「ハースストーン」新拡張版「爆誕!悪党同盟」レビュー
ハースストーン
横展開できる「ドルイド」が双呪文でかなり強力!「ハンター」は「マリゴス」入りのデッキも登場
- ジャンル:
- デジタルカードゲーム
- 発売元:
- Blizzard Entertainment
- 開発元:
- Blizzard Entertainment
- プラットフォーム:
- Windows PC
- iPhone/iPod touch
- Android
- 価格:
- 基本無料(アイテム課金)
- 発売日:
- 2019年4月10日
2019年4月15日 00:00
ドラゴン年の幕開けとともに、新拡張版「爆誕!悪党同盟」がリリースされた。
4月10日に配信が開始された「爆誕!悪党同盟」は、1年間を通して物語が展開していくという「ハースストーン」では初となる試みの第1弾。大悪党ラファームが「ハースストーン」の歴史に名を刻むため、正義の味方にやられ続けてきた悪の仲間たちを集め同盟を組み、悪の作戦を遂行していくというストーリーが描かれる。
大怪盗ラファームは、招集した大悪党たちに宝を奪う悪の計画を持ちかける。悪党のメンバーは「ウォリアー」、「プリースト」、「ローグ」、「シャーマン」、「ウォーロック」の5クラスから「ドクターブーム」、「マダム・ラズール」、「トグワグル」、「ハガサ」、「ラファーム」が登場する。彼等の標的となるのは、魔法の浮遊都市「ダララン」。今のところ、彼らがなぜダラランを狙っているのかは明らかにされていない。
一方、悪に立ちむかうのはダラランの守護者たち。悪党たちは、その強固な反撃に晒されることとなる。「魔法都市ダララン」ならではの新たなメカニクスも登場し、ダラランの街は大混乱に陥り、街の商人たちなど、誰もが戦いに駆り出される。「魔除けの宝石職人」や美食家の「シェフ・ノミ」など、世界最強の連中がダラランの防衛に立ち上がる。
「爆誕!悪党同盟」では、9人のヒーロークラスに各10枚ずつのカードと、中立カード45枚の計135枚の新カードが追加された。新ミニオン種である悪の手先カードや、新呪文種の「計略」が登場するほか、新キーワード「双呪文」は、一度唱えると、呪文自体のコピーが1枚手札に追加される。今回追加された新要素とメカニクスが、どのような変化をもたらしてくれるのかを、さっそくパックを開封し、デッキに取り入れて試してみた。
新ミニオン種「悪の手先」
悪の手先はすべて1マナ1/1ミニオンで、雄叫びの効果を持ち、召喚時に発動する。通常のカードの効果によって「悪の手先」プールの中からランダムに得られる特殊カードとなっており、悪党同盟では全5枚存在し、基本的に悪党側でしか使用できない。「悪の手先」カードは、今後の拡張版で追加される予定だ。
新呪文種「計略」
新呪文種「計略」は、はじめはあまり効果が大きくないが、手札にある時間が長いほど効果を発揮するカード。
例えば、シャーマンの呪文カード「ハガサの計略」は、最初は「全てのミニオンに1ダメージを与える」という効果を持つが、効果が毎ターンアップグレードするため、手札に握っている時間が長ければ長いほど、より強力な効果を発揮するため、後半盤面を制圧することもできる。
新キーワード「双呪文」
「双呪文」系の呪文は、使用するとそのコピーが1枚手札に追加される。追加されたカードは、所持するマナ数内で、いつでも好きな時に使える。「双呪文」カードは、悪党同盟のメンバーがいるクラス以外の「ドルイド」、「パラディン」、「メイジ」、「ハンター」4クラスで追加されている。
懐かしのメカニクスが再生
以前の拡張版にも登場していた「オメガ」や「宝物」といった繰り返し使用できるカードが「爆誕!悪党同盟」に再登場する。
プリースト呪文カード「禁じられし言葉」は、2016年4月に配信されたカードパック「旧神のささやき」のプリーストのエピックカード「禁じられし創造」から作られている。また、「オメガ」系カードは、10マナで使うとパワーアップする「博士のメカメカ大作戦」で登場したカードだ。
注目カードを紹介
爆発王 ブーム
ウォリアーのレジェンドカード
7マナ 7/7
