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「第1回 全国高校eスポーツ選手権」開催。「LoL」部門のオフライン決勝進出チームが決定
強豪4チームが出揃い、高校生No.1を競う戦いへ
2018年12月26日 19:14
高校生を対象にしたeスポーツ大会「全国高校eスポーツ選手権」の「League of Legends(以下、LoL)」部門において12月26日にオンライン予選のDay2が開催され、「横浜市立南」、「N高 心斎橋」、「岡山共生」、「学芸大附属」の4校のオフライン決勝進出が決定した。
Day2では12月25日に行なわれたDay1で勝ちあがった8チームが対戦。試合の結果4チームが3月24日に幕張メッセで開催されるオフライン決勝戦への出場権を獲得した。なお、オフライン決勝での優勝チームには賞品として「2泊3日の韓国eスポーツ体験旅行」が贈られる。
Day1に引き続き大会の司会、進行としてOooDaさんが登壇。アナリストゲストとしてタレントのケインコスギさんと、LJLの解説でお馴染みのRevol氏が参加。試合の実況はLJLキャスターのkatsudion氏、解説としてLJLでコーチを務めるLillebelt氏がそれぞれ担当した。
Day1には北海道から沖縄まで全国の高校生93チームが参加し、勝ちあがってきた8チームである「横浜市立南」、「仙台育英 」、「N高 心斎橋」、「大分高専」、「岡山共生」、「都立国際」、「鹿島学園」、「学芸大附属国際」がDay2を戦った。なかでも注目はランク最高位の「チャレンジャー」の選手を擁した強豪チームである「N高 心斎橋」、「学芸大附属国」、「岡山共生」の3チームで、3校共に優勝候補だ。
大会は1試合で勝負が決まるトーナメント制という事もあって、Day1、2共にオンライン上でも緊張感が伝わってくる白熱した内容だった。
Day2進出チーム(高校) | 地域 |
---|---|
横浜市立南 The Grateful Feed | 神奈川 |
仙台育英 パソコン部1 | 宮城 |
N高 心斎橋 NDG N1 | 大阪 |
大分高専 Don’t Forget Me | 大分 |
共生 eスポーツ部 | 岡山 |
都立国際 Team Alt+F4 | 東京 |
鹿島学園 KGTeam | 茨城 |
学芸大附属国際 ISS GAMING | 東京 |
強豪チームが力を見せつけオフライン決勝へ
第1試合:横浜市立南がチームプレイで勝利を掴む!
Day2の1試合目は仙台育英と横浜市立南の試合。仙台育英は初心者が4名、経験者が1名というチームで、経験者であるMidのJenshen選手がここまでチームを引っ張ってきた。一方の横浜市立南は中学生時代の友人が集まったチーム。中高一貫の学校という事もあり、連携の力でDay1を勝ち上がってきた。
試合はレーン戦で不利なマッチアップにも関わらずJenshen選手が勝利。このまま試合を持っていくことも十分にあり得る展開だった。しかし、横浜市立南は他のレーンで得た有利を生かしてマップの視界をとっていき、徐々に押し返していく。最後は横浜市立南がJenshen選手がいないところで集団戦を仕掛けて勝利し、オフライン大会への1枚目の切符を手にした。
第2試合:N高 心斎橋はジャングルとサポートからゲームを支配
2試合目は前評判で強いとされていたN高 心斎橋が出場。「ダイヤモンド」ランクの2人によるBotレーンが強力だ。一方の大分高専はLillebelt氏によるとチームの団結力でここまで上がってきたチームとのこと。
試合は序盤からN高 心斎橋のBotレーンが大暴れ。てった選手の使う「スレッシュ」が高いスキル精度でゲームを作っていくと、ジャングルの440選手がそれに合わせて動きゲームを支配していく。序盤に築いた有利を最後まで逃さなかったN高 心斎橋がオフライン大会に進んだ。余談だがN高 心斎橋は通信制の高校のため、チームメンバー全員が顔を合わせるのは次に控えるオフライン大会が初の機会になるとのことだ。
第3試合:白熱の試合を岡山共生が制す!
