レビュー
「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」レビュー
ここから始める初心者からヘビーユーザーまで「プロ野球の面白さ」を堪能できる!!
2021年7月8日 00:00
- 【eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム】
- ジャンル:スポーツ
- 発売元:KONAMI
- 開発元:KONAMI
- プラットフォーム:Nintendo Switch
- 発売日:7月8日
- 価格:7,678円(税込)
KONAMIより7月8日に発売予定のNintendo Switch用プロ野球/育成ゲーム「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム(プロスピ2021)」。本作は2004年の「プロ野球スピリッツ2004」で始まり、前作のPS4/PS Vita版「プロ野球スピリッツ2019」で15周年を迎えた「プロ野球スピリッツ」シリーズ最新作であり、初のNintendo Switch版向けに発売されるタイトルとなる。
「プロスピ2021」では最新の選手データの導入はもとより、最大4人でのマルチプレイの採用や「東京2020オリンピック」モードの搭載などさらに進化を遂げ、過去最大級のモード数で「グランドスラム」のサブタイトルが冠された。
本作について発売に先駆けてプレイする機会を得たので、SFC版「実況パワフルプロ野球」以来久々の野球ゲームプレイとなった、文系プロ野球ファン歴50年の筆者がeBASEBALL初心者でも楽しめる本作の魅力を語っていきたい。今回は発売前の試遊となったためオフラインモードのみのプレイとなったが、味わい尽くせないボリュームもあり、その面白さを充分に堪能できた。
初めてでも安心! 野球ゲームの老舗KONAMIならではのユーザーフレンドリーな操作性!!
まず本作に触ってみて感じるのが、その操作性の良さ。快適なゲームの操作感は「サクサク進む」と表現されるが、読み込み時間など、Nintendo Switch用ソフトの中でもかなり速い印象だ。すぐにメインのモード選択画面が軽快な音楽と共に立ち上がり、視覚的に何をすれば良いかがわかるので、マニュアル無しでもサクサク進めていける。
今回は初めて操作するので、まずはチュートリアルでもある「プロスピ入門」を選ぶ。これも初心者マークが付いているのでわかりやすい。ここでは野球の3要素「走攻守」の基本的な操作が遊びながら覚えられる。
本作において「投球」は基本的にLスティックで球種、急速、コースを選び、Bボタンの2度押しで投げられる(球種によってRボタン)。そして「打撃」も、基本はLスティックとBボタンのみの操作だ。Rボタンで強振、Aボタンで流し打ち、Yボタンでバントと打ち分けることができ、野球における打撃の面白さを易しい操作で楽しめる。
チュートリアルの段階で、必要最小限の操作でプロ野球における投球の投げ分け、打撃の打ち分けを再現しているのが体感できた。慣れてない人はイージーモードで楽しめるし、自信が出てきて牽制やヒットエンドランなどの操作を覚えていけば、さらに複雑な投打のプレイが可能になる。
この操作は前作の「プロ野球スピリッツ2019」を踏襲したものだが、「失投」が「魔球」になってしまう部分や、コースを突かれた時の打ちにくさを修正するなど、よりリアルで快適な投球と打撃が行なえるようになっている。
続く「守備」、「走塁」は、操作する対象がそれぞれ野手9人、打者含む走者4人と増えるのでやや慣れが必要だが、ゲームの設定で、ソフトにおまかせすれば投打に専念することもできる。どうしてもタイミングが難しいという場合は、投打の操作は行わず、監督として采配のみを奮うような愉しみ方もできる。ゲームが得意な人は操作を極める事ができ、一方初心者でも簡単に楽しめる。本作はハードルの低さと奥深さを両立スポーツゲームだと言えるだろう。
なお、「プロスピ入門」以外に、投球、守備、打撃をひたすら行なう「トレーニング」モード、ゲーム性の強い「ホームラン競争」モードもあり、遊びながら操作がさらに上達できるようになっている。
「プロ野球スピリッツ」の真髄、実在の選手とチームの最新データで遊べる!!
KONAMIの「プロ野球スピリッツ」シリーズ最大の魅力はなんといっても、実在の選手の最新データがゲームに反映されている点だ。本作のクレジットの一部は「一般社団法人日本野球機構承認 (C)2021 SAMURAI JAPAN 一般社団法人日本プロ野球名球会協力 日本プロ野球OBクラブ協力 プロ野球フランチャイズ球場公認」となっており、本日配信されるver.1.1.0のアップデートを行なうことで2021年5月時点での最新データを元に12球団の全選手が登場。「選手データ」を開くと、2軍までの全選手データが閲覧できる。
KONAMIの野球ゲームにおける選手データは「パワフルプロ野球」から30年近く使われてきて、いまやプロ野球のファン同士で当たり前のように「この投手はスタミナCだからバテてきてる」、「パワーAだから打つと思ってた」などと話されているお馴染みのもの。見ているだけで選手の知識が学べて面白い。なお、5月の時点で諸事情により支配下登録を外れている選手も「フリー」として収録されており、トレードで支配下登録することもできる。
ゲーム中も各選手のデータがビジュアル的に表示されるのでプロ野球選手のデータバンクとしても活用できる側面があるし、プレイを重ねるうちに自分の贔屓のチーム以外の控え選手の事もわかってくるので、対戦するうちに親しみがわいてくる。
また、本作のデータは、実際に多くの選手から寄せられた「この選手のこの項目はもう少し上」というような生の意見も採り入れられているとのこと。客観的な数字だけの情報と、選手の主観とが組み合わさった血の通ったデータだと言えるだろう。選手以外に球場毎に雰囲気が違う部分も再現されているので、これも意外な発見がある。
そして「プロ野球スピリッツ」ならではの、その日行なわれた試合のデータを元に楽しめる「プロ野球速報プレイ」モードもある。 試合後に、「自分ならこう継投した」、「あそこであの代打はない」と感想戦を行なうのは、プロ野球ファンの楽しみ。それが実際に叶えられるのはまさに”夢の具現化”と言っても大袈裟ではないだろう。なお、本作においては2022年版のデータの無料アップデートも予定されていて、来年も最新版で遊べるのも有り難い配慮だ。
もちろんサクセスも! オリジナル選手や”理想のチーム”を編成する楽しさ!!
