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「World of Tanks 1.0」!タンカーとスタッフが作り上げていく「WoT」新時代
井澤美香子さんチームvsWoTさんチームによるガチ対戦イベントも
2018年3月25日 07:00
3月24日、ウォーゲーミングジャパンは東京恵比寿の「TOOTH TOOTH」にて「WoT 1.0 Secret Gathering」を開催した。イベントには「WoT」アジアリージョナルパブリッシングディレクターのAlexander de Giorgio氏、同プロダクトマネージャーのNick Yu氏、そしてMCとして声優の井澤美香子さんが登壇した。
3月27日、「World of Tanks」は「WoT 1.0」として生まれ変わる。ベータテストも実施され、新生した「WoT」の魅力に触れたプレーヤーも多いことだろう。車輌や風景の一新、サウンドのリニューアル、マップのリメイクにガレージのHD化など、ゲーム性はそのままに様々な変更が行なわれている。
そんな「WoT 1.0」を支えるのは、Wargaming自ら開発した「CORE Engine」だ。車輌のリアルで繊細な動き、噴き上がる砲煙、遠景に追加された細かな造形、風にそよぐ草花、車体に降り積もる雪が排熱で溶けていく様子、物理演算のもとに壊れていくオブジェクト、そしてついに搭乗員たちが現れた「HDガレージ」。他にも様々な演出が刷新、追加された「CORE Engine」だが、それでもゲームプレイに必要なスペックは変わっていない。
これは”最適化”を進めた結果だとAlex氏は語る。スペックの差にかかわらずゲームをプレイできるように最適化し、それを実現するまでには様々な試行錯誤があったという。先に挙げた演出の強化など、「WoT」における「やりたいこと」を実現するために「CORE Engine」の開発が必要だったそうだ。
BGMについても、プラハ交響楽団によるマップに合わせた楽曲の数々が実装された。これについては試合の妨げにならないよう、主張しすぎないBGMとなるよう配慮がされているという。実際に聴いてみると、戦況に合わせて変化し絶妙なタイミングで奏でられ、それぞれの戦場にぴったりの楽器が登場するこのBGMは聴き応えがある。
六本木にメディアキューブが登場!
3月27日より4月1日の期間で、六本木ヒルズに「WoT 1.0」がテーマのメディアキューブが設置される。スマートフォンで撮影することで戦車が出現し、それをプリントしたり撮影した写真でモザイクアートを作る予定という。
「SABATON」日本上陸!
タンクメタルバンドの「SABATON」が、「WoT」の協力のもと日本に上陸することが発表された。3月29日に東京のEX THEATER、31日に大阪のIMPホール、4月2日に東京のZEPP TOKYOにてその重低音を披露する。
「WoT 1.0 AR Experience」配信中!
「T-44-100 (R)」や「Tiger I」、ドイツの爆撃機「Ju 87 Stuka」の実寸モデルを眺められるAndroid/iOS用アプリ「World of Tanks 1.0 AR Experience」が3月20日より配信されている。モデルの拡大や縮小にも対応しているため、ミニチュアサイズから大迫力のリアルサイズまでを楽しめる。「T-44-100(R)」と「Tiger I」の発砲シーンも見られるため、ぜひとも広い空間に呼び出してリアルサイズの戦いを眺めたいところ。
タンカーからの質問コーナー
今回のイベントに際して、タンカーたちから様々な質問が寄せられた。数ある質問のなかから、今回のイベントでは10点をピックアップ。その質問内容と、運営チームによる回答を紹介していこう。
「WoT 1.0」実装にあたり、こだわった点や開発が大変だった点
先ほど述べたように、最適化にかなり時間が掛かったという。しかしそれは開発チームのスキル向上に繋がり、幅広いPCでプレイ可能なように様々な機能や記述がCORE Engineに加えられた。
ゲーム中に気にならないような、車体に雪が降り積もったり草花が動いたり、積もった雪がエンジンの熱で溶ける――といった「自然に生きている」ような感覚を受けるような小さい動きにこだわっている。「Havok」を使用した物理演算も入っていて、新しく破壊できるオブジェクトも追加したいとしている。
Alex氏が新マップで見つけてほしいところ
詳しくは言えないが、主に「エーレンベルク」、「ステップ」、「フィヨルド」にこだわった点があるので見つけて欲しいとAlex氏。マップのバランスを調整し、ゲームプレイについても変更されているのでプレイしているうちに気づいてほしいという。またすべてのマップがHD化し、新たに追加され作り込まれている遠景についても色々と気づいてほしい点があるそうだ。
今後必要スペックが高くなるのではないか?
