ニュース

桜井政博氏「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」の充実過ぎるソロプレイモードの数々を披露

発売前の大会で優勝者が早くも決定

11月3日~4日 開催

会場:幕張メッセ 4ホール

 任天堂の各タイトルの公式大会や最新タイトルを体験できるイベント「Nintendo Live 2018」東京大会が11月3日、幕張メッセ4ホールにて開催された。本稿では、発売直前となる「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(スマブラ)の小学生以下部門のステージイベントの模様をお届けする。

 この日の会場で予選から行なわれていた「スマブラ」の公式大会。初日は小学生以下部門が開催されたが、参加できない人も多くいたほどの人気ぶり。予選では4人でバトルを繰り広げ、パワーファイターのガノンドロフを選択する人が多かったという。

 午前の予選を勝ち抜き、最後の8名に残った選手達による準々決勝からは、午後のメインステージで熱戦が繰り広げられた。同ステージにはeスポーツ実況の柴田将平氏が実況を、そして解説は開発を担当する桜井政博氏が行なうとあって、ステージ前には多くのファンが集まった。

 まずは大会後に行なわれた桜井氏によるソロプレイモードのプレゼンテーションをお届けする。桜井氏は冒頭「『スマブラ』はすでに完成しています。後は発売を待つのみです」と切り出し、会場のファンからは大きな拍手が巻き起こった。

育成・収集などの充実ぶりがハンパないソロプレイモード

 桜井氏によるプレゼンテーションでは、「対戦モードは十分わかっていただいたと思いますので、ソロプレイモードについて紹介したいと思います」と切り出した。初めて公開されたメニューからまずは「いろんなあそび」を選択。この中からさらに「勝ちあがり乱闘」を選択した。

今回初めて公開されたメニュー画面
「勝ちあがり乱闘」のメニュー
ズラリとキャラクターが並ぶ

 この時点で収録キャラクターがずらっと並び圧倒されるが、それぞれに特徴的なルールなどで設定されたルートが用意されている。タイトルだけでも興味深く、“ロックマン”ルートは「Dr.マリオの謎」、“プリン”のルートは「64オールスターズ」、“シモン”ルートは「悪魔城スマブラ」とこれだけで楽しい。桜井氏はこの中から「しずえ」を選択。“しずえ”ルートは「紅23点」。「スマブラ」には23名もの女性キャラクターが登場するということで、このルートでは女性キャラクターによる乱戦が繰り広げられるのだ。

 実際の戦闘が始まる前にはグラフィックスによる「ホンキ度」の設定が行なわれる。画面の左側は可愛らしいキャラクターが描かれており、ホンキ度は低く、難易度も低い。画面右にスライドさせるに従って厳ついキャラクターが増え、ホンキ度もアップ! 難易度が高く難しくなっていく。

 ステージをクリアすると、どんどん次のステージにチャレンジしていくわけだが、クリア毎にこの「ホンキ度」はあっていく。ホンキ度の低いところからスタートさせても良いし、あえて高いところからスタートして「ホンキ度」マックスまで頑張ることもできる。もちろん、ホンキ度が高い方が、ごほうびは儲かるようになっている。

 ちなみに、収録されている“リュウ”ルート「俺より強いファイターに会いに行く」の紹介で桜井氏によって披露されたこだわりが凄い。「ストリートファイターII」には基板が2種類あり、それによって音楽が違うのだが、「スマブラ」でもそれをキチンと再現しているのだという。こういった無数の細かいこだわりが、この膨大な数のキャラクター分用意されているということがすさまじい。もはやゲームの歴史が詰まっていると言っても過言ではないだろう。

 “リュウ”ルートのステージ紹介のデモンストレーションを見ていると、もはや「スマブラ」ではなく「ストリートファイターII」そのもので、原作通りのコンボも収録されているのだという。

