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【特別企画】空前絶後の超重戦車「マウス」に会いにロシアのクビンカ戦車博物館に行ってきた
2017年6月5日 07:00
色々間に合いませんでした! お詫びのクビンカ戦車博物館特選戦車ギャラリー
最後に、読者の皆さんにお詫びをしなければならない。クビンカ戦車博物館の滞在時間は、わずか1時間足らずしかなかったため、全部見られなかったのだ。Wargaming主催ツアーの最終行程に組まれ、モスクワから向かう途中で渋滞に遭遇したり、昼食やパトリオットパークの予定が押してしまったのが主な要因で、2時間あればひととおりは見られるだろうと高をくくっていたら、その半分の時間すら確保されず、ひととおりすら見られなかったのだ。
真っ先に向かった6号館でマウスの取材を終えた時点で30分が経過し、急いでその他のドイツ車輌を見て、米英の車輌がひしめく5号館に突入したあたりで無念のタイムアップを迎えてしまった。「中村さんどこですか? みんなバスに戻ってますよ」というWargamingスタッフによる呼集連絡が断続的に鳴り響く中、筆者には2つの選択肢があった。大人しくバスに戻るという選択肢と、すべてをかなぐり捨てて1~3号館にあるソ連戦車を取材するという道だ。
筆者としてはもう後者しかないと思った。色んな意味で世界で最も遠いこの戦車博物館、この千載一遇のチャンスを逃したら、次にいつ見られるかわからないし、そもそもクビンカ戦車博物館自体がなくなってしまうかもしれないからだ。
「よし、ここは逝くしかない」と覚悟を決めて、翔ぶような勢いで出口から逆方向にある1号館に向かったが、入ったところでクビンカのスタッフに呼び止められてしまった。「残念だが、諦めろ、閉館だ」という雰囲気で。「ゴルゴ13」に登場するような屈強な退役兵士風のスタッフは、鋭い眼光でこちらを見つめており、突破を試みようものなら取材どころか人生が終わる危険性を察知せざるを得なかった。無念の試合終了で、一礼をして全景を納めた写真だけを撮って退散した。
というわけで、クビンカの主力展示品であるソ連戦車をほぼすべて落とすという、超特落ち状態で、はなはだ中途半端な取材となってしまったが、見られた範囲内でのクビンカの戦車ギャラリーをお届けして本レポートの締めくくりとしたい。