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スーパーパワーでぶっ飛ばせ! 「RAGE 2」体験レポート
激しく戦い、荒野をドライブ! そのイカれた世界が最大の魅力
2019年2月26日 12:00
ベセスダ・ソフトワークスは、「RAGE 2」の体験会を開催した。今回のビルドは1月に欧米で行なわれた体験会と同じ英語版で、キャラクターがある程度のスキルやアイテムを装備している状態でのプレイが楽しめた。
「RAGE 2」は「DOOM」を手がけるid Softwareと「ジャストコーズ」シリーズを開発するAvalanche Studiosによって生み出される。敵とのぎりぎりのやりとり、特殊能力を駆使して戦うFPSと、荒野をカスタムカーで駆け抜け、様々な武器で戦うドライビングアクションが融合した作品となっている。今回はその振り切った形のバイオレンスな爽快感も垣間見え、非常にアクが強い、だからこそ楽しい作品になっているのが確認できた。
今回は1つのミッションでの展開をレポートしていきたい。シリーズを象徴する三つ叉のブーメラン「ウィングスティック」に加え様々な超能力、銃弾、そしてイカれたキャラクターが乱れ舞うと手も強烈なパワーを持つ作品だ。本作の魅力をレポートしていこう。
死のTVショーにデスレース、激しくてハイテンションな戦いに突入せよ!
「RAGE」シリーズの世界観は繁栄を誇っていた地球に巨大隕石が接近、人々は人類絶滅が避けられないと判断し、能力を向上させるナノマシンを埋め込んだ選ばれた人間を人工冬眠で地下深くに避難させた。……しかし人類は滅ばなかった。文明は後退し、人間の数は大幅に減ったものの、人々はかつての文明の残骸を活用し、暴力に満ちた野蛮な社会を築き上げていた。
その混沌とした世界の中で暗躍する組織が「オーソリティ」と呼ばれる集団だ。彼らは崩壊前の技術を秘匿し、この世界を支配しようと活動している。そしてまだ眠っている過去世界の遺物を探し出し、独占しようとしているのだ。主人公・ウォーカーは過去の文明の機器を活用し、オーソリティに対抗しようとする「レンジャー」の1人。彼はオーソリティーと戦うために、この世界を旅していくこととなる。
最初に体験したのが本作のチュートリアル。ウォーカーは体内にナノマシンが入っており、それを活用することで“スーパーパワー”を使うことができる。最初に使えるのは左右に瞬時に移動する「ダッシュ」、敵を衝撃波で弾き飛ばす「シャター」、そして大きく飛び上がり、周囲の敵をまとめて吹き飛ばす「スラム」、さらに敵を引き込むブラックホールのような力場を飛ばす「ボルテックス」の3つだ。
これらの能力はクールタイムがあるが何度でも使える。これらの能力と銃器、さらにブーメランのウィングスティック、そして手榴弾などを活用して戦っていく。これらスーパーパワーを組み合わせることができれば、敵を思うままに翻弄する、スピーディーでパワフルな戦いができる。「RAGE 2」のウリはこの攻撃の組み合わせによる爽快感だ。紹介ムービーでは様々なテクニックが紹介されている。実戦で使えるように練習したくなる。
今回はゲームの最初からではなく、ある程度能力やアイテムを持った状態からスタートした。今回の舞台は前作でも登場した街「ウェルスプリング」が登場する。前作から30年の月日が過ぎており、前作に登場した少女「ルーサム」が市長になっており、ウォーカーは彼女の依頼を受けてミッションを進めていく、というのが今回の体験会で体験できたストーリーだ。
最初に車に乗って短い距離で荒野を走り、ウェルスプリングに到達する。用心棒達に疑惑の目を向けながら入り口で問答していると、“敵”の襲撃にあう。町として人が集まっていても安全ではなく、ならず者達が侵入し、戦いが始まる。この世界は混沌が支配しており、人が寄り集まって生きている街はならず者達にとって宝の置き場所だ。主人公・ウォーカーは市長室に急ぎ、ルーサムを助けるべく奮戦する。
ここで初めての“実戦”となる。「RAGE 2」はFPSだが、壁に隠れて撃ち合うより、積極的に前に出てガンガン戦うタイトルだと感じた。スーパーパワーは使いやすく、ボルテックスで敵をひるませ、アサルトライフルやショットガンの銃弾で打ち倒していく。敵に肉薄したらシャッターで吹き飛ばし、複数の敵がいればスラムだ。敵の数が多いと感じたら物陰に隠れて一瞬やり過ごす。
ウィングスティックは目の前の敵に向かって投げることで一撃で敵の首を切り落とす凶悪な武器だ。ボルテックスはうまくいけば複数の敵を巻き込め、しかも巻き込まれた敵は吸い寄せられている間無防備なので銃弾を集中させられる。また体力が減ったときは回復アイテムで瞬時に回復させられる。体験版としてバランスも調整されているようで、激しく、エキサイティングな戦いが楽しめた。
ウォーカーの活躍で敵は撃退。ルーサムから依頼を受ける。この街には前市長の息子「クレッグ」がいて、今でもこの街で存在感を持っている。ルーサムは彼の調査をして欲しいと依頼してきたのだ。彼に近づくためには「ミュータント・Bash TV」と「チャズカー・ダービー」という危険な競技に勝たねばならない。この2つの競技で成績を残すことで、クレッグの信用を得ることができるという。
街を出てそれぞれの場所に向かう。「RAGE 2」はオープンワールドアクションである。広大な地域に様々な施設が存在しており、ウォーカーは愛車でそれらに向かう。道中はけっして安全でなく、ならず者達に襲われることもある。愛車には武器も搭載されており、これらで戦ったり、車から降りても戦える。
