【特別企画】

これは沼るぞ! 紛うことなき”ソウルライク”「Lies of P」をディープに体験

やり応えと難易度に喜びの涙。期待のダークファンタジーアクション

【Lies of P】

2023年8月 発売予定

価格:未定

 NEOWIZは2023年8月に、新たなるソウルライクアクション作品としてプレイステーション 5/4/Xbox SeriesX|S/Xbox One/PC「Lies of P」の発売を予定している。本作は童話でお馴染みの「ピノキオ」の世界観をベースに新解釈された残酷でダークなストーリーが展開されるアクションRPG作品だ。

 すっかり知名度を獲得した、”ソウルライクアクション”をジャンル名としていることからもわかる通り、本作のゲーム難易度は残酷なほど高く、その分やり応えもある。それでいて自由なカスタマイズ要素をはじめとした独自のシステムが魅力の作品となっている。攻撃方法も本作ならではのイカしたカッコいいアクションが数多く用意されており、今までにない世界観とゲーム体験で今注目を集めている作品だ。

 今回は、そんな本作を先行プレイする事ができた。GAME Watchでは韓国で開催されたゲームショウ「G-STAR 2022」での本作のプレイレポートをお伝えしているが、今回は腰を据えてじっくり遊べており、さらに深く内容を知ることができた。

 ソウルライク系作品をしっかり死にまくってクリアするタイプの筆者が、ゲームオーバーを繰り返す中で体験した本作の魅力を早速紹介していこうと思う。

【『Lies of P(Pの嘘)』- ゲームプレイトレーラー | PS5™ & PS4】

「ピノキオ」×「ダークファンタジー」で描かれる今までにない恐ろしくもクールな世界観!

 まずは本作の世界観と物語について軽く紹介しよう。「Lies of P」は前述した通り「ピノキオ」の物語をベースとしており、プレーヤーは主人公である機械人形「ピノキオ」を操作し、ベルエポック時代の街をモチーフとした都市クラットを探索する事となる。

 その目的は童話と同じく人間になる事で、唯一の手掛かりとなる「ゼペット爺さん」を探して物語が展開されるのだが、「ダークファンタジー」として生まれ変わった本作では原作のように優しい物語が展開されることはない。大量の機械人形たちが反乱を起こし、人間が人間性を失った悲惨な世界観の中で、クラットは暗雲と恐怖が立ち込める地獄の街と化している。恐ろしい異形との対峙や”嘘”がキーワードとなるダークで残酷な物語が紡がれるのだ。

 嘘をつくと鼻が伸びるなんて優しい話ではなく、あまりにも斬新な新解釈によって生まれ変わった「人間になるためのピノキオの残酷な戦い」を本作では味わう事ができる。もうこの時点でどのような物語になるのか全く予想が付かずワクワクしてしまう。

トレーラー映像からしてただ事ではない殺伐とした雰囲気が漂っており、ダークな雰囲気が好きなプレーヤーには堪らないだろう。「ピノキオがモチーフのゲームです!」と言われて「混沌、狂気、死……」なんて言葉の羅列が出てくるのだからどのような物語になるのか全く予想がつかない…!

 さらに今作は数あるソウルライク作品の中でも「SEKIRO」のように主人公がしっかり決まっているタイプの作品なため、主人公を初めとした登場人物達のキャラクター性の強さにも注目したい。

 特に主人公の「ピノキオ」はキャラクターが際立っている。作品は全体的にダークな雰囲気ではあるものの、ピノキオのビジュアルは正に人形のように端正に作られており、それでいて人形という設定を活かしたロマン溢れる義手の存在や、”嘘”をつくほど人間に近づいていくという独自の物語が展開されるなど、ピノキオの設定を活かした非常に強いキャラクターとしての魅力を感じているのだ。

 他にも怪しい雰囲気のイケオジになった「ゼペット爺さん」や、少し生意気そうな相棒キャラになった「ブルーフェアリー」など、本作ならではの解釈で生まれ変わったキャラクター達がどのような個性を発揮してくれるのかも物語の中で注目すべき点だろう。

