【特別企画】

タイトーの新作音ゲー「MUSIC DIVER」先行体験レポート

スティックを使い画面や枠を叩く。スタイリッシュで直感的な操作感が魅力

【MUSIC DIVER】

稼働開始日:2022年12月

価格:1プレイ100円

 タイトーは2022年5月13日、本年12月に稼働予定の新作アーケードゲーム「MUSIC DIVER」の先行体験会を都内にて開催した。

 本作はタイトルからもわかるように、音楽のリズムに合わせて流れてくるノーツを、タイミングを合わせて叩くという音楽ゲームとなっている。従来と大きく違うのは「ノーツをヒットする時に、画面の周囲または強化ガラスで覆われた画面をスティックで直接叩く」という操作方法が挙げられる。そこだけを聞くと、荒っぽい印象を受けるかもしれないが、そのわかりやすさは魅力的だ。今回稼働に先駆けて体験することができたので、その内容を簡単にお伝えしよう。

スティックを使って画面や枠を“叩く”、シンプルな操作で遊べる音楽ゲーム

 タイトーからリリースされ年内に稼働が予定されている「MUSIC DIVER」は、新規IPとして誕生したタイトルだ。基本的なルールは、楽曲に合わせて流れてくるノーツをタイミング良く叩くという、音楽ゲームとしてはお馴染みのもの。

 筐体は下画面と上画面に分かれていて、上のモニタにはスコアやプレイ中の楽曲名、グルーブゲージなどが表示され、下のメインモニタがプレイフィールドとなる。その画面が円状になっていることと、操作する際には付属のスティックを使用するのが本作の特徴だ。なぜ手ではなくスティックを使用するようにしたのかを開発陣に聞いてみたところ、「スティックを使ってスタイリッシュにプレイして欲しいという面があるため」との返答があった。

「MUSIC DIVER」というタイトルは開発陣によると、音が光として可視化されたトンネルにダイブしていくイメージから名付けられたそうだ。
筐体の画面は、上部のインフォメーション画面と、下部のプレイフィールドに分かれている。

 音楽ゲームのノーツは、画面の上部分から下や手前に向かってくるのがオーソドックスなパターンだが、本作は画面中央部分からノーツが出現し、上下左右の外側に向かって広がるように移動していく。これを判定ラインに達した時に叩くことができれば成功となり、タイミングによってPERFECTやGOODなどの判定が下されスコアが入る仕組みを採用している。

 出現するノーツは、ピンクと青の2種類。ピンクの場合はノーツの位置に対応するスクリーン内の、青色であればスクリーンの外側に設置された“エッジ”と呼ばれる部分の、それぞれ上下左右を判定ラインと重なったタイミングで叩くこととなる。

ピンクのノーツは、スクリーンの対応する上下左右を叩く。
青のノーツの場合、スクリーンの外側にあるエッジの対応部分を叩く。

 収録されるジャンルはEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)のほか、「回レ!雪月花」といったアニメソングや「インドア系ならトラックメイカー」を含むJPOP、初音ミクの「千本桜」「Tell Your World」などのボーカロイド楽曲、「ナイト・オブ・ナイツ」などの東方アレンジ曲、ゲームミュージック、オリジナルなど多岐にわたる40曲から選択が可能となっている。それらはEASY(Lv.1-3)・NORMAL(Lv.4-6)・HARD(Lv.6-9)・EXTREME(8〜)の4種類の難易度から選択可能だ。

 楽曲のプレイ音(ノーツ音)はタイトーサウンドチーム“ZUNTATA”の手によるものだ。正式稼働時にはそんな彼らのオリジナル楽曲もプレイできる予定とか。

難易度EASYを選んだ時。Lv.は1-3となる。初心者は、ここからスタート。
難易度NORMALでは、Lv.が4-6に。
難易度HARDは、Lv.6-9の楽曲になる。上を目指すなら、ここの曲は軽くクリアしたいところ。
最高難易度のEXTREMEでは、Lv.は8以上。大量のノーツが流れてくる、上級者のための難度。

