先行体験
「ディアブロ IV」拡張パック「憎悪の器」インプレッション
新クラスや数々の新要素追加で超進化! さらに広がる飽くなきハクスラの世界
2024年10月5日 01:00
- 【「ディアブロ IV」拡張パック「憎悪の器」】
- 10月8日 発売予定
- 価格: スタンダードエディション 5,360円
- デラックスエディション 8,040円
- アルティメットエディション 12,060円
「Diablo IV(ディアブロ IV)」の体験を大きく変える最新拡張パック「憎悪の器」がついに登場する。発売は10月8日予定で、価格はスタンダードエディションが5,360円など。
この拡張パックは「Diablo IV」本編の直後のストーリーを描き、プレーヤーは新しい地域「ナハントゥ」のジャングルを舞台に冒険を繰り広げることになるのだ。
最大の注目点は、シリーズ初となる新クラス「スピリットボーン」の追加だ。このクラスは4種類の守護精霊を操り、それぞれ特徴的なスキルセットを持っている。プレーヤーはこれらの守護精霊を組み合わせることで、多彩なビルドを構築できるようになる。
さらに、「傭兵」システムや「ルーンワード」システムなど、新たな要素も多数導入され、これらの追加要素により、「Diablo IV」はローンチ時とは比べものにならないほど進化し、新規プレーヤーにも既存のファンにも新鮮な体験を提供するのだ。
今回はリリースに先駆けて本拡張パックの一部内容を一足早く触れることができたので、本稿でお届けしていきたい。
「憎悪の器」では本編の続きがを楽しめる! 新たな地域「ナハントゥ」での物語が幕を開ける
「憎悪の器」では、「Diablo IV」の本編の直後のストーリーが展開される。本編をクリアしていない方もいると思うので詳細は省かせていただくが、エンディングで印象的だったシーンの続きが「憎悪の器」のイントロで描かれており、新しい地域となる「ナハントゥ」がそこでお披露目される形となっている。
ナハントゥは「Diablo IV」にこれまで登場したどのロケーションとも雰囲気が違う。ジャングルをモチーフにしているため、木々や草が生えており、太陽光が入りにくい部分があるのか、暗い雰囲気の場所もあれば少し明るめのところもある。そういった違いはあれど、基本的には我々が想像する、野性味溢れる木々が生えているジャングルをベースにしていると考えていただければと思う。
ナハントゥについてはトレーラーなどでもその雰囲気を確認することができるので、気になる方はそちらもぜひチェックしてほしいが、本編をクリアした方はぜひ「憎悪の器」をプレイして、ストーリーの続きを体験していただきたい。実際にプレイすると、随所に「Diablo」らしい不気味さや緊張感はあるものの、広大な自然の美しさなど作り込まれたグラフィックスを感じられるはずだ。
「Diablo」シリーズ初の完全新クラス「スピリットボーン」登場!
