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「PUBG MOBILE」日本最高峰のチームが決定!"金のフライパン"は、Rejection Gaming Wistariaの手に
2019年11月5日 15:36
- 11月3日 開催
東京・六本木のベルサール六本木グランドコンファレンスセンターを会場に、Android/iOS用バトルロイヤルシューティングゲーム「PUBG MOBILE」のeスポーツ大会「PUBG MOBILE JAPAN CHAMPIONSHIP(以下、PMJC) SEASON2 Final」が11月3日に開催された。
「PMJC SEASON2 Final」は一般から広く募集した4人1組のSQUAD、64チームによってリーグ形式で争われてきた大会の決勝戦。9月にグループステージ、10月にセミファイナルと試合が重ねられ、生き残った上位16チームが出場。この日行なわれた5ゲームの結果によって、その頂点が決定するという、まさに大一番の試合だ。
今大会のルールは、4人1組のチームが16、つまり64人で争われるゲームを5回実施し、各チームの順位ポイントとキル数によってスコアを算出することで順位を決定するというもの。賞金総額は200万円で、優勝チームに100万円、準優勝チームには50万円、加えて5ゲームを通じて最もキル数を稼いだチームにはモストキル賞として25万円、さらに各ゲームの1位にはドン勝賞として5万円が授与される。
賞金のほかにも、1位には1万枚、2位には5千枚、3位に3千枚、4~8位には500枚と、ゲーム中で使える「ドン勝メダル」が賞品となっていた。ゲーム内アイテムの購入などに使えるこのメダルがもらえるのは、プレーヤーとしてかなりうれしい報酬と言えるだろう。
また、この大会は「PUBG MOBILE」の国際大会「PUBG Mobile Club Open Fall Split Global Finals」へ出場する日本代表を決める公式大会でもある。優勝すれば決勝戦へ、準優勝ならその予選への出場権がもらえるのだ。
賞金と国際大会への出場権を賭けた大会でありながら、一般参加も可能であり、プロとノンプロが入り乱れて上位を目指すのが、この大会のおもしろいところ。プロでなくとも勝ち進めば大きなリターンがあり、しかもモバイル端末で参加ができるこのような大会は、eスポーツ途上国である日本において、その振興にかなり大きな役割を果たすのではないだろうか。
会場は立ち見も出るほどの大盛況!
現地に着いてみて知ったのだが、何せ64人ものプレーヤーが一堂に会して戦うだけあって、一般的なeスポーツ大会とはかなり異なる会場構成だった。大きなスクリーンと実況解説席、それと観覧席を備えた観覧会場と、プレーヤーたちがゲームをプレイするスペースは隣り合わせの別室。選手たちが奮闘する姿は中継されたスクリーンで観戦するような形になっていた。
5つもの試合を1日でこなすため、事前に発表されてタイムスケジュールでも、15時開始で終了は20時前後という長丁場。にも関わらず、会場には多くの観客が詰めかけ、用意された座席はすべて埋まり、さらに多くの立ち見が出るほどの盛況だった。
モバイル端末用のゲームということもあってか、会場に詰めかけた観客のうち、約3割ほどが女性。最近のeスポーツイベントらしく、小さなお子さんを連れて家族で観戦されている方も何人か見かけられた。年齢層はざっと見たところ20~30歳が中心となっていたようだ。話を伺ってみたところ、なんと最年少は6カ月の乳児(!)だった。
ユニークと感じたのは、会場内には来場者が自由に書き込み、応援メッセージを掲げるための厚紙で作られたパネルも用意されていた点。この大会はネットでリアルタイムに配信もされていて、そのカメラに向けて応援メッセージを掲げるわけだ。多くの人が選手やチームの名前などを書き込んでいたほか、なかには自作のウチワを用意していた熱心な観客も。ゲームそのものを楽しむのはもちろん、多くの人が出場チーム、あるいは出場選手の応援のために来ている人が多いことがうかがえた。
熱戦を制したのは、ALL REJECTION GAMING WISTARIA。DETONATOR
大会の実況はシンイチロォ氏、解説はRintoXD氏がそれぞれ務め、さらにゲストとしてインパルスの板倉俊之氏、インタビュアーとしてNigongo氏が出演。ゲーム中は3人のトーク、ゲーム終了後にNigongo氏による選手インタビューが挟まる形で大会は進行していった。
いざゲームが展開してみて目立ったのは、やはりプロチームの連携の良さ。「PUBG MOBILE」では物資を集めるために序盤は分散したほうが有利な場合があるし、敵との戦闘で4人が離散してしまうこともある。そういったときに、やはりプロチームは全般的に練度が高く、スムースに体勢を立て直せる傾向があった。個々の戦闘においてもそう。基本的に数的不利を作らないように戦闘をこなし、誰かのサポートに入る位置取りなどに慣れを感じた。
もっとも、それはごくごくわずかな差でもあった。さすがに64チームから勝ち残ってきた16チームだけあって、どのチームのプレイも非常にレベルが高く、緊迫したゲームが展開した。「PUBG MOBILE」の場合、正面の大スクリーンや何カ所かに配置されたディスプレイを見ても、選手名やチーム名をすぐに見分けることは不可能に近い。そのため、戦況の把握には解説席に座った3人のトークが不可欠だ。マップ内の重要な地点の解説にはじまり、個々の戦闘における各プレーヤーの位置取りや武器の選択など、的確な実況と解説が行なわれていった。もちろん観客もよくゲームの内容を理解していたこともあるのだろう。1対3の不利な状況を跳ね返すなどのすごいプレイが生まれたときには大きな歓声が上がっていた。
1ゲーム目でドン勝を決めたのは「DETONATOR」。さすが古豪のプロチーム、と思いきや、2ゲーム目ではなんと16位。続く3ゲーム目ではまたもやDETONATORがドン勝、と、波乱の展開。今大会での順位ポイントは1位から20、14、10、8、7、6と減っていき、これにキル数が加算されたスコアがそのゲームでの順位を決める。そのため、脱落が早かったチームでもキル数が高いと上位へ食い込んだりする。しかも運の要素も多分にあるため、なかなか優勝の行方は見えてこない。
最終的に優勝を決めたのは、DETONATORが落とした2ゲーム目で首位を取った「ALL REJECTION GAMING WISTARIA」で、「DETONATOR」は2位となった。トータルポイントは首位の101に対し、2位が83、3位に入った「SCHWARZERLAND」も76ポイントを獲得と、意外なほどの僅差に終わるハイレベルな大会となった。
優勝した「ALL REJECTION GAMING WISTARIA」は現在のチーム体勢になってから2カ月しか経っていないとのことだが、とてもそうは思えないほどチームとしての完成度は高く、5ゲームにおいて確実にスコアを稼ぎ、優勝に輝いた。「DETONATOR」ともども、11月にマレーシアのクアラルンプールで開催されるという国際大会でぜひ好成績を修めることを期待したい。
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