そのクールな立ち振る舞いとご尊顔から女性のハートを、義手を使った豪快でメカメカしいバトルギミックで男子の心を鷲掴みしているだろうと予測される本作の主人公ピノキオ。作品全体の雰囲気ともマッチしている事もありながら、筆者はこれまでの人生でここまでクールに描かれたピノキオを見たことがない……!
元となる「ピノキオ」の要素を物語にどのように落とし込んでくるのかも見所の1つ。ピノキオ以外のキャラクター達も本作ならではの解釈で生まれ変わり、その魅力を醸し出している

残酷な世界観にマッチした残酷な難易度! ”ソウルライク”に相応しいやり応えバツグンのアクションに注目!

 さてここからは、今回の試遊のメイン部分となる本作のゲームシステムについて触れていきたい。今作は”ソウルライク”をうたっているだけあり、何度も死んで挑み続ける事を前提とした非常に高難易度のアクションゲームとなっている。雑魚敵であっても油断したら容赦なく囲まれてボコられて死、高い所から何も準備せず落っこちたら死、ボス戦では一瞬でも気を緩めたら爆速で体力を削られて死……と期待通りど直球のソウルライクを楽しむことができるようになっている。

 途中何度も死にながら敵を撃破し、各ステージのギミックを動かし、死んだ際の中間ポイントとなる「Stargazer」などを開放しながら少しずつ前進する。そして、様々なビルド要素で自身を強化しながら最奥で待ち構えるボスに挑む、というのがゲーム全体のおおまかな流れだ。

 基本的なゲームシステムや操作方法は既存のソウルライク系作品に通ずる部分も多いため、この手の作品が大好きなプレーヤーからすれば難解な点はない。いずれにしても沢山死ぬことにはなるだろうが、遊びやすさは特に問題ないだろう。

序盤のザコ敵であっても初見だったり油断したりするとすぐに死んでしまうのが常! 今作でも死にゲーならではの緊張感を味わう事ができる。他ソウル系作品同様に、死ぬとそこまでに溜めた様々なポイントを落としてしまうため、リスタートしたら意地でも自分の死んだ場所まで戻り、ポイントを回収しに行く必要がある
「Stargazer」とショートカットを開放し、死んでしまったら獲得したポイントを失わないように死体を回収しに行き、何度も挑戦してポイントを溜めつつ、プレイの腕前を上げて少しずつ進んでいく感じは正にソウルライク! ステージはかなり広大なため、ショートカットをしっかり見つけられるかが攻略の難易度にも大きく響いて来そうな印象だった。ここら辺がプレースタイルが強く出る部分であり、安全にチクチクポイントを溜めてじっくり進むか、ある程度進んだらもう戻らず突っ走るかなどを悩む時間が堪らなく楽しいのである
ピノキオのステータスを成長させるビルド要素や、相手の攻撃を弾いて隙を生み出す「パーフェクトガード」の存在など、各種呼び名は違えど慣れ親しんだシステム多い。今作ならではのシステムも数多く存在するため、その他の要素が基本からズレずにゴチャついてないのはプレイする際に非常にありがたかった

 本作のバトルアクションでキモになってくるのは、ピノキオの持つ武器。剣や槍、スコップ(!?)など様々な種類があり、種類ごとに攻撃方法やモーションが変化する。探索中はキノピオに2種類まで武器を装備させる事ができ、それぞれの場面に合わせて武器を使い分け、攻略を進める事ができるようになっている。

 攻撃の範囲重視だったり、攻撃後の隙を重視して使う武器を選んだりしてもいい。ただしピノキオのステータスによっては、武器の重さで動きが鈍くなってしまう事もある。様々な要素を考慮しながら、ソウルライクらしい戦略構築と苦悩を味わう事ができる。攻撃モーションも世界観とマッチした華麗な剣技から、豪快に槍で敵をなぎ倒す派手な突撃攻撃まで様々なアクションが用意されており、見ていてとても爽快感とクールさを感じ取れる内容となっていた。

武器による攻撃は各種武器によって異なっており、それらから2つまで選びセットして瞬時に持ち替えることが可能となっている。ステージ攻略中も自由にセットを付け替えできるため、随時攻撃モーションを試す事ができるのはありがたかった。今回の試遊で試せた武器は剣2種類と槍のような大剣武器1種だったが、3つだけでもそれぞれの攻撃・特殊攻撃の違い、攻撃モーション後の隙や攻撃範囲などの違いで使い分けが必要に感じる場面も多かった。製品版で武器種が増えた際の面白さがえげつなそうな点である……!