今回の拡張パックの目玉の1つと言えるのが、新たに追加されるクラス「スピリットボーン」だ。「スピリットボーン」は「Diablo」シリーズ初登場となる完全新クラスで、長柄武器使った格闘術をメインに戦っていく。大きな特徴としては守護精霊を召喚することで、様々な戦闘スタイルを切り替えられるという点にある。
守護精霊の種類は大きく「ゴリラ」、「ジャガー」、「イーグル」、「センティピード」という4つの種類に分かれており、これらの召喚中はプレーヤーに様々なステータス上昇効果などの恩恵が与えられる。
守護精霊は種類毎にスキルの方向性が大きく異なるのだが、これらのスキルは組み合わせることも可能。運用方法としては、メインとなる守護精霊を選びつつ、その守護精霊のスキルをサポートするような形でほかのスキルポイントを割り振っていく形が理想と言えそうだ。これはほかのクラス同様に、例えばソーサラーで炎属性魔法をメインに使用しつつ、サブスキルとして氷や雷も使えるようにしていく、といったことが「スピリットボーン」でも可能となるわけだ。
それでは順番にそれぞれの精霊について簡単に見ていこう。「ゴリラ」は守備性能が高く、被ダメージを減少させるのが得意だ。ゴリラのスキルの多くを使うと「決意」というバフが溜まっていき、このバフが溜まっているとより守備性能が上がる。この決意をできるだけ溜めるのが戦い方のポイントだが、パッシブ効果でこのバフを溜めるスキルもあり、上手く回るメカニクスが組んである。
「ジャガー」はアグレッシブな火炎攻撃が特徴の守護精霊だ。どの守護精霊も攻撃性は高いが、この4種類の中でも最もその性能が飛び抜けている守護精霊となる。「ジャガー」のスキルを使っていると、「猛威」というバフが溜まっていく。このバフが溜まっていると、攻撃速度が増加したり、スキルのクールタイムが短くなる効果がつくスキルがある。そのため、さらにガンガン攻撃していくことができる。特に攻撃という行為の爽快感を求めるプレーヤーにはオススメの守護精霊だ。
「イーグル」は電撃系のスキルを使ってダメージを与えていくことができる。この守護精霊は羽を投げて遠隔の敵を攻撃する特徴を持っている。近接攻撃がメインの他の守護精霊とはその点が大きく異なる。また、移動速度を上昇させたり、回避率を上昇させる仕組みがある。移動速度上昇は汎用的に使える効果だし、他の守護精霊と組み合わせるのは相性が良さそうだと感じた。もちろん、「イーグル」をメインに「ジャガー」の攻撃を強化するようなスキルを組み合わせるのも火力を上げられる可能性も感じられた。
最後に「センティピード」だ。この守護精霊は毒ダメージを与えたり、敵に操作障害のデバフを与えるのが特徴だ。毒の継続ダメージなどを使って戦っていくため、ほかの守護精霊に比べると少しトリッキーかもしれない。だが、決して火力が低いというわけではなく、ダメージを与える手段が異なる、という印象だ。こちらも操作障害のデバフを与えるところは他の守護精霊とも相性が良さそうだと感じた。
これらのスキルを見てきて感じたのが、それぞれの守護精霊の組み合わせの妙だ。どの守護精霊もキャラがたっており、ダメージを与える仕組みや、与ダメージを増やしていくメカニクスは異なる。「ジャガー」のようにアグレッシブさを増す守護精霊もいれば、「ゴリラ」のように防御的な守護精霊もいる。どの守護精霊をメインにし、どの守護精霊でサポートするか。その組み合わせを考えるのがスピリットボーンのビルドを作る際の鍵になりそうだ。
ちなみに筆者は「ゴリラ」をメインに、一部「イーグル」のスキルを組み合わせるというビルドをメインに使っていた。メインのメカニクスは「ゴリラ」の防御スキルを組み合わせて耐久力を上げるというもの。攻撃手段も「ゴリラ」のものを使い、地面を叩きつけて衝撃波を周囲に起こすのが主なダメージソースだ。
欠点は移動面で、広範囲に攻撃ができるわけでもなく、遠距離攻撃ができるスキルもないのが「ゴリラ」の弱み。これをカバーするために、「イーグル」のスキルで周囲の敵を一箇所に集めるというスキルを使っていたのだ。
この組み合わせはかなり快適で、周囲の敵を一箇所に集めて衝撃波で敵を吹き飛ばすという組み合わせで戦っていた。もちろんクールタイムの関係もあり、常にこのスキルの組み合わせができるわけではないが、爽快感もありかなり快適性が増した。
また、冒頭にも述べたとおり「ゴリラ」のその打たれ強さもあり、ラフなプレイでもダウンせずにプレイできる印象だ。スピード感がネックだが、安定してプレイできるビルドだと感じた。一方で火力が増す「ジャガー」を使えばサクサク敵を倒すこともできたのかもしれない。この辺りは研究の余地があるところだ。
さらにビルドの幅を拡げるのが、「精霊の広間」というシステムだ。これは他のクラスにもあるように、レベル15で解放されるスピリットボーンの固有能力。守護精霊の中から1体を選択し、「精霊の広間」にセットすることで、その守護精霊特有の恩恵を得ることができるのだ。この効果には「特定のスキルを使うことで一定時間武器のダメージが上昇する」といったものなどがあり、通常のスキルと組み合わせることでよりスピリットボーンの能力を引き出してくれる。
なお、レベル15の段階では1体の守護精霊しか選択できないが、レベル30に到達することで2体目を選択できるようになる。その効果は1体目で選択した時と2体目として選択した場合で異なり、両方同じ守護精霊を選択することも可能。どういった組み合わせにするかは悩みどころだが、いつでも気軽に変更できるので、アレコレ試しながら自分が目指すビルドに適したものを選んでいこう。
待望の「傭兵」システムで頼れる相棒が登場!