 ある程度の説明を受けたところで、開発中のバージョンを実機でプレイさせてもらった。まずは筐体の手前、左側にスティックを入れるホルダが用意されているので、ここから2本取り出す。スティックの先端にはゴム状のクッションがついているのだが、開発陣の方の解説によると、これは「跳ね返りをよくするためのもで、スクリーンへの衝撃対策ではない」とのこと。

筐体手前側を見ると、スティックホルダとコイン投入口、イヤホンジャックと音量つまみが用意されているのがわかる。気合を入れてプレイするなら、イヤホンは必須だ。

 盤面にガラスを使用している筐体は、音楽ゲームに限らず多数存在するが、そのほとんどでは“強く叩かないでください”との注意書きが映し出されたり、暗黙の了解で叩くことが禁じられていたりする。本作もそれらと同じだと思っていたため、ゲーム開始直後はスティックを恐る恐る叩いて楽曲を選んだりしていた。

 ところが「MUSIC DIVER」では、スクリーンの部分に強化ガラスを使用しているそうで、プレイ中にスティックで強く叩いたくらいでは壊れないとのこと。実際に、目の前で開発陣の方がスティックをワザと逆に持ち、ゴムのついていない反対側で思い切り叩いたのだが、画面には傷一つ付いていなかった。強度に関しては問題なく、正しいプレイ方法であればスティック操作で画面を痛めることはないとわかり一安心。

そもそも、なぜスティックでの操作にしたのかといえば、原案では画面と叩く場所が別だったのだが、実際にプレイしてみると「非常に難しかった」そうで、ここで「直感的に遊べるよう、出てきたノーツの位置を叩けばOKという仕様に変更し、画面をスティックで直接叩くように」したことから。そうなると当然、画面の強度という話が出てくるのだが、そこは「ハード屋さんに強化ガラスなりなんなりで工夫してもらったことで問題なくなった」そうだ。

本作のメインとなるモードの“メインダイブ”では、自由に3曲がプレイ可能。
“スキルジャッジ”では、あらかじめ決められた3曲をクリア目指してプレイする。
スキルジャッジのCLASS 1では、Lv.1-3までの曲をプレイしていく。
CLASS 3になると、難易度HARDでLv.7の楽曲に挑戦することに。
CLASS 5以上は、1つ前のCLASSをクリアすると解放される。ただし、楽曲はうっすらと見えるようになっているので、あらかじめメインダイブで練習を積むことができるのがありがたい。

 不安がなくなったところで、メインメニューから“メインダイブ”をチョイスすると、ここで“チュートリアルをプレイしますか”と聞かれる。既に操作方法などを知っていれば“いいえ”を叩くことでスキップできるが、今回は初プレイなので“はい”を選んで体験してみることに。

 ここでは、画面中央から外側に向かって徐々に大きくなってくるノーツが、周囲の少し太く描かれている判定ラインに重なるタイミングで叩く、ということを教えてくれる。操作としては非常にシンプルだが、わかるまでは若干タイミングが取りづらいかもしれないので、チュートリアルでしっかりと慣れておきたいところ。ノーツを叩くタイミングが合っていれば判定が評価され、それに応じてスコアとグルーブゲージがアップしていくのだ。

 なお、ほかの音楽ゲームで時々見られる“押しっぱなし”という操作方法だが、本作では「当面の間は導入する予定はない(開発陣)」ということなので、その系統の操作が苦手な人には朗報だろう。

上の写真では中央部右側に見えるピンクのノーツが、時間経過と共に下の画面写真の位置へと奥から手前へ移動してくる。そのすぐ右側にある太い部分が判定ラインだ。ノーツがここに重なるタイミングでスクリーンを叩けば成功判定となる。
ノーツはスクリーンを叩くピンクとエッジを叩く青の2種類だが、そのどちらにも黄色バージョンが存在する。これは、キメになるようなタイミングで出現し、入力に成功するとサウンドと共に派手な演出が得られる。これは、画面内での演出が派手になるというもので、それ以外の効果があるわけではないそうだ。
黄色いノーツを叩くと、このような感じで画面が派手に光るといった演出が行なわれる。
緑色のリボンが両端についているノーツは、同時押しを表す。これは、青のノーツについているので、この場合はエッジの左右を同時に叩く。
これはピンクのノーツについているので、スクリーンの上と左を同時に叩くことになる。
ピンクと青のノーツ両方に緑のリボンがつく時もある。この場合は、左のエッジとスクリーンの右を同時に叩く。

