レビュー

「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」レビュー

熱いストーリーと驚愕のやり込み度! RPG好きには最高におすすめ

 本作は”アクションの「モンハン」”というイメージとは裏腹に、RPGとしての完成度が非常に高い。ストーリーではモンスターの暴走や「破滅の翼」を持つレウスなどシリアスな部分が描かれながらも、キャラクターたちの明るさや前向きさが絶妙に描かれている。共に旅をする事となる主人公、エナ、ナビルー、レウスのメイン4名も見ていてとても微笑ましく、見ていて心地が良かった。

 加えてストーリーの中で出会う「共闘パートナー」との交流は基本的にそのキャラクターの居る拠点付近でのストーリー展開が終わるまでとなるが、短くも濃い付き合いとして描かれているほか、ストーリーが拠点の移り変わりにあわせてテンポよく展開していくので、ストーリーにグイグイと引っ張り込まれる印象があった。

 また、4月に実施した本作のインタビューでは「前作を知らない人でも存分に楽しめる作品にする」という開発陣のコメントもあったが、その塩梅も見事に調整されており、特に前作キャラクターは成長した姿やその後を知ることができつつも、あくまでも「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」という1作品のキャラクターとして活躍し、今作だけでもその魅力が十分に伝わる見せ方が成されている。

旅の中で打ち解けていく主人公達。真面目ながら時折天然な側面を見せるエナと、はっちゃけながらも実は一番世渡り上手なナビルーのやり取りにクスっと来ることも多い
各拠点で「共闘パートナー」となるキャラクター達とは物語の進行にあわせて出会いと別れを繰り返すことになる
前作にて活躍した「リリア」や「アユリア」を始めとしたキャラクター達も逞しく成長した姿で登場し、時には味方、時には指導者として主人公達と関わっていく事となる

 ゲーム面においてもバトルシステムのポイントは”3すくみ”でわかりやすいものの、リソースを使用せずに行動できるのが主人公だけということもあり、「真っ向勝負」での勝利を狙ったり、「ダブルアクション」を発動させてみたり、「部位破壊」を狙ったり、相手に合わせた弱点装備・スキルを選択したり、「絆ゲージ」をスキルに使うかライドに使うか悩んだり……など、常に最善の行動を考える楽しみがある。

 とにかくバトル中に自分が取れる選択と、それに伴って考える事が多いので、コマンドバトルとして非常に満足度が高い仕上がりとなっている。相手の行動に合わせて武器や「オトモン」を入れ替えて的確に攻撃を行ない、完封できた時の快感は本作ならではの感覚だろう。

適当に攻撃だけ繰り返しても効果的なダメージを与える事は難しい。弱点を突いて相手をダウンさせ、そのスキに高威力の技を叩き込むなどの戦略が重要だ

 そして一番のポイントとなるのは、やはり美しく広大なフィールドをモンスターにライドして探索できることだろう。そしてこの探索自体も新モンスターや強い能力を持ったタマゴを見つけるという明確な目的があり、さらに「レアモンスターの巣窟」というご褒美が存在することによって、本当にずっと探索し続けられるほどに楽しいのだ。

 このフィールド探索の楽しさにより、新たな地にたどり着いた時もとりあえず行けるところを回ってみつつ、その中でレアなものを見つけたり、「キングモンスター」という非常に強力なモンスターと出会えたりと、RPGならではのドキドキとワクワクを思う存分楽しむことができる。「モンスターハンターライズ」でもそうだったが、キャラクターの移動自体を楽しめるような工夫が詰まっているように感じられた。

四季折々様々な姿を見せるフィールドを自由に走り回れるのは爽快感マックス! ときには恐ろしいモンスターと突如遭遇してボコボコにされるような事もあるが、このドキドキ感がRPGの醍醐味と言えるだろう

 総じて本作はストーリー、バトル&育成システム、探索要素と全てにおいてRPGとして完成度が高い作品だと言える。ついに発売を前日に控えた本作、シリーズファンはもちろん、「モンスターハンターストーリーズ」を知らないプレーヤーにも是非一度プレイして欲しい作品だ。