこうなんだ!」って言える、思った以上の効果が出たんですけど、アレを(当事のエムツーは)全然許してくれなかったんですね。

堀井氏: できるかわからなかったし。バリエーションを考えたらそうなるのもわかるし、オーダー的にそうなるのも凄くわかります。

――3D復刻に際して、おおまかな分類はどんな感じでしょう? S級とかA級とか、たとえば1番難易度が高い“くくり”とか。

奥成氏: もちろん人気と移植難易度、3Dにしたときに面白いかどうかを色々検証しながら選んでいきます。

堀井氏: 1期でいえば、難易度と3Dの凄さともに「ギャラクシーフォース」が間違いなくトップで「やったら凄いだろう!」と。知名度的に「スペースハリアー」、「アウトラン」、「アフターバーナー」には及ばないですよね。でもボクのなかではダントツで「サンダーブレード」の次くらいにはやりたいタイトルでしたよね。できる、できないは置いといて。

――できなかったら偉いことになりますが……。

堀井氏: できなかったらタイヘン!っていうタイトルを毎回まぜるんですけど。「ギャラクシーフォース」のインタビューでもたぶん言ったと思うんですけど「(目処は立っていないけど)やりましょう!」っていったのが、そのときは「ギャラクシーフォース」でしたね。

奥成氏: 第1期のタイトルを選ぶ時にいくつかテストで3D化してみて、最初に3Dに見えたのが「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」と「獣王記」。この2タイトルを3Dにしたとき「獣王記」はわりと最初の目論見どおり“ストレートな3D”。「3Dにしたらこんな感じかな?」というものが「獣王記」だったんですよ。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」はとってもショボくて……。

堀井氏: チープに見えた。

奥成氏: 全然3D感がなかった。

――ゲーム画面の構成を考えれば、プロトでも3D的な見栄えが全然良さそうなのですが……。

堀井氏: テストの3D化は、凄く簡単にできるやり方。まずバックグラウンドが2枚あって、スプライトがあって、テキストレイヤーがあったりなかったりする。それを単純にわけて立体化するんですけど、それだけだと見ごたえとして全然足りなかったということですね。バックグラウンド1枚のなかでも、もっと細かく「これは奥に書いたつもり」、「手前に書いたつもり」とわけていかないと「おっ!」という風にはならなかった。

――わけたぶんだけ工数が増える。

堀井氏: もちろん増えます。増えるかわりに「おっ!」ってなる時間も増えるので、まぁやらないとしょうがないですよね。娯楽の世界ですから!(笑)。

――そうはおっしゃいますが、書き絵が1枚増えたらキツくなるのは昔からの……。

堀井氏: そりゃそうですよ。でもそこはほら! まだ若いし! 若くないか!? まだがんばれる(笑)。好き勝手やっても、まだいいかな? くらいの感じはしますね。

――説明されると、プロトの簡素さは伝わってきます。切り絵を貼った的といいますか。

堀井氏: テンプレート的なやり方だと、メガドライブは背景が2枚あるので、その2枚とスプライトってことになるんですけど、それだと書き割り感、テンプレ感が出てしまう。

奥成氏: 初期に「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」、「獣王記」、「スーパー忍II」を3Dにしたんですね。「エコー・ザ・ドルフィン」もしたのかな? 何本かテストしたんですけど、まず「獣王記」はスタンダードな3D感が味わえた。「エコー・ザ・ドルフィン」は、まだちょっと手を入れなきゃいけないけど、この延長線上でやれば3Dで作れるだろう。「スーパー忍II」は「ボリュームはあるけどがんばれば3Dになるよね」って。でも「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は全然3D感がなくてダメだったんですよ。そして「ベア・ナックル」は、背景の道路の上にキャラが浮遊しているだけ、っていう。これはどうにもならない感じの3D立体視。

堀井氏: 見るも無残な感じ。

奥成氏: それを見たとき「1番3D化の難易度が高いのが『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』だろう」と。本来だったらもう外しちゃいたいくらいだったんですけど「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を外すわけにはいかない。

