【特別企画】
エキサイティングなFPSとオープンワールドの楽しさ「RAGE 2」レポート
略奪者やミュータントもノリノリの日本語版を体験
2019年5月21日 12:00
5月14日、北米でついに「RAGE 2」が発売された。「RAGE 2」は「DOOM」を手がけるid softwareのFPS最新作だ。さらに「ジャストコーズ」シリーズのAvalanche Studiosと共同開発により、本作はオープンワールドFPSとして、両社の良さを活かした作品となった。
「RAGE 2」は日本語字幕/音声を収録したフルローカライズとして日本では6月6日に発売となる。今回、この日本語版を冒頭から1時間半ほどプレイすることができた。「RAGE 2」は英語音声も収録されているので、プレーヤーは望んだ環境でプレイできる。筆者は吹き替え音声でのプレイが好きだ。英語音声の雰囲気を活かした吹き替え声優達の熱演は、ゲームに独特の味を加えてくれる。
プレイすることで本作の基本的なストーリーや、ゲームのシステム、進め方、感触を掴むことができた。正直1時間半ではまるで足りず、もうホントにずっとひたすらプレイしたいと思った。面白く、エキサイティングで、そしてドンドンやりこみたくなるゲームである。本作の基本要素と感触を語りたい。
序盤から提示されるオープンワールド要素
「RAGE」では、地球と小惑星の衝突を前に、来るべき地球崩壊に備え“アーク計画”というプロジェクトにより、選ばれた少数の人々をアークと呼ばれるシェルターによって退避させた世界である。しかし人々は滅んでいなかった。生き残った人々は崩壊した世界で独自の社会を打ち立てた。彼らにとって旧世界の遺産「アーク」は宝の山だった。
「RAGE 2」で主人公は、アークによって目覚めた人々を中心とし過去の技術を守る組織「レンジャー」に所属している。しかし、アークとその遺産をによって旧人類抹殺を画策するミュータントを中心とした敵の組織「オーソリティー」が再び活動を開始、人類に牙をむいたのだ。
プレーヤーはその襲撃で壊滅するレンジャーの基地のただ中に放り込まれる。オーソリティーのリーダー・クロス将軍は、レンジャーの基地を壊滅させ、リーダーであるブローリーを目の前で殺されてしまう。しかしブローリーは死の前にオーソリティーに対抗する「プロジェクト・ダガー」という計画を立てていた。この計画を進めるのはプレーヤーであるウォーカーだけだ。ウォーカーは基地から荒廃した世界へと旅立っていく。
ウォーカーはアークに収容されていた人間の数少ない生き残りだ。彼(彼女)は、アークを発見することで体内のナノマシンを活性化させ様々な能力を獲得できる。最初に覚えるのはダッシュ、瞬間的に加速をすることで敵の攻撃を避けたり、接近したりできる。
「RAGE 2」はやはりFPSとしての楽しさが大きい。「DOOM」シリーズでの“ギリギリのエキサイティングな戦い”にこだわったid softwareならではのドキドキさせられる体験ができる。敵のAIは狡猾で、しかもこちらを取り囲むように、積極的に攻撃をしてくる。プレーヤーは敵に囲まれないように動き回り、積極的に攻撃を行なって敵を倒していくことを求められる。
投擲武器の「ウィングスティック」やグレネードも活用し、敵を連続で倒すことで「オーバーライド」が発動できる。このオーバーライドを発動すると視界に鮮やかなピンクのフィルタがかかり、攻撃力が倍増、体力も自然回復し無敵気分に酔える。
そしてゲームを進めていくと様々なスーパーパワーを発揮できるようになる。いくつかの能力は早い段階で獲得でき、そして強力にパワーアップできる。ドカドカ撃ってくる敵を相手に、ダッシュや2段ジャンプを駆使して肉薄、マシンガンやショットガンで敵をズタズタにし、スーパーパワーで吹っ飛ばす。積極的に前に出て、敵を殲滅する楽しさ。それこそが「RAGE 2」の大きなセールスポイントだ。
そしてもう1つが「自由度」である。「プロジェクト・ダガー」はこの世界の3人の有力者の協力を得なくてはならない。彼らに会いクエストをこなすことでプロジェクトは進んでいく。また、各地にある「アーク」を訪ねることでウォーカーはスーパーパワーを得ることができる。この他各地には多彩なサブクエストがある。「RAGE 2」の世界は荒廃しており、トゲのついた衣装に身を包んだパンクな略奪者達が付近の建物を占拠し、襲いかかってくるのだ。
「RAGE 2」ではこういった要素が一気に解放される。プレーヤーはクエストを進めるか、アークを攻略するか、当てもなく荒野を走るかすべてが自由な世界にいきなり放り出される。能力のアップグレードや、武器の所持数の増加、クラフト、ビークルのアップグレードなど様々なこともいきなり可能となっている。この自由度の高さはAvalanche Studiosの強みだ。筆者のようなオープンワールドが好きなプレーヤーにとっては、暴れ回ることができる広大な「遊び場」にワクワクさせられる。
プレーヤーはまず能力アップを最優先にするも良し、まんべんなく進めていくのも良い。もちろん難易度があるためある程度は選択肢が限られてくる。しかしこの「君の好きなところから始めるが良いさ!」という強烈なメッセージは大きな魅力だ。広大な「RAGE 2」の世界にどんな冒険が待っているか、キャラクターをどう強くするか、マップを見て想像がふくらんでいくのは、「RAGE 2」の大きな魅力だ。
撃って、殴って、吹き飛ばせ! 戦いはドンドン激しく!
