GAME Watch認定ゲーミングPC「GALLERIA XF」レビュー
GALLERIA XF
次世代ハイコスパPCの大本命。「PUBG」の快適さと、「FFXV」でDLSSをチェック!
- ジャンル:
- ゲーミングPC
- 発売元:
- サードウェーブ
- 開発元:
- サードウェーブ
- プラットフォーム:
- Windows PC
- 価格:
- 179,980円(税別)
- 発売日:
- 2018年10月18日
2018年12月27日 07:00
11月にGAME Watch認定ゲーミングPCとしてモンスターマシン「GALLERIA ZZ i9-9900K」をご紹介した(参考記事)。誰もが羨むパーツを搭載し、最高のパフォーマンスを実現したモンスターマシンに対して、今回ご紹介する「GALLERIA XF」は、コストと性能を突き詰め、売れ筋のパーツで構成されたハイコストパフォーマンスマシンだ。標準価格は185,980円。様々なラインナップを取りそろえるGALLERIAの中でも、トップランクの売れ筋商品で、その時々のコスパの高いパーツを組み込みながら、常に人気を集め続けている。
GAME Watch編集部では独自にゲームが快適に動くことを示す指標として「GAME Watch認定プログラム」を行なっているが、コストと性能のバランスを追求したハイコスパPC「GALLERIA XF」はどこまで快適に動くのか。今回はFPS/TPSのトップクラスタイトルである「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(以下、PUBG)」でじっくり検証していきたい。
2017年12月に正式サービスを開始し、2018年に大ブレイクした「PUBG」を知らないゲーマーはいないとは思うが、簡単に説明すると最大100名が同時に参加し、1名になるまで戦い続けるバトルロイヤルゲームの代表格だ。ルールは非常に明快かつ、手軽に遊べるということで爆発的な人気を博したが、2017年のデビュー当初はMAPは1つのみ、まだβ版としてプログラムの最適化が不十分だったため、実質ハイエンドPCのみでしか動かないヘビーなゲームだった。
その後アップデートを重ね、ゲーム自体の軽量化やMAPやゲームモード、スキンの追加、また公式大会が開催されるなど移り変わりの激しいゲームの世界で常に話題の中心であり続けている。日頃、SteamでPCゲームも買いあさるようなPCゲーマーでも、定番ゲームとして「PUBG」がしっかり動くPCが欲しいという思いは強いはずだ。そこで今回は「PUBG」にフォーカスしてGALLERIA XFをしっかり検証したい。
20万円を切る厳選されたゲーマーに必要な上位CPUとGPUを搭載したマシン
まず初めに今回検証するマシン「GALLERIA XF」のスペックを紹介していこう。CPUはインテル第8世代CPU Core i7-8700、GPUはNVIDIA GeForce RTX 2070、SSD500GBが主な特徴となる。
【GALLERIA XF】
CPU インテル Core i7-8700
GPU NVIDIA GeForce RTX 2070
チップセット インテル H370
メモリ 8GB DDR4(4GBx2)
SSD 500GB
HDD 2TB HDD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ (DVD±R DL 対応)
LAN ギガビットLANポート
OS Windows 10 Home 64bit
そのほか GALLERIAレーザーマウス、GALLERIA Gaming Keyboard
本体サイズ 207(幅)×520.7(奥行き)×450.2(高さ) mm
価格 179,980円(税別)
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&mc=8374&sn=3535
CPUは第9世代ではついに8コア/16スレッドとなったが、今回のCore i7-8700は1つ前の世代、第8世代のCPUで、3.2GHz(最大4.6GHz)の6コア/12スレッド。最高性能だけを見ると第9世代に軍配は上がるが、価格的には大きな開きが発生している。CPU単体価格で見ると第9世代の最上位CPUは単体で66,000円程度に対して、「GALLERIA XF」に採用されているCore i7-8700は4万円前後で、かなりの差がある。
また、肝心のゲーム側のマルチスレッド対応状況はというと、つい先日まで最大4コア8スレッドの時代が長く、8コア/16スレッドに最適化されたゲームは存在しないため、大きなメリットは存在していない。この費用を抑えることで次に紹介するGPUやストレージを強化できるのだ。
GPUは最新世代のNVIDIA GeForce RTX 2070搭載のビデオカードを採用。GeForce RTX 20シリーズは、新たに対応したリアルタイムレイトレーシング(ゲーム内の反射演算などをリアルタイムで行なう機能)やDLSS(パフォーマンスを下げずに、アンチエイリアス効果をもたらすテクニック)への対応が注目を集めているが、実際のGPUのパフォーマンスも前世代から着実に伸びている。前世代のハイエンドGPU GeForce GTX 1080に対して同等または上回る性能を発揮しているのは見逃せない点だ(参考記事)。今回の検証でも非常に大きな性能を発揮するポイントとなるので効果に注目してほしい。
ストレージは、オーソドックスなSATAタイプながら大容量の500GBSSDを装備、ゲームクライアントの容量が肥大化している昨今、このぐらいの容量は欲しいところ。HDDも2TB用意されており、もし容量が足りなくなったとしても優先度が低いゲームなどはそちらに移すといったことを考えればいいだろう。
高いコスパを引率する要素のひとつとしてGALLERIA共通仕様として、ゲーミンググレードのマウスとキーボードが付属。マウスは8ボタン(3,200dpi)とキーボードは24キー同時押しに対応するなど、しっかりゲーミンググレードのスペックを備える。これからPCゲームを始める人で何を選べば良いかわからないといった方には最適だろう。
ハイコストパフォーマンスPCのパフォーマンスはいかに!?