堀井氏: セガの顔ですからね。

奥成氏: 「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は頑張ってやろう! というなかで、頑張ってやるんだったら「むしろ1番最初に頑張ったやつを出そう!」みんなに注目してもらいたいという形で「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を作りこんでいって……。そうして作ったところ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が見違えるように良くなって、その影響で「スーパー忍II」もさらに手を入れて3D化を頑張ったわけですね。

 最後に残ったのが「ベア・ナックル」。そもそも堀井さんからお断りされたタイトルだったんですけど、ストレートな3D感、横一直線にゲームが展開する形だったので「最初の1面冒頭の奥行きの部分だけ作ったら、あとはコピペすれば同じ技法で3Dになるよ!」と言いくるめまして。

堀井氏: ……なワケないよね、というのはもうわかる。でもまあとにかくできちゃったんですよね。そこまでの7本の開発経験の上で。

――でも今回の「ベア・ナックルII」なんかはゲームが始まってすぐスクロールが下にいくじゃないですか。

堀井氏: (問題は)そこなんですよ。

奥成氏: 最初に「ベア・ナックルII」は「絶対無理」っていわれたので「なんで無理なんだ?」と聞いたところ、ステージが上昇したり斜めなど縦横無尽に動いたり、色々な背景・遊園地の「バイキング」の船上で戦うシーンやエレベーターの中で戦ったり、色々なシーンがある。一方でメガドライブって、背景をチップというかキャラクター単位でパズルみたいに並べた絵を表示して1枚の背景に見せてる。それを3D立体視にするのは無理ですと。しかも斜めになったとき立体の絵として破綻している。いわゆる一点透視図法とか、そういう正しい線で描かれていないから立体にならないよ! と、「ベア・ナックルII」はダメですといわれた。

堀井氏: 初代「ベアナックル」の場合、3D立体視は苦労しそうでしたけど、キャラが小さくてかつゲームが60フレームではなく30フレームで動いていたので勝算はあるかと。当時、3DSで動作させるための処理速度を稼ぐ作業がメガドライブは相当苦労しそうだった。そこがわりと少なそうだった点が救いだったので「1本道だからコピペでいけるでしょ」、「んなワケねーだろ!」と思いつつも(一同笑)釣り合いがとれる可能性がないわけではないし、ラインナップのバリエーションとしても欲しいし曲も好きだし、みたいなところがあって「やるかな」という感じになりました。

奥成氏: 結果的に、7面のエレベーターとか、コピペでできないムチャクチャ破綻している絵を3D化するという作業が間に挟まったりしたんですけど、なんとかベルトスクロールアクションのフロアを美しい3Dにすることができたんですね。あと、そのなかにもうひとつ「ローカルプレイは必ずやろう」という話があって。元々ゲームギアのバーチャルコンソールをやっていくなかで、ローカルプレイは絶対にやろうとエムツーさんと話をしていたんです。ゲームギアは、本体ふたつをケーブルでつなぐ対戦モードがあったからです。

 やっぱり3DSでも対戦やりたいじゃないですか。エムツーさんがそこは頑張ってくれて、バーチャルコンソールの「コラムス」とか、ゲームギアの通信対戦を作ったんですね。バーチャルコンソールとセガ3D復刻プロジェクトを並行して作業していたんですけど「ふたり同時プレイのゲームは(セガ3D復刻プロジェクトでも)当然やるよね」っていう話で。それが「獣王記」、「ベア・ナックル」だったんですけど、ゲームギア同様にローカルプレイを実装した。だけど、そのときも「ベア・ナックルII」は(ローカルプレイは)無理という話があって、それが30フレーム問題だったんです。

――重くなるのでしょうか?