ここからはより具体的に筆者が体験したコンテンツを紹介していこう。「RAGE 2」の世界「ウェイストランド」は非常に広大であり、プレーヤーキャラクターであるウォーカーはビークルに乗ってこの世界を旅していく。
フィールド上は様々な勢力の人々がいる。スタート地点周辺ではパンクな衣装の略奪者達がガスステーションなど施設を支配している。道路にシャッターを設置し道をふさいでいるところもあるし、「アーク」を占拠している場合もある。
彼らとの交渉はできない。問答無用で襲いかかってくる。常に積極的に動き、敵を蜂の巣にし、接近攻撃を加えて倒していく。敵はアーマーに身を包んでいる場合もあり、集中攻撃をしてアーマーを剥がしていかなくてはならない。スーパーパワーの「シャッター」で吹き飛ばすのも有効だ。敵はグレネードを投げてきたりかなり狡猾である。
彼らとの交渉はできない。問答無用で襲いかかってくる。常に積極的に動き、敵を蜂の巣にし、接近攻撃を加えて倒していく。敵はアーマーに身を包んでいる場合もあり、集中攻撃をしてアーマーを剥がしていかなくてはならない。スーパーパワーの「シャッター」で吹き飛ばすのも有効だ。敵はグレネードを投げてきたりかなり狡猾である。
「目標物の破壊」、「アークの奪還」など各ポイントでは目的が提示されている。注意したいのは目的をクリアした後、戦いの騒ぎが敵を引きつけるのか、再び敵と遭遇するようになっているところだ。「RAGE 2」は弾薬や回復薬をかなり消費しながら戦うバランスで、その分アイテムボックスなどの探索が楽しいのだが、敵の拠点に攻め込む前に各種アイテムは補充しておきたいところ。早い段階で「プロジェクト・ダガー」の3人のうち1人には会いに行き、街の場所を覚え、そこで買い物をしてアイテムを補充するのが良いだろう。
今回は3人のうちの1人「マーシャル」に会いにいった。彼の街は地下にあるタービン施設がミュータントに襲われ発電量が足りなくなっているというのだ。「プロジェクト・ダガー」を進めるためには、まずマーシャルの信用を得るためにこのミッションをこなさなければならない。またこのミッションでは地下にアークがあり、強力なショットガンも入手できる。
ミュータントは粘液のようなもので地下を自分の巣にしている。また炎を吐き出したり、信じられないくらい大きかったりと、地球上の生物とは思えない存在だ。「RAGE 2」ではこのような敵が存在し、そしてオーソリティーはそういったミュータントのうちの知能を持った集団であり、新しい“人類”なのである。彼らといかに戦っていくのか、プレーヤーはウォーカーとなって世界を探索し、そしてこの世界への知識を深めていくのだ。
本作では様々な成長要素がある。こういったミッションをこなしたり、地域の無法者を倒すことで権力者の承認を得ることもできるし、「プロジェクト・ダガー」を前に進めることで“プロジェクトポイント”を得ることもできる。これらのポイントを使うことで能力や装備を強化できる。3人のプロジェクトリーダーは「戦闘能力」、「ビークル」、「スーパーパワー」を強化してくれる。上げたい能力を優先してリーダーとの関係を深めていくのも良いだろう。
商店では弾や回復アイテムの購入の他に「設計図」も買える。設計図があればフィールドにある素材からアイテムを作ることができるようになるし、より強力な設計図を求めるのもゲームのモチベーションとなりそうだ。そして「アーク」である。旧世界の遺産であるアークを見つければ、ウォーカーは新しい能力や武器を獲得できる。フィールドを探索し、様々なパワーアップを行ないながらより強力な敵に挑む。それこそが「RAGE 2」の楽しさなのだ。
PC版ならばEpic Gamesストアですでに英語環境で楽しむことができる「RAGE 2」だが、やはり日本語吹き替えで楽しめるメリットも語っておきたい。「これぞ悪役」という感じのクロス将軍、厳しいながらも頼もしいブローリー、したたかさを感じさせるマーシャルなど吹き替え声優の味がキャラクターに説得力をもたらしている。ミュータントは片言ながら言葉を話しており、これもきちんと日本語になっているのも世界観に厚みを加えている。歯ごたえのある癖の強いゲームではあるが、難易度でイージーにも変えられる。ぜひこの世界に飛び込んできて欲しい。
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