本製品のスペックを紹介したところで、早速検証結果を見ていこう。コスパというからには単にゲームが動けばいいというだけではなく、必要十分以上に動いてこそその冠に意味がある。今回条件としてフルHDと4Kの両方の解像度で「画質:ウルトラ設定」がどのぐらいのフレームレートで動作するのかを確認するのに加え、GAME Watchが定めるPCゲームの快適さの基準である「フルHD/120fps」、「4K/60fps」がどのような設定なら実現できるのか検証してみた。
フレームレートの検証方法は、「PUBG」の標準マップローテーションであるERANGEL、MIRAMAR、SANHOKの3つをそれぞれの環境でプレイ。その後リプレイ機能を用いてパラシュートを開いた後の3分間を5回にわたって「平均fps」、「最低fps」の2つの平均値をそれぞれ計測した。ゲームが快適にプレイできるかどうかの指標となる平均fpsは安定してどの程度出ているか、最低fpsは条件が悪い際にどの程度まで落ち込むかがポイントである。
今回、比較対象として前世代の「GALLERIA XF」を用意した。CPUはインテル Core i7-7700K、GPUはGeForce GTX 1070、メモリ8GBと、2017年の定番コスパPCだ。今でも数多くのゲームを十分なパフォーマンスで遊べるタイトルではあるが、世代が変わることでどの程度までフレームレートに違いが出るのか、ぜひ合わせてみて確認して欲しい。
ドライバ、クライアントバージョン情報 | |
---|---|
OS | Windows 10 Home(1809) |
グラフィックスドライバ | GeForce Game Ready Driver 417.35 |
「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」 | 4.14.4.5 2C7AB4 |
まず最初に驚かされたのはフルHD/ウルトラ画質環境下における検証結果だ。最もポピュラーなMAP「ERANGEL」ではすでにウルトラ画質設定でも平均110.5fpsと、快適とされる120fpsに近い数値。最低fpsも85.5fpsと高い。流石に最初に公開されたMAPだけに最適化もバッチリといったところだろうか。とにかく重い印象があった「PUBG」が、コスパPCで最高設定で平均120fpsに迫る数値をたたき出せるようになったことに驚きである。一方、前世代PCもフルHD/ウルトラ設定で平均80fpsを記録し、快適に動作するといって差し支えはないが、勝ちにこだわるにはもう少しフレームレートが欲しいところだ。
続いて2つ目のMAP「MIRAMAR」こちらもERANGELと同一の傾向にあるが、旧世代PCの最低fpsが60を切っているにも関わらず、最新PCでは堂々の80fps越えを記録し、安定してプレイできる能力を備えていると言える。3つ目の「SANHOK」は他のMAPと比べて狭くまたオブジェクトが非常に多くパフォーマンスが出づらいMAPだ。公式大会でもまだ採用されていない本MAPだが、GALLERIA XFであればほか2つのMAPと同等の性能を発揮。逆に前世代モデルでは「MIRAMAR」と似た傾向で最低fpsが62fpsのため、余裕を見るのであればもう少し性能が欲しいところだ。全体を通してGALLERIA XFであれば何も設定することなくフルHDであればウルトラ画質で楽しめるといって過言ではないだろう。
続いて負荷の高い4K/ウルトラ画質における検証結果を見ていこう。いずれもパフォーマンスを落とす結果となったが、GeForce RTX 2070を搭載するGALLERIA XFでは平均40fpsを超えており、最大30fpsのコンソール版よりも快適にプレイする事ができる。
逆にGeForce GTX 1070を搭載する前世代モデルは平均fpsが20台まで落ち込んでおり、最低fpsもMAP「SANHOK」に至ってはERANGELを除くと2つのMAPは20fps台であり、快適にプレイできるとは言いがたい。次の検証では、設定を調整することでフルHDおよび4Kがどこまで快適に動くのか見ていこう。
設定を見直し、fpsを底上げ!フルHDはヌルヌル、4Kも快適プレイを実現
フルHDではウルトラ画質でも快適に動作することをお伝えできたが、目安となる平均fpsでは、快適の指標としている120fpsには今一歩足りない結果となり、同様に、4K画質でも快適の目安である60fpsに届かなかった。ストレスなくプレイできるにはできるが、快適には一歩届かないというのが正直な所だ。
登場直後の「PUBG」は影や植生の設定を下げることでウルトラ設定のプレーヤーと比べて最低設定のプレーヤーは敵を発見しやすく、ゲーム内の有利不利が分かれていた。綺麗な画面でゲームを楽しみたいのに勝つために設定を下げていたユーザーもいたことだろう。今はどのようなオプションを選んでも見える範囲はほぼ同一になるように調整が進んだおかげで画質も重視したいというプレーヤーも安心してオプションを好みに設定できるようになった。
今回の快適を目指すための「オススメ設定」として、パフォーマンスを上げるために影やエフェクト、エフェクトなどポストエフェクト周りの設定を下げつつ、視認性は確保する設定を選んでみた。さらに、少しでもフレームレートを稼ぎたいユーザのために参考として「非常に低い」画質設定で記録したベンチマークも計測した。