堀井氏: 重いですね。キャラもでかいし、60フレームでなおかつ通信プレイが入る。「ベア・ナックル」は30フレームだったから「通信を入れても30フレームなら追い込むことはしやすい」と思いましたね。「ベア・ナックルII」はキッチリ作っているというか、作っていた方々が「メガドライブでこれ以上はできないよね」って言いたいがために作っていたんじゃないか? というところがある。本当に「やれることは全部やろう」っていうのがゲームからにじみ出ているので、とういことは3DSに持っていくときもしんどいのは確定だった。

――その辺も含めて「これは無理」と。

堀井氏: そうです。

奥成氏: ですが、ある事件がきっかけで、この無理が180度変わるんです。この3本のラインナップを決めたのは、海外で昨年の年末に第1期をリリースして、去年1年、第2期も海外で出すか出さないか揉むなかで「タイトルを追加できるとしたらこのラインナップだよね」って話はしていたんですよ。候補はほぼこの3タイトルに決めていて、その中でもまず決めたのが「ベア・ナックルII」でした。その理由は「ベア・ナックル」開発終了時のできごとでした。これ前回の「ベア・ナックル」のインタビューではシリーズが続けられるかわからないので話せなかったんですけど……ここは堀井さんからお話していただきましょう。

■ 夏休み明け 〜エムツーの開発陣、恐るべし!〜

堀井氏: 「ベア・ナックル」の3D立体視って本当にキツい作業でして、立体視を担当していたプログラマーは1カ月か2カ月くらいずっと働きづめだったんです。プロジェクトが終わったとき「俺は毎日1日48時間働いた。働いたからには、しばらく休む。具体的にいえば2週間ほど連絡がつかなくなるくらい休む」って。

――そこまで追い詰めちゃったんですか?

堀井氏: その担当は最初に「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の3D化をやりながら並行して「ベア・ナックル」のことをずーっと考えている感じでやってて「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が「とりあえず、ここまでできればいいよね」というサンプルになって、他のやつが全部押し上げられたという、ギガドライブの3D化のクオリティアップに大きく貢献した人物なんです。

 彼が2週間の休暇が終わって出社したときに「夏休みの宿題をやってきた」という感じでプログラムを出してきたんです。それが「ベア・ナックルII」1面を全部立体視にしたものだったんですね。「休んでねーじゃん!」というのは置いておいて(一同笑)、それを作ってきたんですよ。

 そのときはPC上で動いていて、処理速度などが稼げるかどうかわからなかったんですけど、例の斜めスクロールのところは3D立体視になっていて、しかも格好良かったんですよね。次のラインナップを決めようということになったら「ベア・ナックルII」は無理そうでも押しますよね。

奥成氏: みんな腰を抜かしました。だって、何しろその次点で8本の開発は全部終わってるんですからね。第2期の5本を決めたのもそれより前ですよ。ただ、担当者さんは「この後も続くだろう」という気持ちがあったのでしょうかね?。

堀井氏: どうかなぁ〜!? あるない関係なく「『できない』っていったからには、できたほうが面白いよね」ってのはあったんじゃないかと思うんですよね。そういう人間なので。

奥成氏: で、秋くらいになって「ちょっとこれ見てください」って3Dメガネを渡されて。「ベア・ナックルII」が開発環境で動いているんですよ(一同笑)。「斜め、動いてんじゃん!」って(笑)。「堀井さんあんなに『できない』っていったのに、できてるじゃん!」って。

堀井氏: できてるから見せているんだけど、まさか責められるとは思わなかったな(一同笑)。

――いい意味で“話が違う”。

奥成氏: でも第2期のラインナップは決めたあとだったんです。「『アフターバーナー』が売れたら、こういうのがラインナップでできるといいねぇ」っていう話があったまま第2期が終了したので、まさにお蔵入り一歩手前でした。

 去年の夏に「サンダーブレード」が終わった頃、正式に「3タイトル追加しよう」という話になったので、PCで「ベア・ナックルII」1面が3D化されてから1年経って、ようやく日の目を見る目処が立ったんです。

――そこから2面以降も作り始めるわけじゃないですか。PCから実機に持っていったら動かなかったとか、そのあたりはいかがでしょう?