新クラスのほか、今回はほかにも多くのシステムが追加されている。その1つが「傭兵」システムだ。これは、プレーヤーキャラクターに加えて、一緒に戦闘をサポートしてくれるNPCを連れ歩けるというシステムだ。これまでの「Diablo IV」は基本的にソロで敵と戦ってきた(シーズン3では臣下という機械構造体はいたが)。それでも充分だったが、傭兵が増えることにより、単純に火力が増す。これはありがたいシステムだ。
傭兵といえば過去の「Diablo」シリーズにも登場したシステム。「Diablo II」では「オーラ」というバフを発動させてプレーヤーのサポートをさせるのがメインの戦い方で、装備を持たせたりと一応成長要素もあったが、ライフなどのパラメーターが上昇するだけで、プレーヤーの戦い方に大きな変化が出るようなものではなかった。
しかし、前作「Diablo III」ではこの「傭兵」システムが大幅進化。ストーリー途中に登場する3名のNPCの内1人を選んで同行させることができるのだが、それぞれ特徴的な役割がしっかり分けられており、プレーヤーキャラほどではないが、使用できるスキルは複数の中から選択できるなど、ちょっとしたビルドを組めるようになった。敵への攻撃はもちろん、バフや回復などサポートもこなしてくれるため、特にゲーム序盤は助けられる場面も多く、ゲーム中のプレイ体験に大きく影響するほど傭兵は重要な存在だった。
今作「Diablo IV」の「傭兵」システムはというと、相棒としてより共に行動することに大きなウェイトを置いているように感じた。今作でも傭兵は成長していくのだが、それは経験値を取得するといったものではなく、傭兵を連れた状態で強い敵と戦ったり、なんらかのアクティビティをクリアすると得られる「信頼」によって強さが増していく。単純に敵を倒すだけでなく、共に過ごした時間が成長につながっていくのだ。
傭兵の強さはそうやって得た「信頼ランク」に比例する。「信頼ランク」を上げていくと、傭兵のスキルポイントが獲得でき、このスキルポイントを傭兵のスキルツリーに割り振っていくことで、傭兵がスキルを使えるようになっていくのだ。傭兵のスキルツリーはいくつかに分岐しており、どのスキルツリーにポイントを割り振るかで傭兵の戦い方をカスタマイズ可能。つまり、好みのスタイルの傭兵を育成できるのだ。前作「Diablo III」でもスキルの選択はできたが、今作はその選択肢が大幅に増加。より自分のプレイスタイルに沿ったビルドの構築が可能となったのは注目ポイントだろう。
過去シリーズにも登場した「ルーンワード」が新たに追加! さらに広がるビルドの可能性
また、「ルーンワード」というシステムも新たに追加された。「ルーンワード」は、シリーズ過去作では特定のルーンが付いた装備を組み合わせることで、ユニークな効果を発動できるというものだった。組み合わせるルーンの数もバラバラで、3つのルーンから成り立つルーンワードを発動させようと思うと、3つのソケットがある装備を使わなければなかった。つまり、2つのソケットの装備では発動できないのはもちろん、4つソケットがある装備でもダメで、かなりの制限があった。
だが、今作の「ルーンワード」システムはかなりシンプルになっている。「儀式のルーン」という、いわゆるトリガー的なルーンと、「招来のルーン」という効果を発動させるルーンの2つの組み合わせでルーンワードを発動させていく。ただ、組み合わせでいうと「儀式のルーン」の数と「招来のルーン」を掛けた数になるので組み合わせは膨大になりそうだ。