3試合目は大会の注目選手である「赤バフ」選手が所属する岡山共生が登場。赤バフ選手は最も高いチャレンジャーレートの選手で、先日行なわれたLogicool G CUPの優勝チーム「山」でADCとして出場し優勝している。一方の東京都立国際はMidのかをちん選手が高レートプレーヤー。どちらの上級者が試合を作っていくのかが注目された。
試合は序盤こそ赤バフ選手の使う「カイサ」が大暴れし試合をキャリーしていくものの、集団戦になるとNOName選手の使う「ケネン」の見事なアルティメットスキルによって東京都立国際が逆転勝利し、どちらが試合に勝利してもおかしくない白熱の展開に。勝負を決めたのは岡山共生のORF0000選手が使うスレッシュ。Qスキルをここぞという場面でキャリーにヒットさせ、それを見た赤バフ選手が瞬時に攻撃しキルを取ると、そのままネクサスを破壊して岡山共生が勝利した。
第4試合:Revol氏も認めるハイレベルなマクロを持つ学芸大付属国際
最終試合となる4戦目は鹿島学園と優勝候補でもある学芸大付属国際の試合。鹿島学園は全員が海外からの留学生という珍しいチームであり、全員が同じ寮に住んでいるということからも高い団結力を持ったチームだ。一方の学芸大附属はプロチーム「Burning Core」に練習生として参加しているflaw1ess選手を中心に、ハイレベルなマクロ(マップ全体をコントロールするプレイ)でDay1を勝ち上がってきたチーム。
試合は開始早々からぶつかり合い、お互いがワンキルを獲得。その後も両者キルを取り合いキルゲームになることが予想された。
しかし、試合が中盤に入ると学芸大附属は小さな有利から堅実なプレイを続け、後半強い構成だった鹿島学園に対して隙を殆ど見せずにオブジェクトを次々と獲得していきネクサスまで破壊。学芸大附属がオフライン大会への最後の切符を手にした。ちなみに、試合中も後も、ゲストであるRevol氏は学芸大附属のマクロに対して「丁寧な試合……」とのコメントを連呼。あまりのレベルの高さに舌を巻いていた。
試合の結果により、オフライン決勝へ進んだ4チームが決定。試合後、勝ち進んだチームには電話でのインタビューが行なわれ、横浜市立南は「応援ありがとうございました。3か月間、練習して勝ち上がりたいです」、N高 心斎橋は「今回はチーム皆で頑張ると決めていたので嬉しい。N高がどのような学校か知ってもらいたいです」。岡山共生は「応援ありがとうございます。一安心しています。振り返ると危ないシーンが多かったですが、コールについてきてくれた仲間たちに感謝したいです」とコメントしており、学芸大附属は「丁寧な試合運びをして勝ちあがっていきたいです」とした。
高校生大会ということもあって、本大会にはプレイ以外にも様々な面白さがある。例えばついつい自分の出身地の高校を応援してしまうような地域性がそれだ。また、本大会ではTwitter上でプレゼントキャンペーンも実施。選手を応援するコメントが多く寄せられていた。コメントの内容は、まるで甲子園の選手に対するような暖かなものだったし、参加したチームのプレーヤーからは「LoL」を一緒にプレイすることによって友情を深めたり、海外からの留学生と仲良くなったりといったエピソードも紹介されていた。
もちろん、プレイの面でも高校生にしてプロ顔負けのプレイをする選手も存在しており、観戦していて非常に面白い。中でも、岡山共生の赤バフ選手のプレイと、学芸大附属のマクロ面は圧巻だった。決勝大会でも引き続き注目していきたい。
なお、早くも「全国高校eスポーツ選手権」は第2回の開催を予定しており、開催時期は夏になる見込みとのこと。また、本大会の主催である毎日新聞とサードウェーブが行なう「eスポーツ部 発足支援プログラム」も強化が予定されているとのことで、今後の発表が楽しみだ。
📣#全国高校eスポーツ選手権から
— 全国高校eスポーツ選手権【公式】 (@MAINICHIesports)2018年12月26日
皆さんへのお知らせ
出場者と応援して下さった皆さま、
4日間ありがとうございました!
毎日新聞社とサードウェーブでは、第2回大会開催に向けて現在準備中です。
開催時期は夏に前倒しすることを検討しています。
正式な発表まで楽しみにお待ち下さい✨
まだ3月23日と24日に幕張メッセで開催されるオフライン決勝を控えてはいるが、ここまで見た限りでも、本大会は大学生向けの「League U」よりさらに若い高校生シーンという「LoL」の新たな可能性を感じさせられた。決勝大会はさらなるハイレベルな試合が行なわれ、また新しいドラマが生まれることだろう。開催が今から待ち遠しい。