 またこれら武器は、自由に“カスタマイズ”できるのも本作の魅力の1つ。武器は剣先にあたる「Blade」と柄の「Handle」に分かれているものがあり、ゲームを進めると「Stargazer」でこれを分解、再構築することが可能となる。

 「Blade」は攻撃範囲や威力などのステータスに影響し、「Handle」は攻撃モーションに影響する。つまりこの2つのパーツを自由に組み合わせる事で様々なタイプの武器を生み出せるのだ。

 例えば今回の試遊で試せた範囲だと、モーションが標準的で重さも軽く取り回しが簡単だった「Red Tear」と、動作が遅くなり攻撃も大振りになってしまうが広い攻撃範囲と突撃攻撃が魅力だった「Last Honor」という2つの武器をそれぞれ分解し、「Blade」と「Handle」をお互いに入れ替えて武器エディットできた。

 完成したのが「Handle」が軽くなり攻撃モーションも標準的になった事で取り回しがかなり楽になった大剣「Red Honor」と、リーチが短くなった代わりに動きの遅さと隙が改善された「Last Tear」の2つ(武器名の前半がBlade、後半がHandleの名称になっている)。同じような武器でも、組み合わせが違う事で扱いや取り回しが全く異なるところが面白い。

 実際に登場する武器種はもっと膨大な数になるため、お気に入りの攻撃モーションを見つけたり、長所を尖らせた組み合わせを探してみたり、逆にバランスの良い動きやすさなどを考慮した最適な組み合わせを探したりなど、武器エディットだけでもかなりやり込めそうな予感がする。

各パーツを合体させて自分好みのリーチ、威力、取り回しやすさの武器を生み出せるカスタマイズ性の高さも本作の魅力。名前が各パーツを合体させただけのストレートな感じも、無機質で中々いい味を出している
今回分解と合体を経て生み出した「Red Honor」と「Last Tear」はそれぞれの元の武器で短所の部分だったパワー不足や動きづらさと言った部分をカバーできるようなバランスの良いビルドだったが、逆に言うとそれぞれ尖っていた魅力を半減させたような感じになったと言える。筆者的には性能が尖っていた方が好きなのですぐに戻してしまったが、各モーションを不自由なく使いまわしたいなどのプレイスタイルならばこのビルドも有りなため、プレイスタイルによって組み合わせが変わる非常に面白いシステムだ

 そして今作のバトルを語るで一番欠かせない独自のアクションと言えば、ピノキオが装備している義手「Lpion Arms」を使用した攻撃だ。ピノキオの左手に装備された「Lpion Arms」は装備する腕を変える事によって様々なバトルアクションを可能とし、戦略やアクションの幅を一気に広げながらスタイリッシュなバトルを演出する事が可能となっている。

 例えば一番オーソドックスな装備の「Pupper String」はワイヤーを射出するもので、当てた敵を引き寄せたり、逆に自分が飛んでいくことができるようになる。「Fulminis」なら高火力の電撃攻撃を、「Falcon Eyes」なら遠距離からの大砲のような攻撃、「Flamberge」なら近距離の敵を焼き払い隙を生み出すなど、他にもまだ確認できていない多種多様の「Lpion Arms」を駆使する事でさらに有利に戦いを進めることができる。

 ただし「Lpion Arms」は強力な分、専用ゲージを消費するためいくらでも使えるというわけではない。「Stargazer」に立ち寄るか、特定のアイテムを使用することでゲージは回復するものの、制限があるので使い所がポイントになる。さらに持ち歩けるのは1種類だけなため、どの場面で何を装備するかのセンスも試される攻撃手段となっている。

