GAME Watch認定ゲーミングPC「GALLERIA ZZ i9-9900K」レビュー

GALLERIA ZZ i9-9900K

全てが最上位のハイエンドマシン。リアルタイムレイトレ対応の「バトルフィールドV」でその性能を試す

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
339,980円(税別)
発売日:
2018年10月19日

 史上初のリアルタイムレイトレーシング対応のFPSとして話題を集めている「バトルフィールドV」。リアルタイムレイトレーシングとは、光源(レイ)を追跡(トレース)し、物体への照り、反射、屈折、透過などをリアルタイムでシミュレーションし、ゲームグラフィックスに反映させるレンダリングテクノロジーだ。

 現実に近い表現が可能になる一方で、光源の経路計算に膨大な処理を必要とするため、極めて高い処理能力を備えたPCが必要となる。このリアルタイムレイトレーシングに一般向けとして初めて対応したGPUがNVIDIAのGeForce RTX 20シリーズとなる。

 今回ご紹介するゲーミングPCは、現在市場で高い人気を誇り入荷後即完売が続く、インテル第9世代Core i9-9900KとNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiを搭載した「GALLERIA ZZ i9-9900K」。CPUとGPUに最強コンビを採用した、まさに「バトルフィールドV」をフルスペックで動作させるために生まれたかのようなハイエンドゲーミングPCだ。

 今回はこのモンスターマシンを、GAME Watch編集部がゲームが快適に動くことを独自に検証し、認定する「GAME Watch認定プログラム」で検証したい。

最高のCPUと最高のGPUを組み合わせたモンスターマシン

 「GALLERIA ZZ i9-9900K」に“モンスターマシン”と書いたが、見た目は至極一般的なタワータイプのゲーミングPCの外観をしている。近未来的なデザインではなく、スペックも下記の通りで本格水冷を採用していたり、ビデオカードを2基搭載していたりするということもない。極めてオーソドックスだ。

【GALLERIA ZZ i9-9900K】
外観自体は一般的なゲーミングPCだが内部にはモンスターパーツが所狭しと詰め込まれている
必要な各ポートは前面に揃えられている。PS/2キーボード/マウス端子を必要としているユーザには嬉しい仕様。またビデオカードの映像出力端子として新たにType-Cが加わった

【GALLERIA ZZ i9-9900K】
CPU:インテル Core i9-9900K
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti
チップセット:インテル Z390
メモリ:16GB DDR4(8GB×2、最大64GB)
SSD:M.2 NVMe 500GB
HDD:3TB HDD
光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ (DVD±R DL 対応)
LAN:ギガビットLANポート
OS:Windows 10 Home 64bit
そのほか:GALLERIAレーザーマウス、GALLERIA Gaming Keyboard
本体サイズ:207(幅)×520.7(奥行き)×450.2(高さ) mm
価格:339,980円(税別)
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=8358&sn=0&tb=2

 ではこのマシンをモンスターたらしめているのはなんだろうか。それは最上位CPUと最上位GPUの組み合わせだ。

 採用されているCPUはインテルのメインストリームラインで初となるCore i9型番を冠し、Core i9-9900Kと名付けられたCPUは8コア16スレッド、ベースクロック3.6GHz(ターボブースト時5GHz)と非常に豪華な仕様。わずか1年前の2017年10月は4コア4スレッドが最上位で、2017年11月に発売されたCore i7-8700Kが6コア12スレッドだったことを考えると大きな進化を遂げたと言えるだろう。

【Core i9-9900K】
わずか1年ほどで4コア8スレッドから倍増の8コア16スレッドまで増加し、マルチスレッド処理能力が大幅に強化された

 GPUはNVIDIAのコンシューマグレードでは実に2年以上ぶりに登場したハイエンドGeForce RTX 2080 Tiを採用。新たに名付けられたRTXはReal Time Raytracing(リアルタイムレイトレーシング)の略でリアルタイムによる光源追跡処理を行ないゲーム内の表現力を非常に豊かなものしている。(参考記事

 従来のビデオカードと比べ性能もしっかり向上し、従来製品では難しかった4K/60fpsをついに実現したことを謳っており、レイトレーシングのみならずパフォーマンス面でも強く打ち出している

