【特別企画】
「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」インプレッション
完全ワイヤレスで迫力のゲームサウンド! PS5や新PSPとの相性も抜群
2023年12月1日 15:18
- 【PULSE Explore ワイヤレスイヤホン】
- 12月6日 発売予定
- 価格:29,980円
プレイステーション 5ユーザーの方は、ゲームをプレイするときどのようにゲームサウンドを聴いているだろうか。テレビ内蔵のスピーカーのほか、ゲーミングヘッドセットやイヤホンだったり、サウンドバーやホームシアターといったサラウンド環境で楽しんでいる方もいらっしゃるだろう。
そんな中、より“身軽かつ高音質”にPS5のゲームサウンドを楽しめるプレイステーション純正の周辺機器「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」が12月6日に発売される。本商品は、ゲーミングデバイス界隈ではまだ珍しい完全ワイヤレスイヤホンかつ、平面磁界型とも呼ばれる「プレーナーマグネティックドライバー」を搭載した唯一無二の製品だ。
本稿では、発売に先駆けてSIEより「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」が届いたため、インプレッションをお届け。製品の開封から外観、着け心地や音質といった実際の使用感まで「PULSE Explore」の魅力を紹介していく。
「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」スペック | |
---|---|
駆動方式 | 平面磁界型(プレーナーマグネティックドライバー) |
ドライバーサイズ | 非公表 |
接続方式 | PlayStation Link、Bluetooth(デュアルデバイス接続対応) |
マイク | 内蔵、AIによるノイズリジェクション機能搭載 |
バッテリー | 最大5時間、充電ケースを用いて最大10時間 |
充電時間(イヤホン本体) | 約40分、10分間の充電で約1.5時間使用可能 |
充電時間(ケース) | 約1.5時間 |
「PULSE Explore」をいざ開封! コンパクトなパッケージとシンプルな内容物に
まずは「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン(以下、PULSE Explore)」を開封していく。パッケージは、PS5本体やPlayStation Portalといった近頃のプレイステーション製品と統一されていて、シェイプスロゴを背景にイヤホン本体がデザインされている。パッケージのサイズは、PS5付属のコントローラー「DualSensen」より一回りほど小さい。
パッケージ下面の紙テープ部分を引くと、内部が引き出せるようになっている。だが、中箱を引き出しても製品本体は現れず、PS5本体を開封するときのような“焦らし”は健在だ。本体の図面が中心で、必要最低限の文字で構成されたスタートアップガイドが現われる。
中には「PULSE Explore」本体のほか、独自の無線規格「PlayStation Link」のUSBアダプター、充電用のUSB Type-C to Aケーブル、イヤーチップ、セーフティガイドが入っていた。パッケージが小さい分、中はギッシリと同梱物が入っている。
これにて開封は終了。取り出した「PULSE Explore」本体はキズを防止するための薄い紙に包まれている。次項からは遂にベールを脱いだ「PULSE Explore」のケースやイヤホン本体の外観を見ていこう。
完全ワイヤレスイヤホンとしては少し大きめ。「PULSE Explore」の外観をチェック!
ここからは「PULSE Explore」の外観を見ていく。イヤホンを格納する充電ケースは、ブラックとホワイトのツートンカラーで、ケースの曲線も相まってPS5の周辺機器であることがすぐにわかるデザインだ。一方で、昨今の完全ワイヤレスイヤホンと比較すると大き目のサイズで、もう少しコンパクトだと嬉しい。右側面にUSB Type-Cポートが搭載されているだけで、ボタン類などはない。
充電ケースは、ホワイトの部分がスライドカバーになっていて、ブラックの本体側をつまむように持ち、左方向にカバーを「カシャッ」とスライドさせるとイヤホン本体が現われる。ギミックとしてはカッコいいが、利便性で見ると装着するまでの動作が多めで、素早く装着できるようになるには慣れが必要だ。
充電ケース内には、左右分のイヤホン本体がセットされている。磁石でくっついているためポロっと落ちることはなく、かつ取り外しやすい丁度いい磁力に仕上がっている。左右イヤホン本体の間には、新たな無線規格「PlayStation Link」またはBluetoothで接続するためのペアリングボタンが配置されている。
イヤホン本体も昨今の完全ワイヤレスイヤホンと比較すると大きめのサイズ。だが、よく見ると耳にフィットするよう各部が曲線的な形状になっているなど工夫が凝らされていて、装着感は良好。もちろん、このあたりはユーザーによって違いが生じるが、筆者の場合は長時間のゲームプレイでも難なくできる装着感に感じた。
イヤホン本体に搭載されているボタンはシンプル。装着して“こめかみ側”にあたる部分には「PS Link」ボタンがあり、PS LinkまたはBluetoothの接続先を切り替えることができる。後頭部側には音量ボタンを搭載し、PS5と「PS Link」で接続している状態に限り音量コントロールができる。Bluetooth機器の音量は、接続するデバイス側でしかコントロールできないため注意が必要だ。
イヤーピースは、開封時に装着されているものも含め、全4種類が同梱されている。サイズの表記は無いがS・M・L・XLのサイズ感で、標準ではMサイズが装着されていたが、筆者の耳では低音がスカスカの状態だった。XLサイズに付け替えると、きちんと密閉されて低音もよく聴こえるようになったため、購入した際はまずイヤーピースのサイズを確認しよう。
機能は最低限。でも“平面磁界型”で音質良好な「PULSE Explore」
