レビュー

PS5用「PlayStation Portal リモートプレーヤー」レビュー

家中どこでもPS5体験! 環境次第でより身近にPS5タイトルをプレイ

【PlayStation Portal リモートプレーヤー】

11月15日 発売予定

価格:29,980円

 もうすぐ年末年始。冬休みはプレイステーション 5でゲーム三昧という方もいるだろうし、家族へのプレゼントや自分へのご褒美としてPS5を購入予定という方もいらっしゃるだろう。そんなPS5でのゲーム生活をより豊かにしてくれる周辺機器が新たに登場する。

 それが11月15日発売予定の「PlayStation Portal リモートプレーヤー」だ。本商品は、PS5ゲームを“テレビなし”でプレイできる新たな形のハードウェア。技術が進んだ現代だからこそできるリモートプレイを用いて、手元で快適にPS5ゲームをプレイすることができる。

 そこで本稿では、SIEより数日間ほど実機を体験できる機会を頂いたため、「PlayStation Portal」のレビューをお届け。ケーブルいらずのペアリング方法や実際の使い心地、スマートフォンを用いたリモートプレイとの違いなど、「PlayStation Portal」の特徴を紹介していく。

 なお「PlayStation Portal」の開封から外観の特徴、Nintendo Switchとのサイズ比較、握り心地などを知りたいという方は、既にレポートが掲載されているため、そちらをぜひ参考にしてほしい。

【PlayStation Portal リモートプレーヤーが登場|PS5】

ケーブルいらずでPS5と簡単連携! 「PlayStation Portal」を使うまでの流れ

 まずは「PlayStation Portal(以下、新『PSP』)」について、これまでの流れを紹介したい。新「PSP」は、今年5月に開催された配信イベント「PlayStation Showcase」にて「Project Q」という名前で発表。その際に8インチ・フルHDディスプレイやハプティックフィードバック、アダプティブトリガーなどの搭載が明かされていた。

 その後、8月に「PlayStation Portal」という商品名が発表され、9月末より順次予約受付が実施。つい先日、新型PS5が発売されたばかりだが、間髪を入れずに新「PSP」が11月15日に発売される。

新「PSP」は、5月の配信イベントにて「Project Q」という名前で発表された
スペック表(本体)PlayStation Portal
ディスプレイ液晶(LCD)
解像度1,920×1,080(フルHD)
リフレッシュレート60Hz
ワイヤレス関連Wi-Fi、PlayStation Link
重量(実測)532g

 新「PSP」は単体では機能せず、PS5と組み合わせることが前提となっている。そのため、新「PSP」単体でできることは必要最低限で、PS5とのペアリング、Wi-Fi接続など無線関連の設定、システムアップデートのみだ。Webブラウジングくらいできれば……と思うが、最低限の機能に絞ることで、ゲームプレイに特化したシンプルなUIに仕上がっている。

 電源を投入すると30~40秒ほどで起動し、初期設定へ移行。最初に言語を設定したあと、Wi-Fiの接続先を設定する。搭載されているディスプレイはタッチ対応のため、パスワード入力も簡単だ。無事にネットワークへ接続すると、QRコードが出現しスマートフォン用アプリ「PlayStation App」で読み取るよう促される。

 ここで「PS App」利用している場合は、QRコードを読み取ってそのまま進行できるほか、アプリを利用していない方は手動でサインインすることもできる。筆者は「PS App」を利用していたため、アプリでQRコードを読み込むと、新「PSP」とPSアカウントが連携される。

【新「PSP」の初期設定】
起動時の様子。なお画像の一部でディスプレイに撮影ボックスが映りこんでいるが、ご了承いただきたい
最初は言語設定。様々な言語に対応している
そしてWi-Fiへ接続するネットワーク設定
タッチパネルのため、パスワード入力も簡単
規約へ同意する
するとQRコードが出現。スマホアプリ「PS App」で読み取るよう促される
【「PS App」側の操作】
「PS App」を起動。下部メニューの「プレイ」タブから右上の設定マークを開く
設定メニューの「本体設定」から「QRコードをスキャン」を開く
カメラが起動するのでQRコードを読み込み、許可をタップする
「PS App」側の操作はこれで終了だ