今後、より美麗なグラフィックスとなるのに際してどこまで性能が必要なゲームとなるのか、という質問。
これについては最適化を進め、プレイ可能なスペックは変わらないようにするとしていた。CORE Engineは現在開発チームでもそのポテンシャルを引き出しきれていないため、今後もっとよいものになる可能性があるという。
アジア風、日本風のマップは戻ってくるか?
「隠れ里」や「珠江」のような、現在は外されてしまったマップについての質問。
外れたマップも、いつか戻ってくるかもしれないという。新しいマップも検討中で、新たなアジア系マップはテストフェイズに移っている。さらにBGMについても新しいものがすでに出来上がっていて、iTunesなどでのデジタル配信も予定されている。
標準実装したいMODなどは存在するか
チーム内では現在配布されている様々なMODについて把握しており、チーム内でもどのMODをゲームに標準搭載するかという話があるという。これはプレーヤーの要望に委ねられており、公式に募集したり、意見を求める機会を設けることを計画しているそうだ。
マッチング形式やTK、FFについて
マッチング形式を「WoT Blitz」のようなTier±1にしたり、チームキルやフレンドリーファイアを無くすことはできるか?という質問。
古参タンカーはご存じかもしれないが、かつて「WoT」はTier±4のマッチングが基本であった。現在のTier±2のマッチングは緊張感とゲームバランスともにバランスが取れている印象があり、変更する予定はないとしている。
チームキル(TK)は妨害行為とは関係なく、緊張感を持たせるために必要だという。それ以外にも自走砲が大暴れしかねないため、このシステムを無くすことはできないとしていた。
日本ツリーの追加車輌や新たな国籍の追加について
日本ツリーにて、駆逐戦車の追加が検討中であるとしている。ゲームに実装する予定はまだないが、”もしかしたら”来年実装されるかもしれない。そして今年の新ツリーはイタリアとポーランドに注力するとしており、他の国のツリーはまだ考案段階であるようだ。しかしイタリアツリーについてはユニークな機構が搭載された車輌が多いため、楽しみにしていてほしいという。
Tier X以外が参加できるコンテンツは増えるか?
エンドコンテンツに関して、「クランウォーズ(CW)」以外のコンテンツも考案中であるという。一風変わった新しいゲームモードもテスト・検討中で、こちらを比較的低いTierでも参加可能なモードにできるよう計画しているそうだ。
今後のCWやTier 8拠点戦、報酬の車輌などについて
3月26日になったらCWの内容を発表する(かもしれない)。新車輌も(たぶん)ある(と思う)、とAlex氏。Tier 8拠点戦についてはかなり大きな話が繰り広げられており、マッチメイクに関しても様々な論争が行なわれているため乞うご期待、だという。
Tier Xにおける収支バランスなど
Tier Xでプレイしていると、赤字が続くなど全体的な収支バランスが崩壊しているのではないかという質問。
いまのところ「World of Warships」にあるような通常車輌の収支をプレミアム車輌と同様のものにするような特殊迷彩については実装の予定はないが、「自分の車輌を作り上げる」という点では迷彩のカスタマイズ機能を大幅に拡充するかもしれないという。
また収支バランスについては「グローバルな課題」としており、現段階では大きな変更の予定はないが、次のCWシーズンでサポートのためにクレジットが簡単に手に入るようなミッションやサポートを行なうとしている。
イベントだけの特別マッチを開催!