【圧倒的なパフォーマンスを実現したGeForce RTX 20シリーズ】

【GeForce RTX 2080 Ti】
GeForce RTX 2080 Ti搭載ビデオカードはこれ単体で18万円前後と非常に高価ながら高い人気を誇る

 ちなみに両者はいずれも2018年11月現在入手が非常に難しく、店頭では出るたびに完売という非常に高い人気を見せている。

 CPUとGPUばかりに注目しがちだが、それ以外のパーツも贅沢なものを採用している。CドライブはM.2 NVMe対応SSD 500GBを採用、DドライブはHDDながら3TBと十分な容量を確保している。

【標準ストレージの性能】
Cドライブは怒涛のシーケンシャルリード3,500MB/sをオーバー、ライトも2,500MB/sを記録するなど、HDDとは次元の違う速さを見せつけている

 マウスとキーボードはゲーミンググレードのGALLERIAオリジナルデバイスが付属。マウスは解像度3,200dpi/8ボタン、キーボードは24キー同時押しに対応とエントリーとしては十分な性能を確保している。すでにゲームをバリバリやっているプレーヤーではなく、これからゲーミングPCデビューやこだわりのゲーミングデバイスを持っていないというユーザーにはありがたいだろう。

【魅力的な同梱アイテム】

 前世代のGeForce GTX 10シリーズが登場してからRTX 20シリーズが出るまで約2年半もの時間がかかったことを考えると、今のタイミングは次世代を気にせず、安心して買えるタイミングとも言える。今回のモンスターPCがどこまで最新ゲームに立ち向かうことができるのか早速テストをしていこう。

【魅力的な同梱アイテム】
「バトルフィールドV」本編(1月7日までの期間限定)
「PUBG」またはSteam1,000円分チケット
LFS池袋24時間分ペアチケット
最大48回まで分割払い手数料無料のキャンペーン

「バトルフィールドV」を最新ゲーミングPCで迎え撃つ!

 それでは早速このモンスターマシンの検証へと入っていこう。冒頭に述べたように今回のターゲットは「バトルフィールドV」だ。「バトルフィールドV」の魅力詳細はレビュー記事をご覧いただきたいが、ナンバリング最新作としてあらゆる面で大きな進化を遂げたタイトルである。

 そのキモは冒頭に述べたリアルタイムレイトレーシング機能にある。GeForce RTX 20シリーズのみが持つレイトレーシングコアによって映像表現が非常に豊かになる。具体的には、水面の反射やガラスへの映り込みなど非常にリアルになっており、実際のゲーム体験を行なうとリアルすぎて違和感がないため逆に気付きづらいというのだから驚きものだ。その分処理は非常に重たいものとなっており、これがどこまで対応できるか確認してみたい。

【Battlefield V: Official GeForce RTX Trailer】

 検証はバトルフィールドシリーズで最も有名かつプレーヤー人数が多いコンクエスト上で行なった。簡単にゲームモードを説明すると64名が2チームに分かれてMAP内に点在する拠点を奪い合う32vs32の大規模対戦だ。拠点は奪い返すことができ、占拠にかかる時間は1人だと非常に時間がかかるが、人数が増えるにつれ拠点を占拠するのにかかる時間が短くなるのでチームプレイはもとより拠点占拠中のクリアリングが非常に重要なものになってくる。コンクエストモードはチームごとにポイントを持っており、相手チームのポイントを0にすることが勝利条件だ。これは敵を倒すことと拠点を保持していくことの2つで減少させることができる。敵を倒すスタンドプレイだけでなく、チームとして勝利を目指す心がけが問われるゲームモードだ。

【コンクエスト】
32vs32の大規模対戦がウリのゲームモード「コンクエスト」。ただプレーヤーを倒すだけでなく拠点をしっかり確保し、チームとして勝利することが大事だ

 今回は検証するにあたって比較対象としてつい先日まで最上位に君臨していたゲーミングPCをサードウェーブよりお借りしている。CPUはIntel Core i7-8700K、GPUはGeForce GTX 1080 Tiと、それぞれ1世代前のハイエンドパーツを搭載したモンスターマシンだ。

