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「スマブラSP」“発売前”大会はプロゲーマーを撃破した「ロイ」と新ファイター「リヒター」の決戦に!

試合の命運は実力+アイテム&チャージ切りふだが握る!

11月3日~4日 開催

場所:幕張メッセ

 Nintendo Live 2018東京大会2日目となる11月4日、Nintendo Switch「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(スマブラSP)の一般部門大会が開催された。

 1on1で戦う本大会は、事前にエントリーされた256名によって予選がスタート。大会が進むに連れて観客は増え、メインステージで実施された準々決勝以降の対戦となると、ホールの半分を埋めるほどにまで膨れ上がっていった。11月3日には小学生部門が開催されたが、この一般部門はより熟練された「スマブラ」プレーヤーが出てくるということで、来場者もより注目していたようだ。

 またこの大会が特殊なのは、「スマブラSP」が発売前ということ。まだ未知の部分が多い「スマブラSP」の内容を知る意味でも、「スマブラ」ファンには見逃せない大会となっていた。

 ルールはチャージ切りふだあり、アイテムありということで、攻撃だけでなくアイテムや切りふだをどう使うかで勝負は大きく左右される。アイテムの中ではアシストフィギュアがかなり強力で、2人3人と味方をつけて、連携攻撃で一気に撃墜まで持っていく場面も多く見られた。

ステージ、アイテムを上手く制することで、不利な試合を大逆転していく場面も見られた。このリオレウスのようなアシストフィギュアが時にゲームの運命をも変えていた

 またランダムに決められた2つのステージは一定時間ごとに遷移するため、地形による有利不利も出てくる。時には運が命運をわける場面もあるような、何が起こるかわからない面白さが本大会全体を通して感じられた。

 この日決勝に勝ち上がってきたのは、「スマブラSP」での新ファイター「リヒター」(シモンのダッシュファイター)を扱うブルード選手と、「ロイ」を使うこんぶ選手。

左から、「ロイ」でプレイしたこんぶ選手、「リヒター」でプレイしたブルード選手
前日の小学生部門に引き続き、解説を務めた「スマブラSP」ディレクターの桜井政博氏

 「前日の体験会で触っただけ」と話すブルード選手のリヒターは間合いの取り方が絶妙で、鎖の長いリーチと多彩な遠距離攻撃から生まれる優位性を利用し、すでに手練の風格すら漂っていた。その動きには解説を務めた「スマブラSP」ディレクターの桜井政博氏も「ここまで使いこなすとは」と感嘆し、この大会の注目選手となっていた。

 一方のこんぶ選手は、予選からロイ1本で勝ち上がってきた選手。決勝の直前、準決勝まで勝ち上がってきたDetonatioN Gaming所属のプロゲーマーNietono選手のシークを見事に撃破している実力者だ。過去作よりロイを使い続けているというこんぶ選手の経験が勝つか、リヒターのポテンシャルを引き出すブルード選手のセンスが勝つか、どう転んでも面白い対決となった。

Nietono選手を破るこんぶ選手。終始緊張の表情を見せながらも、粘り強いプレイで強敵をはねのけていった

 ルールは1対1による3ストック制で、決勝は2試合先取で行なわれた。1試合目のポイントとなったのは、アイテムの「スペシャルフラッグ」。時間いっぱいまで掲げ続けると1ストック回復するというレアなアイテムだ。

 試合の流れとしては、ブルード選手が一方的に押し、早い段階でこんぶ選手を撃墜する有利な展開を作った。さらに追い詰めていくブルード選手だったが、ここで隙を突いてこんぶ選手が「スペシャルフラッグ」を使用。1ストック回復すると、ストック数で逆転して一気に形成が変わった。

 その後もこんぶ選手は画面端でチャージ切りふだを当て、ダメージ率が低い段階で撃墜するなどして突き放す。リヒターはそのまま追い詰められ、こんぶ選手が1試合目を勝利した。

最後の切りふだを決めるなど順調な滑り出しのリヒターだったが、「スペシャルフラッグ」を取られたあとからロイのペースになっていった

 2試合目は「ゲーマー」ステージでスタート。足場となる机の上に積み木などが置いてあるステージで、ときどきお母さんが見回りに来て、見つかると大ダメージと共に吹き飛ばされる特徴がある。

 このステージ特性が有利に働いたのが、またしてもこんぶ選手のロイ。ステージ左にある上下の狭まった場所ではリヒターの飛び道具が上手く機能せず、またロイに距離を詰められやすいため一方的な展開となってしまった。

 ロイはさらに最後の切りふだを決めるなどして、ストック数は3対1。ロイがダメージ率150%近くまで耐えたところでお母さんの視線に入り、ようやく1ストック落としたが、ブルード選手は2ストックの差を埋めることができなかった。結局そのままこんぶ選手がトドメの攻撃を決めて、勝利数2-0。本大会の優勝者となった。

ステージの特性も味方につけて、実力をいかんなく発揮したこんぶ選手。見事な立ち回りで勝利をもぎ取った

 ブルード選手は惜しくも負けてしまったが、リヒターの使い方を誰よりも先に見出し、来場者や視聴者に知らしめたという点で非常に興味深い試合になったのではないだろうか。

 ブーメランのように動くクロス、放物線を描く斧、足元に炎を燃え上がらせる聖水を上手く使うことで、リーチの長い鎖のムチがさらに活きてくる。この試合を見て、リヒター(シモン)を使ってみたい! と思った方も実際にいるはずだ。

 ますます発売が楽しみになる「スマブラSP」は12月7日発売予定。長いようで短い約1カ月間を、ワクワクしながら待ちたいと思う。