堀井氏: もちろんそこはそうだったんですけど、まず技術的に不可能じゃないかと思っていたことを、まずやれる算段がついたので……あと足りないのは速度と立体の面構成に対する手数だけだったので、むしろそこだったら時間をかければ、というか根性があれば埋められる話だったので、ボク個人、あるいは社内の一部の人間からすると、第2期の5タイトルをやっている最中に「ベア・ナックルII」を挟ませてもらえれば「他のスタッフが息継ぎができるんじゃないかな」くらいに思っていましたね。

――1面の3D化が最大の山場でしたか?

堀井氏: そこを超えたら、っていうのはありました。

奥成氏: PCでしか動かせなかった「ベア・ナックルII」が、第2期の「アフターバーナー」とか「アウトラン」60フレームにしたりとか、やっているなかでだんだんプログラムが磨かれていって、3DSの高速化スキルが1年かけてあがっていった。その一方で、去年賞をいただいたように“3D化のスキル”も徐々に上がっていった。

 「スペースハリアー」ダウンロード版とパッケージ版の違いが顕著ですけど「どうすると3Dとして見栄えがするか」っていうスキルが色々あがっていったので「ベア・ナックルII」に関しても、最初のPC版は「斜めができたんでオッケー!」みたいなところまでだったのが、製品版はボス前のバーのカウンターの立体とか、さらに立体を増やして、そのへんに活かされています。

 ギガドライブの構成自体は、以前「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」インタビューでもお話したように、基本的には細かいレイヤーを割っていくなかでやっている。その制限自体は基本的に変わらないんですけど、そこの“使いよう”っていうんですかね?。

 「ベア・ナックル」を作ったときに得た3Dのスキル、第2期で得たプログラムの高速化、「ファンタジーゾーンII」、「スペースハリアー」Ver.2で培った3D立体視のさらなる向上を踏まえてやったのが「ベア・ナックルII」という形になりますね。そして、実機同様に60フレームでローカルプレイができてしまう。

堀井氏: ビックリですね!。

奥成氏: 遊んでるぶんには普通だよね?(笑)。

堀井氏: 当たり前です(笑)。

――お話をうかがっていると、当たり前のことを当たり前にやる難しさを改めて実感させられます。

奥成氏: そういう意味でいうと、2年前じゃ絶対にありえなかったんですよ。2年前は、「スペースハリアー」でも、何から何まで、完成する直前までずーっと処理落ちしていたんです。フレームが落ちちゃう、みたいな。

堀井氏: 速度が足りていないとか「30フレームになってる」とか。

――そこはギガドライブとかエミュレーター本体をチューニングしていくのですか? それともタイトルごとに違うチューニングを?

堀井氏: 全体をいじるのも、タイトルごとにいじるのも両方あわせてやっていく感じですね。ただ、今は3DSについて我々が熟知しすぎたというか、よく知っているので「3DSってきっとハードの構成はこうだよね」みたいな“資料にないところ”まで想定できるようになってきている。

――初代Xboxの開発末期に近くなってきましたね。

堀井氏: あぁ、そうかも。別にハードを直接叩いているわけじゃないんですけど「こんな感じだよね。だからこういうふうに組んでおくと、きっと早いよね」というノウハウもずいぶんたまってきている。

――「ベア・ナックルII」では“功労賞”じゃないですけど、自由研究をされたプログラマーさんは凄いですね。

堀井氏: 彼は本当に凄いですね。ご存知の方がいるかわかりませんけど、X68000のフリーウェアで「ZX」とか「LX」っていう超速なアーカイバーがあったんですけど、あれを書いた人間なんです。

――えっ! 当事凄くお世話になっていました!! まさかこんなところで改めて御礼をいうことになるとは……。

堀井氏: ボクも結構お世話になっていた(笑)。与太話ですけど、彼は本当におかしな人間で「『同級生2』が遊びたい。でも俺はX68000だからPC-9801版しか出てない」といって、PC-9801版「同級生2」を買って来て自分用にX68000に移植していた(笑)。確か移植作業用にPC-98も確保してきてた。凄い不思議。

――CGのコンバート、縦長のピクセル調整もご自分で?