実際のデータを元にした「プロ野球スピリッツ」だからこそ、自分だけのオリジナル要素を付け加える楽しさも大きい。
KONAMIの野球ゲームと言えば育成モードもその特色。本作では「甲子園スピリッツ」モードで、高校2年生から最後の1年をプレイする「一年チャレンジ」、最後の夏の大会だけをプレイする「大会チャレンジ」、手早く育成ができる「練習チャレンジ」が用意されている。
また、「スタープレイヤーモード」では、プロ野球へ入団したオリジナル選手の野球人生を体験できる。毎年、ドラフト後には「今年も指名が来なかった」というプロ野球ファンの鉄板ネタがあるが、ゲーム内であれば実際に行なう事が可能なのだ。
ちなみに本作ではなんと「二刀流」の選択も可能になった。現在北米で大活躍中の大谷翔平選手のごとく、投打に渡る活躍に挑戦できるのだ。また、試合以外、人的交流面が充実したのも本作の特徴。選手や監督、コーチ、球団職員、女性との出会いも用意されている。
加えて実際の12球団のデータを元に、オリジナルチームを編成する「マイ12球団編成」モードもプロ野球ファンとしては欠かせない。オリジナル選手を希望チームに入団させて、活躍できるのはもちろん、自由にトレードして、”理想のチーム”の編成が可能になる。
これぞ「プロ野球」! ペナントレース制覇を目指す!!
選手育成、マイ球団といった要素も、プロ野球である以上はつまるところ「ペナントレースで優勝」が目標だ。本作の「ペナントレース」は1年で公称約50時間分のプレイに相当し、フルにプレイすれば最長で30年間分のプレイができる。
この大ボリュームにはたじろぐライトユーザーもいるかもしれないが、⽇程進⾏が変更され、さらに遊びやすくなっているので安⼼だ。また、本作の特徴として1年目に五輪が開催され、3年ごとにオリジナルの国際大会が実施される。
ペナントレースは公式球団データ、カスタムしたマイ球団データいずれも使用可能で、ゲームを始めると途中で変更はできない(なので、育成的には覚醒や、トレードも事前にすませておかないとあとあと後悔する事になる)。本モードではシーズン終了後のウインターリーグや、球団の資金、集客なども含めて、総合的にプロ野球を楽しむ事ができる。
「グランドスラム」たる所以の4つの新要素!!
続いては、本作のサブタイトル「グランドスラム」を象徴する、まさに”満塁ホームラン”たる4つの新要素「グランプリ」、「東京2020オリンピック」、「チャンピオンシップ」、「マルチプレイ」。
まず「グランプリ」は前作の「ドリームリーグ」をオフライン向けにリニューアルしたモードだ。監督になり、チームを選ぶが、選手はシャッフルされての所属となる。試合では監督として指示を出し、作戦や継投を駆使して勝利を目指す。
選手の育成もモバイルゲームの様な感覚で行なっていくので、純粋に監督視点での野球ゲームが楽しめる。ボタンでの投球やバッティングの操作に不慣れな人でも安心だ。
続いては今作のリリース時期に旬と言っていい「東京2020オリンピック」モード。これは稲葉篤紀監督率いる代表チームで予選、決勝、メダルの獲得を目指すものだ。
本稿執筆時点で、実際の五輪は観客の有無も含めて不透明だが、ゲームの中では声援を受けながらプレイできる。招集された選手からその後辞退もあったので、選手を入れ替えて、自分なりの「稲葉ジャパン」を編成しよう。
さらに前作までのオンラインモードがさらに進化した「チャンピオンシップ」。こちらは今回オフラインでのプレイのため未体験だが、プレーヤーのレベルに応じてクラス分けがなされる様なので、気軽に参加できそうだ。
最後にNintendo Switch版ならではの要素「マルチプレイ」。ローカル通信で最大4人でのプレイが可能だ。発売前のソフトということで今回は誰かと遊ぶ事はできなかったが、自分のSwitchのコントローラーを繋いで1人で2P対戦をしてみたところ、昔1人で野球盤を遊んでいた記憶が懐かしく思いだされた。もちろん本来の遊び方として3~4人集まれば、ピッチャーと野手、バッターとランナーなど、分担して遊ぶ事も可能だ。
今回はオフラインのみでのプレイで、時間的にも全てを遊び尽くすには至っていない。ただ限られた中で触った感想は、「とにかく面白い」に尽きる。正直言って、ゲームがそんなに巧くないので、バッティングとピッチング、そして采配に撤して様々なモードを遊んでみたが、とても楽しく「野球の面白さ」を堪能できた。
スポーツのゲームというと、「実際とは別物」の面白さになる場合も少なくないが、本作は冒頭に書いた通り取っつきやすく、それでいて、極めようと思うと、奥深い。野球の面白さの本質を取り出して、万人が堪能できるようになっていると思う。
「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」は、これまでの「プロ野球スピリッツ」を含むKONAMIの野球ゲームを遊んできたファンはもちろん、初めて野球のゲームを遊んでみるという方、そして全ての野球ファンにも遊んでほしいタイトルだと言える。
TM IOC/TOKYO2020/USOC 36USC220506.
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一般社団法人日本野球機構承認 プロ野球フランチャイズ球場公認
ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2020年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
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