先行体験

「Unknown 9: Awakening」ファーストインプレッション

憑依して敵を操作! 同士討ちや奇襲など戦略要素たっぷりな骨太アクションアドベンチャー

【Unknown 9: Awakening】

10月18日 発売予定

価格: スタンダードエディション 7,480円

デラックスエディション 8,910円
※ダウンロード専売

 バンダイナムコエンターテインメントは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用アクションアドベンチャー「Unknown 9: Awakening」を10月18日に発売する。ダウンロード専売となり、価格はスタンダードエディションが7,480円、デラックスエディションが8,910円。

 本作は、“フォールド”と呼ばれる平行次元の世界に入り、そこから特殊な力を引き出せる主人公・ハルーナが、人類史を変えようと画策する秘密結社「アセンダント」と戦う姿を描いたアクションゲームだ。プレーヤーはハルーナの超常的な特殊能力を駆使して、世界各地で暗躍するアセンダントの野望を阻止することになる。ゲーム中では多彩な超能力を活用した幅広いアクションだけではなく、物陰に身を隠して敵をやり過ごすような潜入プレイも可能。幅広い攻略方法で楽しめるアクションアドベンチャーとなっている。

 また、ハルーナを演じているのは、実写版「ウィッチャー」でメインヒロインのイェネファーを演じたことでも有名な実力派女優のアーニャ・シャロトラさん。ゲーム内で展開される実写さながらの迫力ある動きも見所の1つだ。

 そんな「Unknown 9: Awakening」について、今回は発売に先駆けてPS5版にて実機プレイする機会に恵まれたので、ゲームの序盤をファーストインプレッションとしてお届けしていきたい。

【『Unknown 9: Awakening』 - Overview Trailer -】

「フォールド」を利用した特殊能力がプレイスタイルの幅を広げる!

 今回体験できたのはゲーム序盤に当たるパートで、19世紀のインドを舞台に物語が展開していく。街の酒場でアセンダントの情報を探っていたハルーナのもとに、組織から二人の暴漢が殴り込みに来たところからゲームはスタート。物騒な男たちの脅しにも動じず、早速持ち前の特殊能力を使って、ハルーナが戦闘体制に入る。

 ゲーム中の主な攻撃方法は、R1ボタン(PS5版の場合)で操作する、殴る・蹴るといった体術だ。だが、前述した通り、ハルーナはフォールドの恩恵によって、特殊な力を扱うことができる。プレイ中はこの能力を駆使していくのがゲームの醍醐味となっている。

 そしてその能力の中でもっとも特徴的な力こそ「憑依」だろう。この力は、近くの敵に文字通り“憑依”して、その肉体を一時的に操れるアクションだ。敵に憑依すると周囲の時間が停止して、ハルーナが宿った敵キャラクターを操作することができる。プレーヤーは停止した時間の中で敵を意のままに操り、近くにいるまた別の敵に対して攻撃を仕掛けたりすることで、ハルーナが直接手を下さずとも間接的に敵を倒すことができるのだ。

本作の主人公・ハルーナ。屈強な男たちにも動じない強い意思を持っている
基本的に複数の敵がいる状況が続くので、まずは慌てずに状況をしっかり確認することが重要だ
「フォールド」を使った特殊能力の1つ「憑依」で敵を操作可能だ
「憑依」は一定時間が経過すると解けてしまう。その前にどういった行動をするか判断していこう

 憑依は戦闘中のみならず、徘徊している敵に対しても効果を発揮する。例えば草むらに隠れながら狙った敵に接近しつつ憑依し、ハルーナの位置からはやや離れたポジションに位置取る敵に攻撃を仕掛け、奇襲するといった使い方は非常に便利だ。また、銃を武器に持つ者に憑依すれば、その銃を用いて高所の敵を安全に排除できる。

 ほかにも、絵面としてはちょっぴり間の抜けたシュールなものになるが、爆発物に攻撃して自爆させ、複数の敵をまとめて倒すといったことも可能なのだ。面白いのが、同士討ちをさせていくことで敵の会話も変化していくところ。「何するんだこの裏切り者め!」みたいなセリフが飛び交ったりするので、こういった細かい部分もぜひ注目していただきたい。

 憑依は万能で非常に優秀な能力だが、闇雲に使えば辺りは警戒体制に入ってしまうので、使用するタイミングは考えなくてはいけない。また、憑依するのにもトークンと呼ばれるリソースを消費するため、制限なく頼り切れるという代物でもないのがミソ。切り札として、戦闘時でも潜入時でもここぞという場面でこの憑依を上手く使っていくことで、幅広い攻略が能動的に楽しめるというわけだ。

