【特別企画】
アーケードゲーム「サイヴァリア」が稼働25周年! 敵弾をバズらせてレベルアップ! 異色のシステムを導入したシューティングをプレイバック
2025年3月8日 00:00
- 【サイヴァリア】
- 2000年3月 稼働開始
サクセスが2000年3月に発売したアーケードゲーム「サイヴァリア」が、2025年3月で稼働25周年を迎えた。
本作は、自機を8方向レバーとショット、ボンバーの2ボタンで操作し、敵を倒していく縦スクロールシューティングゲーム。1周全6ステージで、各ステージの最後に出現するボスを倒すか自爆させるとステージクリア(※1面はボスが出現しないので、最終地点まで到達すればクリア)となり、自機のストックがゼロになるとゲームオーバーとなる。
以下、筆者が本作をゲーセンで遊んでいた当時の記憶を頼りに、本作独特の面白さや魅力を改めて振り返ってみた。
わざと敵の攻撃を紙一重で回避! 前代未聞「BUZZシステム」の面白さ
筆者が本作と最初に出会ったのは、2000年4月上旬のこと。同月から新たに「常連」として通い始めた、アーケードゲーム専門誌「アルカディア」のハイスコア集計コーナーに毎号掲載されていた某ゲーセンだった。
実は、筆者の本作の第一印象は、あまりポジティブではなかった。前述のとおり、本作はショットとボンバーの2ボタンを使用する、昔からよくあるタイプのシューティングゲームであり、ビジュアル面でも特に大きなインパクトを受けなかったからだ。ただ、元々シューティングゲームが大好きで、シューティングのリリースが激減した時代にあって「久々に出た新作だし、試しにやってみるか……」程度の軽い気持ちで本作を初めて遊んだらすぐに気に入り、以後ほぼ毎日遊ぶようになった。
筆者が特に気に入ったのは、本作の代名詞である「BUZZ(バズ)システム」の面白さだった。
「BUZZシステム」とは敵弾、または敵に自機をかすらせるか、敵を倒すと得点とともに経験値が加算され、ゲージが満タンになると自機がレベルアップするシステムのこと。自機を敵や敵弾にかすらせると得点が入るシステム自体は、過去に「ライデンファイターズ」や「レイディアントシルバーガン」にも導入されていたが、自機の強化にまでつながるアイデアは前代未聞。さらに、自機は一定のレベルに到達するごとに変形し、ショットの威力や形状が大きく変化する。
たくさんバズらせようとするあまり、慣れないうちは勢い余って何度も自爆したが、敵の攻撃を紙一重でかわし続け、得点稼ぎやレベルアップを狙うのがとても楽しかった。
自機がレベルアップすると、周囲にオーラのようなものが発生し、少しの間だけ無敵状態になる。敵や敵弾が多い場面では、無敵の間に敵や敵弾に体当たりしまくり、連続でレベルアップさせることも可能だ。
筆者がシューティングゲームを好む最大の理由はショットを連射、あるいは狙い撃ちして敵を倒す快感が得られることにあるが、こと本作に関しては、敵を撃つ快感はそれほど高いと思わなかった。だが本作には、前述したボス戦で最後まで粘る、または敵キャラをわざと放っておいて弾を撃たせたりするなど、「BUZZシステム」を利用した攻略パターン作りが面白かったので、途中で飽きることなく1コインクリアするまで遊ぶことができた。
本作には「BUZZシステム」だけでなく、レバーを上下か左右に素早く動かすとショットの威力が増し、なおかつバズの当たり判定が広がり、経験値が1.3倍増しになる「ローリング」と呼ばれる独特のシステムもある。特に対ボス戦では、通常のショットではあまりダメージを与えられないのでローリングが必須となる。だからと言ってレバーを振り過ぎると、これまた勢い余ってミスの原因になることもあるが、ローリングを利用した攻略パターンの構築も面白かった。
各ステージに出現するボスは、ひと目ではとても数え切れないほどの、もの凄い数の弾幕をしばしば張ってくる。それでも得点稼ぎと自機のレベルアップのため、ボスが自爆する直前までわざと粘り、避けにくい攻撃をあえて誘発してバズを稼ぐのも本作の面白いところだ。
筆者がこの面白さを最初に実感したのは2面のボスだった。2面ボスは、自爆直前の最終形態で「まだ2面なのに、こんなに撃ってくるのかよ!」とビックリするほどの弾を放つが、ボスを倒すと自機が無敵状態になることを利用して、敵弾をギリギリまで引き付けてからボスを倒すのがとにかく楽しかった。
2面と同様に、3面以降のボスも「最終形態まで粘ってから倒すぞ!」とミスを繰り返しつつも、日々躍起になって遊んだことを今でもよく覚えている。筆者は本作を初めて1コインクリアするまでにかなりの時間が掛かってしまったが、苦戦を強いられたのはリスクがあるとわかっていても、ついつい稼ぎたくなる「BUZZシステム」の麻薬的な面白さに憑りつかれたせいだったと思う。
新バージョン「リビジョン」の登場にも大歓喜!
