レビュー
ゲーミングスマホ「ROG Phone 7 Ultimate」レビュー
「幻塔」の極致設定も90fps付近で快適!「マブD」など最近の3Dゲームがサクサク動くハイエンド機
2023年7月19日 14:33
- 【ROG Phone 7 Ultimate / ROG Phone 7】
- 開発・発売元:ASUS
- OS:Android 13
- 発売日:7月21日
- 価格:
- [ROG Phone 7(Black/White) メモリ12GB/ストレージ256GB] 129,800円
- [ROG Phone 7(Black/White) 16GB/512GB] 149,800円
- [ROG Phone 7 Ultimate 16GB/512GB] 179,800円
ASUSが同社「ROG」ブランドで展開するゲーミングスマートフォン「ROG Phone」シリーズの最新モデル「ROG Phone 7」シリーズをグローバルで4月に発表した。本稿では、国内流通向け「ROG Phone 7 Ultimate」試用モデルを用いて各種ゲームでの動作チェックを行なったので紹介しよう。
Qualcommの最新SoC「Snapdragon 8 Gen2」(3.2GHz)を搭載、GPUもAdreno 740に強化。メモリは8,533Hz駆動のLPDDR 5Xで、ストレージはUFS 4.0規格を採用。ディスプレイは6.78型、解像度は2,448×1,080ドットのフルHD+、リフレッシュレートは165Hz。
国内モデルのラインアップは通常版の「ROG Phone 7」とハイエンドの「ROG Phone 7 Ultimate」の2モデルを用意。通常版の「ROG Phone 7」はカラーとメモリ容量、内蔵ストレージ容量の違いで4モデルあり、価格は「ROG Phone 7」のメモリ12GB、ストレージ256GBモデルがファントムブラック/ストームホワイトともに12万9,800円、メモリ16GB、ストレージ512GBモデルがブラック/ホワイトともに14万9,800円。「ROG Phone 7 Ultimate」はストームホワイトモデルのみ、メモリ16GB、ストレージ512GBで価格は17万9,800円。いずれも7月21日より発売を予定している。
前モデルの「ROG Phone 6」シリーズが2022年10月発売のため、1年を待たずしての新モデルの発売となるが、もう1つ前の「ROG Phone 5」シリーズが2021年5月なので、この辺りはSoCのリリースや供給のタイミングに寄るところが大きいと思われる。
ハードウェアスペックを眺めていると順当にパフォーマンスが強化された印象の「ROG Phone 7」シリーズだが、実際の動作や使い心地はどのようなものか。今回、国内流通向け「ROG Phone 7 Ultimate」の試用モデルをお借りできたので、ゲームプレイの視点に立ってチェックしていこう。
「ROG Phone 7 Ultimate」のみ外付けクーラー「AeroActive Cooler 7」が付属。専用ギミックも搭載!
先に「ROG Phone 7」と「ROG Phone 7 Ultimate」の違いについて説明しておこう。端的に言ってしまうと、背面構造に違いがある。「ROG Phone 7」は背面にドット調のデザインを採用する「Auraライト」と呼ばれるLEDライトを搭載しており、利用中や充電中、電話着信時など特定の動作時に光らせることができる。表示パターンは8パターンで1,677万色の発色が行なえる。対して「ROG Phone 7 Ultimate」の背面には横長の小型ディスプレイ「ROG Vision」が内蔵されており、LEDライト以上の表現が可能となっている。「ROG Vision」についてはデフォルトで用意されたパターン以外にもカスタマイズが可能となっており、オリジナルのアニメーションを作成して設定できる。
またもう1点、非常に大きな違いがある。それは本来別売オプションの外付けクーラーユニット「AeroActive Cooler 7」が「ROG Phone 7 Ultimate」には同梱されることだ。クーラーユニットの性能については後述するが、「ROG Phone 7 Ultimate」では、さらに背面部に黒いカバー「AeroActive Portal」が配されており、「AeroActive Cooler 7」装着時に電動で開閉する仕組みとなっており、ここが開くことで、内部を直接冷却する事で本体内部の冷却効率を更に高める仕組みを備えている。