 新「PSP」がPSアカウントにサインインすると、利用しているPSアカウントと紐づけられているPS5が表示される。いつも利用しているPS5を選択すると、これにてペアリングは完了。USBケーブルなどでPS5本体と接続する手間は無く、簡単に設定することができる。

 なお、初めてPS5でリモートプレイをする場合は、PS5側の設定を確認しておく必要がある。PS5の設定から「システム」タブより「リモートプレイを有効にする」をオンにする必要があるほか、レストモード時の設定で「インターネットに接続したままにする」と「ネットワーク経由でPS5の電源を入れる」をオンにすることが推奨されている。

 ここまでくれば、新「PSP」の設定は全て完了。初期設定が完了すると、新「PSP」側のメニューの操作方法が簡単に紹介され、その後自動的にPS5と接続される。次項からは実際に「PlayStation Portal」を使ってみた様子をお届けしていく。

PSアカウントが連携されると、PS5とのペアリング設定へ
いつも利用しているPS5の名前を選択する。なお2台以上ログインしている方は、切り替えも可能だ
PS5側の設定も確認しておこう
【PS5側の設定】
設定の「システム」を選択
「リモートプレイ」の項目からリモートプレイを有効にする
また「レストモード中に使う機能」でネットワーク関係の設定をオンにすることが推奨されている
タッチパネルを右上からスワイプすると、クイックメニューが表示される
設定完了! 早速、新「PSP」を使っていこう

家中どこでもPS5体験! 新「PSP」でPS5ゲームをプレイしてみた

 ここからは実際に「PlayStation Portal(新『PSP』)」を使ってみた様子をレポートしていく。先ほど初期設定を完了した新「PSP」だが、いざリモートプレイが開始され、PS5のホーム画面が表示されると、普段はテレビで見ている画面が手元にあるというのが非常に新鮮だ。

 大型テレビやディスプレイに表示されることを前提としたPS5のUIだが、新「PSP」の8インチ・フルHDディスプレイで見にくいと感じることはない。むしろ、その解像度の高さに少し驚いたほどで、ホーム画面やPS Storeに表示される文章も難なく読むことができる。リモートプレイは最高1080p・60fpsに対応していて、8インチディスプレイでプレイするには十分な品質だ。

 新「PSP」でのプレイ体験は、ユーザーのインターネット環境に左右されることも念頭に置いておきたい。リモートプレイには5Mbps以上のインターネット回線が必要で、“より良い体験”には最低15Mbpsの回線が推奨されているほか、PS5とルーター間を有線LANで、新「PSP」とWi-Fiルーター間を5GHz帯で接続することがオススメだ。筆者の環境はこれら全てを満たしており、新「PSP」を思う存分使うことができる。

 なお、新「PSP」は家の中での使用をターゲットとしており、外での使用は想定されていない。外出先でも安定したインターネット環境さえあれば自宅のPS5にアクセスできるが、遅延が増えたり、解像度が低下して、快適にゲームをプレイできない可能性があるため、あくまでも家の中での使用を目的として購入を検討してほしい。

PS5のメニュー画面が表示された新「PSP」。画像ではディスプレイが暗く感じるが、必要十分な明るさを備えている
リモートプレイは最高1080p・60fpsとなっていて、文字も綺麗に表示されている

 最初に、PS5とWi-Fiルーターが設置されているリビング(1階)にてプレイしてみた。その使い心地はまるで“小さくなったPS5”で、体感できる遅延もなく高解像度の状態で「ファイナルファンタジーXVI」や「Marvel’s Spider-Man Remastered」、「グランツーリスモ7」などのPS5タイトルをプレイできた。また、アダプティブトリガーやハプティックフィードバックといった「DualSense」ならではの機能も備えていて、PS5ゲームをそのまま体験できる。

 次に、Wi-Fiルーターから遠い筆者の作業部屋(2階)に移動すると、時おり警告マークが出て、解像度が低下したり遅延が発生。筆者の作業部屋は、Wi-Fiルーターまで壁などの遮蔽物が多く、スマートフォンでもWi-Fiの感度が低下するので仕方ないことだが、このあたりは“リモートプレイ”であることを実感する場面だ。だが、作業部屋にはWi-Fi子機が設置されており、新「PSP」の接続先を子機に変更すると、1階のリビングと同じようなプレイ体験ができた。