ミュータント・Bash TVは、本作の空気を象徴する場所と言える。ここでは挑戦者は襲いかかってくるミュータントと血まみれの戦いを繰り広げる。その戦いはTVで放映され、この時代の人達の娯楽になっている。
このTVを取り仕切っているのは太ったおばさんで、妖艶でパワフル。そしてここの小間使いや襲いかかってくるミュータントまで、このおばさんのマスクをかぶっているのだ。そのマスクはとてもデカく、気味が悪い。美女と思わしい女性にしわのある獰猛な笑顔を浮かべるおばさんマスクが乗っかっているのは悪趣味きわまりない。
そして戦いは苛烈だ。ミュータント達は四方八方から襲いかかってくる。彼らの動きは俊敏で視界をめまぐるしく移動する。その素早い動きに対抗するためこちらも動き回って戦わねばならない。戦いが進むごとにステージが代わり、振り子のように揺れる鉄球や、刃物のついた手足が回転するクマの人形などトラップも加わってくる。ハイテンションで過激な戦いが展開するのだ。
このミュータント・Bash TVの面白いのは、勝者が華々しく祝福されるところ。マスクをつけた美女?達がウォーカーを祝福するのだが、マスクをつけたママなのでかなり気味が悪い。しかもTVの収録が終わった瞬間に冷め切った姿で離れていき、渡されたトロフィーも回収される。このカメラが離れた瞬間のギャップも面白い。いかにも作り物めいていてブラックな感じだ。
チャズカー・ダービーもまた濃い感じの世界観だ。トゲをつけたり装甲で覆われたボディのバギー達が激しく車体をこすりながらレースを繰り広げる。車にはブースト機能があり、これで一時的な加速を行なう。コースはジャンプ台あり、分かれ道あり、他の車と激しいバトルを繰り広げる。
最初のレースだったためか難易度そのものは高くなかったが一瞬でも気を取られると追い抜かれてしまう。ぎりぎりの戦いが楽しめた。今回はクレッグに会うための挑戦だったが、チャズカー・ダービー、ミュータント・Bash TVは今後も挑戦できるという。さらに難しく、過激になり、稼げる金も変わってきそうである。
フィールドでは他にも様々なイベントがある。ならず者達に占拠されている場所では奪取することで様々なリソースが得られる。多くの敵が待ち構えているところに単身飛び込むので注意したいところだ。この他にも様々なところがあり、「アーク」と呼ばれる遺跡では、崩壊前のガジェットやナノマシンが入手できる可能性がある。ナノマシンを手に入れられれば、新たなスーパーパワーを得ることも可能だという。
今回はレイダーが占拠している拠点に突撃してみた。敵は中々強く油断をしていると倒されてしまう。倒されると襲撃前に戻されてしまうので、慎重に、そして積極的に攻撃を行なうのが良いと感じた。体力が減ったときはすぐさま回復を行なうのも忘れないようにしたい。結構こちらの攻撃力が高いので攻撃に注意が向かいがちなのだ。
そして2つのミッションを完了すると前市長の息子クレッグとの邂逅となる。クレッグはデブでイキっていて、金に物を言わせて仲間を集めている男だ。ルーカスは屈託なくこちらに話しかけ、自分の部屋にウォーカーを招き野望を話す。隙を見てウォーカーはクレッグのPCに盗聴装置を仕掛けるが……。
全ては罠だった! クレッグはすでにオーソリティと通じていたのだ。ウォーカーは罠にはまり、巨大ミュータントの前に放り出されてしまう。この巨大ミュータントがデカイ! ここではダッシュを多用して敵の攻撃をかわしつつ戦う必要がある。今回体験した中ではかなりの難易度で、何度か倒されながらやっつけることができた強敵だった。この巨大ミュータントを倒すところで、今回の体験会は終了となった。
「RAGE 2」はまずこの振り切った感じのパンクな世界観が魅力だと感じた。多くのキャラクターが陽気で、はじけている。世界は危険だし、人類は生存を脅かされているかもしれないが、人々はパワフルに生きぬいている。それは過激な暴力に向かう場合もあるが、そのエネルギーには圧倒される。そしてそういう凶暴な悪役をガンガンぶっ飛ばすのが楽しいのだ。
ナノマシンによるスーパーパワーは無敵気分を体験させてくれる。ウォーカーの腕の一振りで敵が吹っ飛び、ボルテックスで吸い上げられる。そのチャンスを活かし銃弾をたたき込む攻撃は戦いのテンションを高めてくれる。特にミュータント・Bash TVはトラップを活用して敵を倒したときなどは「オレってうまいかも!」という気分にさせてくれる。全体的にプレーヤーが暴れ回れるバランスになっており、とても楽しかった。
チャズカー・ダービーはちょっと動きがもっさりしていると感じたが、それが激しいバギーレースに合っている。一瞬の隙が命取りのシビアなレースではなく、抜きつ抜かれつ、バンバン車をぶつける本作らしいレースだ。今回は体験できなかったがフィールド上の車両戦闘も用意されている。Avalanche Studiosはワーナーの「マッドマックス」も手がけたことがある。車両の戦いでどのような要素を盛り込んでいくか、そしてオープンワールド要素も気になるところである。
「RAGE 2」はまだ日本での発売日は決定していないが、欧米での5月14日からそれほど間をあけずに発売したいとのこと。今回プレイしたのは英語版だが、日本語テキスト/日本語音声のフルローカライズ作業が進行中だという。本作はアクの強いキャラクター、そしてハイテンションな世界観がウリである。ベセスダならではの世界観を活かした吹き替えにも期待したい。特にミュータント・Bash TVは楽しみだ。今後日本語版の情報なども発信されていくと言うことで、注目していこう。
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