なお、無線LANについて、海外モデルでは最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11 be)への対応を謳っていたが、国内モデルではWi-Fi 6までとなっている。ただし周波数6GHz帯の無線接続自体には対応しているので、対応するルーターなどが発売される頃に正式対応すると思われる。
「ROG Phone 7 Ultimate」のデザインはこれまでのシリーズから大きく逸脱することはなく、変わらずクールなデザインだ。背面の意匠は出しゃばりすぎず、それでいてゲーミングテイストを感じさせるものとなっており、背面のカメラ部分は若干出っ張るのだが、ここも二重出っ張り構造になっており、デザイン的な含みを感じさせる作りとなっている。本体の右側面部には超音波センサーを使って疑似的に物理ボタンのような動作が行なえる独自の「AirTriggers」を搭載するのもこれまでのシリーズと同様だ。
バッテリー容量は6,000mAhで、内部的には3,000mAhのバッテリーを2つ搭載する「デュアルセルシステム」を採用。前モデル同様、本体中央部に最も発熱するSoCを配置することで、ゲームプレイ中に端末の発熱を感じにくい構造になっているという。
端子類は底面左寄りに給電可能なUSB Type-C端子を備え、右寄りにはイヤフォンジャックを備える。左側面下部にはSIMスロットを備えるほか、中央にはポゴピン付きのUSB Type-C端子を備える。そのままACアダプターを接続する事で給電が可能となっている。ポゴピンは「ROG Phone 6」シリーズでは省略されたが、今回の「AeroActive Cooler 7」では独自のポゴピンでも接続する仕組みとなった。
また、「ROG Phone」シリーズに搭載している「バイパス充電」機能も便利だ。「ROG Phone」シリーズ定番のゲーミング機能「Game Genie」の充電モードの設定から変更できるのだが、ACアダプター接続時にバッテリー充電を行なわず、システムにのみ給電することが可能な機能だ。また、状況に応じてバイパスしたり充電したりと自動で切り替えが可能な「スマートバイパス充電」の設定も用意されているので状況に応じて切り替えるのがいいだろう。
このバイパス充電、個人的には非常にありがたい機能だ。というのも筆者は基本的に自宅などで常時ACアダプターなどに接続しながら利用する場合が多いのだが、この使い方だとバッテリーが劣化し、膨張しやすくなってしまう。実際、筆者個人所有のスマートフォンの多くがこのバッテリー膨張で利用不可になってしまった経緯を持つため、割と深刻な問題なのだ。かといって、バッテリーがなくなるまで充電せずに使用して、バッテリーがなくなるタイミングで充電という使い方だと、今度はいざ持ち出して使いたい時に大いに困る事になる。
ところがバイパス充電を使う事で、ACアダプターなどに接続しながらゲームをしていても、本体にのみ給電されるため、バッテリー膨張を気にせずにACアダプターなどに接続して使えるようになる。また、スマートバイパス充電を使えば、バッテリー残量はほぼMAX状態を維持しつつ、過充電が防げるので、非常にありがたい。
なお、バイパス充電の機能は「Game Genie」の設定が適用できるアプリ上でしか設定が行なえない。つまり通常利用のアプリでは利用できないのだ。これについては、「Game Genie」の設定にあるゲームリストから、バイパス充電を利用したいアプリを追加することで設定が行なえるようになる。
冷却機構には以前のモデルから採用してきた同社独自の「ベイパーチャンバー」を更に進化させた「ラピッドサイクルベイパーチャンバー」を採用。銅製のメッシュの細部を改良することで、冷却効率が更に向上しており、前モデルと比較して放熱効率が最大168%も向上したという。また、本体内部に貼りつけて熱を分散させる熱伝導シート、グラファイトシートも表面積が8%大型化と改良されており、冷却効率が最大10%向上したとしている。
