【特別企画】

今昔のアーケードゲームの造形が勢揃い。第4回ゲーム模型展示会「16BITmodels」

「スペースインベーダー」から「星と翼のパラドクス」まで、16作品が出展

会場:コトブキヤベース・アキバ

入場無料

 ゲームをテーマにした模型展示会「16BITmodels」が、コトブキヤ秋葉原館コトブキヤベース・アキバにて4月13日に開催された。

 ゲームファンのモデラーが、各々の好きなゲームタイトルを自分の考える形で表現した造形を見られるのが最大の魅力のこの展示会は、今年で4回目を数える。今回のテーマは、ゲームの歴史を語るうえで欠かすことのできないジャンル「アーケードゲーム」。かつては最先端の開発技術が投入され、ゲームセンターならではの体験を味わった人も多いはず。参加したモデラー諸氏も、そんな様々な思い思い出を造形として製作している。家庭用ゲームにはない、筐体という造形映えする付加価値があるのも大きな魅力的だ。

 会場にはゲーム黎明期のタイトルから、昨年稼働したばかりの最新作をモチーフとしたものまで、全16作品が勢揃いした。展示された作品はそれぞれ、作品名と作者名(敬称略)で紹介している。また16BITmodels」の公式Twitterでは、製作者の製作過程などをリツイートでまとめているので、そちらも併せて見てみよう。

【FIRE FOSSIL/射尾卓哉】
タイトーの「Gダライアス」(1997年)より、「ファイアーフォッスル」を立体化。シーラカンス型ボス「キングフォスル」の派生系で、特徴的な頭部や尾部と、真っ赤なカラーリングを再現。台座は同作のラスボスのクリオネこと「ジ・エンブリオン」のシルエットに

【七夕決戦/Rocket】
こちらもタイトーの「ダライアスバースト アナザークロニクル」(2010年)がテーマ。2012年6月に開催された「第5回ダライアス杯」のビジュアルがモチーフで、ボス「デュアルスピン」を三日月型の台座でディスプレイしている。電飾も施されていた

【ビッグコア/みっくす】
KONAMI往年の名作「グラディウス」(1985年)のいくつかのステージに現われるボス「ビッグコア」を製作。ファミコンに移植されたときには小さくなってしまったビッグコアを、オリジナルのアーケード版ならではの迫力のある大きさで表現している

【斑鳩/野内秀彦】
トレジャーが製作した傑作シューティング「斑鳩」(2001年)の、1P側の斑鳩と2P側の銀鶏、そして設定のみに登場する白鷺を製作。独創的なデザインの機体が勢揃いし、白鷺の美しいパール塗装がひときわ輝きを放っていた

【急いては事を仕損じる/マスクド13】
多くのシリーズが発売されたカネコの脱衣系陣取りアクション「ギャルズパニック」(1990年)がテーマ。取ってない陣は平面で、陣を取ると見えてくる女の子を立体で造形したアイデアが光る。塗られていない陣地の裏に隠されたその顔は、マスクド13氏ご本人!?

【異世界ダンスでレボリューション!/柳生圭太】
ダンスをゲームに盛り込んだリズムアクション「Dance Dance Revolution」(1998年)の筐体が異世界へと転生し、そこで戦う女の子とコラボレーション。'80年代をオタクで過ごした男子には見覚えのある彼女が、剣を片手にダンスゲームに挑戦している

【セガテトリス/鳥山とりを】
数ある「テトリス」の中でも、アーケードで大ヒットしたセガ製「テトリス」(1988年)のマスコットキャラクターのチンパンジーがテトリミノで遊ぶファンシービネット。地球の進化の様子をイメージしたゲームの背景も写真にてディスプレイしている

【「星のいのちに何想う」/あさみほとり】
今回のテーマでは最も新しい作品となるスクウェア・エニックスの「星と翼のパラドクス」(2018年)より、アニメーションPVで建物の上にたたずむレイカの1シーンを切り取って製作。顔が見えそうで見えない展示角度が悩ましいが、もちろん顔もちゃんと作られているそうだ

【“盛れる”プリ機! ~花鳥風月~/フジロイ】
プリントシール機に革命をもたらしたナムコ(現バンダイナムコゲームス)の「花鳥風月」(2003年)の筐体を1/20スケールで製作した作品。筐体の中に脚だけが見える女子高生の姿が印象的だ。電飾で10秒ごとにフラッシュが光る演出も施されている

【インベーダーハウス/株式会社ヘルメッツ】
タイトーの「スペースインベーダー」(1978年)のブームを機に登場したゲームセンター始祖である「インベーダーハウス」のジオラマ。巨大なUFOが突き刺さった窓の外にあしらわれた蛍光色のタイポグラフィも、当時を知っている人には懐かしいデザインだ

【ハイカラシティのイカ筐体/Yodachin】
任天堂の「スプラトゥーン」(2015年)でハイカラシティに置いてあったアーケードゲーム機の立体化という変化球の作品。本体と台座にはiPod nanoとスピーカーが組み込まれていて、BGMに合わせて画面が次々と変わる仕様だ。マーキー(看板)は光り輝く

【元日本バンタム級6位 中華料理KO軒店主 山田三郎の密かな闘い/清水圭】
パンチ力を競うナムコのエレメカ「ノックダウン」(1991年)をモチーフに、独自のストーリーを設けて立体化。様々な思惑を持ったプレーヤーを迎える、ゲームセンターの片隅に置かれた筐体にはロマンを感じる、と制作者清水氏の談

【新製品! 子供のアイドル ロボットマシン登場!/イフェメリス】
駄菓子屋やデパートの屋上などで見られたエレメカの人気作品のひとつ、こまやの「合体ロボ☆Vファイブ」の筐体と、パネルに描かれた合体ロボットを製作。筐体はプラバンでのスクラッチ、合体ロボはプラモデルのバルディオスの改造だとか

【僕らはゲームセンターで少しだけ大人の階段を登ったような気持ちになった。/吉本プラモデル部 部長 佐藤哲夫】
吉本芸人のパンクブーブー佐藤哲夫さんが製作した今年の作品は、トーゴの「腕相撲」と、それをモチーフとしたオリジナルの女性版「腕相撲」。最初は女性版を作ったが、その元になる筐体を知らない人のために、オリジナルも製作したそうだ

【春麗(劇場版)/田中冬志】
一世を風靡した対戦格闘ゲーム、カプコンの「ストリートファイターII」(1991年)の人気キャラクター春麗のフィギュアは、劇場版アニメがモチーフ。きりっとした顔つきと、トレードマークでもあるたくましい太ももに来場者の視線が集まった

【ゲームセンターMVS/越沼真司】
NEOGEOでリリースされたSNKの「キングオブザモンスターズ2 THE NEXT THING」より、巨大な主人公モンスターの1人として登場するアトミックガイが、NEOGEO miniを改造したMVS筐体で同作を楽しんでいるという、遊び心あふれる作品