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「World of Tanks1.0」 でグラフィックスが大幅進化

実際の戦車にも乗った! タイ・バンコクでのプレスツアーをレポート

3月22日 収録

【World of Tanks1.0】

3月27日 アップデート実施

アレックス氏

 3月27日にリリースとなる「World of Tanks1.0」。

 サービスインから8年。日本でのサービス開始から5年の時を経て、大型アップデートを迎えることとなった。Wargaming.netでは、アジア太平洋地域を本アップデートの重点地域としており、日本、韓国、台湾、オーストラリアの各地域のメディアを集めて、タイのバンコクでプレスツアーを行なった。Regional Publishing DirectorのAlexander de Giorgio氏のプレゼンや、「WoT1.0」の試遊、戦車試乗などさまざまなアクティビティにあふれた本プレスツアーをレポートする。

1.0でのグラフィックスの進化の一例としては雪の表現などが挙げられるが、そういった意味では進化の後が見て取れる新しいマップ「GLACIER」

 プレスツアーの舞台となったのはバンコク郊外にあるAdisorn Cavalry Camp。その騎兵キャンプの名の通り、タイ王国陸軍の騎兵ならびに機甲部隊が駐屯している基地である。世の軍事施設の常として、博物館なども併設され一部一般にも開放されている。

 キャンプ到着後最初に訪れたのが、屋外に展示された動態保存の戦車。主に主力となるM41ウォーカーブルドッグや中国より購入したT-69などが展示されている。戦車は台に据えられているが、赤土の地面にはブルドッグの履帯が刻んだと思しき真新しい轍があった。どうやら頻繁に動かしているらしい。

中国より購入したT-69-II。「WoT」では中国ツリーTier10の121がT-69の試作車である。日本におけるSTB-1と74式の関係に近い
共産圏の兵器は珍しいこともあり、アレックス氏がのぞき込んでいる
「WoT」ではTier8に登場するM41ウォーカーブルドッグ

 キャンプには博物館が併設されており、関係者のスピーチや「WoT1.0」の試遊はここで行なわれた。屋外に展示された車両類とは異なり、こちらには重火器が展示されている。日本でいうなら土浦の武器学校のような趣である。

日本軍の九七式自動砲も展示されていた。皇紀2597年(1937年)採用の対戦車ライフルで口径は20mm。ノモンハン事件の際にも活躍した
各種戦車砲弾
タイ王国陸軍が導入してきた戦車の歴史を説明するパネル

 展示の奥にはブースが設けられ、こちらで、士官による挨拶とAPAC PRディレクターEileen Lorenzo氏、アレックス氏によるプレゼンが行なわれた。サービスインから8年。世界各国に広がったWargamingの現在と4年の歳月を費やしたCORE Engineの開発の完了。そして本エンジンを搭載することによってついに1.0へとバージョンアップした「WoT」。1.0は完成ではなく、さらなる発展を遂げるためのベースであると語られた。

 スピーチのあとは、自由時間が設けられ、この際に「1.0」に触ってみた。残念ながらPCスペック、回線速度の問題で十全な環境とは言えなかったが、彼らが何をなさんとしているかの片鱗は伺うことができた。

 CORE Engineでは、微細なオブジェクトの管理も可能になっており、特に雪の表現は特筆すべき点であった。ゲーム内で起こる風といった自然現象で雪が舞い散るなどの表現が行なわれるのだ。これには大いに驚いた。当初砲撃されているのかと思って、必死に逃げ回ったが、砲撃にしては雪の舞い方が小さく、それがゲーム内の自然現象によるものだと気づくまでに少々の時間がかかった。

 これまでゲーム内の現象はプレーヤーの能動で引き起こされることがほとんどで、画面内の変化は即攻撃に直結する思考になっていたからだった。プレーヤーのあまり知らぬところで世界が息づいている様は、CORE Engineの大きな可能性を示唆するものだった。

騎兵キャンプの士官
Eileen Lorenzo氏

 プレゼンのあとは昼食に移動し、昼食後またキャンプに戻って今度は射撃体験が行なわれた。タイをプレスツアーの舞台に選んだ理由はアレックス氏のインタビューでも触れられているとおり、戦車の試乗と射撃ができること。射撃ブースは一般に開放されており、タイ王国陸軍レンジャー部隊の士官がインストラクターとなって射撃訓練が行なわれる。

 扱うものが危険物であるため、禁止事項と基本的な操作方法が説明され、それぞれが2マガジンずつ射撃を行なう。射撃後、ターゲットはお土産としてもらって帰ることができるというシステムだ。

使用するのはコルトガバメント
照門に照星を合わせて狙うという説明
五十嵐氏による射撃。なかなか堂に入ったものである

 初めての射撃であったが、ガバメントの引き金は重く、45口径ということで覚悟していた反動は思ったほどでもなく、とはいえターゲットに刻まれていく11mの弾痕は、人を殺傷することを主眼に作られた武器としての生々しさを感じさせる。

 射撃の後はいよいよ戦車の試乗である。比較的あたらしい戦車の撮影は許されなかったが、ガレージの一部が過去タイ王国陸軍で使用された戦車のブースになっており、説明のプレートも置かれている。初めて導入されたイギリスのカーデンロイド豆戦車から、M24チャーフィーまでの車両が展示されている。ここは一般には開放されておらず、非常にプレミアムな体験となった。中には日本軍の97式軽戦車(ハ号)もあり、動態で保存されていることに驚きつつ、中も自由に撮影できるとあってプレスがこぞって乗り込んでいた。

 我々が戦車に夢中になっているその一方で、試乗する車両の準備が進められ、乗ることのできるカーデンロイドとブレンガンキャリアがガレージ前に用意された。

1930年の導入されたカーデンロイド戦車
1939年導入のルノー軽戦車
八九式軽戦車。1940年から1952年まで使用されていた。タイ王国は枢軸側だったので導入されたものだろう
八九式のブレーキシステム
五十嵐氏に入ってもらったが中はとても狭い

 いざ試乗となったが、このキャンプの車両はとてもよく整備されており、動作に不自然な部分はない。ブレンガンキャリアの助手席に乗り込んだが、思ったほど振動もなく、オイルの焦げる臭いが1950年代から1960年代のアメリカ車の趣を感じさせる。

操縦はハンドル式
ギアは反転式で、手前奥が1速となる
カーデンロイドに乗り込んだアレックス氏。巨躯と相まってガンタンクのようである
50mほどを往復する体験だったが、戦車どころか装軌式の車両に乗ることも稀なので非常に貴重な経験だった

 かくしてアトラクションもすべて終え、プレスツアーの一行は騎兵キャンプをあとにした。

【「World of Tanks1.0」スクリーンショット】