【特別企画】
Keyのキネティックノベル最新作「LUNARiA」のスマホ版が遂にリリース! 配信直後のプレイレポートをお届け
迫力あふれるレースやヒロインとの掛け合いがスマホで遊べる!
2022年2月26日 00:00
- 【LUNARiA -Virtualized Moonchild-(スマートフォン版)】
- 2月24日 配信開始
- ダウンロード:無料(中盤以降:1,340円)
ビジュアルアーツのブランドkeyは、Android/iOS用アドベンチャー「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」の配信を2月24日に開始した。ダウンロードは無料で中盤以降のプレイには1,340円が必要。今回はリリースされたてホヤホヤな本作の冒頭にあたる無料部分をプレイしたのでその模様を紹介する。
なお、本記事ではネタバレを考慮し基本的に物語の序盤のみを取り上げているが、中盤以降を想像させる内容もあるため注意して欲しい。
Keyの新作キネティックノベルシリーズを紹介!
本作は「CLANNAD」や「Kanon」など数多くの泣きゲーを手掛けるkeyのキネティックノベル最新作だ。ビジュアルノベルやノベルゲームと称されるテキストベースのアドベンチャー作品は数多く存在するが、本作はその中でもキネティックノベルに分類される作品で、物語の中に選択肢が登場せず、基本的にはストーリーを読むことをメインとするゲームになっている。
keyでは2020年10月に「Project:LOOPER」、「Project:LUNAR」、「Project:PORTER」という3つのキネティックノベルを展開していくことを発表。「ひぐらしのなく頃に」の竜騎士07氏や、「CROSS†CHANNEL」の田中ロミオ氏など、異なる3人の作家によるkeyの新作タイトルの展開がアナウンスされていた。
【お知らせ】
— Key開発室 (@key_official)October 26, 2020
Keyキネティックノベル公式サイト公開しました。
手の平に、大きな感動を
Project:LOOPER(シナリオ:竜騎士07)
Project:LUNAR(シナリオ:松山剛)
Project:PORTER(シナリオ:田中ロミオ)
▼キネノベ公式サイトはこちら▼https://t.co/vs4MnUa7RTpic.twitter.com/zCgGyimVJ9
当時はいずれもPC版でのリリースが予定されており、本プロジェクトの第1作「LOOPERS -ルーパーズ-」は2021年5月に発売。こちらは「Project:LOOPER」と予告されていた作品でタイムループをテーマにしたストーリーが展開される。そして、「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」は第2作「Project:LUNAR」にあたる作品で、PC版が2021年12月に発売。第3作「Project:PORTER」にあたる「終のステラ」は2022年春に発売を予定している。
今回紹介するのは本プロジェクトの第2作目「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」。PC版のリリースよりおよそ2カ月ほどでスマートフォン版の配信が開始された。UIをはじめとする多少の演出の違いはあるものの、基本的にはPC版と同様の内容になっており、いつでもどこでも本作をスマホでプレイできるようになった。
スマホ向けに配信がスタートした「LUNARiA」ってどんなストーリー?
本作の舞台は今より30年ほど先のバーチャル世界が発展した近未来。主人公の「T-BIT(本名は狼代旅人)」はSkyoutというVRバトルアクションレースで名を轟かす天才ゲーマーとして活躍していた。そんなある日のレース終盤に、誰も知らない月面サーバー「ルナーワールド」に入り込んでしまう。そこで本作のメインヒロインとなる「LUNAR-Q(るなきゅん)」と名乗るAIアバターに出会い物語が大きく動いていくことになる。
本作の特徴としてT-BITと名乗る主人公・狼代旅人たちの日常生活を描く「REAL」と、バーチャルの世界でレースSkyoutなどを描く「VIRTUAL」という2つのパートが存在する。ヒロインのるなきゅんはAIアバターであるため、VIRTUALパートに登場するほか、VIRTUALパートでケモミミ少女だった人物がREALパートでは男の子であるといった、現代のVTuberやメタバースなどの要素を巧みに組み込んでいる。
筆者はPC版もプレイしているが、シナリオや演出、声優陣による演技やサウンドなど非常に良くできており、紛うことなき傑作であると感じている。読むスピードによって前後するが、ゲーム本編はおよそ6時間より8時間ほどでエンディングを迎え、コンパクトながらしっかりとまとまっている。
演出という面で見ると熱いレースが展開されるSkyoutの部分に注目したい。本作はプロローグ終了後すぐにレースのストーリーが展開されるが、画面が揺れたり集中線が入ったり、寄りのカットが採用されたりとノベルゲームだからこそできる多彩な演出が盛り込まれている。ここにスピード感溢れるサウンドと効果音が組み合わさることで、迫真のレースシーンが生み出されるのだ。
スマートフォン版ならではの機能も充実
さて、ここからはスマートフォン版の特徴について紹介する。スマートフォン版は小さな画面でキャラクターの立ち絵や、CGを大きくみせるため、文章が表示されるダイアログが小さめに設定されている。そのおかげで、グイグイくるヒロインのるなきゅんがアップになったときは思わず「ち、近い!」と感じるサイズ感になっている。
PC版では画面下に表示されているUIも画面右上のメニューボタンに収納されており、オートモードの切り替えなどが片手でできる仕様になっている。また、文章を読み飛ばしてしまったり、1つ前の文章を確認したいときに活躍するバックログの代わりとして、画面左下のボタンを押すことで文章を巻き戻すことができる。
もちろん、メニュー画面の設定項目も充実しており、オートモードの文字速度などを自分好みに変更可能。スマートフォン版は場所を選ばずプレイできるため、寝ながらなどリラックスした状態でビジュアルノベルのプレイする際に活躍する。そのため文字速度の設定が細かくできるのは嬉しいポイントだ。スマートフォン版では、メインとなるキャラクターの立ち絵やCGを画面いっぱいに映し出すための様々な配慮がしっかりと行き届いてる。
また、スマートフォン版の価格面についても言及したい。本作のPC版はダウンロード版が1,980円、パッケージ版に関しては初回限定版が5,280円、豪華限定版が10,780円の計3種類が用意されている。一方、今回配信されたスマートフォン版は1,340円でエンディングまでプレイが可能。価格が抑えられているだけでなくスマートフォンでダウンロードして、無料でプレイ可能な部分をプレイし、気に入ったらすぐに購入できるのも大きな強みだ。
最後に、スマートフォン版の少し残念に感じた点も述べる。本作のメインヒロインのるなきゅんは感情豊かで表情がコロコロ変わる。主人公の反応1つで喜んだり驚いたりとぼけたりと1つのダイアログで立ち絵が3回も変化することがある。しかしながら、スマートフォン版ではこちらの演出が控えめで、立ち絵の切り替え回数が抑えられていた。また、UIに関してもPC版と比較するとやや簡素な作りになっている。PC版はバーチャルな世界感と本作のUIが非常にマッチしているため、少し残念に感じた。
Keyらしさ溢れるシナリオに涙する「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」
シナリオを手掛けた松山剛氏の泣けるストーリー、イラストを担当したふむゆん氏、佐伯ソラ氏が描くキャラクターたちによる「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」。物語全体の見せ場となっているレースは多彩な演出によりスピード感溢れる仕上がりになっており、一方、だんだんと仲良くなっていく2人の甘い関係はレースとはまた違った雰囲気が楽しめる。だんだんと紐解かれていく本作のストーリーはKeyらしい泣ける展開で、エンディング後には遊んでよかったなと思える仕上がりになっている。PCだけでなくスマートフォンでもプレイ可能になった「LUNARiA -Virtualized Moonchild-」を是非体験してみて欲しい。
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