レビュー
「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」レビュー
2021年7月8日 00:00
進化したコマンドバトル!「共闘パートナー」と共に迫りくる脅威に立ち向かおう!
続いては本作の注目ポイントであるバトルシステムについて取り上げていこう。ハンティングアクションの「モンハン」とは異なりRPGである「モンスターハンター ストーリーズ」シリーズではターン制のコマンドバトルが採用されている。ただ、単なるコマンドバトルではなくシンプルながらも奥深い、それでいて「モンハン」らしさを踏襲した独自のシステムが取り入れられている。
まず重要となるのは味方と相手がお互いに同じ対象同士を攻撃した場合に発生する「真っ向勝負」というシステムだ。本作の攻撃コマンドは基本的に「パワー」、「スピード」、「テクニック」の3つのタイプに分類されており、これらはそれぞれ3すくみの関係となっている。「真っ向勝負」が発生した際に相手の出した技にこの3すくみで勝利していると被ダメージは小さく、相手に大ダメージを与えつつ、スキルやモンスターライドに必要となる「絆ゲージ」を大きく上昇させる事ができる。さらにはライダーと「オトモン」が同じ3すくみを選んで「真っ向勝負」に勝利した場合さらに「ダブルアクション」が発生する。これは1人で「真っ向勝負」に勝利した時よりもさらに大きなダメージと「絆ゲージ」の上昇が発生し、さらに相手の攻撃を回避する事もできるため、非常に強力な行動となる。
また、相手がどの味方に攻撃するかというのは事前に把握することができ、かつモンスターは攻撃傾向が決まっているため、相手の攻撃タイプを予想して「真っ向勝負」を仕掛け、3すくみに勝利するという行動が仕掛けやすい。ただモンスターも行動変化や怒り状態等でパターンを変えてくることがあるので、相手の動きをしっかり読んで「真っ向勝負」に打ち勝つことがバトルにおいて非常に重要となってくる。
次に「真っ向勝負」に勝利したり、攻撃を行う事で貯められる「絆ゲージ」について。この「絆ゲージ」消費することで各キャラクターはそれぞれ「スキル」を発動する事ができるほか、通常は自動でスキルを使用する「オトモン」にも任意のスキルを発動させる事が可能だ。スキルは相手に大ダメージを与えたり状態異常を付与するものから自身のステータスを強化するもの、味方のHPを回復するサポート系のものまで幅広く存在しており、状況に合わせてどのスキルを使用するかが勝負のカギとなる。
さらに「絆ゲージ」をマックスまで貯めるとモンスターに乗って一心同体で攻撃を行なう超強力な「ライド」を使用する事ができる。「ライド」を行なうと、まず主人公の残HP分「オトモン」のHPが回復。その後主人公のHPが全回復し、スキル等が使えなくなる代わりにモンスターと共に強力な攻撃を行なえるようになる。加えて「ライド」中に1度だけ使用できる「オトモン」と共に放つ大技「絆技」を使用できるようになる。
「絆技」は「オトモン」とするモンスター毎に内容が変わり、ド派手かつカッコいい演出で超大ダメージを与えながら相手の行動を止めることもできる。ライドには数多くの恩恵があるが、マックスまで「絆ゲージ」を貯める必要があること、スキルを使うと「絆ゲージ」が消費されてしまうため、スキルの使用を優先するか「ライド」を優先するか、プレーヤーの判断が試される絶妙なシステムと言えるだろう。
次に「弱点属性」と「部位破壊」について。これらのワードからは「モンハン」らしさが色濃く漂うが、今作のコマンドバトルでもこの2つが重要なポイントとなってくる。大型モンスターなどを相手にしている際は攻撃する部位を選択する事ができ、同じ部位を攻撃し続ければ破壊する事ができる。部位を破壊するとバトル終了後に追加で素材を入手できるだけでなく、モンスターをダウンさせたり特殊攻撃を阻止できたりとバトルを有利に進められるのだ。
そしてこの部位にはそれぞれ武器ごとの弱点が用意されており、弱点を的確につくことで一気に部位破壊を進めることが可能となっている。ライダーの武器には「斬」、「打」、「突」の攻撃タイプがあり、主人公は3つまで武器を装備してバトル中に武器を入れ替えながら戦う事ができるので、相手の弱点と各武器の特徴を覚えて弱点部位を的確に狙う事が重要となる。さらにはそれ以外にも武器やスキルには「炎」、「氷」、「雷」などの「モンハン」ではお馴染みの属性も存在し、モンスターにも属性が設定されている。これにより、使用する武器やスキルだけでも非常に選択肢が多く、戦略性の高いバトルシステムとなっている。
