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「クラロワ」、プロによる公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」を発足

実力を示せば、誰にでもプロになれるチャンスがある!

3月6日 発表

 Supercellは、Android/iOS用リアルタイム対戦型モバイルカード「クラッシュ・ロワイヤル(以下、クラロワ)」において、プロチームに所属するプロ選手による公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」を発足する。

 「クラロワ」は最大8枚で構成されるキャラクターのカードデッキを駆使し、3分の時間制限の中で自陣のタワーを守りつつ、相手のタワーを攻め落とすというリアルタイム対戦型のモバイルタイトル。ルールはシンプルでありながら、デッキ構成から始まり、カードを展開する場所やタイミングといった"対戦中の駆け引き"がアツく、戦略性の高いタイトルだ。

【クラロワ】

 そんな「クラロワ」はもちろんeスポーツとの親和性も高い。去る2017年には公式初の取り組みとして、賞金総額は約1億円にも上るeスポーツイベント「クラロワ 世界一決定戦(以下、世界一決定戦)」を開催した。「世界一決定戦」には全世界187カ国から集った2,700万人が参加し、9言語で合計13のプラットフォームで配信されるなど、eスポーツの熱の高まり、そして「クラロワ」の人気っぷりを感じさせる大会となっていた。

【世界一決定戦の模様】

 これを受けてSupercellは先の"熱狂"ともいえるほどの温度を継続するべく、「クラロワ」において一般プレーヤーからプロへの道を用意するとともに、その活躍の場となるプロリーグを設立。プロによる公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」を発足し、世界最強の座を争う世界一決定戦の開催を決定した。

 こうしたSupercellの新たな取り組み「クラロワリーグ」について、3月6日にはメディア向けの説明会が開催され、リーグのシステムや日本からの参加チーム、そして「プロ選手」になる道のりが発表された。

 なお、今後の「クラロワリーグ」のスケジュールは下記の通り。各項目については追ってご紹介していきたい。

2018年スケジュール

・3⽉14⽇〜18⽇ :「クラロワリーグ20勝チャレンジ」
・3⽉下旬〜4⽉上旬:「オンライン⼤会」、「プロ選⼿選考会」など、任意参加のアピールチャンス
・4⽉中旬:「プロ選⼿」および所属リーグ発表
・4⽉下旬:1stシーズン開幕
・8⽉:2ndシーズン開幕
・冬:世界⼀決定戦

「クラロワリーグ」発足!プレーヤー全員にプロゲーマーへの道が開かれる

Supercell eスポーツアジア担当の殿村 博氏

 「クラロワリーグ」について発表したのはSupercell eスポーツアジア担当の殿村 博氏。氏は「クラロワリーグ」設立の背景としてNewzoo 2017 Global Esports Market Reportを引用しつつ、2020年にはプレーヤーと観客人口は2.86億人規模にまで増加するという予想について言及。こうした流れの中、「『クラロワ』の世界大会の盛り上がりを継続して、より盛り上げていきたい」とその意図を語った。

 「クラロワリーグ」はゲームのプレーヤーの分布に合わせて世界各地域で立ち上げられ、日本は韓国やアジア諸国を含む「クラロワリーグ in アジア」に所属する。リーグは2シーズン制で、各シーズン約70試合が行なわれる。毎シーズン計12チームの総当たり戦が行なわれ、ここで好成績を収めたチームはプレイオフへと進出。その後トップチームは2018年冬にアジアにて開催予定の世界一決定戦へと駒を進めることになる。

 各リーグに所属するのはプロチームであり、そこに所属する選手は当然プロゲーマーということになる。「クラロワリーグ」の面白いところは、なんといってもプレーヤーの誰もがプロになれるチャンスがあるということ。3月14日(日本時間)から開催されるゲーム内イベント「クラロワリーグ20勝チャレンジ」において、3敗するまでに20勝を挙げることで、リーグ及びチームの契約条件を満たすことができるのだという。

 もちろんこれは最低条件であって、本当にプロになりたいのであればこの後に続く任意参加の「オンライン大会」や、「プロ選手選考会」などを経てプロチームにプロ選手として選出される必要があるが、いわばプロになるための"入口"が広く開かれているのは特筆すべき点と言える。また、こうした"プロ認定"はSupercellが独自にグローバルで行なうもので、日本においてもJeSUなどの認定を受ける予定はないという。

 なお、その他公開されたプロ選手についてのルールは下記の通りで、プロチームには各チーム4名から6名のプロゲーマーと、監督またはマネージャーが所属することになる。また、各チームは2名まで「特別選手」として「クラロワリーグ20勝チャレンジ」の結果を問わずに選手を獲得することができ、同じく2名まで外国人の「インターナショナル選手」の獲得も可能だという。

 プロチームには「クラロワリーグ」より助成金が支払われるほか、トップチームにはボーナスとして総額2,000万円を支給するなど、Supercellはプロチームに対して手厚い支援を行なっていく方針であることが語られた。

プロ選手について

・契約期間は12月31日までとする
・年齢制限は4月1日時点で満16歳以上(18歳未満のプレーヤーは保護者の承諾が必須)
・報酬はプロ選手とチーム間で協議し、決定する
・プロ選手はシーズン中はすべての試合に参加すること
・プロ選手はリーグが定める大会や撮影等の参加を条件に、学生やほかの職業に就いていても可とする
・過去のクラロワ公式または公認イベントでの成績を踏まえ、「クラロワリーグ20勝チャレンジ」の結果に関わらず、「特別選手」としてチームに最大2名まで所属できる。プロ選手の選考はチームにて行なう
※なお、チーム参加条件や報酬などは各チームにより異なる

日本では「クラロワ」世界最強を目指す4つのプロゲーミングチームが誕生!

 「クラロワリーグ」とともに発表された日本のプロチームは4チーム。それぞれゲームメディアを展開する「GameWith」と「Gzブレイン」、多数のゲームでプロチームを擁するプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」、「プロゲーマー社員」制度を設けるモバイルゲームメーカーの「PONOS sports」より4チームが新設される。チームオーナーはそれぞれ重藤優太氏(GameWith)、目黒 輔氏(Gzブレイン)、梅崎伸幸氏(DetonatioN Gaming)、板垣 護氏(PONOS sports)。

 それぞれ異なるバックボーンを持つ4社が「クラロワリーグ」に名乗りを上げ、これから世界に向けて戦っていくことになる。オーナーの4名はそれぞれ「プロゲーマーを憧れの職業にしたい(重藤氏、板垣氏)」、「eスポーツをモバイルから盛り上げたい(目黒氏)」、「今まで培ってきたマネジメントのノウハウを駆使して、世界で優勝をもぎ取りたい(梅崎氏)」とその意気込みを語った。

 各チームはチームメンバーをこれから獲得していく流れとなるが、どのチームがどういった選手を獲得し、"ゲームの上手い個人"をいかにプロ"チーム"のメンバーとして育て上げていくのか。また、日本のプロチームは世界を相手にどのように戦っていくのか。eスポーツの楽しみはゲームそのものに限らず、プロゲーマーやプロチームがどのような戦いを繰り広げるかという点にも及ぶ。「クラロワ」、そして「クラロワリーグ」のプロシーンはどのような展開を見せてくれるのか、今後が非常に楽しみだ。

左からPONOS sportsの板垣 護氏、DetonatioN Gamingの梅崎伸幸氏、Gzブレインの目黒 輔氏、GameWithの重藤優太氏、殿村氏