後述の通りいくつかのゲームをガッツリプレイしてみたが、実際の動作を見てみても、最大でもシステム上の本体温度は常に45℃未満で収まっていた。複数の冷却機能による合わせ技でかなりの冷却効率を実現しているようだ。
更に冷却をしたいユーザー向けには今回も別売オプションの外付けクーラーユニット「AeroActive Cooler 7」が用意される。冷却クーラーとしての性能は言わずもがな、「AeroActive Cooler 7」の魅力は4つの物理ボタンを備えるほか、キックスタンドを装着しており、横置きなどが行なえる点も非常に優秀だ。今回はこうした既存機能に加えて、新たに重低音を強化できるサブウーファーも内蔵しており、スマートフォン本体のステレオスピーカーと合わせて2.1chサウンドを実現している。実際に意識して聴いてみると、低音が効いているようなサウンドについてはかなりの迫力あるサウンドが楽しめた。
そして今回「ROG Phone 7 Ultimate」で新たに搭載された前述の「AeroActive Portal」だが、ちょっと感動モノだ。「AeroActive Cooler 7」を装着すると、音もなく小さな黒い蓋がこっそり開いているのだ。ハイエンドモデルのためだけにこのような機構を用意してかつ搭載するというのは気合いが伺える。
冷却モードは状況に応じて自動で冷却ファンを制御する「スマート」モードがデフォルトのほか、比較的静音な空冷モード「クール」、本体設置部の熱電冷却を活かして冷却性能を強化する「フロスト」、そして通電時のみ利用可能な「フローズン」の4モードを用意し、用途に応じて使い分けが可能だ。
その冷却効果も絶大で、先ずはデフォルトの「スマート」モードでの冷却を試したが、システムの本体温度が40度を上回ることはなかった。また本体に触れた時も45℃の状態の「ROG Phone 7 Ultimate」と比べてかなり熱が抑えられている感覚だった。そして、ディスプレイ側も熱がやや抑えられている印象を受けた。
そして最強の冷却性能の「フローズン」も試したが、ファンの速度がかなり向上し、本体温度は筆者の観測範囲では37℃よりも上がる事はなかった。ただし、「AeroActive Cooler 7」底面部に備えるUSB端子を使って充電しないと利用できないモードのため、接続中はキックスタンドを使った設置が行ないにくくなる点には注意が必要だ。筆者の場合はテーブルの縁を利用してケーブルを落として使用した。なお、同社では「AeroActive Cooler 7」の効果を本体背面温度、最大25℃低下を謳っているので、条件次第ではさらに本体温度を下げられる可能性があるようだ。
また、個人的にはディスプレイ側の温度を下げる仕組みもかなり効果的だと感じた。実際に「AeroActive Cooler 7」を起動した状態でディスプレイに触れても、さほど熱は感じない。
このように、かなり魅力満載の「AeroActive Cooler 7」だが完璧ではない。まずシンプルに装着するとかなりデカく持ちにくくなってしまう。本体背面中央部にガッツリと巨大なファンが装着されるので当たり前の話だが、ポケットに入れて気軽に持ち運ぶのはちょっと厳しい。もちろん「AeroActive Cooler 7」用のソフトケースなども同梱しているので、普段は外して持ち歩き、ゲームをじっくりやりたいタイミングで装着して遊ぶスタイルがベストとなるだろう。これについてはもう物理的にどうしようもない話でもあるので、諦めが肝心だ。
そしてもう1点はファンの音だ。かなり静音を意識した設計となっているため、街の雑踏や電車内など環境音の大きな場所なら気にならないが、物音のしない静かな空間ではそれなりに風切音が目立つ。こちらも物理ファンを使用する以上避けようのない話のため、利用環境周辺の音を意識しながら利用しよう。
さらに向上するパフォーマンス!「幻塔」ですらついにヌルサクに
実際の動作についても見ていこう。先ずは各種ベンチマークを計測した。定番のベンチマークソフト「AnTuTuベンチマーク」のスコアについては、160万3,653前後となった。「ROG Phone 6」シリーズが111万のため、どこまで性能は向上するのかという印象を受けるほどにスコアが向上している。