 今回は主に「Pupper String」を使用し、敵との間合いを一気に詰められることで近接戦闘が主軸なら重宝するだろうと感じられた。また「Pupper String」を使いこなせるようになれば、重い敵などへ飛びかかるついでに踏みつけて上空に飛び、天から切りつける兜割りのような技で大ダメージを与える事もできる。

 特にこの飛び上がりからの攻撃は、ボス戦などでも非常に有効だった。使用していてシンプルで楽しいし、発動した際の見た目のスタイリッシュさもピカイチなため、基本となる「Lpion Arms」としてこれほど適任な存在もない。男は、幾つになっても機械の腕やらワイヤーを発射できる機械やらに憧れを持っちゃうものなのだ。

【今回の試遊で確認できた4つの「Lpion Arms」】
上から順に「Pupper String」「Fulminis」「Falcon Eyes」「Flamberge」となっていて、どれもメカメカしいカッコ良さを押さえた最高のデザインとなっている。全体的にダークな世界観や物語と相まって、この人形らしさを存分に活かした「Lpion Arms」の設定に強く惹かれるプレーヤーも多いのではないだろうか。正直筆者はこの武器を見た時に“堕ちた”
装備した「Lpion Arms」によってやれる事がかなり変化する。武器と合わせて、自分好みのスタイリッシュなアクションを決めるのも気持ちいいだろう。同じステージでも選んだ「Lpion Arms」で攻略方法や難易度が変化するほどこのシステムの重要性は高いとの事で、色々なアームズを試して攻略していくのがキモとなるかもしれない

 ポイントは、「Pupper String」のこうした使い方が、体験の間中しっかりプレイして、最後の方でやっと使い勝手が分かってくるほどやり応えのあるものとなっていたこと。今回の体験の中で自分でも大きく変化したなと思うのが、この「Pupper String」をしっかり戦いの中で活用できているかだった。

 筆者のように「Pupper String」を通して使うことで(自分の中の)熟練度を上げていってもいいだろうし、様々な「Lpion Arms」を使い分けても当然いいと思う。いずれにしても、「Lpion Arms」をいかに使うかは本作攻略における重要なポイントとなっている。

気付かれていない場所から敵へワイヤーを飛ばして1体ずつ引き寄せてサイレントに倒していく、相手の攻撃の隙を突いてワイヤーを飛ばし、一気に近づいて攻撃を加えるなど、「Pupper String」だけでも行なえるアクションはかなり多い。特に敵から数発でも攻撃を食らうと死にかける難易度となっているため、積極的に相手の隙に合わせて間合いを詰められるこの「Lpion Arms」は、使い勝手の良さと合わせてアクションとして面白さを存分に味わえる武器と言えるだろう
ワイヤーを飛ばして近づいた際に行える強力な兜割りは、大ダメージを狙える事に加えて見た目も超スタイリッシュ! その分攻撃後や外した際の隙も大きく反撃を受けやすいため、ここぞというタイミングでしっかり隙を突いて決められるように、ある程度の習熟が必要な大技となっている

試遊でも容赦ないソウルライクの洗礼! 序盤から死にまくる楽しい沼ポイントをご紹介

 最後に、今回の試遊で筆者が特に楽しんだ(沼りまくった)ポイントを振り替えり、今作がソウルライクとしてしっかりしているという部分を改めて認識しながらお別れしたいと思う。結論から言うと、試遊だろうが忖度抜きに殺してくる安心のソウルライククオリティに喜びの涙が止まらなかった。良い感じにアクション下手で、死ぬたびに叫び声を上げる筆者はNEOWIZにとってはターゲット過ぎるお客だった事だろう。

 最初のポイントは、屋根上を進んでいた時に出会った”ちょっと強いモブ敵”だ。試遊ステージの序盤、この敵があまりに強くて一瞬で葬られたので「この中ボスの名前なんですか?」とNEOWIZスタッフに思わず聞いたところ、「それはただの雑魚敵ですよ(微笑み)」と素晴らしい返答を頂けたのを筆者は忘れない。