 「バトルフィールドV」の推奨スペックは、Core i7-4790以上、GeForce GTX 1060 6GB以上となっているため、このマシンでも「バトルフィールドV」が十分快適に動くが、最新世代と一世代前の最上位、どういった差が出るのかぜひ注目してほしい。

 なお、リアルタイムレイトレーシングは、GeForce RTX 20シリーズの専売特許というわけではないが、現時点ではRTX 20シリーズ以外のビデオカードを使用すると「バトルフィールドV」のオプション画面でレイトレーシングをONにする項目が出てこないため、今回検証の対象は「GALLERIA ZZ i9-9900K」のみで行なったことをご了承いただきたい。

【現時点でレイトレは20シリーズのみ】
GeForce RTX 20シリーズを搭載している場合にのみDXRを有効にするかどうかの選択肢が現われる
ドライバ、クライアントバージョン情報
OSWindows 10 Home(1809)
グラフィックスドライバGeForce Game Ready Driver 416.94
「バトルフィールドV」22946

 今回テストにあたって、GAME Watch認定プログラムのレギュレーションに則り、実際のゲームに近づけるためコンクエストから平原、市街地、雪原のMAP(AERODROME、ROTTERDAM、NARVIK)を選択した。

 検証方法はOCATを用いて各MAPを5分間に渡って3回計測している。計測時は乗り物に乗らず、歩兵として拠点に向かって攻略をしていく最前線の歩兵のフレームレートだ。特定の場所を周回するなどではなく、実際のプレイを元にしていることから、フレームレートは場所、内容によって大きく変わるため、必ずしも横並びではないが、実際のプレイにおいては近い値が出るはずなので参考にはなるはずだ。

 なお、現時点では事前に公開されているリアルタイムレイトレーシングと比べて限定的となっていることが確認された。その理由はいくつか考えられるが最適化不足またはゲーム性を考慮したものだろうか。現在ベンチマークでスコアを計測しているが今後アップデートによって効果の範囲が広くなった場合、大きく変わってくる可能性があるので留意してほしい。

【リアルタイムレイトレーシング効果(上オフ、下オン)】
効果はまだ限定されているが、映り込みなどは適用されていることがわかる。MAPによって効果も違うようなので臨場感を盛り上げるひとつとしてみると良いだろう

【リアルタイムレイトレーシング映像】
暗いシーンが多いため少々わかりづらいが、リアルタイムレイトレーシングONの方が同じ反射でも細かに描画されていたり、OFFでは描画がなかった映り込みなども存在する

最新ゲームなのに驚きの快適さ! 4Kがぬるぬる動き、フルHDがeスポーツクオリティで動く

 それでは早速検証結果を見ていこう。

【AERODROME】

 まず検証第1弾はもっとも軽い傾向が見られたAERODROMEだ。MAPは飛行場が舞台となっており、中央に大きな格納庫があり、ここを中心に周囲に点在する拠点を奪い合う。見通しが良く射線もよく通るため索敵や立ち回りが肝になる。また中央の格納庫では手榴弾やロケットそして弾薬が飛び交うため、重くなりやすいポイントでいかに適切な行動ができるかどうかがマシンパワーが必要になるところだろう。

 AERODROMEにおいてGALLERIA ZZ i9-9900Kは圧倒的なパフォーマンスを発揮した。オブジェクトが少ないMAPとはいえ、フルHD環境では145fpsを超え、レイトレーシング効果を加えても安定して90fpsを超えている。4K環境下においても4Kの高画質/最高設定で80fpsで快適に動作するから驚きだ。注目のレイトレーシング+4Kの組み合わせにおいても平均69.2fpsを記録。ただ、クライアント、ドライバの最適化不足のためか、狙いをつけるシーンでは局所的に重くなるケースも見られたため、現時点ではグラフィックスオプションの調整をお勧めしたい。