結果は「非常に低い」とほぼ同等の値ながら平均fpsは全体的に「ウルトラ」画質から向上している。特に「MIRAMAR」は15%ほどのフレームレート向上が確認でき、平均130fpsに迫る結果となった。なお、3MAPの中でもっとも歴史の浅い「SANHOK」に関しては「非常に低い」でもウルトラから大きく向上することにはならなかった。このMAPに関してはオブジェクトが密集していたり入り組んでいることが要因と考えられるが、今後アップデートにより最適化が進むことで他のMAPと同等の120fpsまで向上することを期待したい。前世代のPCは「ウルトラ」画質の時と比べると20%を超える性能向上を確認できている。ただし、あくまでも前世代のPCであり、GALLERIA XFの結果と比べると10%以上の差がついており、遠く及ばない結果になっていることがわかる。
フルHDに比べてフレームレート向上の効果が大きかったのが4K画質設定だ。60%以上のフレームレート向上を記録し、「ERANGEL」に至っては2倍を超えている。ウルトラ画質のゲームをなんとかプレイできるというレベルから安定してゲームをプレイできるレベルになった。「ERANGEL」は最低fpsが60fpsを超えており、不意の遭遇戦にも耐えうるだろう。4K解像度表示の最大の魅力はその情報量にある。フルHDにはない滑らかな描画を行えるため、豆粒のような敵も発見しやすくなる特徴がある。旧世代PCは残念ながら最低画質設定においても「ERANGEL」がようやく平均60fpsにたどり着いたくらいで他は全て下回っており、快適にプレイすることは残念ながらできないと言える結果となった。
今後のPCゲーミングのキーワードとなるか!? 「DLSS」を追加検証
ところで、「PUBG」はDLSS(Deep Learning Super-Sampling)対応予定タイトルのひとつとして名乗りを上げている。「DLSS」はGeForce RTXテクノロジーを使ったレンダリング技術のひとつで、ディープラーニングとAIのパワーを駆使し、アンチエイリアシングのジャギーを減らし、滑らかな映像表現を実現してくれるというものだ。
現時点では残念ながら「PUBG」の「DLSS」対応はまだ実装されていない。ただ、DLSSがどういうものかは試す方法がある。それは「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」だ。この秋にDLSS機能がベンチマークモードに実装されたので、さっそく試してみた。
結果を見てみると「DLSS」はアンチエイリアシングをふんだんに効かせた場合と比べてスコアが非常に高いものになっている。そしてスクリーンショットに注目していただきたいが解像感は格段に向上している。
普段フルHDでプレイしているユーザには気づきづらいかもしれないが、解像度を1段階上げたくらいの表現力の違いが出ている。これが「PUBG」に実装された場合、今より美しい環境でより良好なパフォーマンスでプレイできることになることが期待される。まだ具体的な実装日は発表されていないが、GALLERIA XFであれば実装されたその日から試すことができるのも魅力の1つだ。
PUBGを楽しみたい人から勝ちにこだわりたい人まで全ての人に向いたハイコスパPC
「PUBG」は登場してから約1年半の月日が経つも、世界大会や国内のプロリーグのみならず、有志によるスクリム(ゲーマー主催の練習試合)も活発に行なわれている。2019年は4人1組のSQUADのみならず、2人1組のDUOや、SOLOを対象にした公式大会の開催も計画されており、今後も引き続き盛り上がるタイトルになることは間違いない。
そうしたeスポーツ大会に参加するゲーマーもしないゲーマーも、生き残りをかけてしのぎを削る「PUBG」の世界において高い性能を誇るPCは是非とも揃えたい装備だ。GALLERIA XFであればフルHDと4K環境下両方において快適な動作が期待でき、今後実装が予定されているDLSSを適用すれば4K環境でもさらに美しく快適にプレイできることが期待される。本製品は最新GPUのGeForce RTX 2070を搭載しながら20万円を切っており、人気モデルというのも頷ける話だ。
標準価格185,980 円(税別)に対して今ならさらに6,000円引きの179,980 円(税別)とコスパに磨きがかかっており、「PUBG」をこれから始めようと考えている人、スペック不足でPCの買い替えを検討している人、どちらにもお勧めできる製品と言えるだろう。
GAME Watchは「GALLERIA XF」について以下の項目を認定します
・「PUBG」がフルHD/ウルトラ画質環境で平均120fps以上で動作すること(マップ:MIRAMAR)
・「PUBG」が4K/ウルトラ環境で、平均40fps以上の動作ができる(全マップ)
・「PUBG」が4K/オススメ環境で、平均60fps以上の動作すること(全マップ)
・最新環境が整いながら20万円を切るコストパフォーマンス価格
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