【特別企画】

「信長の野望 出陣」CBTレポート。ついつい歩き過ぎてしまうほど領土拡大が楽しい!

自らの足で各地を巡り、天下無双の武将を目指せ!

【信長の野望 出陣】

配信日 未定

利用料金:アイテム課金型(基本プレイ無料)

 コーエーテクモが世界に誇る歴史シミュレーションの雄「三國志」シリーズと双璧を成す「信長の野望」シリーズ(以下、「信長」)。今年で40周年を迎える本シリーズは、今やゲームとしての枠を飛び越え、漫画やパチスロ、果てはミュージカルまで、さまざまなプラットフォームで幅広い活躍を見せている。

 そんな「信長」シリーズに新たなスマホアプリ「信長の野望 出陣」が登場した。本作は“戦国ウォークゲーム”と称した位置情報ゲームとなっており、自分自身が歩いて領土の拡大・戦力の強化を行なっていく。これまでの「信長」シリーズとは一線を画すゲームシステムの本作だが、現在は約1週間に渡るクローズドβテスト(以下、CBT)が実施されている。

 今回は、30年以上前の「戦国群雄伝」時代からシリーズをプレイしてきた筆者がCBTに参加。本作のファースト・インプレッションをお届けしよう。

【新作アプリ『信長の野望 出陣』初報映像】

歴史SLGに位置情報要素をプラス! かつてない天下布武の幕が上がる!

 本作は過去作の趣を残しつつも、シリーズ初となる斬新なアイデアを採用している。それが位置情報システムの導入だ。戦国を舞台にしたSLGゆえ、基本的な目標は領土の拡大、ひいては日ノ本(日本)の統一だが、さまざまな場面で“歩くこと”がカギになっている。

 一例をあげると、自国の領土拡大は現実世界を歩くことで行なう。ゲーム内には、GPS機能によって取得した実際の地形を活かしたフィールドが広がっており、地域ごとに拠点が設置されている。たとえば東京都千代田区の神田神保町という地域の拠点で領主に勝てば、その地域が手に入るというわけだ。

最初にプレイヤーキャラクターを男性にするか女性にするかを選ぶ。選んだほうのキャラクターがフィールド上に表示される
歩くことで領土を広げていく。地域にある拠点にいる敵武将を合戦で倒せば、その地域を自分の領土にできるのだ

 また、フィールドには農民や商人、敵武将などが点在している。農民や商人は、近づいてタップすれば声を掛けて金銭や資源を入手することが可能。金銭は配下武将の育成に、資源は施設の強化に使用する。

 一方、敵武将に近づいてタップすると合戦に突入(タップしなければ合戦をせずに素通りもできる)。勝利すれば経験値が得られるほか、装備品が手に入ることもある。もちろん、手に入れた装備品を配下武将に装備させれば戦力の強化が可能だ。

 そのほか、ある程度ゲームが進むとフィールドに野盗が現れるようになる。野盗に合戦で勝利すれば経験値や装備品が入手できるだけでなく、民の忠誠度も上昇。敵武将にくらべて弱い傾向にあるので、野盗とは積極的に戦うようにしたい。

ゲーム開始後しばらくは、本作のオリジナルキャラクターはつほ(左)と若かりし頃の秀吉(右)がサポートしてくれる
画面の左上に見える赤いエフェクトに包まれた砦が、その地域の拠点。歩いてある程度まで近づけば合戦を仕掛けることができる
合戦はほぼオートで行なわれる。画面下にある大将の顔パネルがゲージで満タンになったら、強力な戦法を発動可能だ
武将には兵科があり、歩兵は騎馬兵に強く、騎馬兵は弓兵に強く、弓兵は歩兵に強い。鉄砲兵は、どの兵科とも互角に戦える

歴史SLGと位置情報要素がベストマッチ! ある意味では本家以上に楽しめる!

 本作は、スマホアプリとしてはオーソドックスな作りとなっている。物語は章立て構成で、「拠点を奪取する」、「敵武将と戦う」などのミッションをクリアすることでゲームが進行。ガチャで武将を獲得し、レベルを上げたり覚醒させたりして育成していく。

 一見すると凡庸にさえ感じるゲームシステムだが、これが非常に面白く仕上がっている。まず「信長」シリーズと位置情報要素の相性が極めていい。車もバイクもない戦国時代を舞台としたゲームで、歩いて遊ぶというシステムを採用したのは、さすがと言うべきか。

 また、無理に長距離を歩く必要はなく、最短で隣の地域まで行けばゲームを進められる。逆に長距離を歩きたい人・歩いた人には、より多くの金銭や資源が手に入ったり、フィールドで配下になる武将に出会いやすくなったりといった見返りが用意されている。総じて“より多く歩いた者”がゲームを有利に進められるよう、工夫が施されているわけだ。

フィールドでは、農民や商人が困っている。助けてあげると(近づいてタップ)お礼に金銭や資源が手に入るのだ
フィールドは現実の時刻に合わせて昼→夕刻→夜と変化。とはいえ、夜でも農民や商人はいるので、時刻を気にせずプレイできる

 領土の拡大も、じつに細分化されている。従来の領土は国単位や城単位だったが、本作は地域単位。福岡県のみやこ町を例にして説明すると、みやこ町の中に10以上の地域がある。市町村によっては、40~50地域という場所もあるのではないだろうか。自分で歩いて奪取しただけあって、領土拡大時のカタルシスも全シリーズを通して最高である。

 そして、もう1つ、武将にレベルがあるのが素晴らしい。スマホアプリに慣れている方は当たり前に思うかもしれないが、本来の「信長」シリーズはあくまでSLG。「信長の野望 Online」などの例外はあるものの、基本的にレベルの概念はない。そのため、誰しも一度や二度は「自分が推している武将がもっと強ければ」と思った経験があるはずだ。

 しかし、本作では推しの武将を自ら育成できる。これは従来の「信長」にはなかった楽しみだ。自分が歩けば歩くほど推しの武将が強くなっていくのだから、用もないのに必要以上に歩いてしまう。かくいう筆者もCBT1日目は、夜20時近くまで自宅周辺を歩き回っていた。

 また、正式にリリースされたあとは、合戦をテーマにした「列伝イベント」も定期的に配信されるようだ。CBTでは武田信玄と上杉謙信が対決した「川中島の戦い」が開催されている。これは、歩いてミッションをクリアしたり敵武将と戦ったりして物語を進めるイベント。「信玄はなぜ川中島に進出したのか」、「謙信はいかに信玄を迎え撃ったのか」などが描かれている。戦国時代の知識に乏しい方は是非ともプレイしてみよう。大名たちが合戦した原因や和睦した理由などがわかり、戦国時代の新たな魅力に気づくはずだ。

合戦で得た経験値を消費してレベルアップ。ちなみに画面右下の「列伝」では、その武将がどういう人物だったのかがわかる
クローズドβテストでは「川中島の戦い」がプレイ可能。普段のフィールドにはいない強敵が出現することも

 従来の「信長」シリーズに位置情報システムを融合することで、戦国SLGの新たな境地を切り開いた本作。ゲームとして面白いばかりか、ウォーキングという適度な運動を行なうことで、健康面にもいいのは言うまでもない。

 また、ゲームシステムが簡略化されてシンプルな作りになっているため、これまで「信長」シリーズをプレイしたことがない人にもオススメ。正式なリリース日程は現時点では未定だが、本作が世に出た暁には是非とも一度プレイしてみてほしい。