堀井氏: 全部ひとりでやってましたね。それが今の復刻に生きています、間違いなく。

■ コードを追って解析 〜苦労が忍ばれる新モード〜

――「3D ベア・ナックルII」の新モードについてお話をうかがいたいと思います。

奥成氏: 第1期から第2期の1番の違いは「追加要素はオマケではなく、セールスポイントして用意する」というのがあります。「アフターバーナー」のアレンジモードなど色々作ってきたんですけどね。前回のギガドライブの5本って、そんなに大きな追加要素はあまりなかったので「第2期らしい追加要素をやろう!」っていうなかで話を進めました。

 まず最初に出てきたのが「ベア・ナックル」で作った一撃必殺モード。「これはそのまま入れたらいいよね」っていう話をしたところ「『ベア・ナックルII』の一撃必殺は、ちょっとゲームとしては良くない」という話をディレクターの松岡から指摘されたんです。

 というのは「ベア・ナックル」と「ベア・ナックルII」ってゲームの面白さのポイントとが全然違うゲームなんですよ。コンセプトの部分、系統として「ベア・ナックル」は「ダブルドラゴン」の血を引いているんですね。一見「ファイナルファイト」系なんですけど、作り手は「ダブルドラゴン」のほうが好きで、ゲームのスタイルが「ダブルドラゴン」っぽいんですよ。敵との間合いの楽しむというか。キャラクターが小さいのも、画面のなかで立ち回りを楽しむための大きさで「ダブルドラゴン」のスタイルを継承しているところがある。

 一方で「ベア・ナックルII」は、完全に「ファイナルファイト」以降のゲームになっていて、とにかく攻撃を何度もバシバシ食らわすスタイル。さらに対戦格闘の技の要素までは入っています。それが「ベア・ナックル」と同じ一撃必殺モードだと、そこの技を楽しむ要素がまるっきりなくなっちゃう。敵が一発で撃破できちゃうと、凄く淡白なゲームになっちゃうんですね。

堀井氏: せっかく色々な技が出るのに、それが1発目で終わっちゃうのは忍びない。

――ほぼ気功掌やグランドアッパーを見ることはないと。

奥成氏: 技の数も「ベア・ナックルII」のほうが断然多いじゃないですか。技のコンボ部分を料理するのであれば一撃必殺は淡白すぎる。だけど、ああいうふうにテンポよく進めて遊びたいニーズにはどう対応したらいいのかというなかでできたのが、今回の「ノックダウンモード」なんですね。これは1回でも地面に飛ばしたら勝ち。パンチを連続で当てて、吹っ飛ばしてはじめて倒せる。

堀井氏: 要するに、一通りの技を見て倒れたら死んでくれる。

――だいたいのコンボが、最後にダウンを取る構成ですものね。

堀井氏: そうです。なので、それでいいだろうと。何か自分の首を絞めるような仕様を入れていますけど……頑張っていますね!(笑)。

奥成氏: パンチ1発よりも 地面に倒れて初めて倒す判定をするのって、やっぱり面倒くさいんですよ。

堀井氏: でも、それをやるとやらないとで「ベア・ナックルII」らしさが全然変わっちゃうというか、出てくるかこないかのわかれ目なので……ディレクターの松岡も頑張りましたね。3Dに関しては「問題は解決したから、後は作っていくだけでいい」といっていたところに、別にゲームをきちんと解析しないとわからない要素を追加しようというのは、そこはわりと不確定要素なので……よく頑張りました、ってボクが言うのもなんですけど(一同笑)。

 「ベア・ナックルII」のどこのプログラムでどうダウンの処理をしているかを、自分らがきちんとコードを追って調べなきゃいけないので、そこが本当に大変です。

――そこを追わないとスピードも稼げない。

堀井氏: そうですね、どうにもならない。そもそも仕様が入らない。

――最初にそのダウンの仕様を切ったのはどなたですか?