憑依した敵が銃を持っていればそれを使うことも可能だ
こちらは槍を持っている敵に憑依。突撃させて同士討ちを狙うのもいいし、近くに爆発物があればそこ目掛けて攻撃させることでドカン。周囲の敵も巻き込めれば一気に殲滅できる

 憑依を用いた攻略方法は確かに本作における象徴的な要素であり、ゲームプレイ的にも中核を担う存在なのは間違いない。だが、ハルーナが扱える能力は憑依に留まらないのだ。建物やオブジェクトの裏にいる敵を察知する「念視」、短い時間姿が透明になる「隠れ身」、銃弾を防ぐ「シールド」、敵を引き寄せたり逆に突き飛ばせる「引き寄せ」&「押しのけ」など、実に能力者らしい多彩なアクションが揃う。

 また、ゲーム中は収集物を拾い集めてアビリティポイントを獲得し、ハルーナの能力を強化していける。まだうら若く、人間的にも成長の伸び代が大きいハルーナと、ゲームの成長要素によってプレイスタイルが多様化していくアクションアドベンチャージャンルの噛み合わせは良く、世界観としても自然。言わばシネマティックな体験と、没入感の高いアクションアドベンチャーにおいて、唐突な“ゲームらしさ”が差し込まれ、プレーヤーの没入感を損なう心配はなさそうに思える。

「念視」で建物内など通常では見えない所にいる敵の位置を把握できる
「隠れ身」は一定時間姿を消し、敵の視界から消えることができる
「シールド」は文字通り盾を作り出し、敵からの攻撃を防ぐことができる。銃など遠距離から狙ってくる敵に近づく際などに役立つ
マップ内には収集物が隠されており、「念視」を使うことで発見できる
収集物を獲得していくことでアビリティポイントが増え、それを消費するとハルーナが持つフォールドの能力を拡張できる

 順調にインドの街中を進んでいき、道中の敵を着実に退けていく。筆者は昔からステルスアクションの類が苦手で、どうしてもハルーナの戦い方が武闘派と言わんばかりの好戦的なプレイスタイルになってしまったのだが、ここまでで紹介した能力のおかげもあり、複数人に囲まれても突破はしやすかった。

 また、フィールド内に置かれたオブジェクトを上手く利用すれば、複数の敵を一網打尽にできて気持ちが良い。離れた場所のガスボンベを能力で起爆させたり、作業用足場を崩壊させ落下物で敵を倒したりなど、熟練したプレーヤーが演出さえすれば、映画のワンシーンのような魅せ方もできそうである。

 今回体験できたのは序盤ということもあり難易度は高くないものの、最初からやれることは結構多く、若干操作方法に戸惑ったというのが正直な感想。また、戦闘だけでなく、高低差があり、複雑に入り組んだマップを進んでいくのも操作を覚えたてだとやや苦労した部分だ。

 とはいえ、各アクションは実際にゲームを進めていく短い時間の中で、十分使い分けできるまで操作が上達していたと感じている。アクションゲームとして見ると、手に馴染む感触は比較的早く得られるゲームと言えるだろう。操作が多いというのはそれだけ色んな動きができるということなので、慣れてしまえば思いのままキャラクターを操れるというのは、本作の大きな魅力でもあるのだ。

本作はとにかく自分好みのプレイスタイルで自由に進められるのが魅力の1つ。体術でゴリゴリ敵を倒していくのも1つの手だ
ふと高所からインドの町並みを見てみる。19世紀の世界が舞台のフィールドはしっかり作り込まれていて没入感が高い

視界が悪くトラップと敵だらけのジャングルを抜けていざボスバトル

 インドの街を抜けて、港でルーサーと名乗る男と出会ったハルーナは、二人でジャングルが広がる島へと上陸する。ここでもアセンダントの連中が巡回している。このステージは夜のジャングルといったシチュエーションであり、薄暗い上に木々や草むらが死角ポイントになりやすい。念視を使って敵の位置関係を把握しながら、奥へと進む必要がある。

 また、このステージからは道中にトラップが仕掛けられていた。一定間隔で発光する装置の光を浴びてしまうと、ハルーナの居場所が探知されてしまう。こちらに気がついた近くの敵がわらわらと群がり総攻撃を仕掛けてくるのだ。幸いにもステージのロケーションがジャングルという事情が相まって、周囲には草むらなど隠れられる場所が多い。ステルスプレイが苦手な筆者でも、敵を各個撃破しながら進むことができた。

港で出会った男・ルーサー
夜のジャングルは身を隠しやすい反面、視界も悪い
発光するトラップに引っかかってしまうと即座に敵に見つかってしまうので要注意だ

 ジャングルを道なりに進むと、島に上陸するなりすぐに別れてしまったルーサーとも合流。以降はしばらくルーサーと共闘しながら、アセンダントを無力化していくことになった。それに伴い敵の数が次第に増えていく中、ステルスプレイで大いに活躍した能力が「波紋」だ。