続いてAndroid版3DMarkの「Wild Life Extreme」は3,750ポイントで、こちらも前モデルからは1,000ポイント近く性能が向上している。平均フレームレートについても前モデルの16.7から22.5まで向上しており、これが30fpsに届く日が来るのかと考えると胸熱だ。
他にもAndroid版PCMarkの「Work 3.0」は19,196、ストレージ速度を計測する「Storage 2.0」のスコアは52,590となっており、いずれもパフォーマンスの向上がスコアからも確認できる。
このようにスマートフォンで動作する各種ベンチマークでも「ROG Phone 7 Ultimate」の着実な進化が確認できる。
これまでの「ROG Phone」シリーズにて定番だった多機能ゲームランチャー「Armoury Crate」は今回も健在だ。フルパワーで駆動する「Xモード」のほか、電力消費を減らすことでバッテリー駆動時間や、バッテリー寿命を延ばす「超省電力」モードなど用途に応じて簡単に切り替えて使用できるプリセットを用意するほか、細部の設定を手動で調整できる「Advanced」も用意されている。
ゲーム起動中の各種制御は今回も「Game Genie」で行なわれる。横持ちの場合は画面上部の両端から画面中央にスワイプすることでゲームが動作した状態のままで起動する仕組みとなっているほか、「リアルタイム情報」設定を有効にすることで、画面内に常時、フレームレートや本体温度、CPU/GPU使用率、バッテリー残量、現在時刻などの情報を表示させることが可能だ。
肝心のゲーム動作についてもチェックしていこう。なお、動作モードは常にゲーム動作向けのモード「Xモード」を利用、リフレッシュレートはデフォルトの144Hz、途中から165Hzに変更してチェックした。
先ずは以前から楽勝で動作していた「アズールレーン」(リリース:Yostar、開発元:Manjuu、Yongshi)から。こちらはゲームアプリ上のフレームレート上限が60fpsに設定されており、今回も当然のようにほぼ60fps前後を維持し続けた。また、「ウマ娘 プリティーダービー」(開発元:Cygames)も試しているが、今回も順調にサクサクだ。この辺りは定点観測に近いもので、正常に動作しているのを確認するレベルで起動を確認したが、今回も順調に動作していた。
ここからは負荷が高めのタイトルがどのくらい動作するのかをチェックしていく。ということで先ずは3DビジュアルのオープンワールドRPG、「原神」(開発元:miHoYo)から。ゲーム内設定を最高品質、フレームレート最大60fpsに設定したが、当然のように常時60fps前後を維持してのヌルサク動作だ。原神は発売からかなり経過するため、ゲーミングスマートフォンの評価にはやや物足りなくなりつつある印象だ。
続いてリリースから間もなく1年が経過するオープンワールドRPG「Tower of Fantasy(以下、幻塔)」(リリース:Level Infinite、開発元:Hotta Studio)」についても試した。こちらは最大90fps設定が可能なほか、画質設定も最高画質の「極致」設定からさらに負荷を上げたカスタム設定に設定した。これまでいくつかのゲーミングスマートフォンをチェックしてきたが、「幻塔」の高負荷設定はなかなか乗り越えられない高い壁の1つだ。
そんな高負荷の「幻塔」において「ROG Phone 7 Ultimate」はついにほぼ90fps前後を達成した。敵が多く入り混じるなど負荷の高い場面では流石に70fps前後まで落ちる場合もあったが、戦闘中であってもほぼ90fps前後を維持し続けており、スマートフォンのパフォーマンスもとりあえず1つの山を乗り越えた印象だ。
続いて2023年5月23日リリースと比較的新作の「エーテルゲイザー」も見てみた。こちらは「アズールレーン」のYongshiが新たに開発、Yostarからリリースした3Dアクションということで、この機会に動作をチェックしてみることにした。
インストールして起動すると、推奨グラフィック設定が提示されるのだが、いきなり超解像度が選択されていた。これはテンションが上がる。とは言うものの、本作におけるグラフィック設定は解像度のほか味方のエフェクトの品質設定、アンチエイリアシング、反射エフェクト、HDRなど設定できる項目はあまり多くなく、フレームレートも最高で60までしか上げられないため、負荷としてはそれほど高くなさそうな印象を受けた。
