【特別企画】
Warhorse studiosに潜入!「キングダムカム・デリバランス」日本語版試遊レポート
2019年6月27日 18:00

- 4月20日~29日 収録(日本時間)
「キングダムカム・デリバランス」メディアツアーinチェコ 記事一覧
・Warhorse studiosに潜入!「キングダムカム・デリバランス」日本語版試遊レポート(本稿)
・緻密な歴史考証に裏付けられた「キングダムカム・デリバランス」開発者インタビュー
・ゲーマーと飲ん兵衛はチェコへ行くべし!「キングダムカム・デリバランス」メディアツアーフォトレポート
DMM GAMESは、7月18日にプレイステーション 4/PC用オープンワールドRPG「キングダムカム・デリバランス」日本語版を発売する。
実は本作のPC(英語)版「キングダムカム・デリバランス」は2018年2月に発売されており、熱心な有志たちによる日本語化MODなども用意されている。ではそんな中、DMM GAMESが本作の日本語化を手がける意味はどこにあるのか。
その答えは「ボイス」だ。テキストやUIの日本語化はテキストファイルの差し替えで対応することができても、音声ばかりはそうはいかない。本作のプロデューサーを務めるDMM GAMESの松本卓也氏は、昨年の東京ゲームショウの際のインタビューにて、有志による日本語化MODの存在は承知の上で「我々がやるからには、そこを超えていかねばならない」と語っていた。
去る4月末にはDMM GAMESとチェコ観光局により、ゲームメディアをチェコに招いてのメディアツアーが開催された。メディアツアーでは文字通りのチェコ観光のほか、開発元のWarhorse studios内の見学や、どっしりと腰を据えての日本語版試遊を行なうことができた。「キングダムカム・デリバランス」はとかくリアリティに重きをおいたタイトルだが、開発スタジオで中にはそのコダワリが垣間見える資料がそこかしこに転がっており、そんな環境の中でプレイする「キングダムカム・デリバランス」はまた少し違う手触りだった……ような気がする。早速、この模様と手触りをお伝えしよう。
「キングダムカム・デリバランス」の開発を手がけるWarhorse studiosにお邪魔しました!
Warhorse studiosはチェコの首都、プラハに位置している。近代的なビジネスビルをエレベーターで登っていくと、Warhorse studiosでPRマネージャーを務めるTobias Stolz-Zwilling氏(通称:トビーさん)が出迎えてくれた。
まず通されたのは試遊ルームだが、ここはもともとモーションキャプチャー用の部屋だということで、そこらには武器や盾(を模したもの)や馬(らしきもの)が転がっている。ゲームの秘密をさっそく垣間見たような心持ちだったが、ゲーム内のCGは動きに対してあとから付けるので装備などの"動き"さえわかればそれでいいのだという。
続いてグラフィックス部門やサウンド部門、システム部門やプログラミング部門など、社内を順番に見学していくと、そこかしこで興味深いものに出会う。リアルなボヘミアを再現するための資料や、ゲーム的なアイデアを付箋で貼り付けるための巨大な地図、テクスチャなどを手作業で作成している開発現場……などなど、本作がいかなるコダワリによって作られているかの片鱗を垣間見ることができた。
「キングダムカム・デリバランス」日本語版を試遊!
社内の見学を終えると、早速「キングダムカム・デリバランス」日本語版の試遊タイムに移った。本作は15世紀のボヘミアを舞台に、主人公・ヘンリーとして戦乱の世を生き抜いていくオープンワールドRPGだ。世界観の素晴らしさもさることながら、街で出会う人々との会話に細やかな選択肢が用意されていたり、ヘンリー自身も多様な選択によって、善人なのか悪人なのか、自らの"生き方"を自分の手で決めていく自由度が魅力のタイトルと言える。
ヘンリーはゲーム開始直後には母親にお小言を言われたり、鍛冶屋である父親のお使いに行かされたり、友達とつるんで人の家にいたずらをしたり、それが衛兵に見つかってめっちゃ怒られたりと、とにかく普通の青年だ。ファンタジー的な主人公補正で魔法が使えたり、なんらかの血筋を引く勇者だったりと言うことは全くもってない。
このごく普通の青年が暮らす村が謎の勢力によって焼き討ちにあうところから物語は動き出すのだが、このあたりはかなり心に刺さるヘビーなエピソードが満載で、物語にグイグイと引き込まれる部分でもあるので、詳細は伏せておきたい。
さて、ゲームシステムとしては選択の多様性がひとつのポイントになる。例えば父親が金を貸した相手から借金を取り立ててくる、というクエストでは相手を「説得」をすることもできれば、力ずくで取り立てることもできる。クエストの必要アイテムなども普通に買ってもいいし、どこかから盗んできてもいい。ヘンリーはレベルの上昇に伴って獲得できるポイントを用いて様々な才能を開花させることができ、例えば交渉上手のヘンリーになることもできれば、筋力で相手をねじ伏せる凶暴なヘンリーになることもできるのだ。
また、やはりボイスが日本語であるというのは作品の世界観に浸る上で非常に重要なポイントだ。本作ではRPGとしてNPCとの対話が重要で、松本氏が「全体の量を聞く前にフルボイス化を決めてしまい、あとでボイスの量を聞いて倒れそうになった(TGS 2018インタビューより)」と語るとおり、そのテキスト量は選択肢も含めると膨大な量になる。さらにカットシーンでの演出も大量に盛り込まれているので、これらをすべて日本語で聴けるというのはゲームの楽しみをより増してくれる。
更に本作はUIを含めたテキスト量そのものもかなり多い。特にゲーム内に用意された「写本」というコンテンツでは15世紀のボヘミアの登場人物や政治について、宗教や社会についてなどの世界観を支える膨大なテキストが楽しめるのだが、これらも全く違和感なく日本語化が行なわれており、資料的な読み物としても楽しむことができる。ふと気づけば中世ボヘミアについてびっくりするほど詳しくなること請け合いであり、ゲームの世界観をより深く理解する楽しみがある。
本作の発売は当初6月27日を予定していたが、少々伸びて7月18日を予定している。発売の暁には、既プレイの方も含めてこのディープなボヘミアンオープンワールドRPGの世界を"全編日本語で"ガッツリと楽しんでほしいと思う。






























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