堀井氏: そういう風にしようと言ったのは松岡で、プログラマーが今度はそれが実現可能かゲームを動かしながらコードを追っていく感じですね。

――新作1本ぶんくらいの手間がかかってますね。

堀井氏: コードだけでいえば、また別のものが作れるくらいの手間がかかっています。該当する箇所を見つけるまでがまず厳しいのと、見つけてからちゃんと元のプログラマーさんが書いたとおりの意図で使うのが難しい。

――ああ、なるほど。感触が変わってしまうかもしれない。

堀井氏: 解釈が変わる、かな? 「こういう風にこのプログラムを使えば、こういう風に戻ってくるはず」っていうのを解析しながら、だいたいアタリをつけるんですけど、特定の条件では違うとか、色々あったりはしますね。

――逆にいうと、当事のプログラマーさんの“クセ”もわかってくるわけですか?

堀井氏: 3D復刻プロジェクトではないですけど、書いている人が凄腕とか、面倒くさがりだから楽なコードを書いているとか、もちろんあります。そこは本当に個性の部分ですね。あとは会社ごとに、今でいうところの先進的なマルチタスクっぽいことをやっているのもプロジェクトごとにあったりして、その辺は本当に見ていて面白いですね。某社のタスクエンジンは今でも一線で使えるんじゃないかというのはあるんですけど……閑話休題(笑)。

奥成氏: 「ベア・ナックルII」は発売当時ほぼ“絶賛”されていましたが、唯一言われていたのが「プレイ時間が長い」っていう。当時のコンシューマゲームって「たっぷり遊べるのが1番いい」とされていたので、その部分を解消できるはずです。短時間でエンディングを見られる「ノックダウンモード」は、爽快感を残しつつ、前作の「一撃必殺モード」と同じ感じで楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

――その辺はシリーズで一貫されていますよね。最後まで遊んで欲しいって。

堀井氏: 当時最後までやれなかった人を「やろう!」という気にさせるところが大事かな、と思っています。

奥成氏: 前作からですが、オリジナルの裏技に入っていた面セレクトはオプションにそのまま入っています。だから別に面セレクトで最終面からやってもいいんですけど、やっぱり各ステージのギミックもありますし1面から最終面まで遊んでいただくのが理想です。ただ、そこまでだと第1期と同じなので、第2期はもうひとつ「これが新しい!」というのが欲しい。「もうひとつ何か作ろう」と作ってもらったのが、今回の新しい遊び方「カルテット」です。

堀井氏: 全キャラクターをまんべんなく遊ぶモードです。

――当時やりこんだ人でも、全キャラクターをまんべんなくやったという人はそんなに多くないような気がします。

奥成氏: コンティニューの際にもキャラクターを選べるんですけど、普通に遊んでいると大抵ボタンを連打して、自分の1番得意なキャラクターを選ぶと思うんですね。「アクセル」をやっていたら、そのまま「アクセル」を選ぶ。4人のキャラクターを使っている人は、それぞれに愛着がある。「マックス」が1番強いんですけど「アクセル」をやっている人はあまり知らない。そこをもっと能動的に全キャラ遊んでもらうのが「カルテット」です。

 「アクセル」のゲームスタイルと「マックス」のスタイルは全然違うので、それを知るキッカケになるんじゃないかなって。あと、エンディングで4人全員が揃うシーンがあるんですけど、実際ひとりでやっているときは自分の中で「『アクセル』ひとりで戦ってクリアしました」みたいに思っちゃうじゃないですか。「カルテット」だと、4人の仲間でミスターXのところに乗り込んでいった感が出る(笑)。