 波紋はフォールドの力を凝縮したエネルギーの物体のようなものを投擲することで、その周囲に波紋を巻き起こす。近くの敵はその波紋に導かれるよう警戒しながらゆっくり着弾地点に近づいていくため、敵を任意の場所にまで誘導できる陽動としての役割を持っている。これを活用すれば特定の場所に敵を集めてからトラップなどで倒したり、背後からテイクダウンが狙える場所まで敵を誘導し、こっそり倒していくなど、ステルスプレイの自由度が広がるワケだ。

 さらに奥へと進むと、道中でハルーナの憑依能力が強化され、最大二人の敵に対して連続での憑依が可能となった。これまで奇襲の布石として使っていた憑依が連続して行なえると、多人数での戦闘がさらに有利なものになるのを実感。一度で多くの敵を倒し切ることが容易になるので、プレイの中でも自然と戦略的な意識が芽生えていく。一人目で高所の敵を倒したら、二人目は自爆で残敵ごと倒す、と言った具合に、今まで段階的に分けて行なっていた行動が一回で済むので、ゲームのテンポが一気に増していくのを感じた。

場所によってはステルスプレイがモノを言う。緊張感ある体験がまた面白い
「波紋」を使うことで敵を陽動できる
敵が集まってきたところで憑依。強化された憑依で複数の敵を操ることができる

 ステージの最奥ではルーサーと共に飛行船を奪取するため、飛行船を地上と繋ぐ留め具を外していくことになる。ここでは試遊時間の関係でステルスプレイを抜きにして、思い切り暴れることにした。道中で強化されていった憑依の力を用いて、迫り来る敵を次々と効果的に倒していく。やがて全ての留め具を外すことに成功し、飛行船の元へ向かうとイベントシーンが挟まれた。そこで待ち受けていたのはアセンダントの幹部とのボスバトルだった。

 ボス敵のミラ・サヴィチは、どうやらハルーナと浅からぬ因縁を持つ人物の右腕といった存在のようだ。彼女は体術に加えて拳銃を使った攻撃、さらには小型の地雷を辺り一帯にばら撒き、こちらが自由に行動できる範囲を抑制してくる。また、ボスは連続で攻撃を当てていくと、後方に距離を取って射撃してくるので、対象を引き寄せる能力「引き寄せ」が役立つ。ところどころでピンチになるも、その後も地道に攻撃を当て続け、なんとか無事にボス敵を突破することができた。

 ボス戦ではボスの体力バー上部に表示されたゲージを最大まで蓄積させると、強力な「バーストアタック」が使用できる。ハルーナの基本的な体術アクションのみでは、ボスの体力を削り切るのはかなり大変だが、バーストアタックを狙えば大ダメージが期待できる。このゲージを溜めていくのがボス戦攻略の基本的なポイントになりそうだ。

敵の飛行船を奪取するべく乗り込んでいく
ここでボス戦に突入。ボスは体力ゲージが大きく表示されるなど通常とは異なる演出が入る
かなりギリギリだったが、体験可能な範囲は何とかクリア。途中苦戦し、能力やステルスプレイに頼らず素手で突入するといった強硬手段に出た場面もあったが、それはそれで1つのプレイスタイルとして許されるのが本作の魅力の1つと言えるだろう

 約1時間半の試遊プレイだけでも「Unknown 9: Awakening」が持つ作品の雰囲気はしっかり楽しむことができたと思う。また、フォールドの能力で活路を開く遊びの中でも、とりわけ“憑依”のシステムはユニークだ。敵を操って連鎖的な反応を戦場に巻き起こす、この混沌とした感じは今までに体験し得ない遊びと言える。それはどこかパズルゲームのような手触りでもあるのだが、本作はあくまでアクションゲームであり、その主軸からはブレていない。ステージの環境次第ではあるが、憑依は攻略方法の選択肢に過ぎないという塩梅加減が丁度いい。

 筆者のように体術を中心にゴリゴリと敵を倒しまくっても良いし、極力無駄な戦闘を避けたステルスプレイもアリ。この二つの遊び方にプラスアルファでもう一つ、“憑依によって敵を一気に無力化する”という択が登場した感覚が、本作ならではとするところだろう。

 ゲームの全体的な流れとしては、19世紀のインドを筆頭に、ポルトガルやモーリタニア(アフリカの国)といった国々を巡ることになるようだ。インドの街並みだけでもかなり壮観な光景が広がっていたので、世界のロケーションを転々としていくハルーナの旅路に期待が持てる。

 発売は10月18日。ぜひ、秘密結社とハルーナの因縁に潜むドラマを自身で体験してみていただきたい。

【「Unknown 9: Awakening」のダウンロードページ】

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