ゲーム模型の展示会「16bitModels」が、4月16日にコトブキヤ秋葉原館にて開催された。ゲーム好きのモデラーが、ゲームを題材としたオリジナル作品を製作し、展示するこのイベント。昨年8月に開催された第1回に続く2回目の開催となった。今回はテーマを「FC(ファミリーコンピューター)」とし、1980年代を中心としたファミコンで発売された作品16点が出展された。
週末の秋葉原ということで、会場は多くの来場者で賑わっていた ファミコンの名物周辺機器「パワーグローブ」も展示され、装着や撮影も可能だった 前回は「西暦2000年以前のゲーム」という比較的幅の広いテーマだったのに対し、今回はファミコンの時代に限定したことで、より近い世代のタイトルの作品が集まった。さっと見わたした限りでは、来場者には若い世代や女性が多かったという印象もあった。この時代のゲームは、近年ではドット絵のチープなテイストがもてはやされる傾向があるが、今回出展された作品はどれも立体造形としての完成度を高めていて、さらに全ての作品においてゲームへの思い入れの強さを表す細かい演出が取り入れられ、参加モデラー諸氏の強いこだわりが感じられた。
今回も出展された全作品を、タイトルと制作者名(敬称略)とともに紹介する。なお制作者による作品のメイキングの様子や、会場の写真などはTwitterの「#16bitmodels」のハッシュタグでまとめられているので、併せてチェックしてみてほしい。
【「Plumber's brothers(配管工の兄弟)」/内藤あんも】
名作「スーパーマリオブラザーズ」(1986年)がモチーフながら、冒険の道中ではなく、ピーチ姫誘拐事件を聞きつけた2人の様子が描かれている。やる気のルイージと落ち着き払ったマリオの表情が対照的だ
【「ロストワード・オブ・ジェニー」/東海村 原八/模型の王国】
タカラの「ロストワード・オブ・ジェニー 失われたメッセージ」(1987年)の主人公ジェニーを立体化。ゲームをやった人ならわかる、Bボタンでくり出される特徴的なキックのポーズを再現している
任天堂の初期作品「バルーンファイト」(1985年)のプレーヤーキャラクターと敵の攻防を小さなヴィネットの上に再現。ゲームスタート直後か、あるいは風船を割った後か、地面に降りた敵を背後から狙うシーンだ
ハドソンの名作シューティング「スターソルジャー」(1986年)より、最強のボスキャラクター「ビッグスターブレイン」を、ゲーム画面そのままのイメージで立体化。上からしか見えなかった姿をあらゆる方向から楽しめる
【「レリクス 暗黒要塞」/ephemeris(イフェメリス)】
ボーステックのPCゲーム「レリクス」をアレンジ移植した問題作「レリクス 暗黒要塞」(1987年)より、イメージイラストの「ブレードアーミー」の胸像を制作。当時のパッケージとセットの展示で、限定特典フィギュアのようにも見える
虚弱な主人公が今でも語り草のアイレムのファミコン版「スペランカー」(1983年)のゲームカートリッジをイラストごと立体化。名物の赤LEDとともに、内部も電飾されている。その奥にはゴールのピラミッドも
任天堂「アーバンチャンピオン」(1984年)の一コマを、1/35スケールでジオラマ化。マンホールやパトカー、窓から物を投げる住人など、ゲームのキーワードもしっかり再現。タイトルロゴのビルボードも雰囲気がある
ディスクシステムで発売されたコナミの「悪魔城ドラキュラ」(1986年)より、第5ブロックラストに君臨する死神と対峙する主人公シモンの戦いを表現。無数のカマを飛ばす強敵死神に対し、シモンはムチとクロスで対抗する
ファミコンでは6作品が発売されたカプコンの「ロックマン」(1987年)より、主人公ロックマンの内部メカを表現したカットモデル。カプセル内側に透明板に解説が書き込まれている。目やロックバスターは電飾されていた
ファミコン版の「スーパー桃太郎電鉄」(1992年)を、大型のSLプラモデルで再現。色やマークは「桃鉄」の仕様なのに、見た目や塗装はリアルなSLというギャップが面白い。サイコロは「きゅうこうカード」使用時の2個だ
ジャレコのアクションゲーム「シティコネクション」(1985年)のステージ1を、ド派手な電飾仕様でジオラマ化。世界を旅するクラリスカーには、旅行用トランクも搭載。おジャマキャラのタケノコやネコ、各国のパトカーも登場している
コナミのディスクシステムのアクションゲーム「バイオミラクル ぼくってウパ」(1988年)より、ワールド1の背景のケーキを、主人公のウパや敵のブタ「とんとん」や「カトリーブ」とともに立体化。リアルなケーキが美味しそう
ナムコの独創的なパズルアクション「バベルの塔」(1986年)を、書物の中に収めるアイデアで立体化。パッケージイラストに準じた尖った鼻の主人公インディーが、ゲームのカギとなるL字ブロックに誇らしげに立っている
任天堂の名作「ドンキーコング」(1983年)の敵キャラクターであるドンキーコングを主役として製作。ビルの上で待ち受けるコングとレディを見上げる来場者がマリオの目線という演出だ。ファミコン版がモチーフなので、ステージは3つしかない
【「円形劇場:ゼルダの伝説-地上編」/WildRiver荒川直人】
任天堂のディスクシステム第1弾「ゼルダの伝説」(1986年)の地上のシーンを、ジオラマとチューブ状のマップで再現。独自のデフォルメで主人公のリンクや敵キャラも登場。巨大な空飛ぶ花「ピーハット」がインパクト大
【「ロードランナー(Lode Runner)」/伊原源造(源工房)】
ハドソンの「ロードランナー」より、主人公のランナーをオリジナル解釈によってフィギュア化。女性で、足には「ブレードランナー」というスケートを履いているという設定だそうだ。1/6スケールの大きなフィギュアだ