 ステージにおける最初の難関として作られているこのモブ敵は、それまでに出た雑魚敵とは違い、普通に攻撃するだけでは仰け反らずに攻撃し返してくる。オマケに戦っている場所は屋根裏なので、油断すれば簡単に地面に落下する。操作に少しずつ慣れようとしている序盤の段階で、いきなりアーマー持ちの敵とこんな足場で戦わされたら死ぬだろ! と思わず言いそうになったが、序盤の慣れない状態でもあともう少しでクリアできそう、くらいの絶妙なパワーラインにもなっていてとても痺れる。

 そうして、夢中になって挑戦し続けてしまうのがソウルライクゲームの恐ろしくも面白い所。この敵には3回ほど葬られつつ、無事に突破して次に進めた。が、その先で再び死んでコイツとは何度も戦う事となるのだ……。

見た目はそこら辺の雑魚敵と対して変わらないのに場所とアーマーと体力を少し持つだけでもここまで違うのかと実感できる”モブ敵”。序盤のお進むルート的に、ショートカットを開通するまでは死ぬたびにコイツと戦う事になるため、否が応でも基本的な操作感と戦い方が身についていく。ある種チュートリアルキャラクターみたいな物なので、慣れてきて簡単に倒せるようになった際に成長を最初に感じ取れる良い敵とも言える

 次の沼ポイントは隠れた雑魚敵による奇襲だ。進む道に敵がいたと思ったら、遠くの屋根から火炎瓶のような物をぶん投げられて負傷し、そのダメージを追っている際に他の敵も合流してボコボコにされる事もあった。

 他にも梯子を降りたら壁だと思ってた場所からいきなり襲われたり、中ボスと戦う広場かなと思って進んでいたらいきなり後ろの空間から雑魚敵が突撃してきたりなど、ソウルライクらしい、いつだって油断ならない緊張感のあるダンジョン攻略を楽しめる。それでいて1回襲われたからすぐ終わりという事でもなく、(驚いて声を上げたりしつつ)全然その場で対応出来たりもするため、そこまでストレスは溜まらない。最悪死んで、一度どこから敵が襲ってくるのか分かってしまえば事前に対策も打てるため、何度も死を繰り返しながら初見で進む楽しさを本作でも味わえると筆者は感じている。

遠くからの遠距離攻撃、死角からの奇襲などはソウルライクゲームの醍醐味! 素早く走り抜けて厄介な敵から始末するか、攻撃をしっかり受け流しながら前に進むかなどプレイに幅が出る部分でもある

 3つ目に沼ったポイントはこのステージの本当の中ボスであり、橋の上で遭遇する事となる「Mad Donkey」戦だ。今まで相手にしてきた“機械仕掛け”の異形の敵たちとは違ってどうやら彼は”人間”であるため、回避行動やステップによる間合い詰めと言った、ヌルヌルとした人間らしい動きでこちらを追い詰めてくるのが特徴。

 今までそれとなく回避アクションだけで避けれていた攻撃もタイミングをしっかり見計らい、攻撃によっては爆速でガードする必要があるなど、ここまでの雑魚戦では経験しえなかった技術力を求められる戦いとなる。このギリギリで手にい汗握る戦いこそがソウルライクだ、と言わんばかりにしっかり初心者を殺めてくる難易度となっているため、最初のネームド持ちのボス戦としてやり応え抜群だった。何度も死を繰り返し、回避とガードのタイミングを掴み、時間をかけて己のプレイスキルを磨いて攻略する快感を味合わせてくれる。

ゲームシステム的に回復回数も限られているため、ただのごり押しや連打では絶対に勝てない、しっかりと”ゲームの腕”を試される最初のボス戦。筆者は8回ぐらいコイツに殺されて、試遊時間をガッツリ持ってかれたのを忘れない。しかし何度も死を繰り返して回避とガードのタイミングを掴み、時間をかけて己のプレイを磨いて攻略するソウルライクたる快感を思い出させてくれたボスでもあった
最後の戦いでは相手の大技をしっかり避けて、その隙をしっかり「Pupper String」で狙えるまでに成長! 「Mad Donkey」のスタミナを削り切った事で、超カッコいい大ダメージを与えられる連続切りで勝負を決めることができた