 このようにネット環境が整った場所では、新「PSP」が真価を発揮する一方、ネット環境が悪化するとプレイ体験が損なわれるというリモートプレイらしい結果となった。だが、環境さえ整えば快適そのもので、先の「Marvel’s Spider-Man」や「GT7」といったプレイステーション限定タイトルを手元でプレイできるというのは、ゲーマーにとって非常に大きい。就寝前に少し「FFXVI」を進めたいというときも、新「PSP」で横になりながらプレイできる。

 一方で、これは新「PSP」というよりPS5のリモートプレイ全体でいえることだが、色のグラデーション表現が苦手なところもあり、設定を開くと背景のカラーバンディングが気になった。今回プレイしたゲームの範囲では気にならなかったが、タイトルによっては影響する可能性もあるので、注意しておこう。

「グランツーリスモ7」の画面。リモートプレイであることを忘れるくらい、解像感が高い
ゲームプレイも難なく可能
「Marvel’s Spider-Man Remastered」などアクション性の高いゲームもプレイ可能だ
設定を開くと、色の階調表現に縞模様が現われるカラーバンディングが気になった

 また、新「PSP」自体はグラフィックスの処理をしておらず、通信関連やディスプレイに表示する映像処理のみを担当しているため、ゲームプレイ中はほとんど発熱しない。バッテリー持続時間は正確に計測できていないが、満充電の状態から3時間ほど通しでプレイしても、バッテリー残量低下の通知はなかったため、5~6時間ほどはプレイできるだろう。

 筆者が少し気になる点と言えば、バッテリーの残量をパーセント表示できないことだ。正確にはできるのだが、電源オフの状態で充電すると表示される。そのため、ゲームプレイ中はクイックメニューから、3段階表示のインジケーターでバッテリー残量を確認しなければならない。3段階表示は少し大雑把すぎるので、せめて20%毎の5段階表示またはパーセント表示ができるよう改良していただきたい。

 充電はUSB Type-Cポートより可能で、市販のUSB PD対応の充電器でも充電可能。充電時間は、30W対応のUSB PD充電器において、残量5%程度の状態からフル充電まで2時間ほどだった。もちろん、PS5前面のUSBポートでも充電可能だが、充電時間は伸びる可能性がある。

ディスプレイを右上からスワイプすると……。
新「PSP」のクイックメニューが登場
バッテリーは比較的長く持つ。一方でバッテリー残量が3段階でしか確認できないのは、少し不親切に感じた
電源を切った状態で充電を開始すると、パーセント表示が登場。充電時間は約2時間ほどだ

 そして、ゲーマー視点で気になるのはリモートプレイの弱点である“遅延”だろう。これについて結果を先に述べておくと、通信環境が整った状態でも遅延はある。だが、その遅延は0.1秒(約6フレーム)以下でシングルプレイのアクションゲームやRPGをプレイする分にはほとんど体感できない。だが、数値上の遅延は確実にあるため、0.1秒が命取りとなるオンラインFPSなどのプレイは向いていないだろう。

 今回、筆者の環境では常時約0.03秒(約2フレーム)ほどの遅延が発生していることを確認できた。実はPS5、リモートプレイ中もHDMIポートから映像を出力しており、新「PSP」を接続している状態でもテレビに画面を表示できる。そこでPS5のブラウザを立ち上げ、ブラウザ上に表示できるストップウォッチで計測。その画面を同時に撮影すると、0.03秒ほど新「PSP」が遅延していることを確認できた。

 もちろん、この測定方法も使用しているディスプレイや通信環境で違いが生じるが、約2フレームほどという結果を見ると、リモートプレイとしては遅延を相当抑えているといえる。よほどのことが無い限り、遅延を気にせず新「PSP」を使うことができるだろう。

リモートプレイ中もPS5はHDMI出力を続けている
アプリとして存在はしないが、PS5のシステムに内蔵されているブラウザを用いてストップウォッチを表示
大体、常時0.03秒(約2フレーム)ほどの遅延が発生している
プレイできない訳ではないが、「Apex Legends」といったオンラインFPSなどは0.1秒の遅延が命取りとなるため、オススメはしない