雄叫び
相手のデッキの「爆弾」1枚につき1/1の「ブームロボ」を2体ずつ召喚する。
「爆弾」カードの枚数分の「ブームロボ」を2体ずつ召喚するという雄叫び効果を持つ。「爆弾」カードは、ウォリアーのメカカード「時計仕掛けのゴブリン」や、武器カード「レンチカリバー」などで、相手デッキに混ぜられる。
召喚される「ブームロボ」は断末魔にランダムな敵1体に1~4ダメージを与えるという効果を持つ。通常は攻撃力1のカードだが「出陣の道」でダメージを自陣に加えることで、召喚した全ての「ブームロボ」の断末魔を発動でき、一気にダメージを与えることも可能ため、強力な攻撃力を発揮できる。
大悪党ラファーム
ウォーロックのレジェンドカード
7マナ 7/8
挑発、雄叫び
自分の手札とデッキ全てをレジェンドミニオンと置き換える。
悪党同盟のリーダー。効果も強力だが、登場シーンもかっこいいので、パックで当たった時には1度デッキに取り入れてみてはいかがだろうか。
石頭
中立のエピックカード
8マナ 3/12
急襲 :
このミニオンの攻撃でミニオンが死亡した後再度攻撃できる。
横展開するドルイドのメタカードともいえるカード。急襲の効果を持つので、盤面に召喚されてすぐにミニオンを攻撃できるだけでなく、体力が12あるのでスタッツの低いミニオンを、1度に何体も倒すことが可能だ。
強盗王トグワグル
ローグのレジェンドカード
6マナ 5/5
雄叫び :
味方に悪の手先がいる場合、素敵な宝物を1つ選択する。
「素敵な宝物」は、「コボルトと秘宝の迷宮」に登場した中立のレジェンドカード「狐のマリン」からもらえる「宝箱」と同じ内容のようだ。スタッツが6マナ5/5なので、盤面を作る際にも役立つ。
「大魔境ウンゴロ」など4つの拡張版がスタン落ち・奇数・偶数デッキがなくなった新シリーズの幕開け
新拡張版「爆誕!悪党同盟」では、今まで正義の味方にやられ続けていた悪党にスポットを当てたユニークな世界観が、クラスごとのカードに反映されていてとても面白かった。例えば、ウォリアーの「爆発王 ブーム」は「博士のメカメカ大作戦」で復活した「狂気の天才ドクター・ブーム」と合わせて爆弾を使った作戦を得意としており、相手のデッキに爆弾カードを入れる。新カードが入ったデッキも、既存のカードとのシナジー効果をのぞめるものが多く追加されているように思う。今後、1年を通して描かれるストーリーが楽しみだ。
新拡張のリリースとともに、「妖の森ウィッチウッド」で追加されたレジェンドカード「月を食らうものバク」、「ゲン・グレイメイン」が2019年の栄誉の殿堂入りカードとなり、強力な奇数・偶数デッキが表舞台からいなくなった。これはかなり異例なことで、奇数・偶数デッキを楽しんでいた筆者もかなり驚いたが、反面縛りがなくなったことで、より多くのカードが使え、デッキの種類が増えたため、いろいろなデッキを楽しめるようになったのではないだろうか。
さらに、「大魔境ウンゴロ」、「凍てつく玉座の騎士団」、「コボルトと秘宝の迷宮」の各カードセットはワイルド専用となり、「凍てつく玉座の騎士団」で追加され、デッキにも大きな影響力を持っていた「デスナイトカード」もスタンダードでは使用できなくなるなど、大きな環境変化となったが、新拡張版のカードを使ったデッキでは、また新たな楽しみ方ができそうだ。
新シリーズの幕開けだけに、これまでのルールを覆すような大きな環境変化も導入された。新拡張版のカードを使ったデッキでは、まったく新しい戦略、駆け引きが繰り広げられていくだろう。双呪文カードが採用されることで強力な横展開が楽しめるドルイドのデッキなど、今まで以上に強いデッキも現れることを期待したい。
4月30日まで、2名の人気ハースストーン配信者が、新環境で新アカウントを作成し、それぞれが0の状態からレジェンドを目指してプレイする様子をTwitch上で配信するキャンペーンが開催されており、これからカードゲームを始めようという初心者の人にも楽しめる内容となっている。この機会に「ハースストーン」を遊んでみてはいかがだろうか。
©2019 Blizzard Entertainment, Inc.