質問コーナーが終わると、イベントはタンカーたちとスタッフ陣との懇談会へ。イベントでは会場となったレストラン「TOOTH TOOTH」による軽食や「WoT」モチーフのドリンクとスイーツが振る舞われ、「WoT 1.0」の体験もできた。
「WoT」モチーフドリンクは、コーラにストロベリーやブルーベリーなどが乗せられたもの。常在戦場の心で戦車に乗り込むタンカーたちにピッタリの栄養源な印象を受ける。「WoT」やWargamingのロゴ、「1.0」の文字が施されたアイシングクッキーが乗ったカップケーキはかわいらしい。
そして奇しくも本日はAlex氏の誕生日。イベントに参加したタンカーたちが、Alex氏の誕生日を祝った。
懇談会では少しするとイベント参加タンカーによる「トレーニングルーム」での模擬戦を開催。集まったタンカーがTier X車輌による激戦を繰り広げた。
使用されたマップは「WoT 1.0」で追加される新マップ「氷河」。マップ中央に低い稜線があり、南北に高低差のある山と林が配置されたマップだ。これに初めて触れるタンカーも多くいて、「北の艦(難破艦)には登れるのか」とか「中央は稜線射撃に使えるか」といった論議が交わされていた。筆者もβテストで「氷河」に触れられていないため、ここで交わされた意見は参考にしたい。
さらにAlex氏とNick氏がTier X車輌を駆る「鬼」となり、Tier 1車輌のタンカーたちを狩る鬼ごっこ形式のマッチも開催。会場ではスクリーンにNick氏の狩りの様子が映され、ハラハラドキドキの展開が繰り広げられた。ちなみにマップはリニューアルされた「ステップ」。
なお、Alex氏とNick氏はVキーで行なえるUIを全消去した状態での戦い。しかし搭乗員スキルである「第六感」や車輌発見時の効果音は鳴るため、これを駆使しての「隠れ鬼」状態となっていた。――うなる第六感、タッチのつもりで車体をぶつけられて爆発四散するTier 1車輌、HDテクスチャに紛れ、堂々とその身を晒しながらもスルーされる一瞬、そして発見され、苦し紛れにぶつけられるTier 1車輌の豆鉄砲。会場は緊迫しながらも笑いに包まれた。
そして最後には井澤美香子さん率いる「みけさんチーム」とAlex氏率いるWoTさんチームによる「ヒメルズドルフ」でのガチ対戦が実現。10分間という限られた時間のなかでいかに上手く立ち回るかの勝負であった。
みけさんチームは「Maus」、「IS-7」、「S.Conqueror」、「Type 5 Heavy」そして「T-62A」といった重めの編成で、WoTチームは「S.Conqueror」、「TVP T 50/51」、「Object 430U」に「Object 268 4」2輌という編成。みけさんチームは「T-62A」が北西の車両基地に潜み残る車輌たちが東から回り込む作戦で、WoTさんチームは西側の線路沿いに車輌を一挙投入、戦線を押し込む作戦だったように見える。
「T-62A」がWoTさんチームの隊を索敵したみけさんチームは東の通りから中央へ。ここで隊をふたつに分けてしまったのが勝負の分け目だった。「T-62A」は奮戦するも撃破されてしまい、残る「Maus」と「Conqueror」が「Obj. 430U」と「Obj. 268 4」とぶつかり合い、WoTさんチームの「Conqueror」と2輌目の「Obj.268 4」が「IS」と「Type 5」を迎え撃った。
ここでそれぞれが各個撃破の形になってしまい、あえなくみけさんチームは敗北。しかし最後の最後で撃破された「Maus」の残骸が「Obj. 430U」に乗り上げて踏み潰すという珍事が起き、会場を沸かせた。
イベントの終わりにはプレゼントをめぐるじゃんけん大会を実施、そして「全車輌Mバッジ」を達成しているさもさん(@M_SAMO_M)が4月3日よりウォーゲーミングジャパンに入社することが発表された。タンカーの視点からタンカーたちが楽しめるゲームを作っていくという。