 チュートリアルが終わったところで、いよいよ本編に。「MUSIC DIVER」では、1プレイで演奏可能な楽曲数は3曲。万が一、1曲目や2曲目でミスを連発して演奏終了時にグルーブゲージが0になってしまっても、必ず3曲遊ぶことができる親切仕様となっている。この設定であれば、音楽ゲーム初心者でも気兼ねなくプレイしてみようという気持ちになるだろう。

 今回は初プレイということで、難易度を一番低いEASYに設定して楽曲を選び、早速スタート。すると、画面中央部奥に現れたノーツが、徐々に大きくなって手前側に表示されてくるのが目に入ってくる。音楽ゲームは基本的に、判定ラインを見るよりもリズムに合わせて叩けばタイミングが合うので、そのような感じでノリ良くスティックを操作すればOKだ。

プレイヤーの環境によっては、判定のタイミングが微妙にズレることがある。それを補正したい時には、“判定タイミング調整”でタイミングを正す。
プレイ中に表示されるコンボ数が邪魔な場合は、“コンボ数表示”オプションでオフにすることが可能。
ノーツが背景に溶け込んで見づらいと感じた時は、“背景の明るさ”で調整することもできる。

 ただ、最初のうちはスクリーンを叩くタイミングは取れるものの、エッジを叩くタイミングがちょっと取りづらかった。ここに関しては、若干の慣れが必要らしいので、プレイ回数を重ねていけばすぐに解決する問題だろう。

 難易度EASYは、この手のゲームに慣れている人ならば簡単にクリアできる。筆者も手こずることはなかったので、続いて難易度をNORMALに、楽曲Lv.6をチョイスしてプレイしてみた。すると、このあたりから「おっ、『MUSICDIVER』を遊んでいるなー」と感じるような手ごたえを感じる譜面になってくる。同時押しや連打といったノーツが出てくるので、なかなか楽しい。とはいえ、一部シーンでは譜面を覚えていないとミスをしてしまう場面も出てくるので、間違いなくプレイ経験値がものをいうだろう。

プレイ中は、スティックをリズミカルに動かすのがコツ……のようだ。

 最後は難易度HARDにしてみたものの、スティックさばきがまったく追いつかず、全然太刀打ちできないままに終わってしまった(笑)。HARDランクを超えると、手首のスナップを利かせてスティックを叩くことも要求されるとのことなので、従来の音楽ゲームとは一味違ったテクニックも必要になりそうだ。

 なお開発陣の話によると、難易度EASYとNORMALでは1ノーツに対して1フレーズ分の音が再生されるが、難易度HARD以上になると1ノーツ=1音になるため、より演奏している感じが得られるとのこと。

オートプレイもできるということだったので、その模様を見せてもらった。理論上のハイスコアは、オールCRITICALで1,010,000点となる。ちなみに、スティックを使わず手で触れても入力判定はされるようだが、高難易度譜面では操作が追いつかなくなるうえ、手も痛いので必ずスティックで操作しよう。

5月末にはロケテストも行なわれるので、気になる人は会場へ!

 今回は体験できなかったが、正式稼働時にはプレイヤーが自分好みにクリエイトした譜面を、ユーザー間で共有するシステムも導入されるそうだ。その正式稼働は、最初に述べたように2022年12月予定となっているのだが、それに先駆けて2022年5月27日~29日までの3日間、関東はラウンドワン 横浜駅西口店で、関西はラウンドワンスタジアム 千日前店で、それぞれロケテストが行なわれる。気になった人は、ぜひ体験してみてほしい。当日は、プレイ後のアンケートに協力すると、オリジナルグッズも進呈されるそうだ。なお、ロケテスト段階で選べるのは20曲となる。

 タイトーとしては、昨年12月に稼働を開始した「テトテ×コネクト」に続く音楽ゲームとなるが、あちらよりもカジュアル(というか、あまり目立たず)にプレイできるので、この手の作品は初めてという人でも気軽にトライできるだろう。