堀井氏: みんなで戦ったよ! っていう。1回も死なずにいく人がいたら、そうならないかもしれないけど(笑)。ボクはそんなことはないので。

――当時「ベア・ナックル」って、スーパーファミコン「ファイナルファイト」がシングルプレイだったのに、こっちはふたり同時プレイができるぜ! ってメガドラファンは喜んでいたと思うんですけど、そうはいいつつも皆シングルプレイで孤独に戦っていたと思うんですよね。私もそうでしたが「ふたり同時プレイできるぜイエーイ!」っていいながら自室で黙々と……。

堀井氏: はい、私もそうでした。

奥成氏: 3DSはパーソナルな部分もありますし“皆で戦っている”感を楽しんでいただければと思います。

――本モードでも技術的な難しさはありましたか?

堀井氏: そこもやっぱり解析ですよね。キャラクターを呼んでいるところがどうなっているかを調べるんですけど「ノックダウンモード」よりははるかに楽でしたね。

奥成氏: 最初はバグだらけでヒヤヒヤしましたけどね(笑)。

堀井氏: どんな状況であれ、人様のプログラムに手を入れるのは、結構しんどいところがありますね。

■ ネタ満載「3DS復刻シリーズ」テーマ

上は3DS用テーマ「セガアーカイブスシリーズ」より「スペースハリアー」

――ところで3DS復刻シリーズといえば、3DSのテーマも避けられない(?)話題ではないでしょうか。

奥成氏:  ありがとうございます。がんばりました。セガ3D復刻シリーズが終わったといいつつ、12月〜3月までテーマをリリースしながらコツコツ話題を繋いでおりました。……なんか、他社さんも出されている3DSのテーマが最近“大喜利”みたいになってきていて、いかにも「ここに別のゲームのロゴを置くと楽しいよ!」っていうポイントが用意されていて、下の画面も「そこにアイコンを並べると楽しいよ!」っていうのを……。

堀井氏: それを最初にやったのって奥成さんだよね。お題スタイル。あれ凄く面白かった。

奥成氏: アーケード筐体のエアロシティの画面に「マリオブラザーズ」、「ゼルダ」とか入ってたら面白いよね、というところではじめたのが、発表したら「バッジとれ〜るセンター」という面白いデコレーションソフトまで出てきて「そうか、メニューにバッジが置けるのか!」となったとき「考えること多いなぁ!」って(一同笑)。

 エムツーさんには「スペースハリアー」と「ファンタジーゾーン」を作っていただきましたが、それ以外の8枚はセガ内の有志でやりました。

――奥成さんがツイッターであげていた収録シーンを見たときは限界でした。笑うしかない。

堀井氏: あの発想はなかった。

奥成氏: ありがとうございます(笑)。ボクが普段ゲームの宣伝をする10倍以上、むっちゃリツイートされましたね。あれも「ただ録るだけでは面白くないから」とかそういうノリで社内のスタジオを確保してやりました。でも実際に音を収録しましたよ。テーマに関しては、デザイナーもサウンドも皆ノリノリで……うちは、AMの勝手移植チームと同じですね。就業時間外! みたいな感じで余暇時間にアルバイト仕事を。。

――それ昔から(上の人に)怒られてるのに……。

堀井氏: でもいいですよねぇ。好きでやってる感。

奥成氏: 「セガ3D復刻アーカイブスの宣伝になるテーマを作ろう」といって、メガドライブ、アーケードのゲームが3本つずつ入っているソフトなんで、じゃぁそのふたつをテーマにして作ろうと。ゲームのテーマがなら、うちも試しに2本やろうって「スペースハリアー」と「ファンタジーゾーン」をエムツーさんに作っていただいて、これで計4つ。

 でもメガドライブのテーマがあるのにドリームキャストとサターンがないのって(おかしい)。ちょうど「セガハードガールズ」も並行してやってましたから。「全部やりたいけど、どうかなぁ」と思って試しに任天堂さんに「メガドライブ」、「アーケード」と一緒に「ドリームキャスト」、「セガサターン」、「セガ・マークIII」、「マスターシステム」、「ゲームギア」って全部企画書にまとめて書いて出したんです。了承いただいたときはみんなで「やったー」って(一同爆笑)。