 最後に沼った…と言うよりギリギリで倒す事ができなかったのが試遊のラストに出てきたボスキャラクター「Scrappcd Watchman」戦だ。

 それまでのステージ上には人形の警官たちが多くおり、「Scrappcd Watchman」はその総括のような見た目をしている。ボスにふさわしい巨大さであり、「Mad Donkey」戦以上に、本作がいかにソウルライクであるかを物語ってくれる戦闘となる。

 まず攻撃だが、当然のように素早くダメージもデカい。攻撃範囲も広いため生半端な回避アクションだけでは避けきれず被弾し、そのまま連続パンチでお陀仏になってしまう。オマケに攻撃には電撃属性があり、一定の電撃属性攻撃を受け続けると残り体力に関わらずピノキオは死んでしまう。敵の攻撃以外にも、戦闘中に気にするべき箇所が複数あるのが難しいポイントとなっている。

 正直戦っている時は、先の中ボス「Mad Donkey」君が可愛く見える程隙が無く強力なボスだと畏れたが、死を繰り返して限界ギリギリを攻める”ソウルライクらしいボス戦”が今始まったんだというワクワク感を同時に感じとれる素晴らしい難易度となっていた。

今までにない巨大な体躯で押し寄せてくるのは単純に恐ろしい…! 巨体に似合わず飛び跳ねて突撃してきたり、しっかりと間合いを詰めながら攻撃してくるため単純な回避行動だけでは被弾してすぐに死んでしまう。さすがの強力を誇るボスキャラクターとなっている

 結果としては、ラストで体力を半分削った第2形態まで進み、回避アクションではなくダッシュで攻撃を避ければ良いと気付いた事で、あと少しの所まで追い詰めることができた。が、勝てる勝てると調子に乗って強欲に攻めた結果、そこそこ残っていた体力を一気に持ってかれてあえなく敗北となった。

 ソウルライクゲームでは平常心を失って強欲に攻めた者から死んでいくと今までの作品で学んでいたのに……! ボス戦においては攻めと守りのバランス、精神の安定が今作においても重要になると強く実感できる戦いだった。

 あまりに悔しすぎて思わず死んだ際に悶絶してしまったが、この悔しさこそがソウルライクゲームの面白さたる所以だと思う。結果としては良い試遊になったと筆者は考えている。

第2形態から攻撃はさらに苛烈になり、避けるのが難しすぎる落雷攻撃もあることから隙を突くのがさらに難しくなる…! 浮かれた瞬間を今回はかすみ取られてしまったが、油断や精神の弱さが出るのもソウルライクゲームの面白い所なのである

 今回の試遊で今作がしっかりと”ソウルライクアクション”として申し分のない完成度であり、それでいて独自のカスタマイズ性とアクションのスタイリッシュさを兼ね備えた完成度の高いシステムになっている事を実感できた。

 今回体験できなかった部分として、ダークな世界観で描かれる新たなピノキオの物語という部分も注目点となっており、物語の中の選択肢や”嘘”によってエンディングやルートが変わる等のRPGとしての面白さもしっかり期待できる作品となっている。

 やり応えのある高難易度のアクションゲームを求めるユーザーにも十分にお勧めでき、ダークな世界観や雰囲気に魅了されてプレイしてみたいというアクションゲーム初心者のプレーヤーにも、是非勇気を持って挑んでみて欲しい作品だと筆者は感じた。

 最初はありないくらい死ぬことになるだろうが、心配はいらない。このゲームはしっかりソウルライクらしく、死んでクリアするたびに快感を得られる沼ゲーの完成度へと至っている。気になるプレーヤーは是非今後の情報を追ってみては如何だろうか。

発売決定記念、限定8K壁紙を配布

 本作の発売決定を記念し、ゲーム内のビジュアルを使用した限定の8K壁紙を配布。GAME Watchでは、巨大な煙突から黒煙を噴き上げる工場「Venigni Works」の情景を壁紙として用意した。