ニュース

DetonatioN Gaming、「PUBG MOBILE」と「モンスト」部門の設立を発表

Wi-Fi6対応ゲーミングルーターでモバイルeスポーツがさらに加速

10月17日開催

 中国のペリフェラルメーカーTP-Linkの日本法人ティーピーリンクジャパンは10月17日、都内ホテルで記者発表会を開催し、Wi-Fi6(IEEE802.11ax)に対応したゲーミングルーター「Archer AX11000」など、複数のルータープロダクトを発表した。

 今回発表されたのは、同社史上最速のゲーミングルーター「Archer AX11000」、インテル製のチップセットを採用したWi-Fi6ルーター「Archer AX50」、デスクトップPCにもWi-Fi6の恩恵をもたらすWi-Fi6対応PCIeアダプター「Archer TX3000E」の3製品。いずれも最新のワイヤレス規格であるWi-Fi6(IEEE802.11ax)に対応し、後発としてライバルメーカーの同グレードのプロダクトより、機能性、価格の両面で、最良の選択肢であることをアピール。

【発表された新モデル】
ゲーミングルーター「Archer AX11000」
Wi-Fi6ルーター「Archer AX50」(左)、Wi-Fi6対応PCIeアダプター「Archer TX3000E」(右)

 ゲーマーとしてとりわけ注目となるのはゲーミングルーター「Archer AX11000」だ。Wi-Fi6&トライバンド接続により、理論上、10Gbpsを上回る10,756MbpsでのWi-Fi通信を実現する。もちろん、接続先のPCやスマートデバイスもWi-Fi6に対応している必要があり、そもそもそれだけの高速回線を引く必要があるが、環境を整えることで超高速な無線環境を実現することができる。

 また、Wi-Fi6は高速な無線通信が可能になるだけでなく、多台数同時接続や低遅延も特徴となっている。それを最も求めている分野はゲームであり、eスポーツの分野だ。今回、Wi-Fi6対応ルーターのハイエンドモデルがゲーミング仕様になったのは、時代が求める必然と言える。

【ゲーミングルーター「Archer AX11000」】
ゲーミングルーター「Archer AX11000」
トライバンドで最大10,756MbpsでのWi-Fi通信
3つの帯域をすべて使用するトライバンドWi-Fi
有線も高速
SOCは1.8GhzクアッドコアCPUと1GBのRAMを搭載
最新のUSBデバイスをホームネットワークに接続するためTypeCポートも用意
ゲーム機能その1:ゲームアクセラレーター
ゲーム機能その2:ゲーム統計
ゲーム機能その3:ゲームプロテクター
ゲーム機能その4:ゲーム専用帯域
アンテナ取り付けにも工夫があるという
「Archer AX11000」の特徴
気になる価格は45,800円(税別)
競合にも機能と価格の両面でアドバンテージがあるとしている

 発表会にはティーピーリンクジャパンがスポンサードしているプロゲーミングチームDetonatioN Gamingより、CEOの梅崎伸幸氏、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」部門ストリーマーのSUMOMOXqX選手、同じく「PUBG」部門DetonatioN Gaming White所属のMelofovia選手の3人が参加し、ゲームプレイ時におけるWi-Fi6対応ゲーミングルーターのインパクトを語った。

【DetonatioN Gaming】
DetonatioN Gaming CEOの梅崎伸幸氏
「PUBG」部門ストリーマーのSUMOMOXqX選手
「PUBG」部門DetonatioN Gaming White所属のMelofovia選手

 「PUBG」ファンならご存じの通り、「PUBG」部門のこの2人は、いずれもPC版「PUBG」の選手だ。今回は検証として、DetonatioN Gamingのゲーミングハウスを舞台に、今回発表された「Archer AX11000」を親機に、子機としてWi-Fi6対応(IEEE802.11ax)の「TX3000E」と、Wi-Fi6非対応(IEEE802.11ac)の両方を接続し、PC版「PUBG」でのPing値の違いを検証。先述したように、親機だけWi-Fi6対応では、Wi-Fi6の恩恵は得られない。親機/子機共にWi-Fi6環境にすることでどの程度Pingが改善されるかがポイントとなる。

 検証結果は、Wi-Fi6非対応環境で47ms前後、Wi-Fi6対応環境で38ms前後という結果だった。有線ではいくつ出ているのかという肝心の数字がわからないため、有線との比較はできないが、快適にプレイできる目安とされる30ms台という驚くべき結果が出ており、Wi-Fi6対応のゲーミングルーター「Archer AX11000」によって、有線とあまり変わらないPing値でゲームが楽しめることがわかる。ちなみに編集部の専用線で「PUBG」を起動したところ、38ms前後という結果だった。有線と無線の差は、我々が想像している以上に縮まっているようだ。

【「Archer AX11000」を使った検証】

【専用線でのPing(参考)】

 SUMOMOXqX選手はこの結果を受けて「Pingの値は、最大で10ほど変わる。10msの差は本当に重要で、秒数にすればわずか0.01秒に過ぎないが、こんなに変わるんだと思った。安定性も素晴らしく、日頃は有線環境でプレイしているが、有線と同じぐらい安定していて、普段と同じように遊べる」と最大限に評価。

 「PUBG」のプロリーグPJSに出場しているMelofo選手は、「Ping10の差は体感できる。キャラ操作のレスポンスも違うし、Ping10の差で撃ち負けることもあるということはFPS選手なら誰でも知っていることで、無線でも全然大丈夫だなと感じた。大会はLANサーバーといってPingがない状況で戦うが、そういう環境でも迷いなく飛び込めるように日頃から少しでもPingが低い環境でプレイするのが大事ではないか」とプロゲーマーの視点でその魅力を語った。

 DetonatioN Gamingのゲーミングハウスには、「Archer AX11000」を親機としたWi-Fi6環境が整備されていると言うことで、感想を聞かれた梅崎氏は「隅々までネットワーク回線が届くだけでなく、速く、安定している。選手からも『いつもよりストレスがなくなった』という声が聞かれ、魅力的だと感じた」と語った。

 筆者はここまで聞いていて、本発表会の画竜点睛を欠く要素は、Wi-Fi6ルーターの効果が最大限に発揮できるモバイルゲームでの検証を行なっていないことだと感じていた。DetonatioNにも「クラッシュ・ロワイヤル」や「ハースストーン」など、モバイルゲーム部門は存在するが、いずれも底Pingが要求されるゲームではなく、仮に検証してもインパクトに欠けるだろう。

 梅崎氏はそういう雰囲気を嗅ぎ取ったのか、おもむろに「まだどこにも言っていない話だが」と切り出し、年内に「PUBG MOBILE」部門、年明けにも「モンスターストライク(モンスト)」の部門を設立する構想を明かした。

 発表会後、梅崎氏に話を向けてみると、メンバーをはじめ詳細についてはまだ決まっておらず、募集もこれからという段階で、公募にするのか、直近の大会結果を踏まえて誘いを掛けるのか、あるいは現在の「PUBG」部門からコンバートするのかなど、複数の選択肢が存在するという。実際、「PUBG」部門は、WhiteとBlackの2チーム体制から、PJSの規約に則り1チームに合流しなければならない。

 今回の発表は、スポンサーにティーピーリンクジャパンがいるから、プロダクトがあるからというわけではなく、以前から温めていた構想の一環ということで、「今後も意外な業種から新たなスポンサーの発表を行なうので楽しみにしておいてください」ということだった。DetonatioN Gamingのモバイルゲーム部門がどのような広がりを見せていくのか注目したいところだ。

【ティーピーリンクジャパンのルータープロダクト】