インタビュー

期待の声が徐々に増加。「アサシン クリード シャドウズ」開発者インタビュー

光と影や天候変化“生きている日本の情景”に「きっと没入できるはず」

【アサシン クリード シャドウズ】

3月20日 発売予定

価格:
スタンダードエディション/9,790円
デジタルデラックスエディション/12,540円

「アサシン クリード シャドウズ」クリエイティブディレクターのジョナサン・デュモン(Jonathan Dumont)氏(左)と、「アサシン クリード」ヴァイスプレジデント エグゼクティブプロデューサーのマーク・アレクシ・コテ(Marc-Alexis Cote)氏(右)

 3月20日の発売が迫ってきたユービーアイソフトのはアクションアドベンチャー「アサシン クリード シャドウズ」。今回、本作開発者にあらためてインタビューする機会を得られたので、その模様をお送りする。

 インタビューに応えてくれたのは、「アサシン クリード シャドウズ」クリエイティブディレクターのジョナサン・デュモン氏と、同ヴァイスプレジデント エグゼクティブプロデューサーのマーク・アレクシス・コテ氏。

 「アサシン クリード シャドウズ」は、ステルスアクションアドベンチャーとして長い歴史を誇る同社の「アサシン クリード」シリーズ最新作。本作は、その舞台を戦国時代の日本に設定している。アクションスタイルの異なる「藤林奈緒江」と「弥助」の2人の主人公を据え、ストーリーを多角的な視点で描く意欲作となっている。

 発売前よりいろいろな意味で大きな話題となっている本作の開発者が、発売前に来日し、開発への思いについて語ってくれた。

アサシン クリード シャドウズ
【【日本語吹替版】『アサシン クリード シャドウズ』 - ストーリートレーラー】

どこが史実でどこがフィクションなのかを比較しても楽しめる

――3月20日に発売を控え、新たなPVが続々配信され、体験プレイの動画や記事なども公開されまして、タイトルに期待する声も増えてきたように思えます。開発チームの皆さんはそれらをどう受け止めていますか?

コテ氏:タイトルを発表してから、ファンの皆さんからのフィードバックはずっと気にしていて、厳しい言葉や評価は真摯に受け止めつつ、ポジティブな声が出てきたことはとても励みになります。

 ダイナミックなゲームプレイや戦闘、背景や演出などを順を追ってに披露して、どんなゲームなのかが少しずつ見えてきて、それが現在の皆さんの期待に繋がっています。我々としても残る開発スケジュールも引き続きベストを尽くしたいと思いました。


2月6日には京都にて発表イベントを開催した

――その一方で、やはり日本文化の描き方に対する懸念が上がっている事実もあります。この点について開発チームの考えなどがありましたらお話しください。

デュモン氏:開発チームは⽇本の⽂化や歴史について⽇々研究を重ね、それを最⼤限リスペクトしつつ、謙虚な姿勢をもってシャドウズの開発にあたりました。ストーリーを交えて本作独自の世界観を構築するというのが、本作で我々が目指したことです。ゲームを実際にプレイいただくことで、この世界観をお楽しみいただけるのではないかと期待しています。

――「アサシン クリード」と日本を融合したストーリー作りにはどのようなこだわりがあるのでしょうか。

コテ氏:まずは「アサシン クリード」シリーズ全体において、本作がどの位置になるかを考え、そこからベースとなるストーリーを考えました。そこに、日本の歴史で起きた出来事や人物なども取り入れて、「アサシン クリード シャドウズ」の世界観を作りあげました。

 純粋にストーリーを楽しんでいただいてもいいですし、そこから歴史に興味を持っていただいて、どこが史実でどこがフィクションなのかを比較していただくのも楽しいと思います。

デュモン氏:日本の歴史は私達にとって本当に興味深いもので、その時代を代表する人物をキャラクターとして登場させつつ、奈緒江と弥助という2人の主人公を据えて、異なった視点でストーリーを立体的に体験できるのがこだわりのポイントだと思います。



戦国時代の風景の描かれ方に注目だという


【「アサシン クリード シャドウズ」京都の景色を眺める】

――長く続けてきたシリーズの最新作ということで、シリーズとして残すべきところと、新作として新しくしたところはどこでしょうか。

コテ氏:コンセプト的には過去作品と新作を融合した面白さを目指しました。それを象徴するのが、先ほどの2人の主人公の存在です。奈緒江のパートには従来のステルスアクションを取り入れて、最新作としては、ダイナミックな戦闘を楽しむため弥助のパートを用意したんです。