ルーンの組み合わせについては、序盤でも手に入るレアリティの低い「儀式のルーン」ヤックスと「招来のルーン」タルを例に挙げてみよう。ヤックスは「ライフポーションを飲む」ということを条件に、「招来のルーン」を発動させるリソース「供物」を100獲得できる。一方、タルは供物を100消費することで、「スピリットボーン」のスキル効果「悪疫の虫の群れ」を引き起こすことができる。つまり、この2つを組み合わせることで、ライフポーションを飲む度に「悪疫の虫の群れ」を自動的に放つことができるようになるというわけだ。
「儀式のルーン」の条件は様々で、今回体験できた範囲ではその全てを確認できたわけではないが、この条件が難しいものほど強力なもの効果を発揮させることができそうだ。なお、ルーンの効果には他のクラスのスキルを発動できるものなどもあるため、これまで以上に自由で強力なビルド構築が楽しめる要素だと感じた。
なお、「ルーン」にも通常の装備同様に「マジック」、「レア」、「レジェンダリー」といったレアリティが存在する。当然、高いレアリティの「ルーン」ほど強力な効果を持っているので、よりレアリティが高く、自分好みの効果を持ったルーンを探したいところ。これはビルドの幅を拡げるのはもちろん、「ディアブロ」の醍醐味でもあるアイテム探しの奥深さが増すことを示していて、これまで以上のやり込みが期待できそうだ。
拡張パック「憎悪の器」を購入すると、今回紹介した要素に加え、新しいダンジョン、新しいサイドクエスト、新たな系統のモンスター、ナハントゥの名声というシステム、新たな戦利品などが多数追加される。
ほかにも「トーメントI」という難易度から挑める「暗黒の城塞」や、「クラスト地下都市」というレベリングや装備探しに向いたダンジョン的なコンテンツも登場。細かいところで言えば各装備のアップデート、各クラスのスキル追加、新レジェンダリー&ユニークアイテムなど、今回の先行プレイだけでは紹介しきれないほどにとにかく追加要素が盛り沢山となっているのだ。
なお、拡張パックの発売に伴い実施される大型アップデートでは、基本的なシステム面にも様々な変更が行なわれている。その1つが難易度の調整だ。これまでのワールドティアシステムは廃止され、「ノーマル」から「トーメントIV」の難易度を選択するシステムに変更。これは前作「Diablo III」の難易度システムとかなり似たものとなっていて、「トーメントI」からがエンドコンテンツの入り口といったところだろうか。
また、これまでと大きく変更になったもう1つの点として挙げられるのが、キャラクターの最大レベルが100から60に調整されたこと。その分、最大レベル以降の強化要素である「パラゴンボード」が大幅に増加されるなど、こちらも「Diablo III」で好評だったシステムに寄せた改善となっているのも印象的だ。
基本的なシステム面のアップデートについては拡張パックを購入せずとも体験可能となっているので、これを機に新たに始めようよう思っている新規プレーヤーや復帰勢は、一度ゲームに最新アップデートを適用させてから本編のストーリーなどをプレイしてみるといいだろう。飛躍的に進化した「ディアブロ」体験を楽しめるはずだ。
最新アップデートや最新シーズンについては公式ブログより詳細が確認できるので、ぜひこちらもチェックしていただきたい。
「Diablo IV」はこれまでのアップデートでもすでにローンチから比べると別のゲームのような変化を遂げているのは先日の記事でお届けした通りだ。だが、「憎悪の器」の登場により、さらに大きな変化を遂げることになる。
「Diablo IV」拡張パック「憎悪の器」はいよいよ10月8日発売。筆者もこれまで以上にパワーアップした地獄の軍勢との戦いを楽しみたいと思う。
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