実際に序盤を少しプレイしてみたが、フレームレートは全体的に良好で常時50~60fpsを維持しており、動作としては問題なさそうな印象だ。
ここまでいずれも順調なフレームレートを出せているため、フレームレート上限のない「Minecraft」(開発元:Mojang Studios)を見たくなってきた。今回は最高負荷をかけるため、描画距離を最大の22チャンクに設定、最大フレームレートは無制限で起動してみた。なお、「Snapdragon 8 Gen2」はレイトレーシングに対応しているとのことだったが、「Minecraft」の設定上にあるレイトレーシングの項目はグレーアウトしていたので、こちらについてはまだ対応していないようだ。
動作そのものはかなり快適でフレームレートを見ると大体常時60~70前後と高フレームを維持し続けた。高い場所に上がって周囲をぐるぐる見渡していても、処理落ちのような動きはなく、スムーズに視点を変えて周囲を見渡すことができた。ただし、「ROG Phone 7 Ultimate」のディスプレイは最大165fpsまで対応する。つまりそこまでのパフォーマンスを維持するためにはまだまだ本体パワー、特にGPUパワーが不足していると言う事もできるだろう。
ちなみに描画距離の設定を推奨の12チャンクまで下げてトライしてみたところ、画面の動きが少ない場面などでは165fpsが出る場面も見られたが、大体の場面で100~150fps程度を前後する結果となった。
もう1本、新作タイトルとして2023年7月11日にリリースしたばかりの「マブラヴ:ディメンションズ」(配信、開発:NextNinja、以下マブD)についてもチェックした。本作は見下ろし視点のアクションRPGだ。筆者手持ちの「Pixel 7」でリリース直後から楽しく遊んでいたのだが、ゲームのパフォーマンスが若干弱い「Pixel 7」の場合、大量の敵が湧いて出る本作では、たまにフレームレートが1桁まで落ちる現象が多々見られた。そこで、「ROG Phone 7 Ultimate」上でも動作を試してみたというわけだ。
本作は画質設定を細かく設定できず、フレームレートも最大60なので、一応最高に処理負荷が高くなるように画質設定は標準、最大FPS60、動的解像度OFFに設定してメインストーリーのステージをあれこれ試してみたが、メインストーリー2章19(NORMAL)まで、どのステージでも安定して50~60fpsを維持し続けた。最も高負荷の場面でも30fpsを割ることがなかった点も優秀だ。
「Game Genie」の使いやすさも健在!ゲーム好きにはたまらない機能が盛りだくさん
ここで「Game Genie」ならではの機能をあれこれと見ていこう。まずは定番の「AirTriggers」だ。画面上のソフトウェアボタンなどの操作を本体側面の超音波センサーによるタッチボタンに割り当てられる。また、「AeroActive Cooler 7」を装着している場合、クーラーに備える4つの物理ボタンにこうした操作を割り当てられるので、「原神」や「幻塔」、「エーテルゲイザー」など多くのボタンが画面に配されているゲームでは真価を発揮する。
設定もシンプルで、ゲーム動作中に「Game Genie」を起動し、メニューから「AirTriggers」を選択、後は右と左それぞれのボタン割り当て用のマーカーをタッチ操作で画面上のどの場所を押す操作にするか設定すれば利用できる。こうした設定がゲームごとに保存、管理されるようになるため、毎回設定することなく、ゲーム起動後から快適にゲームが遊べるようになる。
実際の「AirTriggers」の動作はかなり気持ちいい。特に画面上のソフトウェアボタンが苦手な筆者にとってはボタン操作だけでも実際に触れられるボタンライクな操作になってくれるのはとてもありがたい。これらをうまく設定しておくことで、プレイ可能なゲームの幅が広がるのでとても魅力的な機能だ。