 テクノロジー側では、現行で最新のゲーム機やPCのスペックの可能性を最大限まで活かすために、フィールド上での光と影の表現や天気によって刻々と変わっていく情景は特に力を入れています。それは奈緒江のステルスプレイなどにも影響します。


弥助(左)と奈緒江(右)

――ゲーム本編のプレビューなどで、織田信長や黒田官兵衛、宇喜多直家など実在した武将が登場していますが、他にはどのような武将が登場するのでしょうか。

デュモン氏:現在公表している人物のこと以外はまだお話しできませんが、信長、秀吉、家康の時代に活躍した武将は他にも登場します。また武将に限らず、歴史に存在した面白い人物にも出会えると思いますので、楽しみにしていてください。

――弥助の鎧がかなり派手だということがユーザー間で話題になっていますが、そのデザインポイントを教えてください。

デュモン氏:デザインもやはりゲームをプレイした時の感覚に重きを置いて設定しています。弥助であれば豪快で重みのあるアクションを体現する鎧で、奈緒江は忍者でありアサシンですから動きが柔らかく、しなやかに動く着物というイメージです。それぞれの別の装備や道具などもゲームプレイを優先にしたデザインとなっています。

コテ氏:彼らの衣装については、身に着けている布の折り方や滑らかさ、そして素材の美しさやアクションと連動した動きなどの表現にもこだわっていますので、そこは見ていただきたいところですね。

デュモン氏:2人の衣装はPVなどでご覧いただけるものだけでなく、それぞれカスタマイズができるので、弥助も鎧だけではなくもっと軽めの装備なども自由に選べるようになっています。

――カスタマイズは見た目だけのものですか? それともゲームにも影響するんですか?

デュモン氏:基本的にはゲームに影響するものですね。服装によって見た目だけではなくステータスに変化が起こったりもするので、着替える意味は大きくなっています。


衣装は何種類もあり、カスタマイズできるという

――奈緒江と弥助の2人の主人公がいることで、ゲームはどのような流れで進んでいくのでしょうか。

デュモン氏:ゲームの流れとしては、最初は奈緒江と弥助それぞれのストーリーを体験するためのミッションが存在しています。ここを過ぎると、原則として自由にキャラクターを選んで進められるようにしています。ほとんどのクエストはメインとサブにかかわらず、どちらでも進められます。

 ゲームの根本のデザインが、オープンワールドで自由に進めるというものなので、ステルスアクションが好きなら奈緒江をメインに、豪快に戦って進めたいなら弥助をメインに、というふうにプレイスタイルや気分で選べますし、仮に一方のキャラクターだけに集中してゲームを進行したとても、もう一方のキャラクターが不利になったりするようなペナルティもないので、安心して楽しんでください。

――本作で「アサシン クリード」を初めて遊ぶ人への見どころやポイントを教えていただけますか。

デュモン氏:今回はある意味、最初にプレイするにはふさわしい内容だと思っています。シリーズ恒例のステルスアクションは奈緒江を選ぶことで楽しめますし、敵と正面から戦って倒していくアクションなら弥助がいますので、ゲームとしての間口はこれまでより広いかもしれません。

 世界についても、現代の最高のテクノロジーを踏襲した表現方法でオープンワールドの日本を描いていますので、本作の没入感はぜひ体験していただきたいです。


シリーズのなかでも「間口が広い」内容になったという

――難易度はいかがでしょうか。最近はあえて難しいゲームも増えていますが。

デュモン氏:難易度は細かくカスタマイズできますのでご安心ください。単純にイージーやハードという概念だけでなく、例えば奈緒江のステルスプレイ時に敵がより敏感になって見つかりやすくなったり、探索の際にデフォルトでは表示されない目的地の場所を表示させるようにしたり、プレイスタイルや腕前に準じたカスタマイズが可能ですので、好みの設定でプレイしていただけると思います。

――最後にゲームの発売に向けて、メッセージをいただけますか。

デュモン氏:まずはファンの皆さんに、本作に対する私達の熱意をゲームをプレイすることで味わっていただきたいです。先ほどもお話ししたように、日本を舞台とした「アサシン クリード」を作るにあたり、日本の戦国時代について常にリスペクトしながら学んで、エンターテインメント作品として楽しめる世界観とストーリーのある作品として完成させました。

 またオープンワールドも現世代のゲーム機におけるテクノロジーをフルに活用した表現で作っています。天気や環境は常に変わっていって、それによってゲームの体験も変わりますので、“生きている日本の情景”を楽しんでください。

コテ氏:私も伝えたいことは彼と同じです(笑)。ゲームを遊んでいただければ、その世界観にはきっと没入できますので、ぜひ遊んでみてください。

――ありがとうございました。


「没入感」に自信あり! ぜひその体験に期待したい