各ステージの成績(自機のレベル)に応じて、クリア後にルートが分岐するのも本作の大きな特徴だ。
1面を特に良い成績、つまり自機をたくさんレベルアップさせてクリアすると、2面開始時に2-A(EASY)、2-B(NORMAL)、2-C(HARD)の3ルートが出現する。逆に成績が悪かった場合は、最も難しい2-Cが出現せず、2-Aと2-Bの2ルートか、2-Aの1ルートしか出現しないこともある。以下、同様に3面は3-A~Bの2ルート、4面は4-A~Dまでの4ルート、5面は5-A~Cまでの3ルート、6面は6-A~Bまでの2ルートに分岐する。
あくまで筆者の体感だが、各「HARD」ルートのステージは、ほかのルートに比べて敵弾が多いため、難しいがバズ稼ぎがより楽しくなる。なので筆者は、ある程度ゲームに慣れたタイミングで、毎回自然と「HARD」を選択して1コインクリアを目指すようになった。
本作のBGMも筆者のお気に入りだ。本作のほとんどのステージおよびボス戦のBGMは、エレクトリックピアノと思しき音色のメロディアスな曲ばかりで、プレイしながら聴いていて実に心地よい。ボスを倒したときの喜びが増す、ステージクリア~次のルート選択時に流れるBGMや、エンディング曲もまた素晴らしく、閉店時間まで遊んだ帰り道に、夜空を愛でながら本作のBGMをよく口ずさんでいたものだ。
同年9月には、本作のバージョンアップ版「サイヴァリア リビジョン」が登場し、面白さが増したことでも思い出深い。
「リビジョン」では、各ステージの敵の出現、攻撃パターンが大きく変わり、良い成績でステージをクリアし続けると、やがて「HARD」よりも難しい、その名も「デンジャーステージ」が新たに出現するようになった。自機のレベルアップによるの進化形態、および性能も大刷新され、すべてのステージクリアを目指しつつ、いかに多くの敵弾をバズらせ、自機を最終形態までレベルアップさせるかも、筆者の新たなモチベーションになった。
「BUZZシステム」も改良され、以前は敵弾1発につき1回しかバズることができなかったが、「リビジョン」では同じ弾で何回でもバズらせることが可能になった。さらにボンバーボタンを長押しすると、無敵状態を長時間維持できる「ショートボム」が発射できるようになったことで、特に対ボス戦で弾幕の中に潜り込み、大量のバズを稼ぐのがたまらなく面白かった。
筆者は「リビジョン」も1コインクリアができるようになるまで遊び続けたが、初期バージョンからお気に入りだったBGMがいくつか変わったことも、本作を遊ぶ大きなモチベーションにもなっていた。
本作は、執筆現在でもシティコネクションがプレイステーション 4/Nintendo Switch/Steam/DMM GAMESで配信している「サイヴァリア デルタ」(※初代「サイヴァリア」と同内容の「ミディアムユニット」と「リビジョン」の2タイトルをリマスター収録し、新要素を追加したもの)でプレイ可能だ。Steam版は日本語に対応していないが、今でも手軽にプレイできるのは実に嬉しい。
特に本作の存在を今まで知らなかった人は、敵弾を紙一重でかわして「バズる」快感を、ぜひ体験していただきたい。
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