なお、「AirTriggers」ではタップだけでなく、スライドしたりスワイプしたりなどの操作に対しても異なる動作が設定できる。他にも本体内蔵のモーションコントロール機能も備えるので、こうした機能をガッツリカスタマイズして使い込んでいくと、二度と普通のスマートフォンには戻れないレベルの快適スマートフォンゲーミング環境が構築できる。なお、これら「AirTriggers」は通常のスマートフォンとして使用する際の設定も可能になっており、ゲーム以外でも活用が可能だ。
また、「Game Genie」の新機能として、今回から新たに画面内の仮想キーに対して端末を振動させることができる「振動マッピング」機能が追加になっていた。設定方法は「AirTriggers」などと同様に非常にシンプルで、ゲーム起動中に、「Game Genie」を起動、振動マッピングを選択して、設定したい場所に振動マッピングのマーカーを配置するだけだ。これにより、画面内の好きな場所のタッチボタンで振動によるフィードバックが得られるようになるのですごくありがたい。
そして、もう1つ「バックグラウンドモード」についても説明しておこう。こちらは既存機能だが「Game Genie」上で設定する事で、ホーム画面などに戻ってもゲームが常にバックグラウンドで動作し続けるという機能だ。いわゆる自動戦闘などが用意されているゲームタイトルの場合、常にゲーム画面を表示し続ける必要があるのだが、こうしたゲームでもバックグラウンドモードを有効にすると、ホーム画面に戻った後も、バックグラウンドで常に自動戦闘を継続し続けてくれる。ゲームが起動中の状態であることを示す通知も表示されるのでうっかり忘れて起動したままになるのを防いでくれるのも嬉しい限り。
続いてはマクロ動作についても見ていこう。スワイプ動作なども含めて記録できるので、同じような作業が続く稼ぎが必要なタイトルではうまく設定して活用するとかなり重宝できる。今回は前述の「マブD」を使って、実際に筆者環境にてレベル70まで上げた「東雲祉乃」単体で序章0-1をスタミナが尽きるまでリトライするマクロを組んだ時の様子を紹介しよう。
「マブD」はハクスラ要素も売りの1つにしており、とにかく同じステージなどを繰り返し周回する稼ぎが重要な要素となるタイトルだ。そのため、スキル強化の素材を集めるために初期のステージを繰り返しプレイするといった作業が必要になる場合があるのだが、こうしたやや面倒なローカルでの周回作業はマクロ機能を試すのにもってこいというわけだ。
マクロの設定自体は非常にシンプルで、「Game Genie」のメニューから「マクロ」を選択すると、画面上にマクロ記録のボタンが表示される。あとは記録ボタン押下後、記録したい操作を行ない、ループの終わりで停止すればOKだ。再生時は記録したマクロを選択して、再生ボタンを押すだけだ。なお、再生回数の設定もあるので、今回のように延々と繰り返したい場合は「無限繰り返し」に設定しておく。後はACアダプターを接続した状態でパッシブ給電をセッティング。あとはスリープ設定も行なわないようにすれば、放置プレイ環境の完成だ。
マクロを構築するポイントはイレギュラーが発生した場合の対応だ。例えば本作ではゲーム側で既に戦闘時にオートで動く機能が用意されており、これを設定しておく事で、ステージ中の動きは全て自動で行なわれる。また、ステージ開始後に自動進軍モードも用意されているので、これを有効にすると全戦闘を終えてステージクリアした後は自動で再度ステージ選択の画面まで戻ってくれる。
そのため、戦闘中はマクロ側は特に何もせずに放置することになるのだが、戦闘時間にはどうしてもブレが発生するため、戦闘時間をギリギリの時間で組んでしまうと、ステージ選択画面に戻る前に次のループが開始される。するとあらゆる作業にズレが発生するため、正常に動作しなくなり、最悪必要なキャラやアイテムがロストしてしまう恐れもあるため、ご利用は計画的に、なのだ。
こうしたブレに対応するには、シンプルに待機する時間を少し長めに設定する事だ。実際の戦闘画面の時間をざっくりと数回チェックしておき、最も長くかかった時間からさらに15~30秒くらいゆとりを持たせて次の動作に続けるように設定すれば、よっぽど酷い事故が起こらない限りは正しくループしてくれる。なお、ゆとりを持たせすぎると今度は何もしない無駄な時間が長すぎて効率が悪くなるため、こうした待機時間のバランスの取り方が腕の見せどころと言える。