 新たな無線規格「PlayStation Link」も紹介しておこう。この規格は、ロスレスオーディオを低遅延で伝送でき、12月6日発売予定の完全ワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」や2024年2月発売予定のヘッドセット「PULSE Elite」が対応している。新「PSP」本体上面にペアリングボタンが配置されており、対応製品とすぐにペアリングが可能だ。

 だが、新「PSP」は新規格「PlayStation Link」には対応しているが、Bluetoothオーディオには対応していない。そのため、市販のワイヤレスイヤホンなどは接続できず、本体背面の3.5mmジャックから有線イヤホンを接続するか、新たに「PULSE」シリーズ製品を購入する必要がある。この点は筆者も少し懐疑的で、多少の遅延は考慮しつつ、利便性を向上させるためにBluetoothオーディオへ対応してほしかったところだ。

【新規格「PlayStation Link」】
新「PSP」は新たな無線規格「PlayStation Link」に対応している
本体上面には「PlayStation Link」のペアリングボタンを配置
12月6日発売予定の「PULSE Explore」や……
2024年2月発売予定の「PULSE Elite」が対応。一方でBluetoothオーディオ機器は接続不可だ

 さらに、スマートフォン/PC用アプリ「PS Remote App」を用いたリモートプレイとの違いについても触れておこう。リモートプレイの映像品質は、新「PSP」と「PS Remote App」で差はほとんどな。新「PSP」は、ユーザーがどのようにPS5ゲームをプレイするかで、変化が生まれてくると筆者は感じている。

 「PS Remote App」では、スマートフォンやタブレット、PCでリモートプレイができるという利便性はあるが、快適にプレイするには「DualSense」などのコントローラーが必要だった。そのため、スマホやタブレットをテーブルに置く必要があり、プレイするときの姿勢が限定されていた。一方で「Backbone One」といったスマホと一体化するコントローラーだと、「アダプティブトリガー」や「ハプティックフィードバック」といった機能が使用できない。

 だが、新「PSP」はPS5のゲーム体験をほとんど損なわずに、家中どこでもPS5ゲームをプレイすることができる。例えば、家族がテレビを見ていてPS5ゲームをプレイできないときに、新「PSP」でゲームをプレイしたり、寝る前に少しだけベッドからPS5ゲームをプレイできたりと、テレビの前でしかできなかったPS5ゲームが、さっと手元で快適にプレイできるところがポイントだ。

 最近では「Steam Deck」といったポータブルゲーミングPCなども台頭しているが、「Marvel's Spider-Man 2」といったタイトルは現時点でプレイステーション 5でしかプレイできない。このようなタイトルが、携帯ゲーム機のように気軽にプレイできるようになると、嬉しいというゲーマーの方もいらっしゃるだろう。

スマートフォンでのリモートプレイは、画面が小さく迫力が欠ける
タブレットを利用すれば画面は大きくなるが、プレイする体勢に制限がかかる
新「PSP」はディスプレイとコントローラーが一体となっていて、しっかりとグリップできるほか、DualSenseの機能も搭載されている

ハードルをクリアすれば快適な「PlayStation Portal」。PS5タイトルをより身近にプレイ!

 ここまで、PS5用リモートプレーヤー「PlayStation Portal」のレビューをお届けしてきた。リモートプレイに特化したハードウェアで、ユーザーの環境を選ぶ少しニッチなガジェットだが、環境さえ整っていれば、家中のどこでも快適にPS5タイトルをプレイできるゲーマー垂涎のデバイスとなっていた。

 “PS5タイトルはテレビでプレイするので必要ない”というユーザーもいれば、“このようなデバイスを待っていた!”というゲーマーの方もいらっしゃるだろう。新「PSP」はPS5ユーザー全員に必要なものではなく、PS5の遊び方を提示してくれるデバイスだ。「PlayStation VR2」のように人は選ぶかもしれないが、可能性を秘めているハードウェアの一つとなっている。

 家族がテレビと使っている間にプレイしたいという方や、すきま時間にさっとプレイしたいという方など、よりフレキシブルにPS5を運用したい人にとって「PlayStation Portal リモートプレーヤー」は唯一無二の選択肢となるだろう。