 なお、比較対象のGeForce GTX 1080 TiモデルもフルHD環境では健闘し、120fpsに迫る数字を記録。ただ、4Kでは快適の指標としている60fpsを切ってしまった。GeForce GTX 10シリーズは、4K Gamingに対応したGPUとしてアピールされたが、60fpsを切ってしまうという点では「バトルフィールドV」恐るべしといった感じだ。

【ROTTERDAM】

 続いて建物が密集する市街地戦ROTTERDAMだ。ここは倒壊した建物などをはじめ、見通しが悪く、思い切ったプレイと同時に慎重なプレイも必要とされるところ。レイトレーシング効果がふんだんに発揮される場所でもあり、路上の水たまりや建物のガラスなど様々なところでその美しさを体験できる。RTX 20シリーズのパワーが最も発揮できるマップといっても過言ではない。その反面、他のマップよりもレイトレーシングの負荷が高くレイトレーシング+フルHDの組み合わせが4Kよりも高いものになった。フルHD環境で平均149.3fps出ていたのに、レイトレーシングをオンにすると72.6まで下がる。60fps以上出ているため快適と言えば快適だが、レイトレーシングは驚くほど負荷が高いことがわかる。

【NARVIK】

 建造物とひらけた場所の両方が存在するNARVIK。建造物では遭遇戦が、ひらけた場所では射線が通るのがこのMAPの特徴。爆発物が非常に多く飛び交い銃撃戦も激しいものになる。建物は窓ガラスや内部にレイトレーシングを使うところ、ひらけた場所では海や川といったものがレイトレーシングの対象となり強く実感する場所はないものの、その効果は大きい。「GALLERIA ZZ i9-9900K」はほかMAP同様に4Kで快適にプレイすることができ、フルHD+レイトレーシングで没入感も堪能できるだろう。

【起動時間比較】

 参考までにグラフィックスカード以外の分野でも比較してみた。「バトルフィールドV」の起動にかかる時間だが、CドライブのSSDはHDDと比べて10秒以上の起動時間短縮を確認した。ゲーム容量は50GB前後とグラフィックス以外もヘビー級だがCドライブは500GB確保されているため、すぐに容量に困ることはないだろう。

最新ゲームが4K/60fpsオーバーでヌルヌル動く! 驚きの性能を発揮した「GALLERIA ZZ i9-9900K」

 当初の予想では複雑な計算を必要とするリアルタイムレイトレーシングは、フルHD環境では満足できるパフォーマンスでプレイできるものの、4Kでプレイは難しいのではないかと予想していたのだが、結果として4K環境下でもこのモンスターマシンは平均60fps以上をキープできるという驚きの結果となった(マップ:AERODROME)。

 実際のプレイでも通常の索敵状態は普通のプレイと全く変わらない良好なパフォーマンスを示していた。ただ、「バトルフィールドV」のリアルタイムレイトレーシングは、パフォーマンスの最適化が不十分で、現時点では照準をつける際などにもたつきが感じられることがあるため、最適化を待つか、グラフィックスオプションの調整は必要かもしれない。このあたりは最新のグラフィックステクノロジーを採用したゲームならではのエピソードで、ドライバのアップデートに合わせて、より美しく、より快適になるはずなので安心していいだろう。

 「バトルフィールドV」は2018年を代表するヘビー級大作FPSだが、GALLERIA ZZ i9-9900Kではその魅力を余すところなく表現可能で、ベストな環境で「バトルフィールドV」を楽しめるマシンだと断言できる。「バトルフィールドV」は、今後リアルタイムレイトレーシングの効果の拡大が期待されるだけでなく、来年にはバトルロワイヤルモードの実装も予定されており、末永く楽しめるゲームとなりそうだが、「GALLERIA ZZ i9-9900K」はその最高のパートナーと言えそうだ。

GAME Watchは「GALLERIA ZZ i9-9900K」について以下の項目を認定します

・「バトルフィールドV」がフルHD/最高画質設定の環境で平均153fpsで動作すること(マップ:AERODROME)
・「バトルフィールドV」が4K/最高設定の環境において、平均80fpsで動作すること(マップ:AERODROME)
・「バトルフィールドV」がフルHD/最高画質設定で、さらにレイトレーシングをオンにした状態で平均80fpsで動作する(マップ:AERODROME)

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