 次に紹介されたのが、「スピリッツ」の「スピリッツボード」。スピリッツを編成してキャラクターを育成しながらターゲットをどんどん撃破していく。スピリッツにはアタッカーとサポーターがあり、ターゲットの特性を考えながら編成し攻略に挑む。勝負に勝てば「おやつ」などのアイテムを入手でき、スピリッツのキャラクターを強化・育成でき、さらなるターゲットの撃破に挑んでいく。もちろん編成が面倒であればお任せで編成してもらうこともできる。ターゲットは画面上に10体表示されるが、時間によって入れ替わるし、アイテムによってシャッフルさせることもできる。ここで登場するターゲットキャラクターがものすごく多く、それぞれにキチンと紹介データなども用意されており、それだけでも頭が下がる想いだ。

 この“スピリッツ”ではアイテムのおやつで育成できるが、さらに超化させることで強力なキャラクターにすることもできる。例えば“ネイキッド・スネーク”を超化させると“ビッグ・ボス”になるといった具合だ。超化させると強さの上限がアップしてスキルが追加されるが、レベルは1となる。

 ここで得られたキャラクターはダブることもあり、それらを“しかるべき所へ”帰すこともできる。ここで帰すと台座が残るのだが、この台座を集めることで別のキャラクターを呼び出すことができたりする。台座の組み合わせは色々と考えられており、「ごっつぁん兄弟」の台座と「ピストン・ホンドー」の台座の組み合わせで「エドモンド本田」が登場するといった具合だ。組み合わせを考えながら台座を集めるのも楽しいかもしれない。

 この他にも、キャラクターの技表が収録されたほか、ムービーが収録されたテクニック集など、攻略本にも匹敵する情報量を備えた「ヘルプ機能」や、「リプレイ機能」、「サウンドテスト」など収録要素を挙げていくときりが無い。ちなみに“ショップ”という項目もあり、ファイトに参加したりすることでポイントを集めて楽曲やアバター衣装などを購入することもできるようになっている。通常700曲ほど収録されているが、ショップを利用することでさらに多くの楽曲を聴くことができるようになるという。桜井氏によればショップで使うポイントはファイトを繰り返すことなどで簡単に手に入るということで、ゲームを長く続ける重要なモチベーションともなりそうだ。

 ラストのラストに、桜井氏はアドベンチャーモード「灯火の星」について「これだけはゲームを購入して、みなさんに楽しんでいただきたい」とコメントし、紹介を避けた。

東京大会の小学生以下部門の優勝者はひなりゅう選手

 小学生以下部門の大会は、予選においては前述の通りパワーファイターのガノンドロフを選択する人が多かったという。これは4人対戦で乱戦になる中では、パワーファイターで吹っ飛ばすことが有利となりがちだからだ。しかし準々決勝以降は1対1の戦いとなる。こうなるとパワーヒッターはなかなか攻撃が当たらない状況となるため、色々と考え直す必要がある。

キャラクターは74ファイターが使用可能
ステージは一部のステージを除いてランダムで使用。ステージの変化も発生する。これが今回の大会では時折、大きなドラマを生んでいた
今回の大会のルール。準々決勝までは1試合先取した方が勝ちだったが、準決勝以降は2戦先取した方の勝利となる

 とはいえ、今回の大会はあくまでも発売前の大会ということもあって、参加者も色々なキャラクターを使いながら魅せるバトルを繰り広げるプレーヤーもいた。準決勝の組み合わせでは、Mr.GAME & WATCH同士のファイトとなる場面も見られた。

 そんな中、最後まで勝ち残ったのは、“パワーヒッター”ひなりゅう選手と、ねグセのファイター“”たかひと選手。使用キャラクターは、ひなりゅう選手がDEDEDE、たかひと選手はカービィ。重量級キャラクターと軽いキャラクターという対照的な対戦となった。

 取ったら取り返すといった展開も見られたが、2セットを連取したひなりゅう選手が「スマブラ」初の大会を制した。ひなりゅう選手は「凄く嬉しかったです。最高の1日になりました」とコメント。「スマブラ」が1番好きなゲームということで、「スマブラの最高を目指したい」と語り締めくくった。

トーナメント表
実況は柴田将平氏(右)、解説は桜井政博氏(左)。桜井氏は「『スマブラX』が10年前。今回出場している小学生の選手だと、その当時はよくて2歳。まだ生れていない人もいる。恐ろしい話だ…そんなに時間が経っちゃってるんですね。アッという間ですね……歳を取るわけですよ」と感慨深そうだった
優勝して嬉しそうな、ひなりゅう選手