新システムとなる「共闘パートナー」を交えたバトルについても取り上げていこう。今作から主人公と「オトモン」だけでなく、「共闘パートナー」とその「オトモン」が加わった最大2組のパーティーでバトルを行なう事ができるようになった。「共闘パートナー」とその「オトモン」は自動でスキルやアイテムを使用するためプレーヤーが操作する事はできないが、強力な攻撃やサポートを行なってくれる。そしてパートナー毎に武器や「オトモン」、攻撃傾向も違うため、プレーヤーが「共闘パートナー」の行動パターンやスキルなどに合わせて行動することで、強力な連携を取る事が可能になる。
加えて上記でとりあげた「ダブルアクション」はライダーと「オトモン」が同じ攻撃タイプの攻撃を「真っ向勝負」で揃えると発生するため、「共闘パートナー」の「オトモン」が主人公と「ダブルアクション」を行ったり、逆に「共闘パートナー」が主人公の「オトモン」と「ダブルアクション」を行なう事も可能。共闘パートナーの存在により「ダブルアクション」の発生率が向上し、大ダメージと「絆ゲージ」の上昇を狙うことができる。
さらには主人公と「共闘パートナー」が同時に「絆技」を使用する事で超威力の「ダブル絆技」も発動させる事ができる。これをもし相手のダウン中やデバフ中に当てることができれば、そのダメージは凄まじいものとなる。共闘パートナーという形で仲間が増えた事により、戦力そのものはもちろん、プレーヤーの行動の選択肢が大きく増えた印象だ。
モンスターに乗って!走って!育成して!「オトモン」の力を最大限引き出して冒険を有利に進めよう!
続いては今作の最重要ポイントである「オトモン」。「オトモン」はバトル以外にも数多くのシチュエーションでライダーたちを助けてくれる。フィールドマップを移動する際にはモンスターに「ライド」すれば走るよりも早く移動する事ができ、さらにモンスター毎に固有のアクションが行なえるようになっているのだ。例えば最初に入手できる「ドスランポス」はフィールドで「ジャンプ」を行なう事ができ、特定の場所では「ライドアクション」を使い崖や障害物を飛び越えて移動する事ができる。他にも蔦を登れるものや姿を消せるものなど、入手ている「オトモン」によって冒険の幅がドンドン広がって行くような作りになっている。
「オトモン」の入手方法にも本作の面白さが詰まっている。「オトモン」を入手するにはフィールドやダンジョン内にある「モンスターの巣」を見つけてその最奥にあるタマゴを入手して持ち帰る必要があり、そのタマゴを各施設で孵す事によって新たな「オトモン」として入手する事ができる。ダンジョンや周辺のフィールドやタマゴの柄を見るとある程度予想はできたりもするが、初見だとどのタマゴが何のモンスターなのかわからないので、タマゴを持ち帰って孵す瞬間のワクワク感はとんでもなく大きい。
タマゴには孵した際に能力値が上昇したり、優秀なスキルを持つ可能性が高いレアドロップも存在し、さらにはレアなタマゴが出やすい「モンスターのレアな巣窟」がランダムで出現するのだが、この2つの要素により、「モンスターの巣窟」探しだけで永遠と楽しめてしまう。フィールドが広大でモンスターに乗って移動するだけでも楽しい中で、「モンスターのレアな巣窟」を探す楽しみもあり、実際筆者はストーリーを暫く放っておいて「オトモン」入手にドハマリしていた。レアドロップ捜索等が好きな人は、これだけでも十二分に楽しめるのではないかと思う。
入手した「オトモン」はパーティーに入れてバトルに勝利するか、サブクエストをクリアする事で経験値を得てレベルアップさせることができるのだが、それ以外の強化方法として「伝承の儀」というシステムが用意されている。これは「オトモン」1体に他の「オトモン」のスキルを継承させて強化する事ができるシステムで、これによって本来その個体では習得できないスキルを覚えさせることができ、自分オリジナルの強力な「オトモン」を作り上げることができるのだ。「オトモン」は入手だけでなく、育成もどのように育てていくかという悩みと楽しみがあるので、本作の育成要素は極めて中毒性の高いものとなっている。
※画面写真は開発中のものです。
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