【特別企画】
アーケード版「レイフォース」30周年! 美しい演出の数々と高度な戦略性を兼ね備えた名作シューティング
2024年2月23日 00:00
- 【レイフォース】
- 1994年2月 稼働開始
タイトーが1994年2月に発売したアーケード用シューティングゲーム「レイフォース」が、今月でちょうど30周年を迎えた。
本作は8方向レバーとショット、ロックオンレーザーの2ボタンで自機のX-LAYを操作し、敵を倒していく縦スクロールシューティングゲーム。1周全7ステージで、各ステージのボスキャラを倒すとステージクリアとなり、ラスボスを撃破するとエンディングを迎えてゲームオーバーとなる。
以下、本稿では筆者のプレイおよび取材経験を交えつつ、本作ならではの特徴と魅力を振り返ってみた。
プレイヤーを魅了してやまない、ビジュアルとBGMが織り成す演出
「レイフォース」の素晴らしさは、ショットやロックオンレーザーで敵を倒す爽快感の高さに加えて、一度見ただけでも容易に忘れることはできないビジュアルの美しさにある。
本作のビジュアルは、宇宙空間に広がる星々や敵軍の施設をバックに、各ステージのボスキャラをはじめ戦車や砲台、ロボットなどのメカが動き回る、美しさとカッコよさを併せ持つ。加えて、キャラクターや背景の拡大・縮小表示を利用して高低差を表現し、より立体感のある舞台を演出したり、場面によってはスクロール速度をアップさせてスピード感を出したりするなど、プレイしていて思わずテンションが上がるシーンが随所に盛り込まれている。
各ステージやボス戦のテーマなど、名曲ぞろいのBGMも絶対に見逃せないポイント。1面のBGM「Penetration」は、これから戦いに挑むプレイヤーのテンションを上げる軽快な曲かと思えば、2面のBGM「G」では、一転して本作の世界観にじっくりと浸ってほしいとばかりに、ややゆったりとした曲になっているなど、ステージやシチュエーションごとに個性が際立つBGMを聴いているだけでも楽しい。ビジュアルとBGMとが絶妙にシンクロした演出が多いのも本作の大きな特徴で、例えば2面の終盤で、味方の宇宙戦艦が敵艦に撃沈されるシーンとBGMが見事にシンクロしたシーンは実に感動的だ。
実は筆者、ライターデビューして間もない1993年の年末に、先輩とタイトー本社に出掛けて本作の開発バージョンを取材した経験がある。当時は未完成で、確か5面の途中までしかプレイできなかったと記憶しているが、それでも本作独特の面白さと美しさに感動した思い出がある。本作が正式稼働後も、筆者は正直あまり得意ではなかったが、それでも本作のビジュアル見たさ、BGM聴きたさゆえに、行く先々のゲーセンでよく遊んでいたものだ。BGMにはとりわけ魅了され、筆者は本作の発売と同じ1994年にサイトロン(ポニーキャニオン)からリリースされたゲームミュージックアルバム「レイフォース」をすぐさま購入し、今でもたまに聴くほど大のお気に入りだ。
ロックオンレーザーの秀逸なアイデアと演出の妙
本作を語るうえで忘れてはいけないのが、強力かつ華麗に敵を一掃できるロックオンレーザーの存在だ。
滑らかなカーブを描き、ロックオンした敵に向かって正確に飛んで行く軌道の美しさに加え、複数の敵を同時にロックオンした場合でも、ボタン1発でロックオンした数と同じ弾数のミサイルが同時に発射されるのが実に快感で、何度遊んでも飽きることがない。
自機よりも低い位置から出現し、徐々に上昇してから攻撃を繰り出す敵は、低空飛行中に素早くロックオンして倒すことで、反撃を未然に防げるのも本作ならではのおもしろいところだ。また本作では、「どうぞロックオンしまくって下さい」とばかりに、低空飛行かつ無抵抗の敵が大量に出現するシーンを何か所も用意しているのも心憎い演出だ。
多くのプレイヤーを夢中にさせる、ロックオンレーザーにおけるもうひとつの大きな要素が得点システムだ。
同時に敵を2機ロックオンして破壊すると、1機目の得点は変わらないが2機目の得点が2倍になり、3機ロックオンした場合は3機目の得点が2×2で4倍に跳ね上がる。ロックオンレーザーは、パワーアップアイテムを取ることで最大8機(または8か所)まで同時にロックオンが可能となるので、8機目に倒した敵の得点は2の7乗で128倍までアップする。つまり、普通に倒せば100点の敵でも、8番目にロックオンして倒せば、いっぺんに12,800点も稼げることになる。
この得点システムを利用して、まるでパズルや計算問題を解いているかのごとく、独自のロックオンパターンを編み出し、どこまで得点を伸ばせるのか、自身の限界に挑戦しながらプレイする楽しさも、本作ならではのものだ。
ありがたいことに、本作はタイトーから発売中の復刻ゲーム機「イーグレットツー ミニ」に収録されているので、今でも気軽に遊ぶことができる。本機にはショットの高速連射ボタンと、プレイデータのセーブ機能が搭載されているのも実にありがたい。本作をプレイする際は、なるべく性能の高いヘッドフォンをかぶりつつ、美しいビジュアルとBGMもじっくりと堪能していただきたい。
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