また、この手の素材集め作業の場合、不要な物が集まりすぎて、倉庫がいっぱいになってしまうアラートが出て進まなくなる場合もある。「マブD」でも不要な武器が溜まりすぎた結果、兵装の格納庫がいっぱいになる場合がある。これについては倉庫を事前に拡張しておくことである程度回避できるので金で解決できるところは、金で解決しておくのがいいだろう。
同様にステージに挑むのに必要な燃料問題もあるが、本作は燃料アイテムを事前に使っておく事で上限をオーバーしてかなり余裕を持って回復してくれるので、事前に回復しておけばこの問題は簡単に解決できる。
今回組んだマクロは1ループで大体1分45秒前後、筆者の選択した東雲祉乃は1度のステージ挑戦で合計スタミナ17を使用していた。そのため、スタミナが1,700もあれば100回のループが可能となる。このようにループするマクロを設定して2時間ほど繰り返し挑んだ結果、拡張した倉庫が満杯になってしまい、ここでストップしてしまった。ループとしては71回繰り返し序章0-1のステージにトライ、成果としてはキャラクターのスキルを強化するスキル教本やチケットステージ用のチケットのほか、戦術機の上限解放素材などが大量に入手出来た。
ただし、残念なお知らせもある。それはマクロ実行は常に画面上に表示させておく必要がある点だ。つまり前述の「バックグラウンドモード」とは連携しておらず、バックグラウンドモードを有効にして、マクロ実行中にホーム画面などに戻ると、マクロの動作はその場で停止してしまうため、作業が継続されなくなってしまうのだ。この2つの機能は連携させるとかなり魅力的なので是非ソフトウェアのアップデートなどで対応してほしいポイントだ。
なお、海外モデルでは話題になっていた新機能として、ゲーム中に特別なイベントなどが発生した際に自動で録画するという「Xキャプチャー」機能、ゲーム中に発生したキーイベントなどを自動で検出し、プレーヤーが見落としがちな有益な情報をポップアップでユーザーに通知するという「X Sense」機能があるのだが、これらは残念ながら現段階で日本国内では使用できないという。一応「Xキャプチャー」機能については、設定画面のみが用意されているのが確認できたが、対応ゲームが何も表示されなかった。
いずれこれら機能も使えるようになる日がくるかもしれないので、その日を心待ちにしたいところだ。
パフォーマンスは文句なし!ハイエンドスマートフォンの代わりに買うのもアリ!
以上、ASUSの最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 7 Ultimate」について簡単に機能をチェックしてみた。今回は前モデルのレビュー時にチェックが漏れていた機能も合わせて紹介したが、「ROG Phone」シリーズは毎回かなり豊富な機能が追加になるので嬉しい悲鳴がこぼれる。
特にシリーズ初期から搭載している「Game Genie」の機能は、続々と新たな機能が追加されており、さらに既存機能についても使いやすさが増しているので、シリーズを重ねるごとに完成度が高まっている印象だ。
価格については今回も高額ではあるが、最近リリースされている最新スマートフォンの価格も軒並み高額になってきていることもあり、前モデルからさほど価格が上がっていない「ROG Phone 7」シリーズの価格は、こうした通常のスマートフォンと比べるとそこまで高額とは感じなくなってきた。
もしハイエンドのスマートフォンを使っているユーザーが次のスマートフォンを検討する際には、そろそろゲーミングスマートフォンも視野に入れてみてはいかがだろうか。以前ほどの価格差は感じない上に、ゲームに特化した機能の多くは通常アプリで便利に使える物もあるので、選択肢としてはかなりアリと言えるだろう。
個人的には「ROG Phone 7 Ultimate」でのみ追加になった「AeroActive Portal」が衝撃だった。ハイエンドモデルとは言え、1モデルのためにこのようなギミックを追加し、さらにオプションの「AeroActive Cooler 7」を標準付属して、同じスペックの通常モデルと比較して価格差は3万円だ。クーラーやスタンドが不要な層には通常版でも十分なのは承知だが、見えないギミックに萌えを感じる人は是非チェックしてほしい。
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