ここからは実際に「PULSE Explore」を使用したレポートをお届け。まずPS5で使用する場合はとても簡単で、付属の「PlayStation Link USBアダプター」をUSBポートに接続して、イヤホンを充電ケースから取り出すことですぐに使用できる。なお、従来のPS5はフロントにUSB Type-Aが搭載されているが、11月に発売された新型PS5はUSB Type-Aポートがリアのみのため注意が必要だ
そして、リモートプレイ専用機「PlayStation Portal(新PSP)」で利用する場合は、新たに「PlayStation Link」でペアリングする必要がある。イヤホン本体を充電ケースに格納している状態で、ケース側の「PS Link」ボタンを8秒間押し続ける。そして「新PSP」に搭載されている「PS Link」ボタンを一度押すと、自動的にペアリング完了となる。
また、モバイル機器と接続したい方もいるだろう。「PULSE Explore」は、独自の「PlayStation Link」以外にもBluetoothに対応しており、スマートフォンなどと接続することができる。先ほどと同様に充電ケースの「PS Link」ボタンを8秒間押し、接続したいデバイス側で「PULSE Explore」を選択するとペアリング完了だ。
ソニーと言えば、“世界最高のノイズキャンセリング”を誇る「WF-1000X」シリーズなど完全ワイヤレスイヤホンのパイオニア。今年7月に新製品「WF-1000XM5」を発表したほか、10月にはゲーミング完全ワイヤレスイヤホン「INZONE Buds」を発売した。この2つの製品は同じドライバーユニットを使用しており、ノイズキャンセリングといった機能面での共通点も多い。
だが、SIEの「PULSE Explore」は異なり、カスタム設計の「プレーナーマグネティックドライバー」を使用している。これは一般的に「平面磁界型ドライバー」と呼ばれるもので、数万円から数十万円するようなヘッドフォンで採用例が多い。だが、イヤホンで採用した製品は少なく、完全ワイヤレス型となるともっと少ない。それを“ゲーミング完全ワイヤレスイヤホン”という少々ニッチなジャンルで搭載した本製品は、唯一無二の存在と言っていいだろう。
音質は癖が少なく、高音域から中音域、低音域までしっかりと鳴っており、音の広がりや定位もいい。PS5と「PS Link」で接続している際は、“超低遅延のロスレスオーディオ”を謳うこともあり、「Apex Legends」といったFPSタイトルでも遅延を感じることはない。グレネードがどこで爆発したかなど、音の方向も感じ取ることができる。「グランツーリスモ7」では、車から響くエンジン音やサーキットに広がる走行音も聴き取れ、ゲームサウンドの迫力もある。
リモートプレーヤー「PlayStation Portal(新PSP)」との相性もいい。「新PSP」はBluetoothオーディオに対応しておらず、発売時点では有線イヤホンでの接続に限られていた。だが「新PSP」は「PS Link」アダプターを内蔵しており、「PULSE Explore」とペアリングすることでとケーブルなしでゲームサウンドを楽しめるため、より身軽にPS5タイトルをプレイできるようになった。
「PlayStation Link USBアダプター」と「新PSP」間の切り替えも簡単。イヤホン本体の「PS Link」ボタンを2秒押すと、その時点で接続されている「PS Link」デバイスと切断される。そして切り替えたい側の「PS Link」ボタンを一度押すことでイヤホンと接続される。「PULSE Explore」はPCにも対応しており、「PlayStation Link USBアダプター」は別売りもされるため、PS5やPC、新PSPと切り替えながら使うことができる。
さらに、筆者所有のタブレット「iPad Air」とBluetoothで接続してみた。Bluetoothといえば遅延によって“音ズレ”が発生するイメージだが、「PULSE Explore」は最小限の遅延に抑えており、音ゲーなどのシビアなゲームでなければ問題なくプレイできる。また、PS LinkとBluetoothによる「デュアルデバイス接続」に対応しているため、スマートフォンで音楽を流しながら、PS5でゲームをするということも可能だ。
ゲーム時のボイスチャット時に便利なマイクも搭載。AIによる「ノイズリジェクション」機能もあるため、プレーヤーの声をしっかり拾ってくれる。今回、試した範囲ではマイクの音質はそこそこと云った印象だが、扇風機で意図的に発生させた風切り音やスマートフォンで再生した動画の音声は拾わず、筆者の声を忠実にキャッチしていた。
その一方で「PULSE Explore」は、“必要最低限”の機能しか搭載していない。ソニーの十八番である「アクティブノイズキャンセリング」は非搭載のほか、音楽再生時に便利な「装着検知機能」や、急な雨の時に安心な“防滴性能”もない。純粋にゲームサウンドを楽しむためのイヤホンという印象だ。
だが、イヤーピースがしっかりと耳の形に合っていれば、外音はある程度カットしてくれるため、ゲームに没頭していれば外のノイズが邪魔になることはないだろう。
“良質なゲームサウンド体験”が楽しめる「PULSE Explore」。どの完全ワイヤレスを選ぶかは“用途次第”
ここまで「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」のインプレッションをお届けしてきた。わざわざコストのかかる「プレーナーマグネティックドライバー」を採用したことで、音質を底上げしているのはSIEが掲げる「良質なゲームサウンド体験」のためだろう。そのおかげで、完全ワイヤレスイヤホンとは思えない迫力のゲームサウンドを「PULSE Explore」で楽しむことができた。
価格は29,980円と、少し奮発して買うような“高級完全ワイヤレスイヤホン”となる。さらに音楽再生に特化した「WF-1000XM5」や利便性も兼ね備えたゲーミング完全ワイヤレスイヤホンの「INZONE Buds」など、同じソニーグループで競合製品がある。「PULSE Explore」はゲームに特化したイヤホンのため、どの製品を選ぶかはユーザーの用途次第だ。
PS5との相性はお墨付きで、「新PSP」ユーザーで完全ワイヤレスイヤホンを使いたい方は唯一の選択肢となる。より手軽にPS5タイトルのサウンドを楽しみたい!という方は、ぜひ「PULSE Explore」を検討してみてほしい。
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