堀井氏: どさくさにまぎれるといっても目立ちすぎでしょう!(笑)。

奥成氏: そうやって作ったら、エラく反響をいただいて。最初慌てて出したので、ちょうど9つだったんですよ。2本ずつテーマを出していたので「最後はドリームキャストで終わるのは考えていたんですけど、1個足りなくて気持ち悪いからあと何か入れようか。じゃぁ『SG-1000』に戻ろう」と。最初と最後のハードで並べたらキレイだよねって。あとから「SG-1000」のテーマを追加申請して、もう承認いただいたときにはほとんどできてました(笑)。

――そうなるとツクダオリジナルの互換機も欲しいですね。

奥成氏: それはツクダオリジナルさんじゃないと(笑)。

堀井氏: 勢いですね、本当に。

奥成氏: それもテーマのいいところですね。先日の某社のソフトのテーマとか「セガさんが楽しそうなので『うちもやろう!』ってことになって作りました」ってツイートを拝見して「しめしめ」みたいな(一同笑)。セガハードのテーマは、一応これで終わりですけど、チャンスがあればまた作りたいですね。

■ メガドラ屈指の3タイトル〜第2弾、第3弾もお楽しみに!〜

3D復刻プロジェクト開発チームは「CEDEC AWARDS 2014」エンジニアリング部門 優秀賞、「国際3D先進映像協会 グッドプラクティス・アワード 2014」本賞をそれぞれ受賞。余談ながら「グッドプラクティス・アワード」トロフィーはオスカー像と制作元が同じらしく、手に持った際の重量感は相当なもの。両氏いわく「TVで授賞式を見て、みんな持った瞬間『想像以上に重い!』ってなってるのが実感できた(笑)」とのこと

――さて、こうして「ベア・ナックルII」が完成したわけですが、プロジェクト的には3タイトル並行して開発されていたんですよね?

奥成氏: そうですね。「3D ガンスターヒーローズ」と「3D ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」も現在開発を続けています。「ベア・ナックルII」が最初になったのは、先ほどお話した通り、手数の問題をクリアする目処ができたからです。

 しかし「ガンスターヒーローズ」と「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」は、さらにそこから「どうやったら実現できるの!?」というところから始まったので……どうなっていくのかをですね、楽しみにしていてください!。

堀井氏: 間に合うのかどうかとか、考えていることができるのかとか……。

――そちらについても、後日改めて詳しくお話をうかがいたいと思います。それでは最後にユーザーの方々にメッセージをお願いします。

堀井氏: 言いそびれていたんですけど、今回は並木学がサウンドの監修をやっています。なにしろ「ベア・ナックル」なので、ベストを尽くしました。3DSの移植のなかで「ベア・ナックルII」がトップのデキだと思います。立体視とあわせて、音も楽しみにしてご堪能いただければうれしいです。

 それから、これも全然触れてなかったですけど、クレジットも楽しみにしていて下さい。ボクは2回くらいリアルに口のなかの水分を吹き出したので。やりすぎでしょう! 関西ノリ怖いです……。

奥成氏: 毎回セガ3D復刻プロジェクトにオマケで入れているクレジットの寸劇デモが好評だったので、第1期のギガドライブタイトルは入れていなかったんですけど、今回は入れてます。

――若干不安な気もしてきましたが……楽しみにしています。では奥成さんシメをよろしくお願いします。

奥成氏: ちょっとだけ帰ってまいりました。2年半ぶりに帰ってまいりました! メガドライブの歴史のなかでもベスト5に入るうちの3本ではないかと思います。改めて3D立体視の進化、2015年の3D立体視をお楽しみいただければと思います。

――第2弾、第3弾にも期待しております。本日はお忙しいところをありがとうございました!。

(豊臣和孝)